ファイアウォールの評判を判断材料にする考え方
ファイアウォールとは、社内ネットワークと外部の通信を監視し、許可した通信だけを通す仕組みです。評判の良い製品が自社にあうとは限らないため、情報の扱い方を先に整理しておきましょう。
評判が示していることを確認する
評判に関する情報は、多くの企業が選んでいるという事実や、ある基準での評価結果を示すものです。自社の業務内容や拠点構成にあうかどうかまでを示すものではありません。まず、その情報が何を測ったものかを確認しましょう。
例えば、大企業での導入が多い製品は、大規模な環境で使われる機能が充実している可能性があります。一方で、そうした製品は設定項目が多く、専任の担当者がいない企業では運用の負担が大きくなる場合もあります。評判は候補を絞り込む入り口として使い、最終的な判断は自社の条件と照らして行う進め方が現実的です。
情報の出どころと時期を確認する
製品に関する情報は、調査会社が公開するもの、ベンダー自身が公表するもの、利用者が投稿するものに分かれます。それぞれ集計の方法や対象が異なるため、比較する際は同じ種類の情報同士で並べるとずれが小さくなります。
あわせて確認したいのが、情報が公開された時期です。製品の機能や提供形態は更新されるため、数年前の評価が現在の内容と一致しない場合があります。調査資料を参照する際は、調査の実施年、対象の国や地域、対象とした企業規模を確認しましょう。出典が明示されていない情報は、比較の根拠として扱わないほうが安全です。
ファイアウォールのシェアや導入社数の読み方
市場での広がりを示す情報は、候補を絞り込む際に使われます。ただし、集計の条件によって順位が変わる点に注意が必要です。
シェア情報を読む際の注意点
シェアは、金額を基準にするか出荷台数を基準にするかで結果が変わります。高価格帯の製品は金額基準で上位に出やすく、小規模向けの製品は台数基準で上位に出やすい傾向があります。どちらの基準かを確認しましょう。
また、対象とする地域も重要です。世界全体を対象とした調査と、日本国内を対象とした調査では結果が異なる場合があります。自社が求める条件に近い区分の資料を選ぶと、参考にしやすくなります。調査資料は有償で提供されるものも多いため、ベンダーが引用している場合は、引用元の調査名と実施年を確認してください。
導入社数や導入事例の読み方
導入社数は、製品の利用の広がりを示す情報です。ただし、集計の対象期間や、無償版を含むかどうかで数字が変わります。累計なのか現在の契約数なのかも、確認しておきたい点です。
事例を参照する場合は、自社と条件の近い事例を選ぶと参考になります。従業員数だけでなく、業種、拠点数、社外勤務の割合が近いかを見ましょう。上場企業での導入が紹介されている事例では、どのような要件を満たすために選ばれたかが記載されている場合があります。導入の背景まで読み取れる事例は、自社の要件整理にも役立ちます。
ファイアウォールの第三者評価の読み方
製品の性能や検知に関する評価を、独立した機関が実施して公表する場合があります。技術的な比較材料として使えますが、条件の確認が欠かせません。
評価機関の資料を確認する
第三者機関による評価では、一定の条件下で複数製品を同じ手順で試験し、結果を公表する形が一般的です。試験の条件、対象とした製品の型番、実施時期が資料に記載されているかを確認しましょう。
試験に用いられる条件は、実際の業務環境とは異なる場合があります。特定の機能を有効にした状態での結果なのか、無効にした状態なのかによっても数値は変わります。資料を参照する際は、結論の部分だけでなく、試験条件が書かれた箇所まで目を通してください。評価に参加していない製品もあるため、掲載がないことが品質を示すわけではない点にも注意が必要です。
認証や適合の表示を確認する
製品によっては、特定の基準への適合を示す認証を取得している場合があります。官公庁との取引や、業界の指針への対応が求められる企業では、確認項目に含まれることがあります。
確認したいのは、認証の対象が製品全体なのか特定のモデルなのか、取得した時期はいつか、現在も有効かという点です。認証を取得していることと、自社の要件を満たすことは別の話であるため、要求される項目の一覧と照らして判断しましょう。判断に迷う場合は、情報システム部門や専門事業者へ相談してください。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でファイアウォールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ファイアウォールの口コミや利用者の声の読み方
実際に使っている担当者の声は、資料からは分かりにくい運用面の情報を含みます。ただし、投稿者の環境によって評価が分かれる点を踏まえて読む必要があります。
評価が分かれる理由を踏まえて読む
同じ製品でも、専任の担当者がいる企業と兼務の担当者しかいない企業では、使いやすさの評価が変わります。設定の自由度が高い製品は、細かく作り込みたい企業では高く評価され、手早く導入したい企業では負担と受け取られる場合があります。
読む際は、評価の内容そのものより、投稿者の環境が自社に近いかを確認しましょう。企業規模や業種、担当者の体制が記載されている口コミは参考にしやすくなります。件数の多さだけで判断せず、自社と近い条件の意見を数件見つけて内容を読み込む方法をおすすめします。
運用に関する記述に注目する
口コミから読み取りやすいのは、日常の運用に関する情報です。設定変更にかかる手間、管理画面の分かりやすさ、問い合わせへの回答の早さといった項目は、資料だけでは判断しにくい部分です。
ただし、サポートの評価は契約している保守の等級によって変わります。対応時間帯や依頼できる作業範囲は契約内容で決まるため、口コミの内容が自社の契約条件にそのまま当てはまるとは限りません。気になる点があれば、資料請求や商談の場でベンダーへ直接確認し、契約書の記載を確かめてください。
評判とあわせて確認したいファイアウォールの条件
評判で候補を絞り込んだ後は、自社の条件と照らして比較します。ここでは確認しておきたい項目を整理します。
情報源ごとの確認項目を整理する
下表は、評判に関する情報源ごとに確認したい項目をまとめたものです。条件を確認したうえで比較すると、情報を判断材料として使いやすくなります。
| 情報源 | 確認したい項目 |
|---|---|
| シェア調査 | 基準(金額か台数か)、対象地域、調査実施年、調査会社名 |
| 導入社数 | 累計か現在の契約数か、無償版を含むか、集計期間 |
| 導入事例 | 企業規模、業種、拠点数、選定した理由の記載 |
| 第三者評価 | 試験条件、対象の型番、実施時期、参加していない製品の有無 |
| 認証の取得 | 対象範囲、取得時期、有効期限、自社要件との対応 |
| 口コミ | 投稿者の企業規模と体制、契約している保守の等級、投稿時期 |
自社の条件と照らして絞り込む
候補が数製品に絞れたら、自社の従業員数や拠点数、社外から接続する人数、必要な機能を一覧にして各社へ提示しましょう。同じ条件で提案を受けると、評判では見えない部分の差が明らかになります。
あわせて、試用や検証機の貸し出しに対応しているかを確認してください。実際に管理画面を操作すると、口コミで指摘されていた点が自社の環境でも当てはまるかを確かめられます。評判を入り口としつつ、自社での確認を経て判断する流れにすると、導入後のずれを抑えやすくなります。
導入実績を確かめたいファイアウォール
評判を入り口に候補を絞ったあとは、自社の条件で提案を受けて比べることが大切です。実績や対応範囲を確認したい製品を紹介します。
ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ
- 業界最多クラスのセキュリティ機能の中から独自のカスタムが可能
- 管理者負担軽減!導入から運用、保守まですべて一括対応
- 24時間365日の障害検知・切り分けから復旧対応までサポート!
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ」は、ファイアウォールを中心に複数のセキュリティ機能をまとめたUTM製品です。導入後の運用監視とオンサイトでの保守が含まれるため、社内で対応しきれない作業を任せたい場合に適した構成です。設定変更をどこまで依頼できるかも確認しておきましょう。
MRB-Cloud
- 常時最新のセキュリティを提供。ソフトの導入や定義の更新は不要
- 3つのインバウンドセキュリティで外からの脅威を防御します
- 外出先でも安全に通信可能でリモートワークにも対応します
株式会社アンペールが提供する「MRB-Cloud」は、クラウド型のUTMサービスです。ソフトウェアの導入や定義ファイルの更新を自社で行わずに済む作りのため、担当者が限られる環境でも運用を続けやすくなります。複数拠点の一元管理に対応している点もあわせて確認しておきましょう。
FortiGate (フォーティネットジャパン合同会社)
- SSL化通信も検査し不正な通信を検出
- 独立機関による認定を獲得
- 監査の自動化によりセキュリティ担当者の負担軽減
SonicWallファイアウォール (ソニックウォール・ジャパン株式会社)
- 多彩なシリーズ展開で企業規模に応じた最適モデルを選択可能。
- ゼロタッチ展開と集中管理で運用負荷を大幅削減。
- SSL復号やDPIで高度なサイバー攻撃にも対応。
ファイアウォールに関するFAQ
ファイアウォールの評判について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: シェアの高い製品を選べば間違いありませんか?
- シェアは市場での広がりを示す情報であり、自社の要件にあうかどうかとは別の観点です。候補を絞り込む材料として使い、機能や運用の負担は自社の条件と照らして確認しましょう。
- Q2: 第三者機関の評価はどこで確認できますか?
- 評価機関が自ら公開している場合と、ベンダーの資料で引用されている場合があります。引用の場合は、評価機関名と実施時期、試験条件が記載されているかを確認してください。
- Q3: 口コミの件数が少ない製品は避けるべきですか?
- 件数の少なさが品質を示すわけではありません。特定の業種や規模に向けた製品は投稿数が少ない傾向があるため、資料請求や試用で直接確認する方法をおすすめします。
- Q4: 上場企業での導入実績は参考になりますか?
- 監査への対応が必要な環境で使われている点は参考になります。ただし求められる要件は企業ごとに異なるため、事例に記載された選定理由まで読み取って判断してください。
まとめ
ファイアウォールの評判は、シェアや導入社数、第三者機関の評価、利用者の口コミという4つの情報源に分けて読むと整理しやすくなります。いずれも集計の基準や対象、時期を確認したうえで比較することが大切です。評判で候補を絞り込んだ後は、自社の条件を提示して提案を受け、試用の機会も活用しながら比較検討を進めてください。

