ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■導入目的別
- 紙やExcelの業務をシステム化したい:軽技WebDB、AppSuite
- 既存システムに機能を追加・連携したい:Platio Canvas、SmartDB、CDataAPIServer
- 古いシステムを置き換えたい:楽々Framework3、ArielAirOne
- 外注していた開発を自社で担いたい:楽々Framework3、BlueMeme
ローコード開発ツールの主な導入目的
ローコード開発ツールを導入する目的は、大きく3つに整理できます。開発期間を短くすること、開発や保守にかかる費用を抑えること、業務の変化にシステムを早く追従させることです。自社がどれを重視するかを明確にすると、製品選びの軸が定まります。
開発期間を短くする
ローコード開発ツールでは、データの入れ物や画面、処理の流れを、用意された部品の組み合わせで作れます。プログラムを一から書く場合と比べて、設計から公開までの工程を短くできる可能性があります。
開発期間の短縮を目的にする場合は、業務部門の要望が出てから使い始めるまでの期間を、どの程度短くしたいかを決めておきましょう。目標が具体的であるほど、ツールを使う範囲や体制を決めやすくなります。業務部門と画面を確認しながら作り進めれば、完成後の手戻りを減らせる点も期間の短縮につながります。
開発と保守の費用を抑える
作る量が減れば、開発にかかる人件費や外注費を抑えられる場合があります。完成後の改修も設定の変更で対応できる部分が増えるため、保守の費用にも影響します。
一方で、ローコード開発ツールにはライセンス料がかかります。費用の抑制を目的にする場合は、開発費だけでなく、ライセンス料と保守費を含めた数年分の総額で、従来の開発方法と比べることが大切です。
業務の変化に早く追従する
組織の変更や新しいサービスの開始、法令の改正などで業務の進め方が変わると、システムにも修正が必要です。従来の開発では依頼から反映までに時間がかかり、その間は手作業で補う運用になりがちでした。
ローコード開発ツールで作ったシステムは、項目の追加や承認ルートの変更を短期間で反映できる場合があります。変化の多い業務を抱える企業では、この追従のしやすさを導入の主な目的に据える場合があります。
目的別に見るローコード開発ツールの使い方
導入の目的は、ツールで何を作るかによっても具体的な形が変わります。ここでは、ローコード開発ツールがよく使われる3つの場面を取り上げ、それぞれの目的と使い方を紹介します。自社の課題がどれに近いかを考えながら読んでみてください。
紙やExcelの業務をシステム化する
申請書の回覧や部署ごとのExcel台帳など、システム化されていない業務をアプリに置き換える使い方です。転記や集計の手間を減らし、情報を一か所にまとめることが主な目的です。
この場面では、業務部門の担当者が自ら画面を作り、情報システム部門が権限や公開範囲を確認する分担が考えられます。複数の業務を順にシステム化していけば、社内の業務データを同じ基盤に集められます。
既存システムに機能を追加する
販売管理や会計などの既存システムはそのまま使い、足りない画面や周辺の業務だけをローコードで作る使い方です。基幹システムを大きく改修せずに、現場の要望に応えることが目的です。
例えば、販売管理システムの受注データを取り込んで、営業担当者向けの案件管理画面を作るといった使い方が考えられます。既存システムとデータをやり取りするため、連携の方法を事前に設計しておく必要があります。連携に失敗したときの通知や再実行の方法も、既存システムの担当者とあわせて決めておきましょう。
古いシステムを置き換える
長年改修を重ねて仕様がわかりにくくなったシステムを、ローコード開発ツールで作り直す使い方です。保守の負担を減らし、今後の改修をしやすくすることが目的です。
置き換えでは、既存システムの機能をそのまま再現するのではなく、今の業務に必要な機能を見直す機会として活用できます。データの移行や、移行期間中の新旧システムの並行運用も計画に含めておきましょう。
目的によって変わる製品選定の重点
ローコード開発ツールは製品ごとに得意な領域が異なるため、導入目的によって重視したい機能も変わります。目的を決めずに製品を比べると、機能の多さだけで選んでしまう可能性があります。目的ごとに確認したい重点を整理します。
現場が作るなら操作のわかりやすさ
紙やExcelの業務を業務部門の担当者がシステム化する場合は、プログラミングの経験がない人でも操作できるかが重点です。画面の作り方や用語がわかりやすいか、日本語のマニュアルや研修が用意されているかを確かめましょう。
作ったアプリを部署内で共有する際の権限の設定方法や、情報システム部門が利用状況を把握できる管理画面があるかも、確認しておきたい点です。現場で作ったアプリが増えた後に、情報システム部門が引き取って改修できる作りになっているかも、長く使ううえでの判断材料です。
連携や置き換えなら拡張性と性能
既存システムとの連携や古いシステムの置き換えが目的の場合は、API(システム同士がデータをやり取りする窓口)への対応や、主要なデータベースとの接続方法が重点です。標準機能で足りない部分を、どの言語を使い、どこまでコードで補えるかも確認しましょう。
利用者が多いシステムを置き換えるなら、同時に使う人数やデータ量に耐えられるかも重要です。本番に近い条件で試せるかを、提供会社に確認しておくと安心です。
内製化が目的なら育成と支援の体制
外注していた開発を自社で担うことが目的の場合は、ツールの機能に加えて、社内の開発者を育てる仕組みが重点です。提供会社が研修や資格制度、技術的な問い合わせ窓口を用意しているかを確かめましょう。
内製化の初期は、開発会社やベンダーの支援を受けながら進め、徐々に社内で担う範囲を広げる方法もあります。開発の伴走支援を提供しているかどうかは製品や販売会社によって異なるため、選定時の確認項目に加えておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
ローコード開発の目的の達成度を測る指標
ローコード開発ツールを導入したら、目的を達成できているかを定期的に確かめることが大切です。導入前の状態を記録しておけば、導入後と比べて効果を示せます。目的ごとに使える代表的な指標を紹介します。
開発期間とリリースの回数
開発期間の短縮が目的なら、要望を受けてから公開するまでの日数と、一定期間に公開した機能や改修の数を記録します。導入前に同じような開発にかかった日数を控えておくと、比較の基準にできます。
あわせて、積み残している要望の件数がどう変わったかも見ておきましょう。開発が速くなっても、積み残しが減っていなければ、体制や優先度の付け方に課題がある可能性があります。
費用と業務時間の変化
費用の抑制が目的なら、外注費や開発にかかった人件費、ライセンス料を合計し、導入前の同じ期間と比べます。保守にかかった時間も含めると、実際の効果をより正確につかめます。
紙やExcelの業務をシステム化した場合は、転記や集計にかかっていた時間がどれだけ減ったかも重要な指標です。作ったアプリの利用者数や利用頻度もあわせて確かめれば、定着の度合いも判断できます。
目的があいまいなまま導入した場合の影響
ローコード開発ツールは用途の幅が広いため、目的を決めずに導入しても何かしらは作れてしまいます。その結果、成果が見えにくくなる場合があります。目的があいまいな場合に起こりうる問題を知り、導入前の整理に役立ててください。
作ったアプリが使われない
「まず何か作ってみよう」と始めた場合、解決したい課題が決まっていないため、作ったアプリが業務に組み込まれず使われなくなる可能性があります。使われないアプリが増えると、ライセンス料に見合う効果を説明できません。
導入前に、解決したい課題を業務ごとに一つずつ決めておきましょう。最初の対象を絞り込むことで、効果を測る指標も自然に定まります。
ほかのツールとの使い分けが決まらない
社内にノーコードツールやパッケージ製品、ほかのローコード開発ツールがある場合、目的が整理されていないと、似た業務を別々のツールで作ってしまうことがあります。データが分散し、保守の負担も増えます。
どの目的にどのツールを使うのかを、情報システム部門が中心となってルールにしておきましょう。目的とツールの対応が明確であれば、新しい要望が出たときにも迷わずに判断できます。
導入目的別に見るローコード製品一覧
ローコード開発ツールを中心に、関連するノーコード製品も含めて、導入目的ごとの特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 軽技WebDB | Excelの取り込みでWebデータベース化。自社環境に導入するタイプ |
| AppSuite | 紙・メール・Excel主体の社内業務を、アプリライブラリから選んでシステム化 |
| Platio Canvas | APIや連携ツールで基幹システムやkintoneとつなぎ、現場入力を自動反映 |
| SmartDB | API(REST)やWebhook、RPA連携などで既存のシステムやサービスとつなぐ |
| 楽々Framework3 | AS/400・Notes・Access・VB6などの古いシステムの刷新に使われる国産基盤 |
| ArielAirOne | Notesなど従来の業務基盤を、ワークフロー付きの開発基盤へ移行 |
| CDataAPIServer | 基幹DBのデータをノーコードでAPIとして公開し、Salesforceなどと連携 |
| BlueMeme | ローコード開発プラットフォームでDX推進やシステム内製化を支援 |
目的から選ぶローコード開発ツール
紙やExcelのシステム化、既存システムとの連携、古いシステムの置き換え、内製化といった目的にあわせて、ローコード開発ツールと関連するノーコード製品を紹介します。
軽技WebDB
- ノーコードでExcel/CSVを取込みWebアプリを即生成
- 複数アプリを結合しPostgreSQL上で一元管理
- BIツール軽技Web連携でレポートやダッシュボード作成
富士電機ITソリューション株式会社が提供する「軽技WebDB」は、ExcelやCSVの取り込みから業務アプリを作る、オンプレミス型のノーコードツールです。散在しがちなExcelファイルを一つのデータベースにまとめ、ブラウザから検索や編集ができます。商談管理、日報管理、予実管理を想定しており、Excelで続けてきた業務をシステム化する目的に合います。
AppSuite
- 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
- 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
- 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能
株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、紙やメール、Excelに頼った社内業務をシステムに置き換える目的で選びやすい業務アプリ作成ツールです。アプリライブラリから選んで使い始め、蓄積したデータはクロス集計やグラフで見える化できます。現場の業務をまずシステム化し、その後に集計や共有まで進めたい場合の選択肢です。
Platio Canvas
- iOS/Android/Web用のアプリを即座に構築
- ノーコードで自由自在なアプリ開発
- IDフリーで業務の広がりに応じた柔軟な展開が可能
アステリア株式会社が提供する「Platio Canvas」は、部品を自由に配置してアプリを作れる、ノーコードのクラウドサービスです。iOS・Android・Webへ同時に展開できます。APIや連携ツールを介して基幹システムやkintoneとつなげられ、現場の入力を自動で反映して転記作業を減らせます。既存システムに現場向けの入力画面を足したい目的に向きます。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、既存のシステムやサービスとつなぎやすい、クラウド型のノーコード開発プラットフォームです。REST APIやWebhook、RPA連携のほか、OneDriveやTeams、Slackなどとの連携にも対応しています。オプションで電子契約システムなどとの外部連携も選べ、既存のシステムに申請や承認の機能を追加する目的で検討できます。
楽々Framework3
- EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
- 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
- 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、レガシーシステムを新しい基盤へ置き換える目的に向いた、国産のローコード開発基盤です。AS/400やNotes、Access、VB6、クライアントサーバー型のシステム刷新にも使われています。開発部品を組み合わせる方式で、運用・保守や将来の内製化まで見据えて置き換えたい場合の選択肢です。
ArielAirOne
- 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
- Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
- スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能
株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、Notesを使ってきた企業が基盤を置き換える目的で検討しやすいローコードの製品です。Notes移行ツールを標準で備え、移行後はポータルやワークフロー、業務アプリの開発に活用できます。古いシステムの機能を引き継ぎながら、現場にも受け入れられやすい形で置き換えたい場合に向きます。
CDataAPIServer (CData Software Japan合同会社)
- ノーコードで数分でAPI公開・管理
- OData/Open API仕様に対応
- Salesforce Connect連携可能
BlueMeme (株式会社BlueMeme)
- OutSystems Partner Advisory SummitでDelivery Partner 受賞
- 自社開発「BlueMemeデジタルエージェントサービス」提供開始
- 量子AIゲノム解析技術を国際学会で発表
まとめ
ローコード開発ツールの目的は、開発期間の短縮、開発と保守の費用の抑制、業務の変化への追従に整理できます。紙やExcel業務のシステム化、既存システムへの機能追加、古いシステムの置き換えのどれに使うかで、重視する機能や効果の測り方も変わります。自社の目的を明確にしたうえで、ノーコード・ローコード開発ツールを資料請求し、目的にあう製品を比較検討してください。

