多拠点をつなぐ電話会議を実現する方法
電話会議を多拠点で行うにはどうすれば良いのでしょうか。4つの方法を見ていきましょう。
電話会議サービスを利用する
多拠点で電話会議を行うもっとも基本的な方法は、電話会議サービスの利用です。特別な機器は必要なく、固定電話やスマートフォンがあれば利用できます。
使い方は簡単で、電話会議サービスから提供されるアクセスポイントの番号に電話をかけるだけです。その番号に電話をかけた人が会議のメンバーとなります。通信のネットワーク上に会議室を設け、そこにメンバーが集まる様子をイメージすると分かりやすいでしょう。
ただし、この方法にはサービス利用料金が発生します。多くの場合従量課金制であるため、使えば使うほど高額になります。イベント開催時などの一時的な利用には向いていますが、長期的に使いたいのなら別の方法も検討しましょう。
電話会議装置を利用する
電話会議装置とは、複数人が一度に通話できる装置です。この電話会議装置を会議室のテーブル中央に設置し、それをメンバーが囲んで使うのが一般的です。メンバーの声を装置が拾って通信先に届けてくれると同時に、相手の音声をスピーカーから出力してくれます。「全メンバーが1つの会議室に集まる」のではなく、「2拠点の会議室同士をつなぐ」イメージです。
この電話会議装置には、3拠点以上を接続する機能を備えた製品もあります。たとえば、ある製品は固定電話やパソコンを介することで、多拠点接続を可能にしています。
電話会議装置は安くても数万円、高度なものになると十万円以上するため、導入コストがかかるのが難点です。しかし、その分ランニングコストは安く済みます。
電気通信事業者が提供するオプションを利用する
複数人での通話オプションを提供している電気通信事業者があります。基本的には普通の電話なのですが、相手を切り替えながら通話できるのが特徴です。
1つの会議室に集まったり会議室同士をつないだりするのではなく、複数の個人が網目状につながる様子をイメージすると分かりやすいでしょう。また、電話会議装置と組み合わせて使えば本格的な電話会議も実現できます。
通話料金は主催者に請求されますが、その主催者が定額料金サービスに加入していれば通話料金は変わりません。一方、月額のオプション利用料金は別途発生しますが、数百円であるため気軽に使えます。
IP音声会議システムやPBXを利用する
最後に紹介するのは、厳密には電話会議ではありませんが、それに似通った使い方ができる方法です。
まず、複数のIP音声会議システムを使えば、同一IPネットワーク上で電話会議ができます。電話網ではなくIP網を使うため、やや通信品質は劣ります。また、あくまで同一IP網上でやり取りするだけであるため、顧客企業との会議には使えません。しかし、すでにLANやVPNなどの社内IP網があるなら、IP音声会議システムの導入コストだけで済むのが魅力です。
一方、PBXを利用する手もあります。普通は1対1で通話するものですが、中には多拠点での会議機能を備えたPBXもあります。一般の電話ともつながるため、顧客との会議にも利用可能です。特に、クラウドPBXなら初期コストが低く手軽に導入できます。
多拠点をつなぐ電話会議の導入事例
多拠点をつなぐ電話会議を導入すると、どのような成果を得られるのでしょうか。具体的な事例から見ていきましょう。
- 【IP通信と組み合わせた事例】
- ある企業は海外の従業員とやり取りすることが多く、そのコミュニケーション方法について頭を悩ませていました。広く使われているIP音声会議を利用していたものの、国によっては通信品質が安定せず困っていたと言います。そこで、IP通信と電話会議システムの統合を決断。段階的に導入を進め、今では全社的に利用していると言います。
- 【全社を内線化した事例】
- ある企業は拠点同士を外線で接続していたため、通話料金がかかることに問題意識を抱いていました。また、リアルタイムな情報共有にも支障をきたしていたと言います。そこで、クラウドPBXの導入により全拠点を内線化。通話料金が大幅に下がり、業務も効率化したと言います。
多拠点接続で電話会議をスムーズに進めよう
多拠点で電話会議を行う方法は以下の4つです。
- ■電話会議サービス
- ■電話会議装置
- ■電気通信事業者が提供するオプション
- ■IP音声会議システムやPBX
方法によって発生する料金や使い方が異なります。自社ではどのようなスタイルで使いたいのかを明確にして選ぶと良いでしょう。
以上を踏まえて多拠点での電話会議を実現し、ビジネスを効率化しましょう。