DMPの仕組み
DMPはどのような仕組みなのか解説します。
データを収集する
DMPの主な機能はデータを収集することです。以下のようなデータを収集します。
- ■ユーザートラッキング
- ■デモグラフィック情報
- ■購買情報
- ■SNS
- ■オーディエンスデータ
- ■広告ログ
CRMやPOSシステムなど、他のシステムと連携することでより幅広い情報収集が実現します。
データを整理・分析する
データを整理・分析できます。具体的には、以下のような機能を備えています。
- ■RFM分析
- ■商品分析(ABCテストなど)
- ■広告効果測定
- ■レポーティングによるデータ可視化
- ■ユーザーの興味関心分析
- ■複数データの統合
DMPはさまざまな場所からデータを収集するため、同じユーザーの情報が別のデータとして収集されることがあります。それらを統合して分析に活かせるのが特徴です。また、DMPは機能により、パブリックDMPとプライベートDMPに分類されます。
外部機関が持つデータ:パブリックDMP
パブリックDMPはオープンDMPとも呼ばれ、外部機関が持つデータを蓄積するクラウド型プラットフォームです。
情報を提供しているのは、一般的に大規模なサイトやメディアを持ち、多数のユーザーを保有する企業です。それらの企業が提供するデータを利用することで、自社だけでは足りない情報も補えます。消費者の属性を把握し、適切な広告配信に活かせるでしょう。
自社の顧客データ:プライベートDMP
プライベートDMPは、自社が顧客データを蓄積するためのプラットフォームです。パブリックDMPのような、他社とデータを共有するものではありません。
ただし、自社のデータだけを保存するCRMとも異なります。プライベートDMPには、パブリックDMPから得た情報も蓄積できるためです。自社が直接得た情報と、パブリックDMPで他社から得た情報をまとめて保管するものだといえます。
DMPの注意点
DMPを導入する際、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
計画的な導入が重要
DMPは計画的に導入しましょう。なぜなら、導入費用やランニングコストが高額になりがちなためです。
特にプライベートDMPは、導入費用が数百万円、月額費用が数十万円にも上ります。仮に導入できても、その結果として費用を上回るメリットが得られなければ意味がありません。
また、DMPに伴って他のツールが必要なため、さらなる費用がかかることもあります。導入によってかかる費用と得られる利益を、よく考えたうえで検討しましょう。
また、必ずしもDMPを使わなくて良い場面もあります。単にデータを一元管理したいだけであれば、他にも適切なツールは存在します。どのような機能を求めているのか洗い出し、それに見合ったツールを選ぶことが大切です。
DMPだけではマーケティングはできない
よくある勘違いですが、DMPだけではマーケティングはできません。あくまでデータを保管するツールにすぎないためです。DMPはデータの分析に役立つ機能は備えていますが、分析ツールではありません。データを基に分析を行うのは人間の役目です。
さらに、分析結果から具体的なアクションを考えて実行することが大切です。MAツールを活用し、データを基にした施策を実現しましょう。
DMP活用例
DMPを活用した、いくつかの企業の例を紹介します。
- リターゲティング広告の成功例
- ある企業は、DMPの導入によりCV率を8倍に伸ばすことに成功しました。これは、リターゲティング広告配信のミスマッチが減ったことが要因です。また、クリック先での統一したマーケティングの実施、短期間での高頻度な接触などが功を奏しています。
- ターゲットの細分化の成功例
- ある企業は、アクセスログや購買履歴などからユーザーをグループ分けし、それぞれに応じた広告を検討しました。その結果、購買履歴がないユーザーのCV率は5倍、サイト訪問履歴のある非会員のCV率は3倍に伸びています。
DMPを使って、もっと効率的にデータを使いましょう!
DMPはデータの収集と整理・分析を実現するプラットフォームです。以下の2種類に大別されます。
- ■他社のデータを得られるパブリックDMP
- ■自社のデータを管理するプライベートDMP
DMP導入時は以下の点に注意しましょう。
- ■コストとメリットを考え計画的に導入する
- ■DMPだけではマーケティングできない
ぜひDMPを導入し、効率的なデータ活用を目指してください。