無料で使えるワンタイムパスワードとは
無料で使えるワンタイムパスワードには、スマートフォンの認証アプリや、利用中のクラウドサービスに標準搭載された認証機能があります。まずは仕組みや利用方法を理解し、自社が求めるセキュリティと管理範囲を満たせるか確認しましょう。
使い捨ての認証コードを発行する仕組み
ワンタイムパスワードとは、ログインのたびに異なる認証コードを使用する仕組みです。一定時間が経過するか、一度認証に利用すると無効になるため、固定パスワードを盗まれた場合の不正ログイン対策に役立ちます。
一般的には、IDと固定パスワードに加えて認証コードを入力します。異なる種類の情報を組み合わせる場合は、多要素認証と呼ばれます。独立行政法人情報処理推進機構も、不正ログイン対策として多要素認証の設定を推奨しています。
参考:不正ログイン対策特集ページ|独立行政法人情報処理推進機構
無料の認証アプリを利用する方法
無料で始める代表的な方法は、スマートフォンに認証アプリをインストールすることです。利用するサービスの設定画面で二段階認証を有効にし、表示されたQRコードをアプリで読み取ります。
設定後は、アプリに表示される認証コードをログイン画面へ入力します。ただし、認証を受けるサービス側が認証アプリに対応している必要があります。アプリだけを導入しても、すべての社内システムに認証機能を追加できるわけではありません。
クラウドサービスの標準機能を使う方法
グループウェアやオンラインストレージ、業務用クラウドサービスには、ワンタイムパスワード機能が標準搭載されている場合があります。追加費用が発生しなければ、契約中のプラン内で認証を強化できます。
ただし、利用できる認証方式や管理機能はサービスごとに異なります。管理者による一括適用ができるか、従業員が設定を解除できないかも確認しましょう。契約プランによって機能が制限される可能性もあります。
無料のワンタイムパスワードでできること
無料のワンタイムパスワードでも、固定パスワードだけに依存しないログイン環境を構築できます。特に、認証アプリに対応した少数のサービスを保護する場合に利用しやすいでしょう。ここでは、具体的にできることを整理します。
認証アプリでコードを生成する
Google 認証システムやMicrosoft Authenticatorのような無料アプリでは、1回限りの認証コードを生成できます。Google 認証システムは、インターネット接続や携帯電話回線を利用できない状況でもコードを生成可能です。
Microsoft Authenticatorでは、1回限りのコードに加えて、通知の承認やパスワードレス認証を利用できる場合があります。ただし、対応機能は接続先のサービスや管理者の設定によって変わります。
参考:Google 認証システムで確認コードを取得する|Google
参考:Microsoft Authenticator について|Microsoft
個人単位で二段階認証を設定する
無料アプリは、従業員が利用する各サービスに個別設定できます。例えば、管理画面やオンラインストレージに認証アプリを登録すれば、固定パスワードに加えて認証コードの入力を求められます。
小規模な部署で試行する場合や、特権アカウントだけを優先して保護する場合に適した方法です。まず管理者や経理担当者など、漏えい時の影響が大きいアカウントから設定すると、段階的に導入できます。
導入前の操作性を検証する
無料の認証アプリや製品の無料トライアルを使えば、ログイン手順や利用者の負担を事前に確認できます。認証コードの入力にかかる時間や、スマートフォンを利用できない従業員への対応を検討しましょう。
検証時には正常なログインだけでなく、端末交換や紛失、アプリ削除も試すことが大切です。復旧手順が複雑だと、導入後に問い合わせが集中する可能性があります。
| 確認項目 | 検証する内容 |
|---|---|
| 初期設定 | 利用者が迷わずアプリ登録を完了できるか |
| 日常の認証 | コード入力や通知承認に負担がないか |
| 端末交換 | 新しい端末へ認証情報を安全に移行できるか |
| 端末紛失 | 管理者が認証情報を停止して再登録できるか |
| 代替手段 | スマートフォンを使えない場合の認証方法があるか |
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無料のワンタイムパスワードの制限
無料アプリは認証コードの生成に役立つ一方、組織全体のアカウントを管理する機能が十分とは限りません。利用者が増えるほど、設定状況や端末情報を個別に確認する負担も大きくなります。法人利用で注意したい制限を確認しましょう。
利用状況を一元管理しにくい
個人向けの無料アプリでは、誰がどのサービスに認証を設定しているかを管理者が把握しにくい場合があります。未設定者の抽出や、退職者が利用していた認証情報の停止も個別対応になりがちです。
従業員数が多い企業では、認証設定の抜けやアカウント削除の遅れが生じる可能性があります。管理者が登録状況や認証ログを一覧で確認したい場合は、法人向け製品が候補です。
端末紛失時の復旧が属人化しやすい
認証アプリを登録したスマートフォンを紛失すると、利用者がサービスへログインできなくなる場合があります。バックアップコードや代替認証の準備がなければ、サービスごとに復旧手続きを進めなければなりません。
私物端末を業務利用する場合は、退職時の認証情報削除も課題です。端末の紛失や故障を想定し、管理者への連絡方法、本人確認、再登録の手順を事前に決めておきましょう。
既存システムへ追加できない場合がある
無料の認証アプリは、認証コードを受け付ける仕組みがあるサービスで利用します。自社開発システムや古い業務システムが対応していない場合、アプリを導入するだけではワンタイムパスワードを利用できません。
複数システムへ共通の認証を追加するには、認証サーバやシングルサインオン製品との連携が必要です。対象システムの認証方式や接続仕様を整理し、対応可否を確認してください。
フィッシングを完全には防げない
ワンタイムパスワードを導入しても、不正ログインをすべて防げるとは限りません。利用者が偽サイトへ固定パスワードと認証コードを入力すると、攻撃者にリアルタイムで悪用される可能性があります。
無料で始める場合も、メール内のリンクから安易にログインしないことや、接続先のドメインを確認することが重要です。端末の更新やウイルス対策、従業員教育と組み合わせて運用しましょう。
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無料のワンタイムパスワードが向く企業
無料での運用は、利用者や対象サービスが少なく、管理者が設定状況を把握できる企業に向いています。費用だけで判断せず、アカウント数や端末管理の方法、トラブル発生時の対応体制から適性を見極めることが大切です。
少人数で試験導入したい企業
情報システム部門や特定部署だけで試したい企業は、無料アプリを活用しやすいでしょう。対象者を限定すれば、初期設定や問い合わせ対応を管理者が個別に支援できます。
試験導入では、認証にかかる時間や端末交換時の手順を記録してください。利用者の意見も集めると、全社展開に必要なマニュアルやサポート体制を具体化できます。
対応サービスが限られている企業
保護する対象が数種類のクラウドサービスに限られる場合は、各サービスの標準機能で対応できる可能性があります。管理者向けアカウントや重要情報を扱うアカウントから適用するとよいでしょう。
ただし、サービスごとに設定方法や復旧手順が異なると、管理負担が増えます。対象サービスが増える予定なら、将来的な一元管理も含めて検討してください。
管理ルールを整備できる企業
無料アプリを法人利用する場合は、運用ルールの整備が欠かせません。認証アプリを登録する端末や、バックアップコードの保管方法、紛失時の連絡先を明文化しましょう。
私物スマートフォンを利用する場合は、会社が端末内の情報をどこまで管理するかも決める必要があります。従業員の同意を得たうえで、退職時や機種変更時の手順も共有してください。
- ■利用対象者
- 全従業員へ適用するのか、管理者や特定部署に限定するのかを決めます。
- ■利用端末
- 会社支給端末と私物端末のどちらを利用できるかを明確にします。
- ■紛失時の対応
- 認証情報の無効化や本人確認、再登録を行う担当者を定めます。
- ■退職時の対応
- アカウント停止と認証情報の削除を実施する期限を設定します。
- ■代替認証
- スマートフォンを利用できない従業員向けの方法を準備します。
無料から有料へ切り替える判断ポイント
利用者や連携システムが増えたときは、無料運用を続けるより法人向け製品へ移行したほうが管理しやすい場合があります。認証機能の多さだけでなく、管理者の作業負担やトラブル時の事業影響も含めて判断しましょう。
| 比較項目 | 無料運用を続けやすい状態 | 有料製品を検討したい状態 |
|---|---|---|
| 利用者数 | 少人数で管理者が把握できる | 部署や拠点をまたいで利用者が増えている |
| 対象システム | 認証アプリ対応サービスに限られる | 社内システムを含めて一元化したい |
| アカウント管理 | 個別設定でも対応できる | 登録や停止を一括処理したい |
| ログ管理 | サービスごとの確認で足りる | 認証履歴を横断的に監査したい |
| サポート | 社内で設定や復旧に対応できる | 障害時にベンダーの支援が必要 |
利用者数が増加したとき
利用者が増えると、初期登録や端末交換、退職者の解除作業も増加します。表計算ソフトで設定状況を管理している場合、更新漏れや入力ミスが発生する可能性も高まるでしょう。
管理者が利用者を一括登録でき、認証状況を一覧表示できる製品なら、運用を標準化できます。人事情報やディレクトリサービスとの連携可否も確認してください。
複数システムへ認証を適用するとき
クラウドサービスと社内システムへ同じ認証基盤を適用したい場合は、連携範囲が重要です。シングルサインオンに対応した製品なら、複数システムのログインをまとめながら認証を強化できます。
既存システムが利用する認証規格や接続方法を確認し、対応実績ではなく自社環境で接続できるかを検証しましょう。無料トライアルや評価版を活用すると判断しやすくなります。
監査やログ管理が必要になったとき
認証日時や接続元、認証結果を確認する必要がある企業では、ログ管理機能が選定ポイントです。無料アプリだけでは、組織全体の認証履歴を一括で確認できない場合があります。
管理画面でログを検索できるか、必要な期間保存できるかを比較しましょう。不審な認証を検知した際の通知や、アカウントを停止する機能も重要です。
サポートが必要になったとき
認証システムで障害が起こると、多くの従業員が業務システムへログインできなくなる可能性があります。社内だけで原因を調査できない場合は、ベンダーのサポートを利用できる製品が安心です。
問い合わせ方法や受付時間、障害時の対応範囲を確認してください。導入支援やマニュアル作成の支援があると、全社展開時の負担を抑えやすくなります。
無料で試せるワンタイムパスワード製品
ここからは、ITトレンドに掲載されているワンタイムパスワード製品を紹介します。無料トライアルや無料評価版を利用できる製品では、認証方法や既存システムとの連携、管理画面の操作性を実際の環境で確認しましょう。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink」は、ワンタイムパスワードやシングルサインオン、統合ID管理を提供するクラウドサービスです。公式サイトでは、StandardライセンスとゼロトラストSSOライセンスを10ライセンス分、30日間試せる無料トライアルが案内されています。クラウドサービスへの認証をまとめたい企業は、連携範囲や管理画面の操作性を確認しましょう。
PassLogic (パスロジ株式会社)
- 安全な認証環境を状況に合わせて構築
- 毎日のログイン作業を効率的に行う「シングルサインオン」
- トークンや専用の認証デバイスが不要
資料請求で詳細を確認できるワンタイムパスワード製品
無料トライアルの有無を確認できない製品でも、資料請求によって提供形態や認証方式、導入条件を比較できます。オンプレミス環境へ導入する場合は、必要なサーバ構成や保守体制も確認してください。
Secioss Access Manager Enterprise(SAME)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
- 柔軟なルール設定が可能なアクセス制御機能を搭載
株式会社セシオスが提供する「Secioss Access Manager Enterprise(SAME)」は、オンプレミス環境で利用する認証やアクセス制御のソフトウェアです。ワンタイムパスワードに加えて、シングルサインオンや複数の認証方式を検討できます。社内システムとクラウドサービスを横断して認証を管理したい企業は、対応する接続方式や構築要件を資料で確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「ワンタイムパスワード」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
無料のワンタイムパスワードに関するFAQ
無料でワンタイムパスワードを導入する際は、利用料金だけでなく、対応サービスや端末管理も確認する必要があります。ここでは、無料アプリの利用や法人運用について、導入担当者が抱きやすい疑問に回答します。
- Q1:無料アプリだけでワンタイムパスワードを導入できますか?
- 利用するクラウドサービスや業務システムが認証アプリに対応していれば導入できます。ただし、アプリ自体に既存システムへ認証機能を追加する働きはありません。対象サービスの設定画面や仕様を確認してください。
- Q2:Google 認証システムは法人でも利用できますか?
- 認証アプリに対応するサービスであれば、業務用アカウントにも設定できます。一方、利用状況の一元管理や退職者の認証解除は、接続先サービスの管理機能に依存します。全社利用では管理方法を事前に検討しましょう。
- Q3:認証アプリはオフラインでも使えますか?
- 時刻をもとにコードを生成する方式では、通信できない状況でもコードを表示できる場合があります。ただし、ログイン先への接続には通信環境が必要です。時刻設定のずれにも注意してください。
- Q4:スマートフォンを紛失した場合はどうしますか?
- 管理者へ連絡し、紛失した端末に登録された認証情報を無効化します。その後、本人確認を行い、新しい端末へ再登録します。バックアップコードの保管場所や代替認証の手順を事前に定めておくと対応しやすくなります。
- Q5:無料トライアルでは何を確認すべきですか?
- 既存システムとの連携、利用者登録、端末交換、認証ログ、アクセス制御を確認しましょう。正常時だけでなく、認証失敗や端末紛失を想定した復旧操作も試すと、自社で運用できるか判断しやすくなります。
まとめ
無料のワンタイムパスワードは、少人数での試験導入や、認証アプリに対応したクラウドサービスの保護に活用できます。ただし、利用者が増えると、アカウント管理や端末紛失への対応、認証ログの確認が負担になりやすいでしょう。全社展開や複数システムとの連携を予定している場合は、法人向け製品も候補です。無料トライアルと資料請求を活用し、管理機能や認証方式を比較してください。



