企業規模にあわないツールで起こりうる問題
サイト内検索ツールは、企業やサイトの規模に対して大きすぎても小さすぎても、導入の効果を得にくくなります。規模とのずれは、契約後の運用で初めて表面化することもあります。まずは、規模とのずれがどのような問題につながるのかを2つの方向から整理しましょう。
契約内容が規模を上回る場合の無駄
自社サイトのページ数や検索回数に対して上位のプランを契約すると、使わない機能や利用枠の費用を払い続けることになりかねません。導入時に将来の成長を見込みすぎた場合や、比較の際に機能の多さを重視しすぎた場合に起こりうる問題です。
費用に対して効果が小さいと判断されると、社内で継続の可否が議論され、運用の改善に取り組む前に解約を検討する事態にもつながりかねません。導入の目的と、それを達成するために必要な機能を先に整理することが大切です。目的が明確であれば、上位プランが本当に必要かを判断しやすくなります。
機能が規模に追いつかない場合の影響
反対に、サイトの規模や業務の複雑さに対して機能が不足していると、手作業による補完が必要になる場合があります。例えば、登録件数の上限が低い、外部システムと連携できない、管理者を複数設定できないといった制約が考えられます。
こうした制約は導入直後には目立たなくても、サイトの成長にあわせて負担が増えていく可能性があります。製品を乗り換える場合は、辞書や設定の移行にも工数がかかるため、導入時に数年先の利用状況も想定しておきましょう。拡張できる上位プランがあるか、上位プランとの価格差も事前に確認しておくと安心です。
小規模企業で起こりうるコスト面の失敗
従業員50名以下の企業では、サイトの規模に比べて過大な契約を結び、費用対効果が悪化するケースが考えられます。ここでは、2つの失敗ケースと、その背景にある判断の誤りを紹介します。自社の検討状況と照らし合わせてみてください。
50名規模で高機能な製品を選んだケース
50名規模の企業が、大規模ECサイト向けの高機能な製品を導入したものの、検索回数やページ数が少なく、費用に対して十分な効果が得られないケースが考えられます。レコメンドや高度な分析機能を備えていても、活用するためのデータ量や運用人員が不足していると、機能を使いこなせません。
このような失敗を避けるには、導入前に必要な機能を「必須」と「あれば望ましい」に分けて整理することが大切です。上位プランへの変更が容易な製品であれば、小さく始めて必要に応じて拡張する選択肢もあります。
利用量が少ない企業での契約の誤り
検索回数やページ数が少ない小規模企業では、最低契約期間や最低利用料金が設定されたプランを選ぶと、利用量に対して割高になる場合があります。特に、年間契約で一括払いにした場合は、途中で見直しにくい点に注意が必要です。月払いのプランと年払いのプランの総額も比べておきましょう。
契約前に、現在の月間検索回数とページ数を把握し、どのプランが適切かを複数の製品で比べましょう。利用量が少ない場合は、CMS標準の検索機能の見直しや、無料の検索サービスが選択肢になる場合もあるため、専用ツールが本当に必要かも検討しましょう。
100名規模で安いツールを選んだ場合の機能不足
100名規模になると、サイト内検索ツールと既存システムとの連携が求められる場面が増えていきます。月額費用の安さを優先した結果、連携機能が不足して手作業が残るケースもあります。想定されるケースと事前の確認方法を紹介するので、比較時の注意点として活用してください。
基幹システムと連携できず手作業が残るケース
100名規模の企業が安価な製品を導入したものの、在庫や価格を管理する基幹システムと連携できず、商品データを手作業で更新し続けるケースが考えられます。CSVでの取り込みにしか対応していない製品では、データの出力と登録を担当者が毎回行う必要があります。
更新の手間が増えるだけでなく、作業の遅れや入力ミスによって、検索結果に古い価格や売り切れ商品が表示される原因にもなります。ツールの月額費用が安くても、作業時間を人件費に換算すると総額が高くなる可能性がある点に注意しましょう。
導入前に連携方法を確かめる手順
連携の不足を避けるには、導入前に連携が必要なシステムと、やり取りするデータの項目を洗い出しておきます。そのうえで、候補製品がAPIやデータの自動取り込みに対応しているか、既存システム側でデータを出力できるかを確認しましょう。
連携の方法は、検索ツール側と基幹システム側の両方の仕様によって決まるため、どちらか一方の情報だけでは判断できません。情報システム部門や基幹システムのベンダーにも相談し、連携に必要な開発の範囲と費用を事前に見積もっておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でサイト内検索ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
大企業で検索が集中したときの運用トラブル
大企業のサイトでは、セールやキャンペーン、新商品の発表、テレビでの紹介などをきっかけに、短時間に検索が集中する場合があります。こうした場面で検索の処理が追いつかないと、売上機会の損失や顧客の不満につながるおそれがあります。想定される現象と、事前に確認したい項目を紹介します。
検索集中時に想定される処理の遅れ
検索が集中した際には、検索結果の表示に時間がかかる、一部の検索がエラーになるといった現象が起こる可能性があります。原因は検索ツール側の処理能力だけでなく、自社サーバやネットワーク、連携しているシステムの負荷など、複数の要素が関係する場合があります。
また、プランごとに検索回数の上限が設けられている製品では、上限に達した際に検索が制限されたり、追加料金が発生したりすることも考えられます。セール時の検索回数が通常時の何倍になるかを、過去のアクセスデータから把握しておきましょう。
負荷に備えて確認したい契約と体制
検索の集中に備えるには、処理能力の拡張方法や、稼働率の目標を定めたSLA(サービス品質保証)の有無をベンダーに確認します。セールの予定を事前に伝えることで、処理能力の増強に対応してもらえるかも確認しておきたい点です。
あわせて、障害発生時の連絡方法や、復旧までの対応手順を社内とベンダーの間で決めておきましょう。検索が使えない場合に備え、カテゴリーから商品を探せる導線を用意しておくと、影響を小さく抑えられます。セール後には検索の応答状況を振り返り、次回の準備に生かすことも大切です。
規模にあったサイト内検索ツールを選ぶ事前準備
ここまで紹介した失敗は、導入前の準備によって起こる可能性を下げられます。自社の現状を数値で把握し、将来の変化も見込んだうえで契約条件を確認することが大切です。事前準備の手順を2つ紹介します。
現状の利用状況を数値で把握する
最初に、検索対象とするページ数や商品数、月間の検索回数、繁忙期の検索回数を数値で把握します。アクセス解析ツールや現在の検索機能のログから、過去1年程度の推移を確認できると、季節による変動も見えてきます。数値の取得が難しい場合は、ベンダーに相談して推計の方法を案内してもらう方法もあります。
あわせて、運用に関わる担当者の人数や、連携が必要なシステムも洗い出しておきましょう。これらの情報をまとめて提供会社に伝えると、自社の規模にあったプランの提案を受けやすくなります。
将来の変化を見込んで契約条件を確認する
サイトの規模や検索回数は、事業の成長やサイトのリニューアルによって変わります。プランの変更が契約期間の途中で可能か、変更時に費用が発生するか、上限を超えた場合の扱いはどうかを確認しましょう。
最低契約期間や解約の条件も、規模の変化に対応できるかを左右する要素です。数年先の利用状況を複数のパターンで想定し、それぞれの場合の費用を試算しておくと、規模にあった製品を選びやすくなります。契約更新の時期には利用状況を振り返り、プランが現状に適しているかを定期的に見直しましょう。
自社の規模感と照らして比べたいサイト内検索製品
過剰投資や機能不足を避けるために、自社の検索回数や運用体制と照らし合わせて検討したい製品を紹介します。想定するアクセス量やデータ量を伝えたうえで、見積もりや資料を比較しましょう。
NaviPlusサーチ
- 安定した機能を提供する高機能で多機能な最先端の検索サービス
- 豊富な導入実績で培った充実した導入・最適化サポートの提供
- 「NaviPlusシリーズ」との連携でユーザー体験の最適化が可能
株式会社DGビジネステクノロジーが提供する「NaviPlusサーチ」は、SaaS型のサイト内検索サービスです。安定した機能の提供を掲げており、アクセス解析や0件キーワード分析、リンク切れの把握、重み付けによるロジックチューニングに対応しています。サジェスト表示やスペル訂正も備えています。導入と最適化のサポートも受けられます。見積もりの際は、想定する検索回数やページ数を伝えておくとよいでしょう。
ZETA SEARCH
- 迅速かつ正確な検索を実現!サイト内の検索スピードを向上
- ユーザーのニーズや利用傾向に合わせた精度の高い検索結果を実現
- 継続的な運用改善で、利便性向上・利益最大化をサポート
ZETA株式会社が提供する「ZETA SEARCH」は、高速な処理能力とAIによる自動最適化を特徴とする検索エンジンです。サイト内検索やEC商品検索に対応し、ユーザーのニーズや利用傾向にあわせた検索結果を返します。検索が集中する時期のある大規模なサイトを運営する企業は、処理性能の条件を確認しながら比較するとよいでしょう。サジェスト表示、スペル訂正、0件キーワード分析に対応し、継続的な運用改善の支援も受けられます。
Rtoaster GenAI
- 感覚的・自然な言葉での検索を実現
- マーケターを悩ます「0件ヒット」を解消
- 閲覧履歴がなくてもレコメンドできるアイテム軸AI
株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster GenAI」は、AIが文脈を解析し、関連アイテムを見出し付きで提案するレコメンド機能を持つサービスです。JavaScriptの組み込みだけで実装できるため、開発にかける人員を抑えたい企業でも検討できます。自然な言葉による検索に対応し、サジェスト表示、アクセス解析、0件キーワード分析の機能を備えています。クラウド、SaaSで提供されます。
GENIEE SEARCH for コーポレート (ビジネスサーチテクノロジ株式会社)
- JavaScript埋め込みで簡単に運用スタート!
- 多言語対応で国内・海外問わないサービス展開に対応!
- 検索結果と一緒に指定ページを表示しCV率向上!
Googleカスタム検索エンジン (グーグル合同会社)
- サイトのイメージにあわせてデザインをカスタマイズ
- Googleアナリティクスとの連携でユーザーデータを分析
- オートコンプリートや絞り込み機能で検索をサポート
S4 (Supership株式会社(共同運営:KDDI株式会社))
- パッケージプラン・カスタマイズプランから選択可能
- 経験豊富なプロによるコンサルティングが提供
- サジェストや表記ゆれ対応など、検索円滑化機能が豊富
まとめ
サイト内検索ツールの失敗は、企業規模やサイトの利用状況と契約内容のずれから起こる場合があります。小規模企業では利用量を上回る契約、100名規模では安さを優先した結果の連携不足、大企業では検索集中時の処理能力が懸念点です。現状の利用状況を数値で把握し、将来の変化も見込んで契約条件を確認しましょう。そのうえで複数製品の資料請求を行い、自社の規模にあった製品を比較検討してください。

