クラウド型チャットシステムとは
クラウド型チャットシステムとは、ベンダーのサーバを利用しインターネットを経由して利用するサービスです。初期費用がかからず手間なくスタートできる手軽さと、クラウド型なので場所や端末を選ばず利用できるメリットがあります。詳しく特徴を見ていきましょう。
導入コストが低いが運用コストが高くなる場合も
クラウド型チャットシステムは導入段階で特別な設備を整える必要がないため、初期費用が安い傾向にあります。初期費用が0円の製品もあり、導入のハードルも低いといえるでしょう。しかし、ランニングコストが高くなる傾向にあります。利用者の人数や利用量に応じて料金が決まることが多く、長期的な目で見るとコストは高額になる可能性もあるでしょう。
システム導入が短期間でできる
オンプレミス型であれば、導入の際にサーバやハードウェアなどの設備を自社内で整える必要があります。費用はもちろん、時間も必要になるでしょう。しかし、クラウド型であれば提供されるサービスをインターネットを通じて利用するだけです。導入期間が短いため、急にWebサイトを立ち上げることになった時などは、クラウド型がおすすめです。
またインターネットを経由して利用するため端末や場所を選ばず利用でき、コロナ禍におけるコミュニケーションにも対応できるでしょう。
オンプレミス型チャットシステムとは
オンプレミス型のチャットシステムとは、自社にサーバを構築し運用するシステムです。導入には時間がかかりますが、自社環境内での構築となるため、カスタマイズしやすいというメリットがあります。またセキュリティ面においては、クラウド型よりもオンプレミス型のほうが安心といえるでしょう。詳しく特徴を解説します。
導入コストは高いが運用コストが低くなる場合も
オンプレミス型はツールを導入する際に、ハードウェアやサーバを自社に設置する必要があるため、費用が高額になりがちです。また、運用には機器のメンテナンスなどに費用がかかります。ただし運用にかかるコストは、クラウド型と比較すると低い傾向にあります。
システム導入・開発に時間がかかる
オンプレミス型は導入やカスタマイズに時間がかかります。クラウド型であればリソースの拡大・縮小が必要な時に手軽に行えますが、オンプレミス型ではその都度設備を整えなければなりません。
また、以前はオンプレミス型のほうがカスタマイズ性に優れているといわれていましたが、近年ではクラウド型でも幅広いカスタマイズに対応しているものも多くあります。自社の求める機能や拡張性の有無にもを注目して、製品選定を行う必要があります。
クラウド兼オンプレミス型のチャットシステムを比較
ここからはクラウド型・オンプレミス型両方に対応したチャットシステムについて、主な機能や価格を比較して紹介します。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《i-livechat》のPOINT
- 数行のタグをサイトに埋め込むだけの簡単導入
- 弊社提供の他Webコンテンツとの連動
- ページ毎に異なった内容でチャット表示が可能
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
Web接客、チャット |
別途お問い合わせ |
◯ |
ー |
「i-livechat」は株式会社スカラコミュニケーションズが提供する、オペレーター対応に特化したオンライン接客ツールです。タグを埋め込むだけですぐに利用でき、1対1のチャットが行えます。同社のASPサービスと連動すると、チャット内の会話からキーワードを検索して、自社コンテンツの内容を確認しながら対応できるのも便利でしょう。
時間外の場合や対応可能なオペレーターがいない時にはポップアップを非表示にしたり、メッセージ受付フォームとして機能させたりといった制御も可能。定型文登録やメッセージの自動送信機能などチャット接客に便利な機能を多く搭載しています。
クラウド型チャットシステムを比較
ここからは、ITトレンド編集部が厳選したクラウド型のチャットシステムを紹介します。初期費用をかけず、すぐに導入したい場合におすすめです。
《Helpfeel》のPOINT
- 特許取得の革新的な技術「意図予測検索」で、問い合わせ6割削減
- 生成AIを掛け合わせ、検索速度×回答精度UP
- 初期導入時はもちろん、運用・分析もプロがサポート
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
FAQシステム |
別途お問い合わせ |
ー |
◯ |
Nota株式会社提供の「Helpfeel」は、ユーザーによる自己解決を促すFAQシステムです。意図予測検索技術により、曖昧な表現やスペルミスにも対応しているため、FAQ検索ヒット率が98%と非常に高い数値を誇ります。
さらに、インクリメンタルサーチ(逐次検索)機能により、キーワードの入力中に質問を予測して候補ページを表示できるため、従来のシステムと比べて1,000倍の高速応答が可能です。
《sinclo》のPOINT
- サイト訪問者に合わせた話しかけ(オートメッセージ機能)
- ブラウザ同期やドキュメント共有による店頭レベルのWeb接客
- 一括ヒアリング(署名整形)などの入力フォーム最適化でCV向上
主な機能 |
参考価格 |
有人切替 |
社内利用 |
Web接客 チャットボット |
別途お問い合わせ |
◯ |
ー |
「sinclo」は、コンタクトセンターシステムメーカーとして長年実績を積み上げてきたメディアリンク株式会社が提供する、日本製のチャットサポートツールです。サイト訪問者の状況をリアルタイムに把握し、最適なタイミングと内容を選んで話しかけを行う「オートメッセージ機能」が特徴で、店舗での接客に近い対応が可能でしょう。
また、サイト訪問者が閲覧しているページを共有し、直感的な操作のサポートが行えます。各種フォームへの代理入力もできるので、PC操作に不慣れな方へのサポートツールとしても強い味方です。
以下の記事では、人気のチャットシステムを機能別に紹介しています。違った角度から製品を比較してみたい方はぜひご覧ください。
チャットシステムの選定ポイント
チャットシステムを選ぶポイントは以下の4つです。
- 1.必要な機能が備わっているか
- 2.チャットシステムの費用対効果はどうか
- 3.チャットで使用するシナリオ改善でPDCAは回せるか
- 4.使いやすいチャットシステムの構造になっているか
1.必要な機能が備わっているか
チャットシステムには多くの機能が備わっており、それらをうまく活用することで、より高い効果が見込めます。しかし、不要な機能が多すぎるツールを選んでしまうと機能の豊富さが逆に足枷になってしまう可能性もあるため、まずは自社に必要な機能を決定したうえで利用を開始することが大切でしょう。
自社がチャットシステムに求めているものは何か、それを実現するために必要な機能は何かをしっかりと突き詰めた上で利用するツールを検討しましょう。
2.チャットシステムの費用対効果はどうか
チャットシステムの導入は、人件費や営業費用の削減が可能です。また、顧客満足度の向上や離脱防止による売上アップも期待できるでしょう。そのためには、自社の予算と必要とする機能のバランスを見ながら、ベンダーに相談するのがおすすめです。また、段階的に規模や機能を増やせる製品だと、後々に多く予算承認を取れるようになってからもステップアップしやすいです。
3.チャットで使用するシナリオ改善でPDCAは回せるか
現代は変化の激しい時代といわれており、昨日通用した手法が今日通用するとは限りません。そのような中で安定的な成果をあげるためには、変化しやすいユーザーニーズに柔軟に対応し、常にPDCAサイクルを回し続けることが大切だといわれています。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し、業務改善を継続していくことです。
チャットシステムの導入を検討する際にも、「そのツールを使ってPDCAサイクルは回せるか」といった点を重視する必要があるでしょう。PDCAサイクルを回しやすいチャットシステムとは、「シナリオ改善が容易か」「改善前と改善後の反応の比較は容易か」などの面から判断可能です。
4.使いやすいチャットシステム の構造になっているか
一口に「チャット」といっても、いくつかの利用方法が存在します。ここでは、ユーザーの質問に対する3つの回答方法を紹介します。
ボタン型
ボタン型はユーザーにいくつかの選択肢を与え、その中から質問を選んでもらう形態です。決まった選択肢に対する返答を構築すればよいので運営管理は楽になりますが、反面ユーザーの自由度はそれほど高くありません。
ボタン型のチャットシステムは、細やかなユーザーニーズに応えるのが難しいという点がデメリットとして挙げられます。
キーワード抽出型
キーワード抽出型のチャットシステムは、ユーザーが入力した文章からキーワードを抽出し、それに沿った返答を行います。ユーザーは聞きたいことを自由に入力できるため、会話の自由度を高く保てます。
しかし、キーワード抽出の精度が低い場合は正しく返答できません。そのため、ユーザーニーズを満たせるかどうかはユーザーの文章力や聞き方に依存してしまう可能性があります。
キーワード抽出&AI型
上述のキーワード抽出型にAIによる判断を加えたのが「キーワード抽出&AI型のチャットシステム」です。ユーザーが自由に入力した文章からキーワードを抽出することに変わりはありませんが、その精度をAI技術によって高められるのがメリットです。
それによりユーザーの聞き方に依存せず自然な会話文を形成できますが、その分導入コストが高くついてしまうのがデメリットとして挙げられるでしょう。
自社にあったチャットシステムを導入しよう
クラウド型とオンプレミス型のチャットシステムにはそれぞれの特徴があります。クラウド型のほうが使いやすい印象がありますが、利用規模が大きい場合はオンプレミス型のほうがランニングコストを抑えられるかもしれません。
大切なのは、自社に適したチャットシステムを選ぶことです。どちらのタイプが適しているかは、企業によって変わります。まずは資料請求をして、可能であれば無料トライアルで実際に体験しながら自社に合ったものを探してみてください。
導入製品にお悩みで、ひとまず最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。