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CADの参照関係は崩れない?PDMシステム乗り換えで守る設計データ

CADの参照関係は崩れない?PDMシステム乗り換えで守る設計データ

PDMシステムの乗り換えで最も注意したいのは、CADファイルそのものより、ファイル同士の参照関係や改訂履歴、承認の記録を新しいPDMへ正しく引き継ぐことです。これらが欠けると、最新図面がわからなくなったり、過去の設計変更の経緯を追えなくなったりする恐れがあります。この記事では、PDM(製品データ管理システム)の乗り換えで移す対象、旧データの棚卸し、CADや生産管理との連携、設計を止めない切り替え方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■提供形態別
    ■引き継ぎで重視する点別

    PDMシステムの乗り換えで移すのはファイルだけではない

    PDMシステムには、図面や3Dモデルのファイルに加えて、それらを結び付ける情報が蓄積されています。乗り換えでは、ファイルのコピーだけでなく、関係性や履歴、運用ルールまでを移行対象として洗い出すことが出発点です。

    CADファイル同士の参照関係

    3D CADのアセンブリ(組立品)データは、部品ファイルを参照して成り立っています。ファイル名や保存場所が変わると参照先が見つからず、組立品を開いたときに部品が欠けた状態で表示される場合があります。

    また、2D図面も3Dモデルを参照して作られていることがあります。移行の際は、参照関係を保ったまま取り込めるか、移行ツールやベンダーの手順で確認しましょう。部品の流用設計が多い企業ほど、参照のつながりは複雑になりやすい傾向があります。

    属性情報と改訂履歴

    PDMでは、図番や品名、材質、作成者、承認日といった属性情報をファイルにひも付けて管理しています。旧PDMで独自に追加した入力項目は、新しいPDMに同じ項目がない場合があるため、項目の対応表を作ることが必要です。

    改訂履歴は、版ごとのファイルを残すか、最新版と変更記録だけを残すかで移行量が大きく変わります。品質記録や顧客からの問い合わせ対応で旧版を参照する可能性があるかを、設計部門と品質保証部門で確認しましょう。

    関連記事 PDM(製品情報管理)システムとは?PLMとの違いや導入メリットを解説

    承認ワークフローとアクセス権限

    出図前のチェックや承認の流れ、部署ごとの閲覧権限もPDMに設定されています。これらは製品ごとに設定方法が異なるため、データのように自動で移せないケースがあります。

    乗り換えを機に、承認段階が多すぎないか、退職者や異動者の権限が残っていないかを見直すとよいでしょう。新しいPDMで再設定する際は、承認者が不在の場合に代理で承認するルールもあわせて決めておくと、出図の停滞を防ぎやすくなります。

    旧PDMのデータを棚卸しして移行範囲を決める

    旧PDMのデータをそのまま移すと、不要なファイルや重複データまで新システムに持ち込んでしまいます。移行作業の前に、データの状態を確認し、移す範囲と扱いを決めておくことが重要です。棚卸しの結果は、移行費用の見積もりにも影響します。

    重複ファイルとPDM外のデータの洗い出し

    同じ図番のファイルが複数のフォルダにある、PDMに登録されず個人のPCや共有フォルダに残っている、といったデータは移行時のエラーにつながる場合があります。まずは旧PDMと共有フォルダの両方を対象に、ファイル数や容量、重複の有無を調べましょう。

    図番の採番ルールが途中で変わっている場合は、新旧の番号の対応も整理が必要です。洗い出しは設計者だけに任せず、情報システム部門と分担して進めると作業の偏りを抑えられます。

    旧版と仕掛かり中のデータの扱い

    移行範囲は、全履歴を移すか、量産中の製品の最新版だけを移すかで大きく変わります。過去の版をすべて移すと作業量と保管容量が増えるため、旧PDMを参照用に残す方法もあわせて検討しましょう。

    注意したいのは、移行時点で編集中や承認待ちになっているデータです。チェックアウト(編集用に取り出した状態)のファイルは、切り替え前に登録や承認を済ませるよう設計者に周知しておく必要があります。

    関連記事 PDM導入でよくある失敗例を紹介!失敗防止と成功するポイントとは?

    図面に反映されていない修正の確認

    製造現場からの指摘を紙の図面に手書きで修正し、CADデータへの反映が遅れているケースがあります。この状態で移行すると、新しいPDMに古い内容の図面が最新版として登録されてしまいます。

    リピート品や長く量産している製品を中心に、現場で使っている図面とCADデータの内容が一致しているかを確認しましょう。差異が見つかった場合は、移行前に修正して承認を通しておくと、移行後の出図ミスを防ぎやすくなります。

    CADやBOM、生産管理とのPDM連携を引き継ぐ

    PDMは、CADや生産管理システムと連携して使われることがあります。乗り換え先のPDMが、自社で使うCADのバージョンや下流システムへのデータの渡し方に対応しているかを、移行計画の段階で確認しておきましょう。

    CADアドインと対応バージョンの確認

    PDMの中には、CADの画面から直接ファイルの登録や取り出しができるアドイン(追加機能)を提供しているものがあります。乗り換え先のPDMが、自社で使うCADの製品とバージョンに対応しているかを確認しましょう。

    複数のCADを併用している場合は、それぞれの対応状況が異なることがあります。CAD側のバージョンアップでアドインが動かなくなる可能性もあるため、対応バージョンの更新時期や、ベンダーへの問い合わせ窓口もあわせて確認しておくと安心です。

    関連記事 失敗しないPDMの選び方とは?システム導入前の準備まで解説!

    BOMを生産管理・ERPへ渡す経路

    設計BOM(部品表)をPDMから生産管理システムやERPへ渡している場合、乗り換えで連携方法が変わる可能性があります。CSVファイルでの受け渡しか、API(システム同士をつなぐ仕組み)での連携かを確認し、項目の並びや品目コードの形式が変わらないか検証しましょう。

    連携先の生産管理システム側で改修が必要になる場合もあるため、早めに担当部門やベンダーへ相談することが大切です。連携に失敗した際の通知やエラー履歴を確認できるかも見ておきましょう。

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    参照切れを防ぐPDMの試験移行と切り替え方式

    PDMの切り替え期間中も、設計や出図の業務は続きます。いきなり全データを移すのではなく、試験移行で問題を洗い出し、切り替え方式と旧システムの扱いを決めてから本番移行に臨むと、業務への影響を抑えられます。

    試験移行での参照切れと文字化けの確認

    本番の前に、代表的な製品のデータを使って試験移行を行いましょう。組立品が正しく開けるか、属性情報が正しい項目に入っているか、日本語のファイル名や属性が文字化けしていないかを確認します。

    確認は「取り込めた」で終わらせず、設計者が実際に開いて編集し、承認まで通せるかまで試すことが大切です。エラーが出たファイルを一覧で確認できるか、再取り込み可能かもこの段階で把握しておきましょう。

    一括移行と段階移行の選び方

    全データを決めた日にまとめて移す一括移行は、新旧の二重管理を避けられる一方、移行日に作業が集中します。製品群や部署ごとに順番に移す段階移行は、問題を小さく抑えやすい反面、一時的に新旧のPDMを並行して運用する必要があります。

    流用設計で製品群をまたいで部品を参照している場合は、段階移行で参照先が別のPDMに分かれないよう、移す単位の決め方に注意しましょう。繁忙期を避けた日程も設計部門と調整しておきたいところです。

    旧PDMを参照用に残す期間の決定

    移行後も、旧PDMを読み取り専用で一定期間残しておくと、移行漏れや過去の版の確認に対応しやすくなります。ただし、保守契約やライセンスの費用がかかるため、残す期間と費用をあらかじめ決めておきましょう。

    旧PDMを停止する前には、全データのバックアップを取得し、どの形式で保管するかを記録しておくことが大切です。保管場所や閲覧手順を手順書にまとめて共有すると、担当者が異動した後も過去データを確認できます。

    クラウド型PDMへ移る場合の通信環境と共有範囲

    オンプレミス型からクラウド型のPDMへ乗り換える場合は、データの保管場所や通信環境が大きく変わります。サーバーの保守負担が減る一方で、大容量のCADデータを扱うための回線やセキュリティの確認が欠かせません。

    大容量CADデータの通信環境

    3Dモデルや組立品のデータは容量が大きく、クラウド型PDMではファイルの登録や取り出しに時間がかかる場合があります。通信量はデータの大きさや利用人数、回線の状況に左右されるため、試用期間中に実際のデータで速度を確認しましょう。

    製品によっては、手元の端末にデータを一時保存して表示を速くする仕組みを備えたものもあります。拠点ごとの回線の太さもあわせて確認し、必要なら回線の増強も検討するとよいでしょう。

    関連記事 製品情報管理の課題はPDMで解決?3つのメリットを紹介!

    協力会社とのデータ共有と権限設定

    クラウド型PDMは、社外の協力会社や海外拠点とデータを共有しやすい点が利点です。一方で、共有範囲を広げるほど、誰がどのデータを見られるかの管理が重要です。

    取引先ごとに閲覧する製品やフォルダを分けられるか、ダウンロードの可否を制御できるか、操作履歴を後から確認できるかを確かめましょう。顧客との秘密保持契約で保管場所の条件が決まっている場合は、データを保管する地域も確認が必要です。

    関連記事 PDMのメリット・デメリットとは?導入時のポイントも紹介!

    提供形態で比べるPDM・PLMの移行先一覧

    旧PDMからの乗り換え先を検討する際に比べたい製品を、提供形態とあわせて一覧にしました。クラウドへ移るか、社内に置く形を続けるかを考える際の参考にしてください。

    製品名提供形態特徴
    TomorakuPLMクラウド/SaaS図面・BOM・関連資料をひも付けて最新版を管理。新旧差分比較で設計変更点を伝えられる
    SOLIDWORKSPDMオンプレミス/パッケージソフトCADデータや関連文書を社内のリポジトリで一元管理し、版の追跡やワークフローを設定できる
    ArasInnovatorクラウド/パッケージソフト/SaaSローコード開発で自社要件のアプリを構築でき、既存システムとの連携・拡張にも対応
    Base-Rightクラウド/SaaS設計から生産までの図面や部品表を一元管理し、既存システムやPLMと連携できる
    OpenPDM核パッケージソフトExcelに近い操作感で、BOM作成や版数管理、ワークフローを標準機能で使える

    設計データを引き継ぎやすいPDM・PLM製品

    改訂履歴や承認ワークフロー、BOMの連携など、乗り換えで引き継ぎたい要素を管理できる製品を紹介します。

    TomorakuPLM

    トモラク株式会社
    《TomorakuPLM》のPOINT
    1. (正しいデータを)BOM・図面・関連資料を紐付けつつ最新版管理
    2. (正しいタイミングで)設計データを関係者に配布し閲覧確認
    3. (正しく伝える)BOMや図面の設計変更点が伝わる新旧差分比較

    トモラク株式会社が提供する「TomorakuPLM」は、図面・BOM・関連資料をひも付けたままクラウドで最新版を管理したい企業に向くPLM/PDMです。リビジョン管理で旧版の誤使用を防ぎ、BOMや図面の新旧差分比較によって設計変更点を関係者へ伝えられます。承認ワークフローを通じて設計情報を購買・製造・営業へ展開でき、API連携にも対応しています。二要素認証やIPアドレス制限の設定も可能なため、協力会社や他拠点とのデータ共有を見据えてクラウドへ移る場合にも比較しやすい製品です。

    SOLIDWORKSPDM (ソリッドワークス・ジャパン株式会社)

    《SOLIDWORKSPDM》のPOINT
    1. 強力な検索で必要なファイルをすばやく見つけられる。
    2. バージョン管理で常に最新データにアクセス可能。
    3. アクセス権・ワークフロー設定と変更通知が可能。

    ArasInnovator (アラスジャパン合同会社)

    《ArasInnovator》のPOINT
    1. ローコードで自社要件のアプリを迅速構築。
    2. 既存システムと連携・拡張し、業務変化に柔軟に対応。
    3. 製品ライフサイクルでデータをつなぐ「デジタルスレッド」を実現

    Base-Right (NSW株式会社)

    《Base-Right》のPOINT
    1. 設計・製造データを一元管理し、部門間の情報連携を最適化。
    2. 設計変更や部品表更新をリアルタイムに反映し、ミスを防止。
    3. 既存システムやPLM連携でデータ活用拡大。

    OpenPDM核 (株式会社コア)

    《OpenPDM核》のPOINT
    1. Excelを使うように直感的な操作が可能
    2. パフォーマンス重視設計で動作が速くストレスフリー
    3. できるだけカスタマイズせずに最低限の初期設定ですぐに使える

    まとめ

    PDMシステムの乗り換えでは、CADファイルだけでなく、参照関係や改訂履歴、属性情報、承認ワークフローまで引き継げるかが重要です。旧データの棚卸しで移行範囲を決め、CADアドインやBOM連携の対応を確認したうえで、試験移行から段階的に切り替えると設計業務への影響を抑えられます。自社のCADや連携先に対応したPDMを比較したい方は、資料請求を活用して移行支援の内容まで確認してください。

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    10月26日(月)更新
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