経営管理システムとは
経営管理システムとは、どのようなものを指すのでしょうか。概要やERPとの違いについて解説します。
経営判断に必要な情報を可視化できるシステムのこと
経営管理システムとは、各部門のKPIなど経営判断に必要な情報を可視化できる製品のことです。入力された情報をもとに数値予測できる製品もあるため、中長期的な経営戦略の分析や立案にも役立ちます。
経営を成功させるには、企業が保有するヒト・モノ・カネなどの重要なリソースを適切に活用しなければなりません。しかし、人力だけで膨大な企業リソースの情報を集約し適切に活用するのは困難です。そのため、企業が保有するさまざまな経営リソースを一括管理できる「経営管理システム」が注目されています。
ERPとの違い:経営管理の機能に特化しているかどうか
経営管理システムと似た概念としてERPがありますが、両者は目的が異なります。
ERPは、複数の基幹システムをひとつのプラットフォームに統合し提供するシステムです。業務ごとに異なるシステムの統合が目的であるため、経営管理を効率化する機能がほとんどありません。
それに対し、経営管理システムは経営情報の収集や加工に特化したシステムです。会計や人事・生産などの業務データを統合するだけでなく、生産性向上のために有効活用することを目的としています。
経営管理システムでできること
経営管理システムでできることについて解説します。
外部システムとの連携によるデータ収集
経営管理システムには、外部システムとの連携機能が備わっています。これを活用することで、エクセル資料などと連携し、効率的なデータ収集を実現します。会計システムやGoogleスプレッドシートからデータをインポートすることも可能です。過去のデータから経営状況を正確に分析し、損益分岐点売上高などを計算することもできます。
連携時のレイアウトやデータ変換などを自由に設定できる製品もあり、労力を軽減しながら業務効率化を目指せます。
経営ダッシュボードの作成・閲覧
KPIなどの重要な経営指標を表示したり、 管理したい計画の単位を自由に設定したりすることで、経営ダッシュボードを自社用に最適化できます。経営計画の登録や集計などをリアルタイムに実施可能です。また、承認機能やコメント機能が搭載されているため、管理画面上で担当者とコミュニケーションをとれます。
経営管理システムの活用ポイント
経営管理システムを利用して業務効率化を図る際のポイントについて解説します。
綿密に計画を立てる
経営管理システムは膨大な情報を集約し、経営上の課題を可視化できる便利なツールです。しかしいくら機能が優れていても、運用計画が曖昧だと収集した経営資源を有効に活用できません。中期計画と長期計画がうまくかみ合わず、経営戦略を具体的な施策に昇華させることも困難です。環境変化への戦略オプションを設定していないと、市場や需要の変化に有効な対応策を実行できません。
そのため経営管理システムを活用するには、経営計画や実行計画を綿密に策定することが重要です。数値目標だけを設定するのではなく、背景や目的を明確にし、経営成果と現場成果をしっかりと関連付けましょう。
KPIを明確にする
KPIは経営戦略の有効性を判断するための指標で、「重要業績評価指標」とも呼ばれています。定量的な数値が設定されるため、実施した施策の有効度を簡単に判断できるのが特徴です。
たとえば売上5,000万円をKPIに設定した場合は、「売上5,000万円以上」で施策の成功を判断できます。逆に売上5,000万円未満の場合は、施策失敗となるため、経営計画の部分的もしくは抜本的な改善が必要です。
このように、KPIはビジネスの目標をわかりやすく共有できる指標として非常に重宝されています。目標の共有によって関係者間のベクトルが同じになるため、業務効率化や生産性向上を目的とする経営管理においても重要です。ただし複雑に設定しすぎると失敗する可能性が高くなるため、必要最小限の項目数に留めましょう。
経営管理システムとは何かを知って、導入を検討してみよう
経営管理システムとは、経営判断の場面に必要なデータを可視化し、企業全体の生産性を向上できる便利なツールです。経営管理に特化した機能が豊富に搭載されているため、経営効率化をお考えの際は積極的に活用することをおすすめします。導入時は中長期的な計画をしっかりと立て、KPIを明確にしましょう。
経営管理システムについて詳しく知って、導入を検討してください。