契約前に確認すべき基本的な導入条件
データセンターの契約は長期にわたることが多いため、最初の条件確認が特に重要です。見落としがちなポイントを事前に押さえておきましょう。
最小利用単位と契約期間の柔軟性
データセンターの利用形態は施設によって異なります。最小単位が「1ラック」の施設もあれば、「1/4ラック」や「1Uスペース」から契約できる施設もあります。現時点でのサーバー台数に応じて、適切な最小単位を持つ施設を選びましょう。
契約期間も重要です。1年・2年・3年などの長期契約が基本の施設が多いですが、月単位での更新が可能な施設もあります。事業の変化が大きい企業や試験的な導入を検討している場合は、解約条件・違約金の有無を事前に確認することが不可欠です。
電力容量と冷却要件の事前確認
サーバーの消費電力は機種によって大きく異なります。高密度サーバーやGPUサーバーを利用する場合、1ラックあたり10kW以上の電力供給が必要になることもあります。施設が対応できる最大電力密度(kW/ラック)を事前に確認し、自社の機器要件を満たせるかを確認しましょう。
また、高発熱のサーバーを多数運用する場合、施設の冷却方式(空冷・液冷など)と温度管理能力も重要です。将来的にGPUサーバーや高性能ストレージへの移行を検討しているなら、現時点での要件だけでなく将来の拡張性も考慮した施設選びが必要です。
入退室ルールとセキュリティポリシーの確認
データセンターへの入退室には、施設ごとに独自のセキュリティルールが設けられています。来訪者の事前登録・本人確認書類の提示・入室可能時間帯(24時間対応か否か)・同伴者の制限などが代表的な確認項目です。
自社の担当者が深夜や休日に緊急で機器作業を行う可能性がある場合は、24時間365日の自由な入室が可能かどうかを確認しましょう。事前申請が必要な施設では、緊急時の対応に時間がかかることがあります。
初期費用と追加費用の全体像を把握する
データセンターのコストは月額基本料だけではありません。初期費用と追加発生しうる費用の全体像を把握することが重要です。
初期費用として発生しやすい項目
契約時に発生しやすい初期費用には、ラック設置工事費・電源配線工事費・入退室カード発行費・保証金(デポジット)などがあります。施設によっては初期費用が数十万円以上になることもあるため、見積もり段階でこれらを含めたトータルコストで比較することが重要です。
また、機器の搬入・設置を自社で行う場合と、施設スタッフに依頼する場合では費用が変わります。搬入サポートサービスが別途料金になるか、基本契約に含まれるかを確認しましょう。
月額料金以外に発生する可能性がある費用
月額基本料に含まれない費用として、電力超過料金(契約電力を超えた場合の追加課金)・帯域超過料金・リモートハンズ作業料・訪問作業料などが挙げられます。利用状況によっては月額基本料より追加料金の方が高くなるケースもあるため、想定利用量に基づいた試算が必要です。
また、契約更新時の値上げ・物価上昇に伴う電力料金の改定なども考慮に入れておきましょう。長期契約での固定料金交渉や、料金改定の通知期間(何ヵ月前に通知されるか)も確認しておくと安心です。
ネットワーク回線と帯域の契約条件
データセンター内に機器を置くだけでなく、インターネット接続やプライベート回線の引き込みを行う場合は、回線の種類・帯域・キャリアの選択肢も確認が必要です。施設内にキャリアホテル(複数のキャリアが入居)機能がある施設では、接続の冗長化やコスト最適化がしやすくなります。
また、クラウドサービスへのプライベート接続(AWS Direct Connect・Azure ExpressRouteなど)に対応している施設かどうかも、ハイブリッドクラウド環境を構築する企業にとって重要な選定条件です。
データセンター導入後の長期運用を成功させるポイント
導入条件を満たした施設を選んだ後も、長期的な運用を成功させるための継続的な取り組みが重要です。
年間運用コストの最適化と見直しのタイミング
データセンターの利用状況は時間の経過とともに変化します。定期的に電力使用量・帯域使用量・使用ラック数を確認し、実際の利用状況と契約内容の乖離がないかを確認することで、コストの最適化が図れます。使用量が大幅に変化した場合は、施設担当者に契約プランの見直しを相談しましょう。
また、電力料金の改定やサービス価格の変動に対応するため、契約更新時に他施設とも比較検討することが、長期的なコスト管理には有効です。
BCP(事業継続計画)の定期的な見直しと訓練
大規模な自然災害や重大障害が発生した際に事業を継続するためのBCPは、策定しただけでは不十分です。データセンターの利用状況や事業環境の変化に応じて定期的に見直しを行い、実際に切り替え手順を試す訓練を実施することで、有事の際の対応力を高められます。
DRサイトへの切り替え時間目標(RTO)とデータ回復ポイント目標(RPO)を明確に設定し、その目標を実際のシステム構成が満たしているかを定期的に検証しましょう。
施設との良好な関係維持とパートナーシップ
データセンター施設との関係は単なる契約関係にとどまらず、長期的なパートナーシップとして捉えることが重要です。定期的なコミュニケーションを通じて、施設側の設備更新計画・新サービスの情報を早期に入手することで、自社の将来計画に役立てることができます。
また、障害発生時に迅速に対応してもらうためにも、普段からの良好な関係構築が重要です。施設担当者への定期的な状況報告と、将来の利用計画の共有を心がけましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入条件を確認しながら比較できるデータセンターソリューションの紹介
最小利用単位・契約柔軟性・サポート体制など、導入条件を重視する企業向けのデータセンターソリューションを紹介します。
ビジネスiDC
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案
- 日本全国80ヵ所以上のデータセンターをご案内できます
- データセンター×クラウドのハイブリッドも提案可能
全国80ヵ所以上のデータセンターから最適な施設を提案する選定支援サービスです。専門アドバイザーが業種・規模・予算に合わせてプランを提案。月額116,000円からのスターターパックも用意されています。
東京・大阪エリア MCDRコロケーションソリューション
- ミッションクリティカルデータの安全性、可用性を担保する設計
- 将来の拡張要件に対応した大容量電源を提供可能
- 大阪中心部から約20km、東京エリアと共に災害リスクの低い地域
東京・大阪に立地するハイパースケール向け高密度データセンターです。ISO27001/SOC2認証取得済みで、1ラック単位から柔軟に利用可能。高いセキュリティ基準と拡張性を両立しています。
株式会社東計電算の業務代行サービス
- 引っ越しから日々のサーバー運用までトータルサポート
- 業務サポートにより安心してテレワークが可能に
- 電気代、オフィスの家賃など、運用コスト削減に効果絶大
サーバー等の機器をデータセンターへ移設する業務代行サービスです。搬入・設置から24時間監視の運用管理まで一括対応し、テレワーク推進やオフィスコスト削減にも貢献します。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
QTnet福岡第3データセンター (株式会社QTnet)
- 供給電力は最大30kVA/ラック、GPUなど高負荷サーバーに対応
- 1,400ラック収容可能な拡張性のあるサーバールーム
- 低災害リスク、高い利便性を誇る福岡に立地
まとめ
データセンターソリューションの導入前には、最小利用単位・電力容量・入退室ルール・初期費用・追加費用・回線条件を網羅的に確認することが重要です。料金比較は月額基本料だけでなく、トータルコストで判断しましょう。複数施設の資料を取り寄せて条件を比較することが、最適な施設選びの近道です。


