安定稼働を支える運用体制の基本要素
データセンターの運用体制は「監視」「保守」「障害対応」の三層で成り立っています。それぞれの水準が自社の可用性要件を満たしているか確認しましょう。
24時間有人監視がもたらす安心感と実効性
24時間365日の有人監視体制は、障害を早期に検知し、自動復旧では対応できない問題を即座に人手で処理するための仕組みです。無人監視(アラート通知のみ)と比べて、深夜・休日の障害対応速度が大きく変わります。
特に基幹業務を預けている場合、平日夜間や祝日に障害が発生した際にも現地スタッフがすぐに動けるかどうかは重要な判断基準です。「有人監視あり」と明記していても、常駐スタッフの人数や担当範囲が施設によって異なるため、具体的な体制を確認することを推奨します。
リモートハンズとオンサイト対応の違い
リモートハンズとは、ユーザーが施設に出向かなくても、データセンターのスタッフが機器の電源操作・ケーブル確認・ハードウェア交換などを代行してくれるサービスです。特に自社から遠い施設を利用する場合や、夜間の緊急対応が必要なときに大変役立ちます。
リモートハンズの対応範囲・料金・応答時間は施設によって大きく異なります。月額料金に含まれているケースと、作業ごとに課金されるケースがあるため、契約前に内容を詳細に確認しておきましょう。
SLA(サービスレベル合意)の読み方と注意点
SLAはデータセンターが保証する可用性・応答時間・補償条件を定めた契約上の取り決めです。「稼働率99.9%」と「99.99%」では年間のダウンタイム許容量に約9倍の差があります。基幹業務の重要度に応じて、必要なSLA水準を設定しましょう。
ただし、SLAには「免責事項」が設けられているケースが多く、自然災害・ユーザー起因の障害・計画メンテナンス中のダウンタイムは保証対象外となることがあります。契約書の免責条項を事前に確認し、補償範囲と上限額を把握しておくことが重要です。
障害発生時の対応プロセスを確認する
障害が起きた際の通知・対応・復旧のフローが明確に定義されているかは、施設の信頼性を測る重要な指標です。
障害通知から復旧報告までのフロー設計
優れたデータセンターでは、障害発生から通知・対応・復旧・報告までのフローが文書化されています。顧客への通知手段(電話・メール・ポータル)、エスカレーション先、復旧後の原因調査報告書(ポストモーテム)提供の有無などを確認しましょう。
特に社内のシステム担当者や経営層への報告義務がある企業では、障害の状況を随時確認できるダッシュボードや、ステータスページの提供有無も重要なポイントです。
定期メンテナンスの計画通知と影響最小化
電源設備・冷却システム・ネットワーク機器のメンテナンスは定期的に必要であり、その際に一部のサービスが影響を受ける場合があります。優良な施設では、メンテナンス計画を1ヵ月以上前に通知し、影響範囲を事前に案内します。
また、二重化された設備(電源・ネットワーク・冷却)を持つ施設では、片系でメンテナンスを行いながらもサービス継続が可能です。N+1冗長構成やTier3・Tier4相当の設計を持つ施設かどうかも確認しましょう。
セキュリティインシデント対応体制の確認
物理的なセキュリティ侵害(不正入室など)が発生した場合の対応手順や、サイバー攻撃(DDoSなど)への防御・対処体制も確認が必要です。入退室ログの保存期間や、監視カメラ映像の提供が可能かどうかも問い合わせておくとよいでしょう。
特に金融・医療・個人情報を扱う企業では、インシデント発生時の報告義務(個人情報保護法・各業種ガイドライン)があるため、施設側の協力体制・証拠保全能力も事前に確認することが重要です。
データセンターの運用体制を継続的に改善する方法
データセンターを長期にわたって安定稼働させるためには、導入後も継続的に運用体制を見直し・改善することが重要です。
定期的な運用レビューと改善サイクルの確立
データセンターの運用品質を維持するには、月次・四半期ごとの定期レビューで稼働率・障害件数・対応時間などのKPIを確認し、改善すべき課題を特定することが重要です。過去の障害事例を分析し、再発防止策を運用手順に組み込む「PDCAサイクル」の実践が、運用品質の継続的な向上につながります。
施設側との定期ミーティングで設備の状態や今後のメンテナンス計画を確認することも、計画外停止のリスクを早期に把握するために有効です。
担当者のスキルアップと運用ノウハウの組織化
データセンター運用のノウハウは、担当者個人に依存しがちです。運用ドキュメント(手順書・構成図・連絡先一覧)を整備し、チーム内で共有することで、担当者の異動・退職時のリスクを軽減できます。また、新しい技術(クラウド連携・ネットワーク設計など)について定期的な学習機会を設けることも、長期的な運用品質を維持するうえで重要です。
外部の専門家による運用監査を定期的に実施することで、自社では気づきにくい改善点を発見できます。
自動化ツールの活用による運用負荷の軽減
監視ツール・構成管理ツール・自動バックアップの組み合わせにより、定型的な運用作業を自動化することで、担当者の作業負荷を軽減できます。特に障害検知とアラート通知の自動化は、深夜・休日の対応速度を大幅に改善します。
自動化ツールの導入にあたっては、施設が対応するAPIや管理ポータルとの連携可否を事前に確認しましょう。ツール選定から導入・運用まで支援してくれるベンダーを選ぶと、スムーズに自動化を進められます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
運用体制が充実したデータセンターソリューションの紹介
24時間監視・有人対応・SLA保証など、運用体制の充実を重視する企業向けのデータセンターソリューションを紹介します。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
主要駅から徒歩圏内のアクセスしやすい立地に構えるデータセンターです。免震構造・24時間有人監視を備え、FISC安全対策基準に準拠。専用管理ポータルで機器管理も効率化できます。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
全国16拠点と海外にネットワークを持ち、耐震・免震構造を備えた大規模データセンターです。自社クラウドとの親和性が高く、24時間365日の運用体制で企業のITインフラを支えます。
OC1 曽根崎データセンター
- 高品質で低遅延なネットワーク環境を構築
- 大阪駅から徒歩約12分の都市型データセンター
- 最新のファシリティ・セキュリティを誇る新しいデータセンター
大阪都市部に立地し、関西一円に自社ファイバーネットワークを展開するデータセンターです。再生可能エネルギー100%対応のグリーンDCとして、免震構造と24時間有人監視による高い安定性を備えます。
株式会社東計電算の業務代行サービス
- 引っ越しから日々のサーバー運用までトータルサポート
- 業務サポートにより安心してテレワークが可能に
- 電気代、オフィスの家賃など、運用コスト削減に効果絶大
サーバー等の機器をデータセンターへ移設する業務代行サービスです。搬入・設置から24時間監視の運用管理まで一括対応し、テレワーク推進やオフィスコスト削減にも貢献します。
ビジネスiDC
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案
- 日本全国80ヵ所以上のデータセンターをご案内できます
- データセンター×クラウドのハイブリッドも提案可能
全国80ヵ所以上のデータセンターから最適な施設を提案する選定支援サービスです。専門アドバイザーが業種・規模・予算に合わせてプランを提案。月額116,000円からのスターターパックも用意されています。
QTnet福岡第3データセンター (株式会社QTnet)
- 供給電力は最大30kVA/ラック、GPUなど高負荷サーバーに対応
- 1,400ラック収容可能な拡張性のあるサーバールーム
- 低災害リスク、高い利便性を誇る福岡に立地
ICC-IDCデータセンター (株式会社石川コンピュータ・センター)
- 電子制御された安全空間にサーバー委託ができる
- いつでも高速かつ安全なネット回線を提供
- 仮想基盤「Vase」導入で動作を軽快に
まとめ
データセンターの運用体制を選ぶ際は、有人監視の実態・リモートハンズの対応範囲・SLAの補償内容・障害対応フローの四点を軸に評価しましょう。自社の可用性要件と照らし合わせながら、実際の体制内容を施設担当者に直接確認することが最も確実な方法です。


