企業規模でデータセンターを選ぶ基本的な考え方
規模に合わないデータセンターを選ぶと、コストが過剰になったり、逆に容量・サポートが不足したりするリスクがあります。まず自社の現状と将来の拡張計画を整理することが大切です。
管理資産の量とラック数から出発する
データセンター選定でまず確認すべきは、現在預けたいサーバーや機器の数、必要なラック数です。1〜2ラック程度なら小規模対応のコロケーションサービスで十分ですが、数十ラック以上になるとスペースの融通性や電力供給の安定性が重要になります。
また「今は少ないが将来増やしたい」という場合は、段階的な拡張に対応できる柔軟な契約形態かどうかも確認しましょう。1/4ラックの小規模から始められる施設や、追加ラックの手配が迅速な施設は、成長途上の企業に向いています。
中小企業(〜100名)に向いたデータセンターの特徴
中小企業では、コストを抑えつつ必要最低限のセキュリティと可用性を確保できる施設が理想です。専任のIT担当者が少ない環境でも、初期設定のサポートやリモートハンズ対応(遠隔操作支援)が充実した施設を選ぶと安心です。
また、都市部のアクセスしやすい場所にある施設は、機器の搬入・メンテナンス時の移動コストを抑えられます。24時間有人監視がついており、障害発生時に素早く対応できる体制かどうかも確認が必要です。
大企業・グループ会社での利用を考える場合
グループ会社や複数拠点を持つ大企業では、複数のサイトに分散配置できるかどうかが重要です。BCP(事業継続計画)の観点から、東西に分散した二拠点運用や、海外拠点を含むグローバルネットワークへの接続性が求められる場合もあります。
さらに、金融・医療など規制の厳しい業種では、FISC安全対策基準やISO認証を取得している施設かどうかも選定基準になります。大規模な導入では、専任担当者によるアカウントサポートや定期的なレビュー体制があるかも確認しましょう。
企業規模別に変わるコストの考え方
データセンターの料金体系は施設によって異なり、初期費用・月額・電力費・作業費などが複雑に絡みます。企業規模と利用形態に応じた総コストの試算が重要です。
小規模利用時のコスト最適化ポイント
ラック数が少ない段階では、最小利用単位(1/4ラック・1ラックなど)の選択肢が豊富な施設を選ぶことで、無駄な支出を防げます。月額固定費のほか、電力使用量に応じた課金(従量制)かどうかも確認しましょう。初期費用(工事費・機器搬入費など)が無料もしくは低額の施設は、小規模導入の初期コストを抑えられます。
また、専門アドバイザーが複数のデータセンターを比較提案してくれるサービスも存在します。自社だけで情報収集するよりも効率的に最適施設を見つけられるため、初めてデータセンターを検討する中小企業にとって特に有益です。
中規模以上での電力・冷却コストへの対応
ラック数が増えると電力コストが総コストに占める割合が高まります。PUE(電力効率指標)が低い施設ほど電力を効率的に使えるため、運用コストの削減につながるでしょう。また、夏場の冷却コストが増大しやすい地域では、気候的に涼しい北日本の施設を選ぶことで、年間電力コストを抑えられる場合があります。
大規模利用では電力契約の単価交渉や、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることでCO2削減目標への対応も可能です。脱炭素経営を推進する企業にとって、カーボンフリー電力で稼働するデータセンターの選択は、ESG報告や取引先への説明にも役立ちます。
将来の拡張コストを見込んだ契約設計
現在の規模だけで施設を選んでしまうと、将来増床・増電が必要になった際に移転コストが発生します。将来的に利用量が倍増する見込みがあるなら、拡張可能なスペースや電力容量が確保できる施設を最初から選ぶことが重要です。
長期契約割引を活用することでコストを下げられる施設もあります。ただし、ビジネス環境の変化が激しい場合は、短期・中期での解約条件や違約金の有無も事前に確認しておきましょう。
データセンター移行時の注意点と規模ごとの対応策
実際にデータセンターへ移行する際は、事前の計画と段取りが業務への影響を最小化するカギです。企業規模に応じた移行の注意点を押さえておきましょう。
移行前の現状調査と機器の棚卸しの重要性
データセンターへの移行を始める前に、現在のサーバー・ネットワーク機器・ストレージの台数・型番・消費電力・設置場所を正確に棚卸しすることが重要です。棚卸しが不十分だと、移設漏れや設置スペースの不足が後から発覚するリスクがあります。
特に小規模企業では、「把握していない機器が社内に点在している」というケースが多いです。IT資産管理ツールを活用して、移設対象を確実にリストアップしてから移行計画を立てましょう。
規模別の移行スケジュール設計と切り戻し計画
移行スケジュールは、企業規模と業務の重要度に応じて設計します。小規模企業では週末の1〜2日で完了することが多いですが、大企業では複数フェーズに分けて段階的に移行することが一般的です。本番切り替えの前には必ずテスト稼働期間を設け、問題が発生した場合に元の環境へ切り戻せる手順を準備しましょう。
「切り戻し計画なしで一気に移行する」というアプローチは、万一トラブルが発生した際に業務が長時間停止するリスクがあります。特に基幹業務システムを移行する際は、切り戻しの手順と担当者を事前に決めておくことが重要です。
移行後の性能確認と運用体制の確立
データセンターへの移行が完了したあとも、一定期間は移行前の性能データと比較して、応答速度・可用性・エラー率に異常がないかを確認することが重要です。特にネットワーク遅延が増加していないか、バックアップが正常に動作しているかは優先的に確認しましょう。
移行後の運用体制として、施設の連絡先・緊急時のエスカレーション先・機器の配置図を文書化してチームで共有することが、長期的な安定運用につながります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
企業規模に合ったデータセンターソリューションの紹介
中小企業から大企業まで、規模やニーズに合わせて選べるデータセンターソリューションを紹介します。各製品の詳細資料は一括で取り寄せて比較することをお勧めします。
株式会社東計電算の業務代行サービス
- 引っ越しから日々のサーバー運用までトータルサポート
- 業務サポートにより安心してテレワークが可能に
- 電気代、オフィスの家賃など、運用コスト削減に効果絶大
株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.が提供する「株式会社東計電算の業務代行サービス」は、社内の情報機器をデータセンターへ移設し、機器の引っ越しから日々のサーバー運用までをトータルで支援するサービスです。移設後の運用も任せられるため、IT担当者のリソースが限られる企業でもデータセンターへの移行を進めやすくなります。オフィスの最適化や電気代・家賃などの運用コスト削減にもつなげられます。
オプテージ曽根崎データセンター(OC1)
- 接続性(コネクティビティ):低遅延・高品質なネットワーク環境
- 立地:アクセス抜群のロケーション
- マネージドサービス:お客さま機器の保守・運用を手厚くサポート
株式会社オプテージが提供する「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」は、大阪駅から徒歩圏内に位置する都市型データセンターです。アクセスしやすいため、機器の搬入や現地作業が必要な場合にも移動負担を抑えられます。低遅延・高品質なネットワーク環境に加え、ライブオペレーションやマネージドサービスにも対応しており、専任の運用担当者を確保しにくい企業でも保守・運用を任せやすい点が特徴です。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、山手線の3駅から徒歩10分圏内に位置する大型データセンターです。免震構造や最新設備を備え、24時間365日の有人監視により高水準の運営品質を維持しています。アクセスしやすいため、機器の保守や増設などで現地作業が必要な企業にも利用しやすく、サーバ管理やバックアップ・リカバリ、モニタリングにも対応しています。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJデータセンターサービス」は、全国各地に加え海外にも展開するデータセンターサービスです。都市型と郊外型のセンターから用途に応じて選択でき、複数拠点へのシステム配置や事業継続を考える企業にも適しています。耐震・免震構造や24時間365日の設備運用体制を備え、広帯域なネットワーク基盤を活用したシステム展開を支援します。
ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)
- 24/7 カーボンフリー電力で稼働し、脱炭素経営の推進にも貢献
- 地震・津波・洪水のリスクが低い、北海道石狩のデータセンター
- ハウジング/コロケーション対応。運用から障害対応まで一括支援
京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供する「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」は、24時間365日カーボンフリー電力での稼働に対応するデータセンターです。地震・津波・洪水のリスクが低い北海道石狩に立地し、BCP対策にも活用できます。ハウジングやコロケーションに加え、運用・障害対応まで支援するため、大規模なIT基盤を運用しながら脱炭素やESGへの対応を進めたい企業にも適しています。
ビジネスiDC
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案
- 日本全国80ヵ所以上のデータセンターをご案内できます
- データセンター×クラウドのハイブリッドも提案可能
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスiDC」は、全国各地の多数のデータセンターから、自社の条件に合った施設を提案するサービスです。専門アドバイザーが立地や設備、規模などの条件を踏まえて選定を支援するため、自社だけで候補を探す負担を軽減できます。データセンターとクラウドを組み合わせたハイブリッド構成の提案にも対応しています。
ふくいデータセンター
- 多要素認証を導入し入退室管理を徹底した万全のセキュリティ体制
- 南海トラフ地震の影響リスクが低いDR/BCP対策に最適なエリア
- ベテランスタッフによる常時監視で異常対応・故障回復を実施
ミテネインターネット株式会社が提供する「ふくいデータセンター」は、DR・BCP対策を重視する企業に適したデータセンターです。南海トラフ地震の影響リスクが低いエリアに位置しており、本社や主要拠点から離れた場所にシステムやデータを配置できます。多要素認証による入退室管理や常時監視も備え、障害時にはベテランスタッフによる対応を受けられます。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
まとめ
データセンターソリューションを企業規模で選ぶ際は、現在の管理資産量・ラック数・予算・将来の拡張計画を軸に検討することが重要です。小規模なら柔軟な最小単位と充実サポート、大企業なら多拠点対応とコンプライアンス要件の充足を優先しましょう。まずは複数施設の資料を取り寄せて、自社規模に合った施設を比較することをお勧めします。

