現在では、カオナビを使って四半期に一度の役員合宿では全事業部のグレード別の顔写真リストを、毎週行う役員会議では中途入社一覧・新卒入社一覧・管理職一覧といった顔写真リストを使っている。会議の中でそれらが必要なときにすぐにサッと出せるようにしている。
急速に拡大するサイバーエージェントでは、子会社の経営陣や新規事業の責任者など、いわゆる優秀人材の抜擢や異動の候補者選定が人事の肝。その判断をひとりの担当役員の頭の中だけではなく、役員陣全員で顔写真のリストを見ながら組織を俯瞰して決められるようになったことが大きいという。
また、「誰か探してくれない? 誰かできる人いない?」と、人事の責任者をやっていると経営陣から頻繁にこの問いかけを受けるという曽山氏。事業や市場は常に動き続けているので、それらの問いにすぐに答えること、つまり適した人材をすぐに探しだせるかどうかが人事の力量のひとつであると。人材の配置や抜擢は常に何かを犠牲にするトレードオフの意思決定になる。優秀な人材をA事業部からB事業部に異動すれば、B事業部は強くなるがA事業部は弱くなる可能性がある。それでも組織全体としては、適材適所の最適化を追求しなくてはいけないので、常に組織をいろいろな切り口で俯瞰して意思決定することが重要になる。 カオナビは顔写真入りの組織図がいろいろな切り口で出力できるので、人材の抜擢や配置という答えのない選択肢を検討するときに最も効果を発揮する。男女バランスを見たい、年齢バランスをみたい、管理職の顔ぶれを見たい、カオナビを導入したことでそれらの切り口を顔写真で直感的に確認することができるようになった。結果、異動・配置・抜擢の着想が速くなり、組織を定常的に活性化することが可能となった。
優秀人材はその社員の顔を見て、つまり目視で確認することが大切、カオナビから出力した様々な切り口の顔写真リストを常に携帯して社内を奔走し続ける曽山氏。カオナビを使った理想の組織作りはまだまだ続く。
現在では、主力事業であるアメーバやスマートフォン事業などを主力に成長を続け、サイバーエージェントの勢いは全く衰える様子が見えない。今後もカオナビを活用した組織作りを続ける曽山氏は、事業の急拡大と組織の連帯感、常に抗う二つの命題を実現するためのチャレンジ精神とエネルギーに満ち溢れている。
(事例公開日 2015年4月28日)