クラウド型チャットシステムの特徴とは?
まず最初に、クラウド型のチャットシステムにはどのような特徴があるのでしょうか。
1.導入コストが低いが運用コストが高くなる場合も
クラウド型チャットシステムは導入段階で特別な設備を整える必要がないため、初期費用が安い傾向にあります。初期費用が0円のものも少なくありません。そのため、導入の敷居が低いタイプのツールと言えるでしょう。しかし、ランニングコストが高くなる傾向にあります。利用者の人数や利用量に応じて料金が決まることが多く、長期的な目で見るとコストは高額になります。
2.システム導入が短期間でできる
オンプレミス型であれば、導入の際にサーバやハードウェアなどの設備を自社に整える必要があります。費用はもちろん、時間も必要になるでしょう。しかし、クラウド型であれば提供されるサービスをインターネットを通じて利用するだけなので、自社に特別な設備を整える必要はありません。導入期間が短いため、急にWEBサイトを立ち上げることになった時などは、クラウド型がおすすめです。
オンプレミス型チャットシステムの特徴とは?
オンプレミス型のチャットシステムにはどのような特徴があるのでしょうか。
1.導入コストは高いが運用コストが低くなる場合も
オンプレミス型はツールを導入する際にハードウェアやサーバを自社に設置する必要があるため、費用が高額になりがちです。また、運用には機器のメンテナンスなどに費用がかかります。ただし、運用にかかるコストはクラウド型と比較すると安くつく傾向にあります。クラウド型は利用人数・利用量に応じて料金が変わるので、長い目で見ると高額になります。
2.システム導入・開発に時間がかかる
オンプレミス型は導入やカスタマイズに時間がかかります。クラウド型であればリソースの拡大・縮小を必要な時、手軽に行えますが、オンプレミス型ではその都度設備を整えなければなりません。
また、以前はオンプレミス型のほうがカスタマイズ性に優れているといわれていましたが、近年ではクラウド型も幅広いカスタマイズに対応しているものが多く、一概にオンプレミス型が良いとは言えません。
クラウド型チャットシステムを比較
ここで、ITトレンド編集部が厳選したクラウド型のチャットシステムを紹介します。
Magic Insight for Chatbot
Magic Insight for Chatbot の比較ポイント
- お問合せをAIチャットで自動化、的確にユーザー対応
- タグ埋め込みでサイトの改修をせず簡単に導入可能
- ユーザーによる評価で対応精度がレベルアップ
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
初期費用100万円~ 月額10万円~ |
ー |
ー |
株式会社イーネットソリューションズが提供する「Magic Insight for Chatbot」はIBM社のAIである「Watson」を搭載したチャットボットサービスです。タグ埋込式の簡単設計のため、すぐに導入できます。Webサイトの問い合わせフォームから24時間対応のコールセンター支援まで、幅広いサポート体制に活用できるツールです。
チャットボットの回答をユーザーに「いいね」と「いまいち」から評価してもらう機能が特徴的です。ユーザーからのフィードバックにより、効率的にチャットボットの精度をあげられます。
Web接客ツール【Robee】 の比較ポイント
- 来訪ユーザーの属性データを分析
- ユーザーインサイトに沿ったシナリオの配信
- Robeeによる一元管理でPDCA運用の高速化
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
Web接客 チャットボット |
初期費用0円~ 利用料金5万円~ |
ー |
ー |
「Robee」は株式会社Macbee Planetが提供するWeb接客ツールで、チャットボットを利用できます。同社による広告運用のノウハウが詰まっており、ポップアップやプッシュ通知、A/Bテストなどの機能を有し、コンバージョン率の強化を課題とする企業におすすめです。
また、広告の自動分析やユーザーの行動分析にも強みを持ちます。たとえば、ユーザーのIPアドレスから閲覧地域を割り出し適切なコンテンツを表示させたり、他システムとの連携で行動データの活用が行えたりします。
sinclo の比較ポイント
- 特許取得の次世代型チャットツール
- 各種問い合わせ対応を自動化チャットボット機能
- シンプルでわかりやすいUI/UX
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
Web接客 チャットボット |
別途お問い合わせ |
◯ |
ー |
「sinclo」はコンタクトセンターシステムメーカーとして長年実績を積み上げてきたメディアリンク株式会社が提供する、日本製の次世代型チャットサポートツールです。サイト訪問者の状況をリアルタイムに把握し、最適なタイミングと内容を選んで話しかけを行う「オートメッセージ機能」が特徴で、店舗での接客に近い対応が可能でしょう。
また、サイト訪問者が閲覧しているページを共有し、直感的な操作のサポートが行えます。各種フォームへの代理入力もできるので、PC操作に不慣れな方へのサポートツールとしても強い味方です。
Cogmo Attend の比較ポイント
- 【実績が新聞掲載】工数69%削減が新聞に取り上げられる
- 【高い継続率】継続3年以上の導入企業も多数
- 【充実サポート】導入~運用まで専任チームがサポート
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
初期費用10万円 月額10万円~他 |
◯ |
◯ |
株式会社アイアクトの提供するAIチャットボット「Cogmo Attend」は、IBM社の「Watson」を搭載しており、一問一答、シナリオ分岐型に対応する高機能ツールです。的確な回答を行うほか、質問に対して足りない情報を聞き返したり、会話中の文脈を維持して答えたりと、自然でスムーズなコミュニケーションが可能です。一問一答対応ならExcelで簡単に設定でき、運用時の負荷は低めです。
基幹システムや既存ツールとの連携も可能なので、社内外問わず活用できます。従業員数500名以上の大企業におすすめのツールです。
Alli の比較ポイント
- サービス導⼊&運⽤が簡単︕辞書登録等の準備不要
- AIによる強⼒なFAQ作成⽀援機能︕回答候補を⾃動抽出
- メジャーな情報共有プラットフォームとの連携可能
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
500人~:月額10万円~ |
ー |
◯ |
「Alli」は株式会社日立ソリューションズが提供しているヘルプデスク業務向けAIチャットボットです。マニュアルやガイドラインといった関連書類をアプロードするだけで、AIが文章を読解し、応答モデルを自動構築します。FAQ形式のドキュメントを用意する必要なく導入できるので担当者の負担が少ない製品といえるでしょう。
さらに、回答できなかった質問については、類似した内容を自動でグルーピングして表示し、AIがそれらの情報から新たなFAQを作成するのでメンテナンスも最小限で済みます。
WhatYa LITE Pack の比較ポイント
- シナリオプリセット多数で一からのシナリオ作成は不要!
- 有人対応は空色にお任せ!応対専任者の準備は必要ありません
- 導入カンタン!3ステップですぐにサービスを開始できます
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
初期費用0円 月額5万円~ |
◯ |
ー |
AIチャットボット「WhatYa LITE Pack」は、提供元であり、多くのECサイトの運⽤実績を持つ株式会社空色が有人対応を代行するシステムです。4,000万件以上のチャット応対実勢から自動応対シナリオと有人接客シナリオを標準装備しており、導入に準備をかけずとも、すぐに高いクオリティの応対が可能でしょう。
なお、有人対応は10時~22時、年末年始を除いて毎日利用可能です。自動応対だけでは顧客を取り逃してしまうのでは、と導入に心配のある企業にもおすすです。
主な機能 |
参考価格 |
有人対応・チャットボット |
別途お問い合わせ |
「Twilio Flex」は株式会社アイアクトの提供するクラウド型の次世代コンタクトセンタープラットフォームです。電話やLINE、チャット、SMSなど多彩なデジタルチャネルに対応し、一つのUIで一元管理・操作が可能です。短期間での実装を得意とし、1週間以内に構築・稼働できます。
通話ルーティングをプログラムで管理し、オペレーターのスキルや属性に基づいて顧客を最適なオペレーターにマッチングします。
WEBサイトにチャット用のウィンドウを表示し、ユーザーからのお問い合わせに自動回答します。Chat Dealerは定期的に新機能を追加するだけでなく、専任のスタッフによる手厚い導入・運用サポートが評判です。また、セキュリティーが強固であり、防災性能の高いデータセンターに設置されているため、システムを安定的に運用できます。
- ●初期費用:別途お問い合わせ
- ●月額利用料:別途お問い合わせ
- ●対象企業規模:すべての規模に対応
CSVによる対話定義の一括流し込みや直感的な対話学習UI機能がたけている製品です。初期費用や月額料金が高額ではなく、唯一AIチャットボットを自社独自に開発している企業でもあるため、チャットシステムに特化した製品を提供できます。
- ●初期費用:120,000円~
- ●月額利用料:85,000円~
- ●対象企業規模:すべて規模に対応
オペレーターを追加採用することなく、問い合わせの約70%を規模の拡大が容易な自動対応にすることが可能です。 LivePersonのソリューションが、企業のビジネスに最適なチャットボットを構築、管理します。
- ●初期費用:別途お問い合わせ
- ●月額利用料:別途お問い合わせ
- ●対象企業規模:すべての規模に対応
RICOH Chatbot Service の比較ポイント
- 3STEPで簡単に導入できて、すぐ使える
- 使うたびに精度がアップし、より運用が捗る
- ニーズを可視化したグラフィカル表示が魅力
主な機能 |
参考価格 |
チャットボット |
月額18,000円~ |
株式会社リコーが提供する「RICOH Chatbot Service」は使用するうえで不安になりがちな難しい設定は不要。業界別に用意されたQ&Aのテンプレートに沿ってエクセルで入力するだけで簡単に導入できます。Webサイトへのタグ埋め込みですぐにサービスを開始でき、専用のQRコードをチラシなどに印刷しても使えます。
管理画面では、問い合わせの多い質問やカテゴリー別の回答数などの問い合わせ状況が見やすくグラフィカルに表示され、顧客ニーズがはっきりと可視化されます。
主な機能 |
参考価格 |
有人対応・チャットボット |
50万円~ |
「AIチャットボット Collam」は株式会社JSOLが提供する従業員500名以上の企業で使える対話型AI自動応答システムです。短時間でボットエンジン精度と有効性の検証を実施しつつ、段階的に自社に効果的な環境を構築します。問い合わせ時間や対応件数の制限を気にせず使うことができ、人材不足やオペレーター、管理者の負担を軽減できます。
多言語に対応しているサービスで、100ヶ国語で応答可能。海外展開している企業にもおすすめです。
オンプレミスでも利用できるチャットシステムを比較
クラウド型だけでなく、自社のシステムを構築したい人向けのオンプレミス型でも提供しているチャットシステムを紹介します。
チャットプラス の比較ポイント
- 月額1,500円から利用可能
- 1,800社を超える導入実績
- 安いのに機能最多な最強チャットボットツール
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
初期費用0円 月額1,500円~ |
◯ |
ー |
チャットプラス株式会社の提供する「チャットプラス」はサイト運営者向けのAI搭載型チャットツールです。タグ埋込式の簡単な導入方法で、チャットボット、AIによる自動応答と有人対応を使い分けられます。比較的安価ながら最新技術を積極的に取り入れており、機能が充実しているのが人気の理由のひとつでしょう。
訪問者の国や地域、ブラウザの種類、端末の種類などをデータとして集めたり、メールアドレスを取得したりする機能を備えているため、マーケティングツールとしても力を発揮するでしょう。
- ■チャットポットの設定が簡単で使いやすく、サポートに割く時間が短縮されました。(東京都情報処理・情報システム/ 情報処理、SI、ソフトウェア)
- ■IPアドレスから企業情報を取得できるのは便利である。(大阪府/ 一般事務/ 建設)
i-livechat の比較ポイント
- 数行のタグをサイトに埋め込むだけの簡単導入
- 弊社提供の他Webコンテンツとの連動
- ページ毎に異なった内容でチャット表示が可能
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
Web接客、チャット |
別途お問い合わせ |
◯ |
ー |
「i-livechat」は株式会社スカラコミュニケーションズが提供する、オペレーター対応に特化したオンライン接客ツールです。タグを埋め込むだけですぐに利用でき、1対1のチャットが行えます。同社のASPサービスと連動すると、チャット内の会話からキーワードを検索して、自社コンテンツの内容を確認しながら対応できるのも便利でしょう。
時間外や対応可能なオペレーターがいない時にはポップアップを非表示にしたり、メッセージ受付フォームとして機能させたりといった制御も可能。定型文登録やメッセージの自動送信機能などチャット接客に便利な機能を多く搭載しています。
AI-FAQボット の比較ポイント
- 煩わしくて面倒な事前学習は不要
- チャットボットに問い合わせを任せて業務効率を改善
- 簡単に操作できる画面で使いやすい
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
AIチャットボット |
月額3万円 登録QA数100問の場合 |
◯ |
◯ |
株式会社L is Bが提供している「AI-FAQボット」はExelでQAを管理するタイプのAI搭載型チャットボットです。タグをサイトに埋め込むだけで開始できます。準備した質問と回答を入力するだけで事前学習は不要なので、導入のハードルが低い製品です。社内外問わず柔軟に活用できます。
シンプルな機能ながら、カスタマイズが自在。サイトイメージに合わせた配色の変更の他、オプションでチャット内のキャラクターもイラストや写真に変えられます。
以下の記事では、人気のチャットシステムを機能別に紹介しています。違った角度から製品を比較してみたい方はぜひご覧ください。
関連記事
watch_later
2020.12.23
人気チャットシステムを徹底比較!製品の選び方を徹底解説
続きを読む ≫
チャットシステム4つの選定ポイント
チャットシステムを選ぶポイントはつぎの4つです。
- 1.必要な機能が備わっているか?
- 2.チャットシステムの費用対効果はどうか?
- 3.チャットで使用するシナリオ改善でPDCAは回せるか?
- 4.使いやすいチャットシステム の構造になっているか?
1.必要な機能が備わっているか?
チャットシステムには多くの機能が備わっており、それらを上手く活用することで、より高い効果が見込めます。しかし、不要な機能が多すぎるツールを選んでしまうと機能の豊富さが逆に足枷になってしまう可能性もあるため、まずは自社に必要な機能を決定した上で利用を開始することが大事になるでしょう。
自社がチャットシステムに求めているものは何か、それを実現するために必要な機能は何か、そしてその機能を搭載しているツールはどれか、という部分をしっかりと突き詰めた上で利用するツールを検討しましょう。
2.チャットシステムの費用対効果はどうか?
チャットシステムを導入することはコスト削減に繋がる可能性があります。しかし、コスト面における効果は現場によって大きく異なるため、現実的な費用対効果を想定してツールを選定することが重要になるでしょう。
チャットツールはユーザビリティの向上に寄与してくれるものですが、それだけで成約率の向上に繋がるとは限りません。自社商品のクオリティやラインナップ、ニーズの高いユーザーの集客など、ビジネスの根本的な部分を加味し、総合的に費用対効果を判断することが大切です。
3.チャットで使用するシナリオ改善でPDCAは回せるか?
現代は変化の激しい時代といわれており、昨日通用した手法が今日通用するとは限りません。そのような中で安定的な成果を上げるためには、変化しやすいユーザーニーズに柔軟に対応し、常にPDCA(※参照)サイクルを回し続けることが大事だと言われています。
チャットシステムの導入を検討する際にも、「そのツールを使ってPDCAサイクルは回せるか?」といった点を重視する必要があるでしょう。PDCAサイクルを回しやすいチャットシステムとは、「シナリオ改善が容易か?」「改善前と改善後の反応の比較は容易か?」などの面から判断可能です。
※PDCA・・・Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)といったプロセスの頭文字をとった言葉。ある目的に対する達成率を向上させるために繰り返し行われるため、PDCA「サイクル」と呼ぶ。
4.使いやすいチャットシステム の構造になっているか?
一口に「チャット」といっても、いくつかの利用方法が存在します。ここでは、ユーザーの質問に対する3つの回答方法を紹介します
ボタン型
ボタン型はユーザーにいくつかの選択肢を与え、その中から質問を選んでもらう形態です。決まった選択肢に対する返答を構築すればよいので運営管理は楽になりますが、反面ユーザーの自由度はそれほど高くありません。
ボタン型のチャットシステムは、細やかなユーザーニーズに応えるのが難しいという点がデメリットとして挙げられます。
キーワード抽出型
キーワード抽出型のチャットシステムは、ユーザーが入力した文章からキーワードを抽出し、それに沿った返答を行います。ユーザーは聞きたいことを自由に入力することができるため、会話の自由度を高く保つことができます。
しかし、キーワード抽出の精度が低い場合は正しい返答を行うことができません。そのため、ユーザーニーズを満たせるかどうかはユーザーの文章力や聞き方に依存してしまう可能性があります。
キーワード抽出&AI型
上述のキーワード抽出型にAIによる判断を加えたのが「キーワード抽出&AI型のチャットシステム」です。ユーザーが自由に入力した文章からキーワードを抽出することに変わりはありませんが、その精度がAI技術によって高められるのがメリットです。
それによりユーザーの聞き方に依存せず自然な会話文を形成することができますが、その分導入コストが高くついてしまうのがデメリットとして挙げられるでしょう。
自社にあったチャットシステムを導入しよう!
クラウド型とオンプレミス型のチャットシステムにはそれぞれの特徴があります。クラウド型のほうが使いやすい印象がありますが、本格的にチャットシステムを導入するのであれば、従量課金制のクラウド型は高額になります。
大切なのは、自社に適したチャットシステムを選ぶことです。どちらのタイプが適しているかは、企業の業務やビジョンによって変わります。まずは資料請求をして、可能であれば無料トライアルで実際に体験しながら自社に合ったものを探してみてください。