電話会議システムとは
電話を使って会議をするシステムを電話会議システムと言います。１対１の通話ではなく、複数人でコミュニケーションをとることが可能です。電話は基本的に誰でも使えるコミュニケーション手段であるため、手軽な会議方法として採用されます。
近年はWeb会議やテレビ会議が注目されているため、電話会議システムは日の目を見なくなるのではないかと思われがちです。しかし、電話会議には他のシステムにない特徴があり、まだまだ広く使われています。むしろ、Web会議やテレビ会議が登場したからこそ、それらと一線を画す魅力を持つ電話会議が注目されているのが現状です。
電話会議システムのメリット
近年注目されている電話会議システムには、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを３つ紹介します。
導入コスト・時間を削減できる
電話会議に必要なのは、電話会議システムと電話機くらいです。そのため、Web会議システムやテレビ会議システムよりも、導入時に要する費用や時間が少なく済みます。
より高品質な電話会議を利用したい場合は、マイクやスピーカーなども用意しなければなりません。しかし、それを踏まえても主にパソコンが必要なWeb会議や、大掛かりな設備が必要なテレビ会議よりは低いコストで導入できます。
気軽に会議を行える
テレビ会議の場合、会議室に備え付けているスクリーンを使わなければならないなど、毎回手間がかかります。一度に生じる手間は小さくても、それが頻繁に発生するのであれば、長い目で見ると大きな負担になるでしょう。
一方、Web会議はパソコンとインターネット環境があれば外出先からも利用できます。スマートフォンに対応しているシステムならもっと手軽に使えるでしょう。ただし、Web会議はある程度ITリテラシーが高くなければ使うのが困難です。気軽に利用するには不向きな場合もあるでしょう。
それらに対して、電話会議は普通の電話とあまり変わらない感覚で利用できます。音声だけでやり取りするため、難しい設定も必要ありません。遠隔会議を実施する方法の中ではもっともハードルが低いと言えます。
安定した通信環境で通話できる
Web会議のようにインターネット回線を利用する場合は、回線の質によって通信品質が左右されます。回線が混雑する時間帯や、インターネット回線の質が低い国にいる場合は、円滑な会議ができなくなるおそれがあります。
これに対して、電話会議システムは基本的に電話回線を利用します。電話回線はインターネット回線より安定して通信することが可能です。特に、海外の拠点と会議をしたい場合は、世界中どこでも張り巡らされている電話回線を使えることは大きなメリットとなります。
また、電話会議システムは災害発生時などの緊急時にも利用できます。電話だけで連絡を取れるため、社員の安否確認や帰宅指示、緊急ミーティングなどを行うのに適しています。
電話会議システムのデメリット
電話会議システムにはいくつかのデメリットもあります。
まず、音声のみのやり取りとなるため、動画や画像データを会議中に共有できません。Web会議システムであればシステム上にアップロードしたファイルを即座に共有可能ですが、電話会議システムでは不可能です。あらかじめ資料を送付しておくなどの準備が必要になります。
また、電話料金が発生する点も見逃せません。基本的に接続する拠点数が増えるほど通話料金は高くなります。電話会議システム導入時の費用は安いものの、ランニングコストを考えると必ずしも経済的とは言えないため要注意です。
電話会議システムの利用方法
最後に、電話会議システムの利用方法を紹介します。
１．通常の回線を経由
電話会議システムを利用するには、専用電話機を使う方法と、そうでない電話機からアクセスポイントにアクセスする方法があります。
前者では、専用電話機を通常の電話回線あるいはIP回線につなげば電話会議を利用できます。普通の電話機と同じように、相手の電話番号を押して電話をかけましょう。
専用電話機は周囲数メートルの範囲にわたって集音できます。したがって、会議室のテーブル上に専用電話機を設置し、その周りを参加者が囲って話をするといった使い方が可能です。そうして話す内容を、別拠点にいる通話相手と共有できるわけです。普通の電話機と違って、手に持つことなく通話できるのが魅力と言えます。
２．アクセスポイントを経由
専用電話機以外を使う場合は、アクセスポイントにアクセスして会議に参加することになります。この方法は以下の２種類に分けられます。
- コールイン方式
- 参加者が指定の電話番号に電話をかける
- コールアウト方式
- 主催者が参加者を招待する
コールイン方式では、基本的に参加者が通話料金を支払うことになります。ただし、指定の電話番号をフリーダイヤルにしておけば、主催者側が料金を支払うことになります。
一方、コールアウト方式は主催者のほうから参加者を招く方式です。この方法では主催者が通話料金を負担するため、参加者は費用がかかりません。参加者が顧客である場合などは、コールイン方式でフリーダイヤルを利用するか、コールアウト方式を採用すると良いでしょう。
電話会議システムを活用し、スピーディーな会議を実現！
電話会議システムは電話を用いて遠隔会議を行うためのシステムです。Web会議システムやテレビ会議システムと比べて以下のメリットがあります。
- ■導入負担が少ない
- ■気軽に会議を行える
- ■通信品質が安定している
また、電話会議システムの利用方法は以下の２つです。
- ■専用電話機から通常の回線を経由する
- ■専用電話機以外からアクセスポイントにアクセスする
以上を踏まえ、電話会議システムを活用しましょう。
