クラウドサービスとの接続品質が重要な理由
多くの企業がクラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成を採用しています。データセンターがクラウドとどう繋がるかが、システム全体の性能と安定性を決める要因です。
プライベートクラウド接続の活用
AWS・Azure・Google Cloudなど主要クラウドへのプライベート接続サービスに対応した施設では、インターネットを経由しない専用線でクラウドと繋がれます。これによりセキュリティの強化・遅延の低減・帯域の安定化が実現可能です。
特にデータ転送量が多い企業や、クラウドのSaaSとオンプレミスのデータを頻繁にやり取りするシステムでは、プライベート接続の品質が業務パフォーマンスに直結します。施設がどのクラウドプロバイダーと接続可能かを事前に確認しましょう。
マルチキャリア接続とキャリアホテル機能
複数の通信事業者の回線から選択・組み合わせが可能な施設では、キャリア障害発生時のリスクを分散しながら帯域コストの最適化もできます。国際拠点を持つ企業では、海外キャリアとの接続ポイントがある施設を選ぶことで、グローバルな拠点間通信の品質を確保しやすいでしょう。
施設に入居しているキャリアの一覧と、接続できる帯域の最大値を事前に確認しましょう。特定のキャリアに依存しない環境を選ぶことが、長期的な接続品質の安定につながります。
IX(インターネットエクスチェンジ)接続による低遅延化
IXとは、複数の通信事業者が相互に接続するための中継拠点です。IX接続ポイントに近いデータセンターを選ぶことで、インターネットトラフィックの遅延を減らしエンドユーザーへの応答速度を改善しやすくなります。Webサービスや動画配信など遅延が体験品質に直結するサービスを運営している企業では、IX接続の可否が施設選定の重要な分岐点です。
日本国内の主要IXに接続している施設を選ぶことで、国内ユーザーへの応答速度を最大化できます。施設がIXと接続しているかどうか、また接続帯域はどの程度かを事前に確認しましょう。
社内システムや外部パートナーとの連携設計
データセンターを選ぶ際は、社内の既存システムや取引先・パートナーとのネットワーク接続設計も合わせて検討する必要があります。
閉域網(専用線・VPN)接続の選択肢
本社・工場・支社などとデータセンターを繋ぐ手段として、専用線とインターネットVPNがあります。重要データを扱う業務では専用線が推奨されますが、コストが高いため、用途に応じてインターネットVPNと使い分ける設計が一般的です。
施設内にVPN終端装置を設置できるスペースや、対応するキャリアの選択肢が豊富かどうかも、柔軟な接続設計に影響します。既存の社内ネットワーク構成と施設の対応範囲を担当者と事前に照合することを推奨します。
他施設との相互接続とDR設計
BCP対策として複数のデータセンターを使う場合、施設間を接続するDC間接続サービスの提供有無と品質が重要です。同一事業者が複数の施設を運営している場合、施設間を自社ネットワークで繋ぐサービスを低コストで提供しているケースがあります。
東日本と西日本にデータを分散させてDRサイトを構築する場合、両施設間の専用接続帯域や遅延値が設計要件を満たすかを技術的に確認することが必要です。
IoT・エッジデバイスとの連携を見据えた接続設計
製造業・物流・小売などの企業では、工場や店舗に設置したIoTデバイスやカメラ映像をデータセンターに集約するケースが増えています。このような用途では、モバイル回線とデータセンターを低遅延で繋ぐための接続仕様を確認することが重要です。
将来的にエッジコンピューティングとの組み合わせを想定しているなら、エッジ拠点との接続仕様やデータの集約・処理設計についても、施設担当者と相談しながら検討を進めましょう。
連携性を高めるためのネットワーク設計と管理手法
データセンターの連携性を最大限に活かすには、適切なネットワーク設計と継続的な管理が欠かせません。
帯域計画と将来の拡張を見据えた設計
現在の通信量だけでなく、3〜5年後のビジネス成長を見越した帯域計画を立てることが重要です。クラウド移行・IoT活用・テレワーク拡大などにより、データセンターとの通信量が急増するケースが増えています。将来の拡張に対応できる帯域増速オプションが用意されているかを契約前に確認しましょう。
また、帯域の使用状況を定常的にモニタリングし、ピーク時の使用率が80%を超えるようになったら増速を検討することが、連携の安定性維持のための目安です。
ネットワーク構成の冗長化と障害時のフェイルオーバー
重要な業務システムを運用する場合、ネットワーク経路の冗長化(2本以上の回線・2つ以上のキャリアを組み合わせる)により、1本の回線に障害が発生しても自動的に迂回経路へ切り替わる仕組みを整えることが重要です。BGPによる自動フェイルオーバー設定は、コンマ数秒の切り替え時間を実現し、業務への影響を最小化できます。
冗長構成のフェイルオーバーが正しく機能するかを定期的にテストし、実際の障害時に確実に動作することを確認しておきましょう。
セキュリティを確保しながら連携を最適化する
外部システムとの連携を拡張するほど、セキュリティリスクも高まります。ゼロトラストセキュリティの考え方に基づき、すべての接続を「信頼しない」前提で設計し、必要最小限の通信のみを許可するファイアウォールルールを設定することが重要です。
また、定期的なセキュリティ監査・脆弱性スキャン・侵入テストを実施して、連携経路のセキュリティ水準を維持することが、長期的な安全な連携の継続につながります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
連携性に強いデータセンターソリューションの紹介
クラウド接続・マルチキャリア対応・閉域網接続など、連携性を重視する企業向けのデータセンターソリューションを紹介します。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
全国16拠点と海外にネットワークを持ち、耐震・免震構造を備えた大規模データセンターです。自社クラウドとの親和性が高く、24時間365日の運用体制で企業のITインフラを支えます。
OC1 曽根崎データセンター
- 高品質で低遅延なネットワーク環境を構築
- 大阪駅から徒歩約12分の都市型データセンター
- 最新のファシリティ・セキュリティを誇る新しいデータセンター
大阪都市部に立地し、関西一円に自社ファイバーネットワークを展開するデータセンターです。再生可能エネルギー100%対応のグリーンDCとして、免震構造と24時間有人監視による高い安定性を備えます。
東京・大阪エリア MCDRコロケーションソリューション
- ミッションクリティカルデータの安全性、可用性を担保する設計
- 将来の拡張要件に対応した大容量電源を提供可能
- 大阪中心部から約20km、東京エリアと共に災害リスクの低い地域
東京・大阪に立地するハイパースケール向け高密度データセンターです。ISO27001/SOC2認証取得済みで、1ラック単位から柔軟に利用可能。高いセキュリティ基準と拡張性を両立しています。
S-Port データセンターサービス
- 1/4・1/2ラックなど、小規模な案件にも柔軟に対応可能
- 高電力提供可能な都心型データセンターを低価格で提供
- マルチキャリア対応/インターネット/24時間監視運用サービス提供
都心立地で高品質・低コストを実現するデータセンターです。1/4ラックの小規模から利用でき、震度6強相当の耐震設計と48時間の自家発電に対応。マルチキャリア接続も可能です。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
QTnet福岡第3データセンター (株式会社QTnet)
- 供給電力は最大30kVA/ラック、GPUなど高負荷サーバーに対応
- 1,400ラック収容可能な拡張性のあるサーバールーム
- 低災害リスク、高い利便性を誇る福岡に立地
まとめ
データセンターの連携性を評価する際は、クラウドへのプライベート接続対応・マルチキャリア接続・閉域網の選択肢・DC間接続の品質を重点的に確認しましょう。ハイブリッドクラウド環境を構築する企業では、施設の接続仕様がシステム全体のパフォーマンスを左右します。事前に自社のネットワーク設計と施設の対応範囲を照合することが大切です。


