クラウド構築サービス選びは企業規模で重視点が変わる
クラウド構築サービスは、システムの利用規模や将来的な拡張予定によって適した構成が変わります。企業規模を確認せずに構築を依頼すると、後から想定外の費用や手戻りが発生する場合があります。
従業員規模で変わるインフラ要件
従業員数が少ない企業では、アクセス数や同時利用人数が限られるため、比較的小規模な構成でも業務が成立しやすくなります。一方で従業員数が多い企業や複数拠点を持つ企業では、アクセスの集中や同時接続数の増加を見込んだ設計が必要になる場合があります。
例えば、営業時間内に多数の従業員が同時にシステムへアクセスする業態では、負荷分散やスケーリングの設計を事前に検討しておくことが望ましいとされています。反対に、利用人数が少ない企業で過剰な構成を採用すると、運用コストが利用実態に見合わなくなるケースもあるため、企業規模にあわせた要件整理が重要です。
規模に対して構成が合わない場合に起こりやすいこと
企業規模と構築内容が噛み合っていない場合、コストの増大やシステムの使いにくさにつながる場合があります。規模に対して過大な構成、あるいは過小な構成のどちらも注意が必要です。
過大な構成では、利用実態に対してサーバーリソースが余ってしまい、月額費用が想定より高くなるケースがあります。過小な構成では、繁忙期やアクセス増加時に処理が追いつかず、業務に影響が出る可能性があります。構築を依頼する前に、現在の従業員数だけでなく、今後1~3年程度の増減予定も伝えておくと、適切な規模感の提案を受けやすくなります。
従業員10~30名規模の企業が確認したい視点
従業員数が少ない企業では、初期費用を抑えつつ、必要な機能に絞った構成を選べるかどうかがポイントになります。管理担当者が専任でない場合も多いため、運用のしやすさも確認しておきたい項目です。
10名規模で確認したいポイント
従業員10名規模の企業では、情報システム専任の担当者がいないケースもあります。そのため、構築後の管理画面が複雑すぎないか、初期設定の支援を受けられるかを事前に確認しておくと、導入後の負担を抑えやすくなります。
また、小規模企業では将来の増員や事業拡大にあわせて構成を見直す可能性があるため、契約時に構成変更の手続きや費用感についても質問しておくとよいでしょう。無料相談や見積もりを実施しているサービスであれば、複数社に相談したうえで比較検討する方法も選択肢になります。
30名規模で確認したいポイント
従業員30名規模になると、部署ごとに異なるシステムを利用しているケースが増え、連携の要件が複雑になりやすくなります。構築を依頼する際は、既存の業務システムとどこまで連携できるかを具体的に確認することが重要です。
あわせて、今後の増員を見据えて、ユーザー数の追加や権限設定の柔軟性についても確認しておくと安心です。担当者が変わっても運用を引き継ぎやすいよう、構築時のドキュメントや設定内容を記録として残してもらえるかも、選定時に確認したい項目のひとつです。
従業員50~100名規模で比較したい視点
従業員50名を超えると、部署間の連携や複数システムの統合を意識した構築が必要になる場面が増えます。100名規模では、実際の導入事例をもとに比較検討する企業も多く見られます。
50名規模での比較軸
従業員50名規模の企業では、部署やチームごとにアクセス権限を分ける必要が出てくる場合があります。構築を依頼する際は、権限設定の細かさや、部署追加時の柔軟性について複数のサービスを比較することが有効です。
あわせて、既存のオンプレミス環境からの移行を検討している場合は、移行作業をどこまで代行してもらえるか、移行期間中の業務影響についても確認しておくと、比較の判断材料が増えます。見積もり内容に移行作業の範囲が含まれているかも、あわせて確認しておきたい点です。
100名規模の導入事例に見る視点
従業員100名規模の企業では、複数拠点や部署をまたいだシステム利用を想定した構築事例が見られます。導入事例を確認する際は、自社と近い業種や利用目的の事例があるかを参考にすると、構成のイメージがつかみやすくなります。
ただし、公開されている事例はあくまで一例であり、自社の業務内容や既存システムの構成によって最適な設計は変わります。事例を参考にしつつ、自社の要件をもとにベンダーへ個別に相談し、見積もりや提案内容を比較する流れが実行しやすい進め方です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド構築の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
300名以上の大規模組織に向いた構築の視点
従業員300名以上の企業では、複数システムの統合やアクセス集中への対応など、大規模構成を前提とした設計が求められる場面が増えます。上場企業では、内部統制やガバナンス面の確認も必要です。
300名以上で求められるシステム構成
従業員300名以上の組織では、部署数やシステム利用者数が多く、アクセスの集中や同時処理数の増加を見込んだ構成が必要になる場合があります。負荷分散やスケーリングの設計に加え、障害発生時の切り分けや復旧手順の整備も確認しておきたい項目です。
また、大規模組織では複数のベンダーやシステムが関わることが多いため、責任範囲があいまいにならないよう、構築時に役割分担を明確にしておくことが望ましいとされています。契約前に、障害発生時の連絡フローや対応範囲について書面で確認しておくと、運用開始後の認識違いを防ぎやすくなります。
上場企業で重視されやすい確認事項
上場企業では、内部統制や情報セキュリティに関する社内規程を満たしているかどうかの確認が求められる場合があります。構築を依頼する際は、セキュリティ基準への対応状況や、監査対応に必要な記録の取得可否について具体的に質問することが重要です。
加えて、上場企業は複数の部門やグループ会社が関わることも多く、承認フローや利用範囲の設計が複雑になりやすい傾向があります。情報システム部門だけで判断せず、監査部門や経営層とも連携しながら要件を整理する進め方が実行しやすいといえます。
グループ会社をまとめて構築支援する場合の視点
グループ会社を複数抱える企業では、各社の業務内容やシステム利用状況が異なるため、統一した構成が難しい場合があります。グループ単位での構築支援に対応しているかを確認することが選定のポイントです。
グループ会社特有の要件
グループ会社ごとに利用しているシステムや業務フローが異なる場合、統一した基盤を構築しようとすると、一部の会社で機能不足や使い勝手の差が生じることがあります。構築前に各社の要件をヒアリングし、共通化できる部分と個社対応が必要な部分を整理しておくことが重要です。
また、グループ会社間でデータを共有する場合は、アクセス権限の設計や情報漏えい防止の観点からも慎重な設計が必要です。子会社ごとに異なる管理者を設定できるか、グループ全体の利用状況を親会社側で把握できる仕組みがあるかも、確認しておきたい項目です。
拠点間・子会社間での運用体制
グループ会社をまたいで運用する場合、担当者や連絡窓口が分散しやすく、トラブル発生時の対応が遅れる場合があります。運用ルールやエスカレーションフローをグループ全体で統一しておくことが望ましいとされています。
あわせて、特定の担当者だけに運用が依存しないよう、操作履歴や設定変更の記録を残し、複数人で状況を把握できる体制を整えることが有効です。グループ会社間で定期的に運用状況を共有する場を設けることも、属人化を防ぐ工夫のひとつです。
企業規模に応じたクラウド構築サービスの選び方
企業規模は選定の重要な判断材料のひとつですが、規模だけで機械的に構成を決めるのではなく、実際の業務内容や将来の拡張予定もあわせて検討することが重要です。
規模だけで判断しない視点
従業員数が同程度の企業でも、業務内容やシステムの利用状況によって必要な構成は異なります。「〇〇名規模だからこの構成」と単純に決めつけず、現在の課題や将来の事業計画を踏まえて要件を整理することが選定の精度を高めます。
複数のクラウド構築サービスから提案を受け、自社の状況に対してどのような根拠で構成を提案しているかを比較することも有効な方法です。提案内容の妥当性が分かりにくい場合は、情報システム部門や外部の専門家に相談しながら判断するとよいでしょう。
将来の拡張を見据えた選定
企業規模は今後変化していく可能性があるため、現在の規模だけでなく、増員やシステム利用範囲の拡大にどこまで柔軟に対応できるかも確認しておきたいポイントです。契約後にサーバー構成の見直しがしやすいかどうかも、あわせて質問しておくと安心です。
将来の拡張を見据えた選定を行うことで、規模の変化にあわせた構成変更をスムーズに進めやすくなります。資料請求や無料相談を通じて、複数のサービスに将来的な拡張性について質問し、比較検討する進め方が実行しやすいといえます。
企業規模別に検討したいクラウド構築サービス
ここまで紹介した規模ごとの確認ポイントを踏まえ、小規模企業から大規模組織まで幅広い構成に対応するクラウド構築サービスを紹介します。自社の従業員数や既存システムの状況と照らし合わせながら比較検討してみてください。
株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス
- AWS環境のみならず、OSやミドルウェアまで含めた対応が可能
- 導入後も24時間365日体制でお客様のAWS環境を有人で運用監視
- 構築のみ、運用のみのご相談でも大歓迎
株式会社ディーネットが提供する「株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス」は、AWSの導入設計から構築、運用までを支援するサービスです。要件整理やインフラ構成の設計、既存環境からの移行作業、導入後の運用保守までを相談でき、社内に専任のクラウド担当者がいない企業でも進めやすい体制が整っています。企業規模や利用状況にあわせた構成提案を受けられる点も特徴です。
AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)
- オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境構築に対応
- 一緒に悩み寄り添いながら全国どこでも対面フォロー
- AWS最上位となる「AWSプレミアティアサービスパートナー」を取得
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)」は、AWSを活用したクラウド構築を支援するサービスです。既存システムからの移行やサーバーレスを活用したシステム開発、導入後の運用保守に加え、将来的な内製化を見据えた支援メニューも用意されており、企業の成長段階にあわせて利用範囲を選べます。
「さくらのクラウド」構築・運用パック
- データ転送無料メリット最大化。予実管理しやすい定額運用を支援
- 夜間休日も緊急対応まで全て代行。実績に基づいたサポートで安心
- 専門知識、いりません。設計から請求の一元化まで丸投げOK
株式会社フューチャースピリッツが提供する「『さくらのクラウド』構築・運用パック」は、さくらのクラウドを活用したシステム構築・運用を支援するサービスです。要件整理から構築、運用保守までをまとめて依頼でき、専任のシステム担当者が少ない企業でも導入を進めやすい構成になっています。既存システムからの移行にも対応しています。
CloudAce (クラウドエース株式会社)
- Google Cloud認定資格エンジニアが多数在籍
- WafCharmでCloud Armorを自動運用。
- 導入1,000社超、GCP Partner of the Yearを7回受賞。
AWS導入支援&構築 (カチシステムプロダクツ株式会社)
- AWS認定資格保有者が多数在籍
- お客様のビジネスに合わせた柔軟な設計
- 導入から運用・保守まで一貫サポート
まとめ
クラウド構築サービスは、従業員10名規模の小規模企業から300名以上の大企業、上場企業やグループ会社まで、規模によって確認すべき視点が異なります。現在の従業員数だけでなく、将来の拡張予定も踏まえて要件を整理し、複数のサービスを比較検討することが失敗を防ぐ手がかりになります。自社の状況にあわせて、資料請求や相談を通じて具体的な提案内容を確認してみてください。


