統合運用管理システムにおける連携性の重要性
統合運用管理システムは、複数のシステムやツールから情報を集約し、運用状況を一元的に把握するための仕組みです。連携性を確認する視点を、まず整理します。
統合運用管理システムの連携性とは
統合運用管理システムにおける連携性とは、既存の監視ツールや業務システムとデータや通知をやり取りできる範囲を指します。連携の方式には、API経由での接続や、ログ・エージェントによる情報収集、メール通知の取り込みなど複数の方法があります。
連携方式は製品によって異なるため、自社が使用しているツールと接続実績があるか、公式サイトや資料で確認することが選定の出発点です。方式が合わない場合は、追加開発や別ツールでの補完が必要になるケースもあります。
連携性を確認しておく理由
連携性を確認せずに導入すると、既存の監視結果や問い合わせ履歴を統合運用管理システムに反映できず、複数の画面を行き来して状況を確認する運用になりかねません。結果として、対応の遅れや情報の見落としにつながる可能性があります。
複数システムが関係する連携では、片方だけに原因を限定せず、送信側・受信側の双方の設定や仕様を確認する姿勢が重要です。導入前に接続テストや検証環境での確認ができるかを、ベンダーへあわせて相談しておくとよいでしょう。
統合運用管理システムのネットワーク監視・サーバー監視ツール連携
運用管理の基盤となるネットワーク監視やサーバー監視との連携は、障害検知から対応までの流れに直結します。それぞれの連携で確認したい観点を紹介します。
ネットワーク監視ツールとの連携で確認したい点
ネットワーク監視ツールと連携する場合は、機器の稼働状況やトラフィック情報、アラート通知を統合運用管理システム側に取り込めるかが確認事項です。SNMPやAPI経由での連携に対応している製品であれば、既存の監視環境を大きく変えずに情報を集約できる場合があります。
連携時には、通知の重複や欠落が起こる可能性もあるため、アラートの発報条件や通知先の設定を事前にすり合わせておくことが望ましいといえます。導入前に自社の監視対象機器との接続実績を確認しておくと、選定の精度が高まります。
サーバー監視ツールとの連携で確認したい点
サーバー監視ツールとの連携では、CPUやメモリの使用状況、プロセスの異常などのデータを統合運用管理システムへ集約できるかを確認します。既存の監視ツールを継続利用しながら、統合運用管理システム側で一元的に状況を把握したい場合は、対応するデータ形式や連携方式が一致しているかが判断材料といえます。
連携後は、異常検知時の通知経路や、履歴データを確認できる範囲もあわせて確認しましょう。原因の特定や再実行の可否など、異常時の復旧に関わる機能も選定時の確認項目に含めると、運用開始後のギャップを抑えやすくなります。
| 連携対象 | 確認したいポイント |
|---|---|
| ネットワーク監視ツール | SNMPやAPIでの接続実績、アラートの発報条件と通知先の設定 |
| サーバー監視ツール | 対応するデータ形式、異常検知時の通知経路と履歴確認の範囲 |
統合運用管理システムとヘルプデスク・チャットツールの連携性
現場対応に関わるヘルプデスクやチャットツールとの連携は、問い合わせ対応のスピードに影響します。それぞれの連携で確認したい観点を見ていきます。
ヘルプデスクとの連携で確認したいポイント
ヘルプデスクと連携する場合は、監視で検知した障害情報を自動でチケット化できるか、対応履歴を統合運用管理システム側から参照できるかを確認します。チケットの起票が手動のままだと、対応の記録が分散し、引き継ぎの際に状況把握が難しくなる場合があります。
連携によって自動起票ができる製品であれば、担当者1人に依存せず複数人で対応状況を共有しやすくなります。起票条件や優先度の設定を柔軟に変更できるかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。
チャットツールとの連携で確認したいポイント
チャットツールとの連携では、障害やアラートの通知を普段利用しているチャットへ届けられるかが確認点です。メール通知のみの場合、確認が遅れる可能性があるため、日常的に使うツールへの通知経路を確保しておくことが望ましいといえます。
あわせて、チャット上から一次対応の状況を報告できる機能があるかも確認しましょう。通知の受信だけでなく、対応の記録や引き継ぎがチャット上で完結できると、情報共有の負担を軽減できる場合があります。
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統合運用管理システムのクラウド環境・API連携のしやすさ
オンプレミスとクラウドが混在する環境では、クラウドサービスやAPIとの連携性が選定の判断軸のひとつです。確認しておきたい観点を紹介します。
クラウド環境との連携で確認したい点
クラウド環境と連携する場合は、利用しているクラウドサービスの監視情報やログを、統合運用管理システム側に取り込めるかを確認します。オンプレミスとクラウドが混在する環境では、双方の情報をあわせて確認できるかが、運用の見通しやすさに影響します。
クラウド側の仕様変更によって連携設定の見直しが必要になる場合もあるため、連携方式が公開情報として明示されているか、更新時の対応方針を確認しておくと安心です。情報システム部門やベンダーへ事前に相談しておくとよいでしょう。
API連携のしやすさを見極める視点
API連携のしやすさを判断する際は、API仕様が公開されているか、認証エラーやリクエスト上限への到達といった技術的な問題への対応方法が示されているかを確認します。仕様が非公開の場合、連携設定や不具合発生時の切り分けに時間がかかる可能性があります。
連携がうまくいかない場合は、同期の停止やデータ反映の遅延、一部項目の欠損といった現象が起こることがあります。原因を統合運用管理システム側と連携先の双方で切り分けられる体制があるかも、確認しておきたい観点です。
統合運用管理システムを連携性で選ぶ際の進め方
ここまでの確認点を踏まえ、実際の選定と導入後の運用に落とし込む際の進め方を整理します。
選定時に確認したい基準
選定時には、自社が現在利用している監視ツールやヘルプデスク、チャットツールとの接続実績があるかを、まず確認します。あわせて、連携方式がAPIかエージェント型かログ取り込みかによって、導入後の運用負荷が変わる点も考慮が必要です。
連携先が多い場合は、対応できるツールの種類や上限数も確認しておきましょう。将来的にツールを追加・変更する可能性がある場合は、拡張性についても情報システム部門やベンダーへ相談しておくと、選定の精度が高まります。
導入後の連携運用を続ける体制づくり
連携性を確認して導入したあとも、設定変更やツールの仕様更新にあわせて、連携内容を定期的に見直す運用が必要です。担当者1人に運用を任せきりにすると、変更履歴が残らず引き継ぎが難しくなる場合があります。
連携設定の変更履歴を記録し、複数人で状況を共有できる体制を整えておくと、担当者が変わった場合でも対応が滞りにくくなります。エラー発生時の通知先や再実行の手順もあわせて明文化しておくとよいでしょう。
統合運用管理の連携性に関するFAQ
統合運用管理システムの連携性について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:既存の監視ツールをそのまま使いながら統合運用管理システムを導入できますか?
- 製品によって対応状況が異なりますが、APIやログ連携に対応していれば、既存ツールを継続利用しながら情報を集約できる場合があります。導入前に接続実績を確認しておくことが有効です。
- ■Q2:API連携ができない場合はどうすればよいですか?
- API連携に対応していない場合でも、CSV出力やメール通知の取り込みなど代替の連携方式が用意されている製品があります。連携方式の選択肢について、ベンダーへ確認するとよいでしょう。
- ■Q3:連携性の確認は情報システム部門でなくても行えますか?
- 製品の対応ツール一覧を確認する程度であれば可能ですが、実際の接続設定や検証には専門知識が必要になる場合があります。詳細な確認は情報システム部門やベンダーへ相談することが望ましいといえます。
連携性に注目したい統合運用管理システムの例
監視ツールやクラウド、チャットツールとの連携性に配慮した統合運用管理システムの例を紹介します。導入検討時の比較材料としてご活用ください。
アラートメールフィルタ
- アラートメールの送信先にAMFを加えるだけで簡単に利用できる
- スクリプト開発の必要なくノーコードで設定可能
- 運用会社が開発したツールのため導入後も手厚いサポート体制
株式会社ビリーフワークスが提供する『アラートメールフィルタ』は、監視ツールなどから送られる大量のアラートメールを自動で振り分け・集約するツールです。設定したルールに基づいてメールの重要度を判定し、重複や不要な通知を抑制したうえで、必要な情報だけを担当者へ届けます。複数の監視ツールを併用している環境でも、通知の見落としや対応の遅れを防ぎやすくなります。
WebSAM Cloud
- シンプルで分かりやすいGUIで機能の設定も簡単
- 継続的な機能アップデートと伴走サポートで導入効果を最大化
- AIがインシデント発生時の対処・回答・報告を強力サポート
日本電気株式会社(NEC)が提供する『WebSAM Cloud』は、統合運用管理・インシデント管理向けのクラウド型サービスです。アラートを自動で集約・フィルタリングし、あらかじめ設定したシフトスケジュールに基づいて自動でエスカレーションできるほか、AIが対応文を自動生成・要約してインシデント対応を支援します。20年以上の実績を持つWebSAMブランドの製品で、カスタマーサクセスマネージャーによる運用支援も受けられます。
GoogleCloudのオペレーションスイート (グーグル・クラウド・ジャパン合同会社)
- モニタリングとロギング統合でサービス全体を可視化。
- APMと根本原因特定を支援。
- ダッシュボードとアラートで運用・障害対応を効率化。
Infrastructure Monitoring and Observability (SolarWinds Japan株式会社)
- オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境の統合監視。
- AI/MLによる異常検知と原因分析
- 豊富なダッシュボードとレポート機能
CORTEXXSOAR (パロアルトネットワークス株式会社)
- ケース管理と自動化プレイブックで対応手順を統一。
- SIEM等のアラートを集約・解析
- 脅威インテリジェンスで調査を支援。
まとめ
統合運用管理システムの連携性は、ネットワーク監視やサーバー監視、ヘルプデスク、チャットツール、クラウド環境、API連携といった複数の観点から確認する必要があります。連携方式や対応範囲は製品ごとに異なるため、自社の環境との接続実績を確認したうえで、比較検討を進めることをおすすめします。

