連携エラーの症状と切り分けの考え方
連携のエラーは、目に見える症状から原因を推測しにくい場合があります。連携先ごとの原因を見る前に、起こりうる主な症状と、原因を切り分けるための考え方を整理しておきましょう。症状を正しく把握することが、早い復旧への第一歩です。
連携で起こりうる主な症状
ノーコード・ローコード開発ツールの外部連携では、データの同期が止まる、反映が遅れるといった症状が考えられます。一部の項目が欠けたり、同じデータが重複して登録されたりする場合もあります。エラーが表示されずに処理が失敗し、後から気づくケースもあります。
症状によって疑うべき原因は異なるため、代表的な例を表で確認しておきましょう。表の原因はあくまで一例であり、実際には複数の要因が重なる場合もあります。
| 主な症状 | 考えられる原因の例 |
|---|---|
| 同期が止まる | 認証情報の期限切れ、連携先の障害やメンテナンス |
| 反映が遅れる | 処理の集中、APIの呼び出し回数の上限への到達 |
| 一部の項目が欠ける | 項目の対応付けの誤り、連携先の項目名の変更 |
| データが重複する | 再実行時の重複登録、登録済みかを判定する条件の不足 |
責任範囲を分けた原因の切り分け
連携のエラーが起きた際は、ノーコード・ローコード開発ツール側、連携先のシステム側、両者をつなぐ設定のどこに原因があるかを順に確認します。どちらかのベンダーだけに原因を求めると、調査が進まず復旧が遅れる恐れがあります。
設計の段階で、各システムの担当者と問い合わせ先、確認の順番を決めておきましょう。連携の履歴やエラーの記録を双方で確認できるようにしておくと、原因の特定がスムーズです。切り分けの結果は記録に残し、再発防止に生かしましょう。
Microsoft 365との連携で起こりうる不具合
Microsoft 365は、メールや予定表、ファイル共有など日常業務の基盤として使われる場合があります。そのため、ノーコード・ローコード開発ツールとの連携も検討されます。連携が止まったり、想定と異なる動作をしたりする主な原因を確認しましょう。
認証やアクセス権の変更による停止
Microsoft 365との連携では、Microsoftのアカウントを使った認証や、連携に必要なアクセス権の許可が前提となる場合があります。連携に使っているアカウントのパスワード変更や、管理者によるアクセス権の見直しがあると、連携が止まる可能性があります。
連携に使用するアカウントとして、個人のアカウントではなく管理用のアカウントを用意する方法も検討しましょう。社内のセキュリティ設定を変更する際は、連携への影響を事前に確認する手順を決めておくと安心です。
ファイルやリストの構成変更の影響
SharePointのリストやOneDriveのフォルダと連携している場合は、構成の変更に注意が必要です。列の名前や種類、フォルダの場所を変更すると、データが正しく受け渡されなくなる場合があります。変更した人が連携に使われていることを知らないまま作業すると、不具合の原因に気づきにくくなります。
連携に使っているファイルやリストには、その旨を説明に記載するなど、関係者が気づける工夫をしておきましょう。連携しているファイルやリストの一覧を作成し、変更する前に確認する手順を定めておくことも有効です。
基幹システム(ERP)との連携エラー
基幹システム(ERP)との連携では、受注や在庫、会計といった重要なデータを扱うため、エラーの影響が業務全体に及ぶ可能性があります。起こりうる原因と、データの整合性を保つための確認方法を紹介します。
マスタやコード体系の不一致
ERPとの連携エラーの原因として、取引先や商品、勘定科目などのマスタデータが両システムで一致していないケースが考えられます。アプリ側で新しい取引先を登録しても、ERP側に同じコードが存在しなければ、データの取り込みが失敗する場合があります。
マスタはどちらのシステムを正本とするかを決め、更新の手順を統一しておきましょう。コードの付け方のルールも、両システムの担当者で共有しておくことが大切です。
処理のタイミングと締め処理の影響
ERPでは、夜間の一括処理や月次の締め処理の間、データの登録や更新が制限される場合があります。この時間帯に連携の処理が実行されると、エラーとなったり、処理が保留されたりする可能性があります。
ERPの処理スケジュールを確認し、連携の実行時間が重ならないように設定しましょう。締め処理の前後は、連携の結果を確認する担当者を決めておくと安心です。保留された処理が自動で再開されるのか、手動で再実行が必要なのかも確認しておきましょう。
連携データの整合性チェック
連携がエラーなく完了したように見えても、件数や金額がERP側と一致しているとは限りません。一部のデータだけが取り込まれていない、金額の端数処理が異なるといった差異が生じる場合があります。
定期的に、アプリとERPのデータ件数や合計金額を照合する手順を設けましょう。差異が見つかった際の修正方法と、承認の手続きもあわせて決めておくことが大切です。照合の作業を自動化できる場合は、差異があったときに担当者へ通知する仕組みを検討するとよいでしょう。
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APIの呼び出し回数の上限への備え
ノーコード・ローコード開発ツールや連携先のサービスには、APIの呼び出し回数に上限が設けられている場合があります。上限に達すると連携が一時的に止まる可能性があるため、上限の確認方法と、呼び出しを抑える設計を押さえておきましょう。
上限の種類と確認の方法
APIの上限には、1日あたりの呼び出し回数、一定時間あたりの回数、1回の呼び出しで扱える件数などの種類があります。上限の値はプランによって異なる場合があり、ツール側と連携先の両方に設定されていることもあります。
上限の値は、各製品のAPI仕様書や料金プランの説明で確認できます。上限を超えた場合にエラーとなるのか、処理が待たされるのかも、あわせて確認しておきましょう。現在の呼び出し回数を管理画面で確認できる製品であれば、上限に近づいていないかを定期的に見ておくと安心です。
呼び出し回数を抑える連携の設計
呼び出し回数を抑えるには、1件ずつ処理するのではなく、複数のデータをまとめて送受信する方法が有効です。更新があったデータだけを連携する、リアルタイムの必要がない処理は一定の間隔でまとめて実行するといった工夫も考えられます。
連携するデータ量の見込みをもとに、上限に対してどの程度の余裕があるかを試算しておくと、利用拡大時の対応を計画しやすくなります。設計の見直しが難しい場合は、上位プランで上限を引き上げられるか、費用とあわせてベンダーに確認しましょう。
RPAと連携しても手作業が残る理由
ノーコード・ローコード開発ツールとRPAを組み合わせても、想定したほど手作業が減らない場合があります。自動化が止まる原因や、人が対応しなければならない部分を整理し、役割分担を見直しましょう。
例外的な処理が自動化の対象外になる
RPA(パソコン上の定型操作を自動化するツール)は、決められた手順の操作を得意とします。一方、入力内容に不備がある場合や、通常と異なる手続きが必要な場合には対応できないことがあります。例外的な処理が残ると、その部分は人が確認し、手作業で対応する必要があります。
自動化の対象を決める際は、例外が発生する頻度と、発生時の対応方法を事前に整理しておきましょう。例外が起きた際にロボットが処理を止め、担当者へ通知する仕組みがあれば、対応漏れを防ぎやすくなります。
画面の変更でロボットが止まる
RPAは画面上の位置や項目名を手がかりに操作するため、アプリや連携先のシステムの画面が変わると、正しく動作しなくなる可能性があります。ツールのアップデートや項目の追加をきっかけに、ロボットが止まるケースも考えられます。
画面を変更する際は、RPAの担当者に事前に連絡する流れを決めておきましょう。APIで連携できる部分はAPIに置き換えると、画面変更の影響を受けにくくなります。ロボットが止まった際の通知先と、手作業で代替する手順も決めておくと業務への影響を抑えられます。
人とロボットの役割を見直す
RPAと連携しても手作業が残る場合は、どの作業をロボットに任せ、どの作業を人が担うかを改めて整理しましょう。入力の段階でアプリ側のチェック機能を使い、不備のあるデータを減らせば、ロボットが止まる場面を少なくできます。
人が対応する作業も、アプリの一覧画面で対象をまとめて確認できるようにすると、手間を抑えられます。自動化の範囲は一度で決めず、例外の発生状況を見ながら段階的に広げていくと、運用が安定しやすくなります。
連携の設計から相談できる開発ツールとサービス
基幹システムとのデータ連携やファイル連携、複数システムにまたがる設計の見直しに関わる製品とサービスを紹介します。連携エラーの原因は連携先側にある場合もあるため、責任範囲とあわせて確認しましょう。
楽々Framework3
- EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
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- ノーコードでExcel/CSVを取込みWebアプリを即生成
- 複数アプリを結合しPostgreSQL上で一元管理
- BIツール軽技Web連携でレポートやダッシュボード作成
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パーソルクロステクノロジー株式会社が提供する「システムインテグレーションサービス」は、SIer(システム開発を請け負う事業者)によるサービスです。本質的な問題検知から課題解決までをワンストップで提供します。調査やツール選定、外部システム連携まで含めて全体構成を検討し、上流工程から保守までを一貫して伴走支援します。RPAや基幹システムをまたぐ連携の役割分担を相談したい場合に検討できます。オンプレミス、クラウド、パッケージソフト、ハードウェアなど幅広い形態に対応します。
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まとめ
ノーコード・ローコード開発ツールの外部連携では、さまざまな原因でエラーが起きたり、手作業が残ったりする場合があります。主な原因は、Microsoft 365の認証や構成の変更、ERPのマスタや処理のタイミング、APIの呼び出し回数の上限、RPAの例外処理や画面変更です。責任範囲と確認の手順を決め、上限や変更の影響を事前に把握しておくことが大切です。
連携機能やエラー時の通知を含めて、資料請求で製品を比較しましょう。

