セキュリティソフトのシェアが指すもの
シェアという言葉には複数の集計方法があり、調査によって順位や数値が変わることがあります。まずはシェア情報の性質を理解し、比較検討にどう活用できるかを確認しておきましょう。
調査によって数値が異なる背景
セキュリティソフトのシェアは、調査会社の集計対象やアンケートの回答者層によって数値が変わります。個人向け市場と法人向け市場を分けて集計している場合と、両方を合算している場合があり、同じ「シェア」という言葉でも指す範囲が異なる点に注意が必要です。
また、無料版と有料版を合算しているか、国内限定か海外を含むかによっても結果が変わります。公開されている数値を見る際は、調査の対象期間や集計方法があわせて記載されているかを確認すると、数値の意味を正しく読み取りやすくなります。複数の調査結果を横並びで見比べる場合も、集計条件が異なる数値をそのまま比較しないよう注意しましょう。
シェアの高さと自社への適合性は別軸
シェアが高い製品は導入実績や情報量が多い傾向がありますが、自社の業種や利用環境に合うかどうかは別の観点で判断する必要があります。業務で使う端末の種類やOSのバージョン、既存システムとの組み合わせによって適した製品は変わります。
シェアだけを根拠に導入すると、自社の運用に合わない機能が中心の製品を選んでしまう可能性があります。シェアは候補を知るきっかけとして活用し、最終判断は自社の要件と照らし合わせて行うことが重要です。同業他社での採用実績が公開されている場合は、自社と近い環境での利用状況として参考にするとよいでしょう。
セキュリティソフトを比較する際に確認できる項目
検知率のような非公開の指標に頼らず、公開情報から確認できる項目を軸に比較する方法を紹介します。ベンダーに直接問い合わせて確認できる情報も、比較検討の材料として活用しましょう。
利用しているエンジンとスキャン対象の範囲
セキュリティソフトが利用している検知エンジンの種類や、スキャン対象がファイルのみか、メールやWebアクセスまで含むかは、公式サイトで確認できる情報です。対応するOSやアプリケーションの範囲もあわせて確認しておくと、自社の環境で動作するかを判断しやすくなります。
検知率という指標は測定条件によって結果が変わるため、製品間で単純に比較できる数値ではありません。検知率の代わりに、更新頻度やスキャン対象の範囲、誤検知が起きた際の対応方法など、実際に確認できる項目で比較することをおすすめします。あわせて、検知の際にファイルを隔離するか自動削除するかといった処理方法も、業務データを扱ううえで確認しておきたい項目です。
検知時の通知と管理機能
不審なファイルやアクセスを検知した際に、管理者へどのように通知されるかは、法人利用で重視したい項目です。メール通知や管理コンソールでの一覧表示など、通知方法は製品によって異なります。
複数の端末を一括で管理できる機能があるかもあわせて確認しましょう。端末ごとの状態を管理画面から把握できると、異常が発生した端末の特定や対応がしやすくなります。管理機能の使いやすさは、資料請求やトライアルで実際に確認することをおすすめします。管理画面が直感的に操作できるかどうかも、日々の運用負担に影響する重要な確認項目です。
セキュリティソフト選定で見落としやすい点
機能面だけでなく、運用時に負担がかかりやすい項目も選定時にあわせて確認しておくとよいでしょう。導入後の運用イメージを具体的に描いておくと、選定時の判断がしやすくなります。
更新頻度とシステムへの負荷
ウイルス定義ファイルの更新頻度は製品によって異なり、更新中に端末の動作が重くなる場合があります。業務時間中の更新が業務に影響しないよう、更新スケジュールを調整できる機能があるかを確認しておくと安心です。夜間や休憩時間帯に自動で更新する設定ができるかも、業務への影響を抑えるうえで確認したい項目です。
あわせて、常駐監視によるパソコンの動作への影響も製品ごとに差があります。実際の業務環境に近い状態でトライアルを行い、動作への影響を確認しておくと、導入後のトラブルを避けやすくなります。動作の軽さは端末のスペックにも左右されるため、古い端末を含めて検証することが望ましいといえます。
誤検知が起きた場合の対応範囲
セキュリティソフトは、正常なファイルを誤って不審なものと判定してしまう場合があります。誤検知が起きた際に、除外設定を管理者側で行えるか、ベンダーへ報告できる窓口があるかを確認しておきましょう。誤検知は業務システムの更新直後など、特定のタイミングで起こりやすくなる場合があります。
誤検知への対応が遅れると、業務で必要なファイルやシステムが利用できなくなるおそれがあります。除外設定の手順や反映までの時間もあわせて確認しておくと、実際のトラブル時に落ち着いて対応できます。誤検知の連絡先が国内窓口かどうかも、対応スピードに関わる確認項目のひとつです。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でウイルス対策ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入形態によるセキュリティソフトの違い
個人向けと法人向け、クラウド型とオンプレミス型など、導入形態によって管理のしやすさが変わります。自社の運用体制に合った形態を選ぶことが、長期的な運用負担の軽減につながります。
クラウド管理型とオンプレミス型の違い
クラウド管理型は、管理サーバーを自社で用意せず、インターネット経由で複数端末の状態を一元管理できる形態です。導入の手間を抑えたい場合や、拠点が分散している場合に選ばれることがあります。サーバーの保守作業が不要になる分、情報システム部門の負担を軽減できる場合があります。
一方でオンプレミス型は、自社内にサーバーを設置して管理する形態で、社外ネットワークへの依存を避けたい場合に選ばれます。どちらの形態が自社に合うかは、社内のシステム運用体制や、既存のネットワーク構成にもとづいて判断しましょう。サーバーの保守を自社で担えるかどうかも、選択の分かれ目になる場合があります。
端末数やライセンス体系の確認
法人向けのセキュリティソフトは、端末数に応じたライセンス体系を採用している製品が多くあります。契約後に端末を追加する際の手続き方法や、追加費用の有無を事前に確認しておくと、契約後の運用がしやすくなります。テレワーク端末や貸与端末も含めた台数を事前に把握しておくことが望ましいといえます。
従業員の入退社にあわせてライセンスの過不足が生じることもあるため、ライセンスの増減を柔軟に行えるかも比較材料といえます。契約期間の途中で台数を調整できるかは、ベンダーへ直接確認しておくとよいでしょう。年間契約か月単位の契約かによっても、増減時の手続きや費用の発生タイミングが異なるため、契約前に確認しておくと安心です。
セキュリティソフト導入後に起こりやすい課題
導入して終わりではなく、運用を続けるなかで起こりやすい課題にも目を向けておく必要があります。継続的な運用体制を整えることが、セキュリティ対策の効果を維持するうえで欠かせません。
アップデート未実施による保護状態の低下
ソフトウェアのアップデートが行われないまま放置されると、新しい脅威への対応が遅れる可能性があります。自動更新の設定がされているか、更新状況を管理者が一覧で確認できるかをチェックしておきましょう。手動更新が必要な製品では、更新の実施状況が担当者任せになりやすい点にも注意が必要です。
複数拠点や在宅勤務の端末では、更新状況の把握が難しくなる場合があります。端末ごとの更新状況をリモートで確認できる機能があると、担当者1人に依存せず組織全体で保護状態を維持しやすくなります。未更新の端末を一覧で抽出できる機能があれば、対応の優先順位もつけやすくなります。
従業員への周知とルール整備
セキュリティソフトを導入しても、従業員が警告を無視したり、不要な操作で機能を無効化したりすると効果が薄れてしまいます。操作方法や警告が出た際の対応手順を、社内向けにわかりやすくまとめておくことが望ましいといえます。
定期的な社内研修や注意喚起を行うことで、従業員のセキュリティ意識を維持しやすくなります。ルールの周知は一度で終わらせず、継続的に行う体制を整えておきましょう。
法人向けセキュリティソフトを選ぶ際に注目したい製品
ウィルス対策ソフトは検知の仕組みや運用体制によって特徴が異なります。自社の環境や求めるセキュリティレベルに合わせて、以下の製品を比較検討してみてください。
ESET PROTECT MDR
- 業界最速のMDRレスポンス ※ESET社調べ
- エンドポイントのセキュリティ対策をひとまとめで任せられる
- 24×365でキヤノンMJグループが日本語対応!安心して任せられる
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供する「ESET PROTECT MDR」は、法人向けエンドポイントセキュリティ「ESET PROTECT」シリーズの上位ラインアップとして、大企業向けに提供されるクラウド型XDRソリューションです。エンドポイント保護(EPP)とXDR機能「ESET Inspect Cloud」を組み合わせ、専任担当者による日々の脅威モニタリングやチューニングを行う「MDRサービス」、環境に応じた設定変更やトラブル対応を支援する「プレミアムサポートサービス」を24時間365日体制で提供し、予防から検知・対応までを一貫してサポートします。
Votiro Secure File Gateway
- シグネチャの存在しない未知の攻撃も防御
- あらゆる経路からの侵入をブロック
- 豊富な導入実績
株式会社アズジェントが提供する「Votiro Secure File Gateway」は、メールやWeb経由で組織に取り込まれるファイルを無害化するSaaS型セキュリティサービスです。ファイルの中から安全な要素のみを抽出して再構築するホワイトリスト型の無害化技術「Positive Selection Technology」を採用し、既知・未知を問わずファイルに含まれる脅威をパターンファイルに頼らず除去します。オンプレミス版「VOTIRO Disarmer」の機能をクラウドで利用できる点も特徴です。
AppGuard
- 定義ファイル不要の「OSプロテクト型」
- 未知・既知を問わず、高度なサイバー攻撃による侵害を未然に防止
- 端末に対して悪いコトをさせず、「攻撃の無効化」を実現
DAIKO XTECH株式会社が提供する「AppGuard」は、OSの正常な動作を保護することでマルウェア感染を防ぐゼロトラスト型エンドポイントセキュリティ製品です。マルウェア定義ファイルによる検知ではなく、OSレジストリやシステムスペース、メモリなど中枢部への不正なプロセスの働きかけを監視・遮断する仕組みにより、ゼロデイ攻撃や未知の脅威にも対応します。アップデートが不要で軽量に動作し、一元管理できる点も特徴です。
アバストアンチウィルス (株式会社ノートンライフロック)
- リアルタイムでウイルスを検出し防御する。
- クラウド連携のスキャンで脅威を分析
- 最新の暗号化方式設定やパスワード変更で安全性を高める。
McAfeeTotalProtection (マカフィー株式会社)
- 実績あるウイルス対策容量
- AIとクラウド技術によるリアルタイムの多層保護で脅威に対応
- VPN・パスワードマネージャー・ID・個人情報モニタリング機能
まとめ
セキュリティソフトのシェアは調査方法によって数値が変わるため、比較検討の一つの参考情報として扱うことが大切です。実際の選定では、検知エンジンの範囲や管理機能、更新の仕組みなど、公開情報から確認できる項目をもとに検討しましょう。導入形態やライセンス体系、誤検知時の対応範囲もあわせて確認しておくと、導入後の運用がしやすくなります。気になる製品があれば、資料請求を通じて自社の環境に合うかを確認することをおすすめします。


