給与前払いサービスで連携が重要になる理由
給与前払いサービスとは、従業員が給与の支給日を待たずに、すでに働いた分に相当する金額を受け取れる仕組みです。申請できる金額を算出するには勤怠の実績が必要になるため、既存システムとのつながりが運用を左右します。
申請できる金額の算出に勤怠実績が必要になる
前払いの対象となる金額は、実際に働いた時間や日数から計算されます。勤怠のデータがサービスへ届いていなければ、正しい金額を提示できません。データの受け渡しが滞ると、従業員が申請できる金額に実態とのずれが生じる可能性があります。
導入前に確認したいのは、勤怠データをどの方法で受け渡すか、更新の頻度はどの程度かという点です。自動で連携される方式であれば担当者の作業は減りますが、締めの処理や修正の反映がどのタイミングで行われるかは確認が必要です。手作業でファイルを取り込む方式の場合は、その頻度と担当者を運用ルールとして決めておきましょう。
給与計算との整合を保つ必要がある
前払いで支給した金額は、給与支給時に控除する形で精算されます。この処理が給与計算の仕組みと合っていないと、担当者が手作業で調整することになります。月次の締め処理に負担がかかる可能性があるため、事前の確認が欠かせません。
確認したいのは、前払いの実績をどの形式で受け取れるか、給与計算システムへ取り込める形式かという点です。あわせて、控除の項目をどのように設定するか、社会保険や税の計算に影響する扱いになるかも、給与計算の担当者と一緒に確認してください。判断が難しい項目は、社会保険労務士など専門家へ相談する方法もあります。
勤怠管理や給与計算システムとの連携
もっとも運用に影響するのが、勤怠と給与計算の2つです。ここでは確認しておきたい項目を整理します。
勤怠管理システムとの連携で確認したいこと
勤怠管理システムとの連携では、対応している製品の一覧がサービス側で公開されている場合があります。自社が使用している製品と版数が対象に含まれるかを、まず確認しましょう。対象外の場合でも、ファイルの取り込みによって運用できる場合があります。
あわせて確認したいのは、連携するデータの項目です。出勤日数や労働時間だけでなく、深夜や休日の区分、休暇の扱いがどこまで反映されるかによって、算出される金額が変わります。修正が入った場合に、いつ反映されるかも重要です。反映までに時間差が生じる場合、その間に申請が行われた際の扱いを確認しておきましょう。
給与計算システムとの連携で確認したいこと
給与計算システムとの連携では、前払いの実績を控除項目として取り込む方法が中心になります。連携の形式が自社のシステムに合うか、取り込みの手順は誰が行うかを確認しましょう。
また、月の途中で退職者が出た場合や、勤怠に修正が入った場合の精算方法も確認項目です。前払い済みの金額が最終の給与額を上回る可能性がある場合、どのような扱いになるかをサービス提供会社へ確認してください。あわせて、限度額の設定によってそうした事態を抑えられるかも聞いておくと、運用の設計がしやすくなります。
人事労務システムやグループウェアとの連携
従業員情報の管理や、社内での案内に使う仕組みとの組み合わせも、運用の手間に影響します。
人事労務システムとの連携で確認したいこと
人事労務システムには、従業員の氏名や所属、雇用形態、口座情報といった情報が登録されています。これらを前払いサービスへ引き継げると、二重の登録作業を避けられます。
確認したいのは、連携できる項目の範囲と、情報が更新された際の反映方法です。入社や退職、所属の変更が自動で反映されるかどうかで、担当者の作業量が変わります。退職者の利用を止める処理が確実に行われるかは、特に確認しておきたい点です。反映されるまでの時間差がある場合は、その間の扱いを運用ルールとして決めておきましょう。
グループウェアとの連携で確認したいこと
グループウェアとは、社内の連絡や情報共有をまとめて行う仕組みです。前払いサービスの申請画面へ社内ポータルから移動できると、従業員が使い始めやすくなります。
確認したいのは、社内で使用している認証の仕組みでログインできるか、案内を配信する機能があるかという点です。従業員ごとに別のIDとパスワードを管理する形になると、問い合わせの対応が増える可能性があります。導入時の案内方法や、利用状況を確認できる仕組みがあるかも、あわせて確認しておくと運用計画を立てやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で給与前払いサービスの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
銀行やAPIを介した連携
実際の振込処理や、独自の仕組みとつなぐ方法についても、確認しておきたい条件があります。
振込処理と金融機関との関係
前払いの支給は、サービス提供会社が振込を行う形態と、自社の口座から振り込む形態があります。どちらの方式かによって、資金の準備方法や必要な事務作業が変わります。まず、検討している製品がどの方式かを確認しましょう。
確認したいのは、申請から着金までの目安時間、対応している金融機関の範囲、休日や夜間の申請がどう扱われるかという点です。金融機関側の処理時間や、システムのメンテナンス時間の影響を受ける場合があります。従業員へ案内する際に必要な情報になるため、資料請求の段階で条件を確認しておくとよいでしょう。
APIによる連携で確認したいこと
APIとは、外部のプログラムからシステムを操作したり情報をやり取りしたりするための接続手段です。自社で構築した仕組みと組み合わせたい場合や、対応製品の一覧に自社のシステムが含まれない場合に検討されます。
確認したいのは、仕様書が公開されているか、扱える項目の範囲はどこまでか、認証の方式は何かという点です。あわせて、一定時間あたりの実行回数に上限があるかも確認しておきましょう。開発を担当する部門や委託先がある場合は、仕様の確認に同席してもらうと判断が早まります。開発の工数と費用も、比較の材料に含めてください。
給与前払いサービスの連携方式を比較する
連携の可否だけでなく、方式によって運用の手間が変わります。ここでは比較の進め方を整理します。
連携先ごとの確認項目を整理する
下表は、連携先ごとに確認したい項目をまとめたものです。対応の記載があるかだけでなく、データの項目や反映の頻度まで確認すると、導入後のずれを減らせます。
| 連携先 | 確認したい項目 |
|---|---|
| 勤怠管理システム | 対応製品と版数、連携する項目、更新の頻度、修正の反映時間 |
| 給与計算システム | 控除データの形式、取り込みの手順、退職時や修正時の精算方法 |
| 人事労務システム | 連携できる項目、入退社の反映方法、利用停止処理の確実性 |
| グループウェア | 社内認証でのログイン可否、案内の配信、利用状況の確認方法 |
| 金融機関 | 振込の方式、着金までの目安、対応金融機関、休日や夜間の扱い |
| API | 仕様書の公開、扱える項目、認証方式、実行回数の上限 |
連携できない部分の運用を決める
すべての項目が自動で連携できるとは限りません。手作業が残る部分については、担当者と頻度、確認の手順を決めておくと運用が安定します。作業の一覧を手順書にまとめ、複数の担当者が対応できる状態にしておきましょう。
また、連携が一時的に止まった場合の対応も決めておく必要があります。データが届かない原因は、自社側のシステム、サービス側、経路上の通信など複数が考えられます。管理者へ通知が届く仕組みがあるか、復旧後に不足したデータを再度取り込めるかを、導入前に確認してください。
既存システムとの連携を確かめたい給与前払いサービス
勤怠や給与計算とどうつながるかで、担当者の作業量は大きく変わります。連携の条件を確認したいサービスを紹介します。
即給 byGMO
- リアルタイム振込、デポジット型/立替型などのユニークな製品性
- 三井住友銀行が2007年から提供してきた安心・セキュアなシステム
- 8,000社を超える業界最大級の導入実績
GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する「即給 byGMO」は、従業員が給与の支給日を待たずに、働いた分に相当する金額を受け取れる給与前払いのサービスです。勤怠の情報をもとに申請できる金額を算出する仕組みで、申請から振込までをサービス側で担う形態です。自社で使っている勤怠管理システムとの連携方法は、製品名を伝えて確認するとよいでしょう。
Advanced pay SAISON
- <New>セブン銀行ATM受取機能利用で申請後、すぐに現金受取可能
- 前払用資金不要!導入コスト・ランニングコストもかかりません!
- 大好評のオプション機能「雇用契約書電子化サービス」
株式会社セゾンパーソナルプラスが提供する「Advanced pay SAISON」は、給与の支給日前に働いた分を受け取れる給与前払いのサービスです。勤怠の実績にもとづいて申請できる金額を扱う仕組みで、従業員向けの申請画面と管理側の画面が用意されています。給与計算との精算方法や、対応できる勤怠システムの範囲を事前に確認しましょう。
CRIA(クリア)
- 企業様への費用負担"ゼロ"
- 土日祝日もリアルタイムで現金受取が可能(年末年始も対応!)
- 24時間365日対応のコールセンター完備
株式会社ペイメントフォーが提供する「CRIA(クリア)」は、従業員が給与の支給日前に働いた分を受け取れる給与前払いのサービスです。勤怠のデータをもとに申請の可否と金額を判定する仕組みで、企業側の事務作業を抑えた運用を想定しています。人事や給与の仕組みとどこまで自動でつながるかを確認しておきましょう。
Payme (株式会社ペイミー / Payme Inc.)
- 導入費用は完全無料
- SSL暗号化やAWSの使用による強固なセキュリティ
- 給与計算や勤怠管理など外部のシステムと連携
前払いできるくん (株式会社Payment Technology)
- 特許取得済みの給与前払いサービス
- 従業員は申請額の6%で利用可
- VISA/Mastercardで簡単決済
給与前払いサービスに関するFAQ
給与前払いサービスの連携について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: 対応製品の一覧に自社の勤怠システムがない場合はどうなりますか?
- ファイルの取り込みによって運用できる場合や、接続手段を使って個別に対応できる場合があります。現在使用している製品名と版数を伝えて、対応方法を確認してみてください。
- Q2: 勤怠に修正が入った場合、申請できる金額はどうなりますか?
- 反映のタイミングはサービスによって異なります。修正が反映されるまでの時間差と、その間に申請が行われた場合の扱いを、導入前に確認しておきましょう。
- Q3: 退職者の利用は自動的に止まりますか?
- 人事労務システムとの連携内容によって異なります。退職の情報がどのように反映されるか、反映までにどの程度時間がかかるかを確認し、運用ルールを決めておきましょう。
- Q4: 振込までにどのくらい時間がかかりますか?
- サービスの方式や金融機関の処理時間によって変わります。休日や夜間の申請がどう扱われるかもあわせて確認し、従業員への案内内容に反映してください。
まとめ
給与前払いサービスの連携性は、勤怠と給与計算という運用の中心にある2つのシステムから確認すると整理しやすくなります。人事労務やグループウェアとのつながりは登録作業と案内の手間に、銀行や接続手段の仕様は支給の流れに影響します。連携できない部分は手順書へ明記しておきましょう。現在使用しているシステムを一覧にしたうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。


