安定稼働の基盤となる電源・冷却機能
データセンターの電源と冷却は、サーバーが24時間止まらず動き続けるための根幹設備です。この部分の構成水準が施設の信頼性を決めます。
電源の冗長構成と自家発電の重要性
商用電源は自然災害や事故によって停電する可能性があります。データセンターでは無停電電源装置(UPS)と非常用発電機を組み合わせた冗長構成が基本です。UPSが数分〜数十分の停電をカバーし、その間に発電機が起動して長期間の電力を供給する仕組みです。
自家発電の燃料備蓄量(何時間分か)も重要な確認ポイントです。48時間以上の燃料を備蓄している施設は、大規模災害時でも長期間の稼働継続が可能です。また、N+1やN+N構成など電源系統の冗長度が高いほど、電源設備の故障リスクも分散されます。
冷却方式の違いと電力効率(PUE)への影響
サーバーは稼働中に大量の熱を発生させます。この熱を適切に排出するための冷却設備がデータセンターの重要なインフラです。空冷(精密空調機)が一般的ですが、近年は高密度サーバーに対応するための液冷(水冷・冷媒直接冷却)を採用する施設も増えています。
PUE(Power Usage Effectiveness)は電力効率を示す指標で、PUEが1.0に近いほど効率的です。一般的な施設のPUEは1.5前後ですが、最新の省エネ施設では1.2以下を実現するものもあります。PUEが低い施設ほど電力コストが抑えられ、CO2排出量削減にも貢献します。
耐震・免震構造による物理的な安全性
日本は地震が多い国であるため、データセンターの耐震性は特に重要な確認項目です。耐震構造は建物が揺れても倒壊しない設計ですが、免震構造はさらに進んで建物への揺れの伝達を大幅に減らす仕組みです。免震装置が設置されている施設では、震度6〜7相当の地震でもサーバーや機器が転倒・損傷するリスクを最小化できます。
また、水害リスクに対する対策(防水扉・嵩上げ設計など)や、火災対応設備(ガス系消火設備など)も安全性の評価ポイントです。立地する地域のハザードマップも参考にしながら、自然災害リスクを総合的に評価しましょう。
ネットワーク接続と物理セキュリティ機能
データセンターに機器を預ける際は、外部との接続品質と物理的なアクセス管理の水準も重要な評価軸です。
マルチキャリア接続と冗長ネットワークの確認
複数の通信キャリアが接続している施設(キャリアホテル機能)では、1つのキャリアに障害が発生してもネットワークを継続できます。インターネット回線の冗長化は可用性向上に直結するため、何社のキャリアと接続可能かを確認しましょう。
また、クラウドサービスとのプライベート接続(AWS Direct Connect・Azure ExpressRoute・Google Cloud Interconnectなど)に対応している施設では、クラウドとオンプレミス機器間の通信をセキュアかつ高速に実現できます。ハイブリッドクラウド構成を採用する場合は必須の確認事項です。
入退室管理と監視カメラのセキュリティ機能
データセンターの物理セキュリティは、不正アクセスや情報漏洩を防ぐ重要な要素です。入退室管理には、ICカード・生体認証(指静脈・虹彩など)・マントラップ(二重扉方式)などが用いられます。認証の多要素化が進むほど不正侵入リスクが低下します。
監視カメラは入口・ラックエリア・廊下など複数箇所に設置され、録画データが一定期間(90日以上など)保管されていることが望ましいです。カメラ映像の開示やログの提供が迅速に行えるかも、インシデント発生時の対応力に関わります。
リモート監視とポータル機能の活用
最近のデータセンターでは、利用者向けのオンラインポータルを提供しているところも増えています。ポータルを通じて機器の稼働状態確認・電力消費量のモニタリング・入退室ログの確認などが行えるサービスは、利便性と可視性を大きく高めます。
また、温度・湿度・電力などの環境データをリアルタイムで確認できる施設もあります。異常値をアラートで通知する機能があれば、トラブルの早期発見にも有用です。ポータルの機能範囲や使いやすさも、施設比較の際に確認しておきましょう。
最新データセンターの機能トレンドと将来性
データセンターの技術は急速に進化しています。将来の拡張性を見据えた施設選びのために、最新のトレンドを理解しておくことが重要です。
グリーンデータセンターと再生可能エネルギーへの対応
企業のCO2削減目標(カーボンニュートラル)の達成に向け、再生可能エネルギーを使用するグリーンデータセンターへの需要が高まっています。太陽光・風力・水力などの再生可能エネルギーで稼働する施設を選ぶことで、企業のESG報告や脱炭素経営の目標達成に直接貢献できます。
現時点で再生可能エネルギー100%対応の施設はまだ限られていますが、将来的にカーボンフリーへの移行を予定している施設かどうかを確認しておくことで、長期的な方向性が合っている施設を選べます。
液冷技術と高密度コンピューティングへの対応
AIや機械学習の普及によりGPUサーバーへの需要が急増しており、1ラックあたり数十kW以上の電力を消費する高密度サーバーに対応できる冷却技術(液冷・冷媒直接冷却)が注目されています。将来的にAI・HPC(高性能計算)分野への投資を検討している企業では、液冷対応の施設を選ぶことが重要です。
空冷のみ対応の施設では高密度サーバーの設置が制限されるため、将来の拡張計画に施設の冷却能力の上限が制約にならないかを事前に確認しましょう。
ソフトウェア定義型データセンター(SDDC)との連携
物理的な機器だけでなく、ネットワーク・ストレージ・コンピューティングリソースをソフトウェアで定義・制御するSDDC(Software Defined Data Center)技術との組み合わせにより、IT環境の柔軟性と自動化が大幅に向上します。SDDCに対応した施設では、クラウドライクな環境をオンプレミスで実現できます。
ハイブリッドクラウド戦略の一環としてSDDCの導入を検討している場合は、施設がVMwareやNutanixなどのSDDCプラットフォームへの対応実績を持つかどうかを確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
機能面で比較できるデータセンターソリューションの紹介
電源冗長・免震・ネットワーク接続など、技術的な機能面を重視する企業向けのデータセンターソリューションを紹介します。
オプテージ曽根崎データセンター(OC1)
- 接続性(コネクティビティ):低遅延・高品質なネットワーク環境
- 立地:アクセス抜群のロケーション
- マネージドサービス:お客さま機器の保守・運用を手厚くサポート
株式会社オプテージが提供する「オプテージ曽根崎データセンター(OC1)」は、通信事業者ならではの接続性を強みとする都市型データセンターです。低遅延・高品質なネットワーク環境を提供し、安定したIT基盤の構築を支援します。大阪駅から徒歩圏内に位置するため現地作業もしやすく、ライブオペレーションやマネージドサービスによる機器の保守・運用支援も利用できます。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、免震構造や最新設備を備えた大型データセンターです。24時間365日の有人監視によってセキュリティと運営品質を維持し、サーバ管理やデータバックアップ・リカバリ、モニタリング・アラートにも対応します。地震・液状化・浸水などの災害リスクが低い立地であることも特徴です。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJデータセンターサービス」は、全国各地に加え海外にも拠点を展開するデータセンターサービスです。耐震・免震構造や24時間365日体制の設備を備え、安定したシステム運用を支えます。構内配線を接続するだけで広帯域バックボーンを利用できるほか、利便性の高い都市型と郊外型のセンターから用途にあわせて選択できます。
ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)
- 24/7 カーボンフリー電力で稼働し、脱炭素経営の推進にも貢献
- 地震・津波・洪水のリスクが低い、北海道石狩のデータセンター
- ハウジング/コロケーション対応。運用から障害対応まで一括支援
京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供する「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」は、24時間365日カーボンフリー電力での稼働に対応する環境配慮型データセンターです。地震・津波・洪水のリスクが低い北海道石狩に立地し、ハウジングやコロケーションに対応します。サーバやネットワーク、セキュリティの管理に加え、バックアップ・リカバリやモニタリング・アラート機能も備えており、安定運用と脱炭素化の両立を支援します。
ふくいデータセンター
- 多要素認証を導入し入退室管理を徹底した万全のセキュリティ体制
- 南海トラフ地震の影響リスクが低いDR/BCP対策に最適なエリア
- ベテランスタッフによる常時監視で異常対応・故障回復を実施
ミテネインターネット株式会社が提供する「ふくいデータセンター」は、堅牢な設備環境とセキュリティ体制を備え、DR・BCP対策に適したデータセンターです。多要素認証による入退室管理で情報資産を保護するほか、ベテランスタッフによる常時監視により、異常や故障が発生した際の対応を支援します。南海トラフ地震の影響リスクが低いエリアに位置しており、主要拠点から離れた場所への分散配置にも活用できます。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
まとめ
データセンターの機能比較では、電源冗長構成と自家発電容量・冷却効率(PUE)・耐震・免震設計・マルチキャリアネットワーク・物理セキュリティの五つの軸を重点的に確認しましょう。技術仕様はカタログだけでなく、施設見学や担当者への質問を通じて実態を確かめることが最も確実な方法です。

