日本語の検索品質にかかわる導入条件
日本語は英語と違い、単語の間にスペースを入れずに書くため、検索ツールが文章をどう区切るかで結果が変わります。国産か海外製かという区分だけで判断せず、日本語の扱い方を具体的に確認することが大切です。ここでは、国産製品を検討する際の確認点と、日本語を区切る方式の違いを紹介します。
国産製品を検討するときの確認点
国産のサイト内検索ツールを検討する理由として、日本語の資料や問い合わせ窓口が用意されている点が挙げられます。契約書や請求書の形式、支払い方法が国内の商習慣にあっているかも、導入後の手続きに関わる確認項目です。
ただし、日本語の検索品質は国産かどうかだけでは決まらず、製品ごとの検索方式や辞書の仕組みによって異なります。自社でよく検索される言葉を使ってトライアルを行い、実際の検索結果で判断しましょう。海外製品でも日本語の辞書や国内の代理店を用意している場合があるため、候補から外す前に確認すると選択肢が広がります。
形態素解析とN-gramの違い
日本語の文章を区切る方式には、主に形態素解析とN-gramがあります。形態素解析は辞書をもとに意味のある単語単位で区切る方式で、関係の薄い結果が混ざりにくい一方、辞書にない新語や固有名詞を拾いにくい場合があります。
N-gramは2文字や3文字など一定の文字数で機械的に区切る方式で、検索漏れを減らせる反面、意図しない結果が混ざることがあります。両方を組み合わせる製品もあるため、採用している方式と、辞書を追加登録できるかを確認しましょう。
セキュリティ要件が厳しい企業の導入条件
金融機関や官公庁との取引がある企業などでは、外部サービスの利用に厳しいセキュリティ審査を設けている場合があります。サイト内検索ツールは公開情報を扱うことが中心ですが、会員向けページを検索対象にする場合は特に確認が必要です。
ISMSなど第三者認証の確認方法
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は、組織が情報を安全に管理する仕組みを整えているかを示す枠組みです。国際規格ISO/IEC 27001にもとづく認証制度があります。提供会社がこの認証を取得しているかは、公式サイトや提案資料で確認できる場合があります。
認証は取得範囲が定められているため、検索サービスを提供する部門や事業が対象に含まれているかも確かめましょう。クラウドサービス向けのISO/IEC 27017や、個人情報の扱いに関するプライバシーマークの取得状況も判断材料の一つです。
通信とアクセス制限の確認項目
第三者認証とあわせて、サービスの仕組みそのものも確認しましょう。通信がSSL/TLSで暗号化されているかは、セキュリティ審査で確認を求められる場合があります。管理画面へのログインに、IPアドレス制限や多要素認証(パスワードに加えて別の方法で本人確認する仕組み)を設定できるかも確認項目です。
会員向けページを検索対象にする場合は、ログインしていない人に検索結果が表示されない仕組みがあるかも重要です。データの保管場所や、障害時の連絡体制について回答を求めると、社内の審査資料をまとめやすくなります。
API連携とカスタマイズ性の導入条件
既存のシステムとつないで検索結果を表示したい場合や、自社独自の画面を作りたい場合は、API連携とカスタマイズ性が重要な条件です。対応範囲と費用は製品によって差があるため、要件を具体的に伝えて確認しましょう。
API連携が必須な場合の確認項目
API(システム同士をつなぐ仕組み)で検索ツールを利用する場合、検索結果を取得するAPIと、データを登録・更新するAPIの両方が提供されているかを確認します。仕様書が公開されているか、開発者向けのテスト環境があるかも、開発の進めやすさに関わる点です。
あわせて、1秒あたりや1か月あたりの呼び出し回数に上限があるか、上限を超えた場合の扱いを確認しましょう。仕様変更の告知方法や、旧バージョンの提供期間についても質問しておくと、導入後の改修計画を立てやすくなります。
カスタマイズの範囲と費用
カスタマイズ性を比べる際は、管理画面の設定で変えられる範囲と、個別開発が必要な範囲を分けて確認することが大切です。検索結果のデザインや表示項目を設定だけで変更できる製品もあれば、HTMLやCSSの編集が必要な製品もあります。
個別開発を依頼する場合は、費用や期間に加え、製品のバージョンアップ時に改修が必要かどうかも確認しましょう。独自の改修が多いほど、将来の保守費用が増える可能性があります。まずは標準機能で運用し、必要性が確認できた部分から改修を検討する進め方もあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でサイト内検索ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
多言語対応と大規模データへの対応条件
海外向けサイトを運営している企業や、扱う商品点数が多い企業では、言語やデータ量に関する条件も欠かせません。対応していると記載されていても、対応の中身は製品によって異なるため、具体的な内容を確認しましょう。
多言語サイトで確認したい機能
多言語対応を確認する際は、対応している言語の種類に加え、言語ごとに適切な区切り方で検索できるかを見ることが大切です。中国語のように単語の間にスペースを入れない言語もあるため、言語ごとの検索方式を確認しましょう。
言語別に検索対象を分けられるか、同義語辞書を言語ごとに登録できるかも比較項目です。管理画面やサポートの対応言語は、海外拠点の担当者が運用に関わる場合に確認しておきたい点です。翻訳ページの公開と検索対象への反映が連動するかも、運用の手間を左右します。
数十万点の商品データを扱う場合の条件
数十万点規模の商品データを検索対象にする場合は、登録できる件数の上限と、上限を超えた場合の料金を最初に確認します。件数が多い場合は、データの更新にかかる時間も比較のポイントです。
変更のあった商品だけを更新する差分更新に対応していると、在庫や価格の変化を短い間隔で反映できる場合があります。自社の商品データを使ったトライアルで、検索結果の応答速度や更新の反映時間を確かめると安心です。セールなどで検索が集中する時期の処理能力についても、あわせて質問しておきましょう。
導入条件を社内でまとめる手順
導入条件を洗い出したら、社内で優先順位をつけて整理しましょう。条件が整理されていないと、ベンダーごとに異なる基準で提案を受けることになり、比較が難しくなります。
条件の例を次の表にまとめたので、この後に紹介する手順とあわせて参考にしてください。
| 条件の分類 | 確認する内容の例 |
|---|---|
| 日本語の検索品質 | 検索方式、辞書の追加登録の可否 |
| セキュリティ | 第三者認証の取得範囲、通信の暗号化、管理画面のアクセス制限 |
| 連携と拡張性 | 提供されるAPIの種類、呼び出し回数の上限、カスタマイズの範囲 |
| 言語とデータ量 | 対応言語と言語ごとの検索方式、登録件数の上限、差分更新の可否 |
必須条件と希望条件を分ける
まずは洗い出した条件を、満たさなければ導入できない必須条件と、満たしていれば望ましい希望条件に分けます。例えば、セキュリティ審査の項目やAPI連携は必須条件、管理画面の多言語対応は希望条件とするなど、自社の事情にあわせて区分しましょう。
区分する際は、情報システム部門や法務部門、サイトを運用する部門の意見を集めることが大切です。関係部署の合意を得ておくと、選定の終盤で条件が追加されて比較をやり直す事態を避けられます。
条件を資料請求時の質問に落とし込む
整理した条件は、ベンダーへの質問リストとしてまとめておきましょう。「ISMS認証の取得範囲」「APIの呼び出し回数の上限」「登録件数の上限と超過時の料金」のように、回答が具体的になる形で質問すると比較しやすくなります。
複数のベンダーに同じ質問リストを送れば、回答を一覧表にまとめて比べられます。資料だけで判断できない項目は、デモやトライアルで確認する項目として残しておきましょう。回答の根拠となる資料の提出を求めると、社内審査の添付資料としても活用できます。
導入条件を照らし合わせて検討したい検索ツール
日本語の検索品質や外部サービスとの組み合わせなど、導入前に確認したい条件の観点から比較できるサイト内検索ツールを紹介します。セキュリティや多言語対応の可否は製品ごとに異なるため、資料や問い合わせで確認しましょう。
NaviPlusサーチ
- 安定した機能を提供する高機能で多機能な最先端の検索サービス
- 豊富な導入実績で培った充実した導入・最適化サポートの提供
- 「NaviPlusシリーズ」との連携でユーザー体験の最適化が可能
株式会社DGビジネステクノロジーが提供する「NaviPlusサーチ」は、SaaS型のサイト内検索サービスです。スペル訂正やサジェスト表示、重み付けによるロジックチューニングに対応しており、日本語の入力ミスや検索結果の並び順を調整したい場合に比較の候補となります。アクセス解析、0件キーワード分析、リンク切れの把握も可能です。「NaviPlusシリーズ」の他サービスと連携できるほか、導入と最適化のサポートも受けられます。
ZETA SEARCH
- 迅速かつ正確な検索を実現!サイト内の検索スピードを向上
- ユーザーのニーズや利用傾向に合わせた精度の高い検索結果を実現
- 継続的な運用改善で、利便性向上・利益最大化をサポート
ZETA株式会社が提供する「ZETA SEARCH」は、サイト内検索やEC商品検索に使える検索エンジンです。高速な処理能力とAIによる自動最適化を特徴とし、ユーザーのニーズや利用傾向にあわせた検索結果を返します。サジェスト表示、スペル訂正、0件キーワード分析に対応しています。継続的な運用改善の支援を受けられるため、検索するデータの量や種類が増えていく場合の対応方針も、導入前にベンダーとすり合わせておくとよいでしょう。
Rtoaster GenAI
- 感覚的・自然な言葉での検索を実現
- マーケターを悩ます「0件ヒット」を解消
- 閲覧履歴がなくてもレコメンドできるアイテム軸AI
株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster GenAI」は、AIが文脈を解析し、関連アイテムを見出し付きで提案するレコメンド機能を持つサービスです。特許取得済みの技術を、JavaScriptの組み込みだけで実装できる点が特徴です。自然な言葉による検索に対応し、閲覧履歴がない来訪者にも提案できます。サジェスト表示、アクセス解析、0件キーワード分析を備え、クラウドで提供されます。
Yext Search (株式会社Yext)
- 自然言語を解析し簡潔な答えを提示
- プログラミング不要で導入可能
- 自動サジェスト機能でキーワード入力を支援
S4 (Supership株式会社(共同運営:KDDI株式会社))
- パッケージプラン・カスタマイズプランから選択可能
- 経験豊富なプロによるコンサルティングが提供
- サジェストや表記ゆれ対応など、検索円滑化機能が豊富
SyncSearch (株式会社SyncThought)
- キーワード入力を支援するサジェストや表記ゆれ対策が充実
- PDFファイルやOfficeファイルを対象とした全文検索機能
- 利用者権限や検索範囲は管理画面から詳細設定
まとめ
サイト内検索ツールの導入条件は、日本語の検索品質、セキュリティ、API連携とカスタマイズ性、多言語や大規模データへの対応に分けて整理すると比較しやすくなります。国産かどうかや認証の有無だけで判断せず、検索方式や認証の取得範囲、APIの上限など具体的な内容まで確認することが大切です。条件を質問リストにまとめたうえで、複数製品の資料請求を行い比較検討を進めましょう。

