CDNで起こりうる障害とサーバダウンの影響
CDNは、世界中に配置した配信拠点で多くのサイトのデータを届けています。そのため、事業者側で障害が起きると、利用している多くのサイトに影響が及ぶ場合があります。過去の事例と、障害の影響が広がる理由を整理しましょう。
大手CDNでも起こりうる障害
過去には、大手CDN事業者の障害によって、国内外の多くの有名サイトが一時的に表示できなくなった事例が報道されています。原因として、設定変更の誤りやソフトウェアの不具合が公表された例もあります。
このことから、規模の大きな事業者であっても、障害が起こらないとは言い切れません。CDNを選ぶ際は、障害がないことを前提にするのではなく、障害が起きたときにどれだけ早く復旧し、情報を公開しているかに注目することが大切です。
障害時に影響が広がる理由
CDNを導入すると、利用者からのアクセスはまずCDNの配信拠点に届きます。そのため、CDN側で障害が起きると、オリジンサーバが正常に動いていても、利用者はサイトを表示できなくなる場合があります。
また、1つの事業者が多くのサイトの配信を担っているため、事業者のシステム全体に関わる障害では、業種や地域を問わず多くのサイトに同時に影響が出ることがあります。重要なサイトでは、障害時にCDNを経由しない配信へ切り替える手順を用意しておくと安心です。
障害の履歴を確認する方法
CDN事業者によっては、稼働状況や過去の障害の履歴を公開するステータスページを用意しています。障害の発生日時や影響の範囲、復旧までの時間、原因と再発防止策が説明されているかを確認しましょう。
障害の件数だけで事業者を比べるのは適切とはいえません。公開の基準は事業者ごとに異なり、小さな障害まで丁寧に報告している事業者ほど件数が多く見える場合もあるためです。報告の速さと内容の具体性を、判断の材料にしましょう。
CDNで顧客データの漏えいが起こりうるケース
CDNは利用者とサイトの間で通信を中継するため、設定の誤りや不具合があると、本来見せるべきでない情報が表示される可能性があります。漏えいにつながりうる原因を、事業者側と利用企業側に分けて確認しましょう。
事業者側の不具合によるケース
過去には、CDN事業者のソフトウェアの不具合により、ほかのサイトのデータの一部が応答に含まれてしまった事例が公表されています。このような不具合は、利用企業側の設定では防ぎきれない場合があります。
事業者側のリスクを判断するには、セキュリティに関する第三者認証の取得状況や、システムの弱点である脆弱性や事故が見つかった際の報告方針を確認することが有効です。事故が起きた際に、利用企業へどのような手段で通知されるかも、契約前に確認しておきましょう。
利用企業側の設定の誤りによるケース
利用企業側のキャッシュ(一時保存)の設定の誤りによって、ある利用者の個人情報を含むページが保存され、別の利用者に表示される場合もあります。会員ページやカートの画面をキャッシュの対象から外していないことなどが原因として考えられます。
また、CDNの管理画面のアカウントが不正に使われると、配信の設定を書き換えられるおそれがあります。管理画面へのログインには多要素認証を設定し、権限を必要な担当者に限定することが大切です。
漏えいのリスクを下げる対策
漏えいのリスクを下げるには、個人情報を含むページをキャッシュしない設定を明確にし、設定を変更する際は検証環境で複数のアカウントを使って表示を確認する手順を設けることが有効です。
あわせて、管理画面の操作履歴を記録し、定期的に確認しましょう。万が一に備えて、問題が見つかった際にキャッシュを削除する手順や、社内外への報告の流れを決めておくことも重要です。判断に迷う場合は、情報システム部門やベンダーに相談しましょう。
CDNのサービス終了や事業撤退への備え
CDNは長期間使い続けるサービスですが、事業者の経営状況や方針の変更によって、サービスや一部の機能が終了する可能性があります。サービス終了が起こりうることを前提に、移行の準備を整えておくことが大切です。
サービス終了が起こりうる背景
海外では、CDN事業者の経営破綻にともないサービスが終了し、利用企業が短期間で他のCDNへの移行を求められた事例があります。また、事業者が提供するCDNの一部のプランや機能が、方針の変更によって提供を終えることもあります。
サービスの終了が事前に告知される場合でも、告知から終了までの期間が短いと、移行の準備が間に合わない可能性があります。事業者からの告知を確実に受け取れるよう、連絡先の登録内容を確認しておきましょう。
移行に備えた準備
万が一のサービス終了に備えて、CDNの設定内容を文書やコードで記録しておくことが大切です。キャッシュのルールや証明書の情報、DNSの設定値がまとまっていれば、別のCDNへ移行する際の作業を減らせます。
特定の製品にしかない独自の機能に深く依存すると、移行の手間が増えます。標準的な機能で要件を満たせないかを検討し、契約書では解約の条件やデータの取り出し方法も確認しておきましょう。移行先の候補を日頃から把握しておくことも有効です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCDNの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入実績の数字や悪い口コミで信頼性を読み解く
CDNの信頼性を判断する材料として、事業者が公表する導入実績や、利用者の口コミを参考にする企業もあります。ただし、数字や口コミは前提条件によって意味が変わるため、そのまま受け取らずに読み解くことが大切です。
導入実績の数字の根拠
事業者が公表する導入社数や利用サイト数は、集計の方法が事業者ごとに異なる場合があります。無料プランの利用者を含めているか、過去に利用していた企業を含むか、グループ会社をどう数えるかによって、数字は大きく変わります。
数字の根拠が明記されていない場合は、集計の条件を事業者に問い合わせて確認しましょう。数字の大きさよりも、自社と同じ業種や規模の企業がどのように使っているかを確認するほうが、判断に役立ちます。
悪い口コミで見られる内容
CDNの悪い口コミには、管理画面が使いにくい、サポートの回答が遅い、請求額が想定より高かった、障害時の情報提供が遅かったといった内容が見られます。こうした声は、導入前に確認すべき点を知る手がかりとして活用できます。
ただし、悪い口コミの中には、利用企業側の設定や契約プランの選び方が原因のものも含まれる場合があります。投稿者の利用条件を確認し、同じ指摘が複数あるかを見たうえで判断しましょう。
口コミを判断に活かす方法
口コミを活かすには、気になった内容を確認項目に置き換えることが有効です。例えば「サポートが遅い」という口コミがあれば、契約予定のプランでの問い合わせ手段と回答の目安時間を事業者に確認します。
「請求額が高かった」という口コミがあれば、追加料金が発生する条件や利用額の通知機能を確認しましょう。トライアルで実際に問い合わせや操作を試せば、口コミの内容が自社にもあてはまるかを確かめられます。確認した結果は比較表に記録しておきましょう。
CDNの信頼性を確かめるチェック項目
CDNの信頼性は、障害や事故が起こらないことではなく、起きたときの対応と補償で判断することが大切です。契約前に確認しておきたい2つのチェック項目を紹介します。社内の関係部署とも共有しておきましょう。
SLAと補償の内容
SLAとは、サービスの品質について事業者が約束する内容を定めたものです。CDNのSLAでは、稼働率の目標値や、目標を下回った場合に利用料の一部が返還される条件が定められている場合があります。
確認の際は、補償を受けるための申請の手続きや期限、補償の上限もあわせて見ておきましょう。SLAが適用されるのは特定のプランに限られる場合もあります。補償は利用料の返還にとどまる場合があり、自社の損失を補うものではない点に注意が必要です。
障害時の情報公開と連絡体制
障害が起きた際に、事業者がどのような手段で情報を公開し、利用企業へ連絡するかを確認しましょう。ステータスページの更新に加え、メールなどで通知を受け取れるかも重要です。
あわせて、自社側でも障害時の連絡体制を整えておくことが大切です。誰が事業者の情報を確認し、社内の関係部署や顧客へどのように伝えるかを決めておけば、障害の影響を小さく抑えることにつながります。連絡体制は年に1回程度見直し、担当者の変更を反映しましょう。
信頼性を確かめながら比べるCDN
障害時の対応やセキュリティ、サービスの継続性などを確かめながら比較したいCDNサービスを紹介します。公開情報やサポート体制を資料で確認しましょう。
エッジキャッシュCDN
- 限られた予算で効率化・年間予算を決定しやすい月額定額料金採用
- 専門知識不要・設定やチューニングはすべてサポートが実施
- Webサイトやサーバーに変更を加えることなく導入可能
合同会社レッドボックスが提供する「エッジキャッシュCDN」は、キャッシュ技術を活用したCDNサービスです。Web表示速度の向上や突発的な負荷への対策、CMSなどのセキュリティ強化を行えます。設定やチューニングはサポートが実施する体制で、月額定額の料金体系を採用しています。Webサイトやサーバーに変更を加えずに導入できる点も特徴です。障害時の対応方針やデータの取り扱いについては、契約前に問い合わせて確認しましょう。
Akamai (アカマイ・テクノロジーズ合同会社)
- Web・API・ゼロトラスト・インフラの各セキュリティを提供
- メディア配信、アプリ性能、エッジアプリを強化
- AI推論、メディア、ゲーム業界向けのソリューションを提供
Cloudflare (Cloudflare Japan株式会社)
- 1つのダッシュボードで全拠点のネットワークを管理可能!
- Enterpriseプランは稼働率100%を実現!
- 平均で1日1,120億件の脅威をブロックする圧倒的な稼働実績!
CacheFly (CacheNetworks, LLC.)
- 75拠点以上のサーバ網を展開し、配信実績多数。
- 動画・ゲーム・ソフト配信に最適化された高速転送機能を搭載。
- 100%稼働SLAと柔軟なプランで安定運用を実現するCDN。
CDNetworks (株式会社シーディーネットワークス・ジャパン)
- 1.24Tbps規模のDDoS攻撃を防ぎ、ブラウザゲーム基盤を保護
- ベトナム有料テレビ著作権侵害対策を強化
- IDC中国WAAP評価で強力なWAAP能力を評価
Amazon CloudFront (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 世界中へ高速・低遅延でコンテンツを配信
- DDoS保護と暗号化でセキュリティを強化
- 従量課金制で配信量に応じた柔軟な料金体系
Google Cloud CDN (グーグル合同会社)
- Googleのエッジ網でコンテンツを高速配信
- 遅延低減によるウェブ・アプリの性能向上
- キャッシュ活用でサーバー負荷と帯域コストを削減
まとめ
CDNは大手の事業者でも障害が起こる可能性があり、設定の誤りや不具合による情報の漏えい、サービス終了のリスクもゼロではありません。リスクを前提に、障害の履歴と情報公開の姿勢、SLAと補償の内容、移行の準備を確認しておくことが大切です。導入実績や口コミは根拠や前提条件を確かめて活用しましょう。信頼性の観点も含めて、資料請求をして複数のCDNを比較検討してみてください。

