ファイアウォールの費用を構成する項目
ファイアウォールとは、社内ネットワークと外部の通信を監視し、許可した通信だけを通す仕組みです。費用は複数の項目に分かれており、それぞれの扱いが製品や事業者によって異なります。まず内訳を把握しておきましょう。
導入時にかかる費用
導入時には、機器の代金に加えて、設置と初期設定の作業費が発生する場合があります。作業費は、既存のネットワーク構成の複雑さや、切り替え作業を行う時間帯によって変わることがあります。夜間や休日の作業を依頼する場合は、事前に条件を確認しましょう。
また、既存の機器から設定を移行する作業や、導入前の現状調査が別途見積もりになるケースもあります。見積もりを依頼する際は、どこまでが金額に含まれるかを項目ごとに確認してください。自社で実施する作業と、事業者へ依頼する作業の線引きをはっきりさせると、後から追加費用が生じる状況を避けやすくなります。
継続的にかかる費用
継続費用の中心になるのが、ライセンス費用と保守費用です。通信の中身を確認する機能や、不正なプログラムを検知する機能は、年単位のライセンス契約で提供される形が一般的です。ライセンスが切れると、その機能だけが停止する場合があります。
保守費用には、障害時の問い合わせ対応や機器の交換が含まれます。契約の等級によって、交換品が届くまでの時間や対応時間帯が変わります。24時間対応と平日日中のみでは金額に差が出るため、自社の業務時間と照らして必要な水準を選びましょう。契約期間の途中で等級を変更できるかも、あわせて確認しておくと安心です。
見落としやすい費用
見積もりの比較で差がつきやすいのが、後から発生する費用です。利用者数が増えた際の追加ライセンス、拠点を増やす際の機器追加、契約更新時の金額改定などが該当します。導入から数年先まで見通した比較が有効です。
このほか、通信量が増えて機器の性能が不足した場合の入れ替え費用や、社外から接続する仕組みを別途契約する場合の費用も検討材料になります。また、運用にかかる自社の人件費も広い意味では費用の一部です。設定変更やログ確認にどれだけの時間を要するかは、製品によって差が出る可能性があります。
提供形態で変わるファイアウォールの費用
ファイアウォールは、自社に機器を設置する形態と、クラウド上のサービスとして利用する形態に大きく分かれます。費用の発生の仕方が異なるため、比較する際は前提をそろえる必要があります。
機器を設置する形態の費用の考え方
機器設置型では、導入時にまとまった支出が発生し、その後はライセンスと保守が継続します。資産として計上するかどうかは契約形態や会計処理によって異なるため、経理部門へ確認しておくとよいでしょう。
この形態では、機器の性能をあらかじめ選ぶ必要があります。余裕を持たせすぎると初期費用が膨らみ、控えめにすると後から入れ替えが必要になる可能性があります。想定する従業員数の伸びを3年から5年の範囲で見込み、その条件でベンダーへ機種を提案してもらう進め方が現実的です。保守期限も確認し、更新の時期を予算計画へ組み込んでおきましょう。
クラウド型サービスの費用の考え方
クラウド型では、利用者数や拠点数、通信量に応じた月額または年額での契約が中心です。初期の支出を抑えやすい一方、利用が増えるほど継続費用も増えていきます。長期で見た総額は、契約条件によって機器設置型と逆転する場合もあります。
比較する際は、料金の算定基準を確認しましょう。利用者1人あたりなのか、拠点あたりなのか、通信量に応じるのかで、自社にとっての金額は変わります。あわせて、最低契約期間、途中解約の条件、利用者数を減らした場合の扱いも確認しておくと、条件が変わった際に対応しやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でファイアウォールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ファイアウォールの費用を抑える進め方
費用を抑えたい場合、金額の安さだけで選ぶと、必要な機能が不足したり運用の手間が増えたりする可能性があります。条件を整理してから比較する進め方を紹介します。
必要な機能を絞り込む
費用の差は、有効にする機能の数によって生まれる部分があります。まず、自社にとって必要な機能と、あると望ましい機能を分けて整理しましょう。すべての機能を初めから契約するのではなく、段階的に追加できるかを確認する方法もあります。
整理する際は、守りたい対象と想定する事態を具体的に書き出すと判断しやすくなります。社外から社内システムへ接続する必要があるか、公開しているWebサイトを守る必要があるか、拠点間で通信する必要があるかといった条件によって、必要な機能は変わります。判断に迷う項目は、情報システム部門やベンダーへ相談してください。
複数社から条件をそろえて見積もりを取る
見積もりを比較する際は、同じ前提条件を各社へ提示することが大切です。従業員数、拠点数、社外から接続する人数、必要な機能の一覧、希望する保守の水準を書面にまとめて渡すと、比較しやすい形式の回答を得やすくなります。
受け取った見積もりは、初期費用と年間費用に分けたうえで、3年から5年の総額に換算して並べると差が見えてきます。金額だけでなく、設定作業をどちらが行うか、サポートの範囲がどこまでかも一覧に加えましょう。項目がそろっていない見積もりは、追加で確認して条件を補ってから比較してください。
無料トライアルや無償製品の扱い
費用を検討する過程では、試用の機会や無償で使える製品も選択肢に挙がります。それぞれ確認しておきたい条件があります。
無料トライアルを活用する
製品によっては、一定期間の試用や検証機の貸し出しが用意されている場合があります。試用できるかどうか、期間や条件はベンダーへ直接確認しましょう。実際に管理画面を操作すると、資料だけでは分からない使い勝手を確認できます。
試用する際は、確認する項目をあらかじめ決めておくと成果が出やすくなります。日常的に行うルール追加の手順、ログの検索方法、通知の設定、レポートの出力形式などが候補です。本番のネットワークで試す場合は、業務への影響を避けるため、検証用の環境で実施するか、情報システム部門と実施方法を調整してください。
無償製品を業務で使う場合の注意
個人向けに無償で提供されているソフトウェア型の製品もありますが、法人での利用が許可されているかはライセンス条件によって異なります。業務で使う前に、利用規約の該当箇所を確認しましょう。
また、無償の製品では問い合わせ窓口や保守が提供されない場合があります。障害が起きたときに自社だけで対応できるか、対応できる人がいない場合にどうするかを、導入前に考えておく必要があります。扱う情報の重要度や、通信が止まったときの業務への影響を踏まえて、有償の製品と比較検討することをおすすめします。
費用対効果を判断する材料をそろえる
金額の比較だけでは判断が難しいため、得られる効果や削減できる手間とあわせて考えます。ここでは検討の材料になる項目を整理します。
従業員50名規模で確認したい見積もり項目
下表は、従業員50名前後の企業がファイアウォールの年間費用を試算する際に、見積もりへ含めておきたい項目を整理したものです。金額は構成や契約条件によって変わるため、各社から条件をそろえた見積もりを取得して確認してください。
| 費用項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 機器またはサービス利用料 | 算定基準(利用者数・拠点数・通信量)と契約期間 |
| 機能ライセンス | 対象機能の範囲、更新周期、更新時の金額改定の有無 |
| 保守契約 | 対応時間帯、交換品の到着目安、等級変更の可否 |
| 初期設定・切り替え作業 | 作業範囲、実施時間帯、既存設定の移行対応 |
| 社外接続の仕組み | 標準搭載か追加契約か、同時接続数の上限 |
| 運用支援 | 依頼できる作業の範囲、月あたりの依頼回数の上限 |
費用と手間の両面から比べる
費用対効果を考える際は、金額に加えて自社が費やす時間も比較の対象にしましょう。設定変更やログ確認、レポート作成にかかる時間は製品によって差が出る可能性があります。試用の機会があれば、実際の作業時間を計測しておくと判断材料になります。
また、通信が止まったときの業務への影響も検討材料です。復旧までの想定時間と、その間に発生する損失を概算しておくと、保守の水準を選ぶ際の根拠になります。金額の低さだけで判断せず、必要な機能と運用のしやすさを含めた総合的な比較検討を進めてください。
費用の条件を比べたいファイアウォール
機器を購入する形とサービスとして利用する形では、支出の発生の仕方が異なります。条件をそろえて比べる材料としてご覧ください。
MRB-Cloud
- 常時最新のセキュリティを提供。ソフトの導入や定義の更新は不要
- 3つのインバウンドセキュリティで外からの脅威を防御します
- 外出先でも安全に通信可能でリモートワークにも対応します
株式会社アンペールが提供する「MRB-Cloud」は、クラウド型のUTMサービスです。専用の機器を用意せず、既存のルーターから接続するだけで利用を始められます。アンチウイルスやWebフィルタリング、不正侵入の検知と防御に対応し、定義ファイルの更新を自社で行う必要がない点も運用の負担を抑える材料になります。
ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ
- 業界最多クラスのセキュリティ機能の中から独自のカスタムが可能
- 管理者負担軽減!導入から運用、保守まですべて一括対応
- 24時間365日の障害検知・切り分けから復旧対応までサポート!
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ」は、ファイアウォールの構築から運用、保守までを担うUTM製品です。アンチウイルスやアンチスパム、Webフィルタリング、不正侵入の検知と防御といった機能を備えています。24時間365日の障害検知から復旧までの対応が含まれるため、専任の担当者を置きにくい企業でも運用を続けやすい構成です。
次世代ファイアーウォール月額サービス スタンダード (JBCC株式会社)
- 次世代Firewallをセキュリティ運用監視サービス付きで月額提供
- 機器のメーカーは選択可能(Paloalto、Fortigate)
- 監視含む、ゲートウェイセキュリティの運用はプロにおまかせ
FWX120 (ヤマハ株式会社)
- 20,000円/年の低コストでメールセキュリティも利用可能!
- 複数運用方式のURLフィルターで的確な制限効果を実現!
- 直感的に不正を判断できるセキュリティアドバイス機能!
ファイアウォールに関するFAQ
ファイアウォールの費用について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: ファイアウォールの料金相場は公開されていますか?
- 構成や契約条件によって金額が大きく変わるため、公開価格が示されていない製品もあります。自社の条件を提示して複数社から見積もりを取り、比較する方法が確実です。
- Q2: クラウド型のほうが安く済みますか?
- 初期費用は抑えやすい傾向がありますが、利用規模や契約年数によっては総額が逆転する場合もあります。3年から5年の総額に換算して比較することをおすすめします。
- Q3: ライセンスを更新しないとどうなりますか?
- 製品によって扱いは異なりますが、通信の中身を確認する機能など一部の機能が停止する場合があります。更新しない場合の動作を、契約前にベンダーへ確認しておきましょう。
- Q4: 無料トライアルはどの製品でも利用できますか?
- 提供の有無や期間、条件は製品ごとに異なります。試用や検証機の貸し出しに対応しているかは、資料請求時に直接確認してみてください。
まとめ
ファイアウォールの費用は、機器やサービスの利用料だけでなく、ライセンス、保守、設定作業、そして運用にかかる自社の時間まで含めて比較すると判断しやすくなります。機器設置型とクラウド型では支出の発生の仕方が異なるため、3年から5年の総額に換算して並べるとよいでしょう。自社の条件を整理したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。

