文書保管サービスとは
文書保管サービスとは、企業が保管する書類を専用倉庫で預かる書類保管サービスを指します。取引に関わる帳票書類や会計帳簿、稟議書、議事録などは保管期間が定められており、必要に応じて取り出せるよう整理して保存しなければなりません。
そこで、書類の管理工数を削減し、蓄積されたデータの有効活用ができるよう文書保管サービスを利用する企業が増えています。サービスによっては、セキュリティや防災に強みをもつものや、文書の処分・ラベリング整理などのオプション機能をもつものもあります。
文書保管サービスの導入メリット
文書保管サービスの導入により、期待できる効果について解説します。
保管スペースを削減できる
文書保管サービスでは文書を外部倉庫で管理するため、自社の保管スペース削減が可能です。また、箱やケースごとの料金体系であることも多く、一般的なオフィスをレンタルするよりもコストを抑えられます。
また、外部倉庫を使用することで空いたスペースは、商談ルームや談話室などに有効活用できます。さらに、オフィスの縮小も可能でしょう。
Webサイトで書類の検索や配送依頼ができる
預けた書類はWeb管理システムで管理され、Web上で書類を検索できます。さらに倉庫に行かずともWebから必要書類の配送依頼が可能です。オフィスで文書を保管するのに比べて、文書の整理・検索を効率化できるでしょう。
機密書類を安全に管理・破棄できる
文書保管サービスでは書類の管理も容易になるため、期限が到来していないのに文書を廃棄したり、期限切れ文書の処理を忘れたりすることもありません。保管期限が定められた重要書類を安全に一括管理できるでしょう。サービスによっては、書類の廃棄処分にも対応します。
また、倉庫内を有人監視や生体認証、IDカードなどで入退室管理するため、なりすましによる流出被害も防ぎます。
文書保管サービスの選定ポイント
文書保管サービスを比較検討する際に、製品サイトなどでチェックすべきポイントや選び方について解説します。
セキュリティ体制
文書保管サービスは多くの重要書類を取り扱うため、高いセキュリティ性が求められます。セキュリティ対策が甘いところだと、会社の機密文書や顧客リストなどが流出してしまう可能性もあるので注意しましょう。下記のような特長をもつサービスがおすすめです。
- ●監視カメラや生体認証などで入退室管理をしている
- ●GPS対応の「完全密封車」で文書を安全に運んでいる
- ●期限到来後にベンダー側で文書を廃棄する
書類の返却スピード
業務を遂行する上で特定の書類が必要になったときに備えて、書類の返却スピードにも着目しましょう。書類の出し入れにかかる日数は、サービスによって差が出やすい部分のためよく確認してください。保管する文書の種類や利用頻度に応じて、自社が求める返却スピードを把握することが大切です。
書類の返却スピードを重視する場合は、24時間365日返却依頼に対応し、即日もしくは翌日までに書類を受け取れるサービスを選びましょう。
立地や災害対策
地方自治体が発行するハザードマップなどを確認して、災害が起こっても文書が消失・破損しないような立地にあるか、周辺環境も含めてチェックしましょう。
倉庫自体に耐震設計などの災害対策がなされているか確認することも重要です。耐震性や耐火性、耐水性が高く、消火設備が充実しているところを選びましょう。
サービスの充実度やサポート対応力
文書を保管する以外に、どのようなサービスがあるのか確認しましょう。昨今は文書を電子保存するよう法改正が進んでいるため、電子化や電子契約、タイムスタンプ機能などのある製品がおすすめです。ほかにも、文書管理システムや機密文書の回収、溶解処理サービスを提供しているところもあります。自社の課題解決と業務効率化を考えるなら、文書の保管から廃棄まで一元管理できるサービスがよいでしょう。
文書保管サービスは、サポートの充実度も重要です。導入前の質問にも親身になって答えてくれたり、運用時のトラブルにも丁寧に対応してくれたりするところを選びましょう。
保管単位の柔軟性
文書は、箱・ファイルボックス・冊子・書類一件といったように、さまざまな形態で保存されます。そのため文書保管サービスを選ぶ際は、保管する文書に合った保管単位かを確認しましょう。保管する文書が変わっても柔軟に対応できるように、途中で保管単位を変更できるものがおすすめです。
箱は倉庫内での収納率が高く、コストパフォーマンスに優れています。一方ファイルやフォルダは検索性と機密性に優れていますが、箱よりもコストが高くなりがちです。どちらもメリット・デメリットがあるので、文書の性質によって使い分けましょう。
利用頻度の高い文書は、必要になった時すぐに取り寄せられるよう、検索性と機密性が高いファイルやフォルダで保管します。利用頻度が低い文書は、コスト面を重視して箱単位で保管した方がよいでしょう。
文書保管サービスを価格や特長から比較
ここからは、文書保管サービスとしてよく知られている製品の特長や機能を紹介します。
株式会社アズコムデータセキュリティのデータ保管サービス
製品・サービスのPOINT
- バーコードシステムによって一元管理されたデータ保管サービス
- 高品質かつ安全なセキュリティ輸送
- 箱を密封したまま溶解炉に溶かし込む「無開梱処理」
株式会社アズコムデータセキュリティの「データ保管サービス」は、各文書をバーコードシステムによって一元管理できるサービスです。図面やディスク・テープ類、ビジネス文書などを種類に応じて適切な環境下で管理します。また、Webサイト上からトランクルームのオンデマンド配信や原本の取り寄せも可能です。文書の廃棄処理には箱を密封したまま溶解炉に溶かし込む「無開梱処理」を採用しており、機密書類の処分も安心でしょう。
対応エリア |
首都圏 |
参考価格 |
ー |
保管書類 |
一般的なビジネス文書、契約書、伝票・帳票、カルテ 各種ディスク類、テープ、マイクロフィルム 図面・設計図・技術資料など |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
その他
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
その他
1,000名以上 5,000名未満
製品・サービスのPOINT
- 保管対象物の安全確保のための様々な設備条件
- 機密文書・磁気記録媒体の集配送サービス
- Web文書管理システム
警備会社である富士防災警備株式会社の「データ保管サービス」は、災害リスクや侵入に備えたセキュリティ体制に定評があります。保管施設における厳しい立地条件をクリアした地域かつ、耐震・耐火構造の堅牢な建物にて書類を管理します。また、集配送・データ管理・廃棄までベンダーが一括管理し、Web上で保管情報の確認・サービスの依頼も可能です。
対応エリア |
首都圏 / 近畿 |
参考価格 |
ー |
保管書類 |
契約書・会計帳簿・帳票類・請求書・健康診断個人票・社会保険書類・カルテなどの書類 LTO・DLT・CD/DVD・FD・マイクロフィルム・レントゲンフィルムななどの磁気記録媒体 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
製品・サービスのPOINT
- 国土交通省から優良トランクル-ムとして認定の保管施設です
- プライバシ-マ-ク(Pマ-ク)認証の保管施設・運用体制
- 電子データ等でタイムリ-にフィ-ドバック
東日本倉庫株式会社の文書保管サービスは、ダンボール1箱からファイル単位で保管できます。書類も集配送も可能で、必要に応じて書類保管用資材の提供も行っています。また、必要な書類をメールやファイルアップロードにてすぐに共有できるのも利点です。そのほか、国土交通省より優良トランクルームとして認定されているため安心という声も聞かれます。
対応エリア |
北関東 / 首都圏 |
参考価格 |
ー |
保管書類 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
その他
100名以上 250名未満
製品やサービス比較に欠かせない資料は以下のボタンから、無料で一括請求可能です。ぜひ有効活用ください。
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スマート書庫/三井倉庫(書類保管.com)
三井倉庫グループの書類保管サービス「スマート書庫」は、1箱月額100円から保管できます。すべての手続きはWeb上で行え、預け入れ時の見積もりなども不要です。また、登録するとスマート書庫管理ソフトが無料で利用でき、倉庫の書類とあわせて社内の書類も管理できます。
対応エリア |
全国(沖縄・離島を除く) |
参考価格 |
初回預け入れ1,000円/箱、月額保管料100円/箱 |
保管書類 |
書類のみ(磁気を発し、その他の保管品に影響を与える物品は不可) |
デジ倉 機密文書保管サービス
株式会社大塚商会が提供する「デジ倉 機密文書保管サービス」は、企業の機密文書を外部倉庫で保管し、必要な文書は電子化してメールで送付します。文書保管とあわせてオプションで抹消処理サービスも用意されているため、文書管理から廃棄までトータルサポートできます。
対応エリア |
ー |
参考価格 |
年額18,000円/5箱分 |
保管書類 |
重要文書、技術資料、図面、経理伝票、技術資料ファイル、カルテ、レントゲンフィルム、記録メディア、マイクロフィルムなど |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
書類管理ドットコム
ストレージサービス株式会社の「書類管理ドットコム」は、1日単位の課金が特徴の書類保管サービスです。Webから手続きでき、当日発送手配にも対応します。また、拠点別の請求や複数拠点をまとめた請求も可能です。
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
日額1円~/箱 |
保管書類 |
書類(常温管理に向かないもの、湿気に弱いものは対象外) |
文書保管サービスを利用する際の注意点
文書保管サービスの利用はメリットも多いですが、効果を最大限受け取るためには気をつけるべきポイントもいくつかあります。
書類は選別して預ける
文書保管サービスは、利用の都度費用が発生するものです。そのため、業務上で発生するすべての書類を預ける必要はありません。利用頻度の高い文書は自社内で保管しすぐ確認できる状態にするなど、予算に応じた利用のしかたもあります。
文書保管サービスに預ける文書は、会計帳簿類など利用頻度の少ない法定保存文書や、すぐに必要ではないものの業務上重要なデータ・資料などを優先するとよいでしょう。
費用対効果や導入前とのコスト比較が必要となる
文書保管を外部委託しても、費用対効果が低かったり、導入前よりもコストがかかっていたりすると意味がありません。文書保管サービスを導入する際は、自社が現在抱えている文書保管コストを正確に把握したうえで、サービスの利用によって十分な費用対効果が得られるか確認しましょう。
自社で文書管理する場合に発生する保管スペース分の家賃や、文書管理のための人件費などと、文書保管サービスを利用したときの料金を比較してください。
比較ポイントをおさえて最適な文書保管サービスを選ぼう
文書保管サービスは自社の保管スペースを削減し、機密書類を安全に管理・破棄できる便利なサービスです。資料請求して自社に適したサービスを吟味したうえで見積もりをとりましょう。そして、費用に対する効果を十分検討して導入してください。