社内で書類を保管するときの負担
書類には、法令で保存する期間が定められているものがあります。捨てられないまま増え続けると、いくつかの問題が生じます。まずは、どこに負担があるのかを整理しましょう。
保管場所が業務の場所を圧迫する
書類が増えると、棚やキャビネットの数も増えます。オフィスの面積には限りがあるため、働く場所が狭くなっていきます。倉庫として部屋を確保している場合は、その分の賃料も負担です。
移転や座席の見直しを考えるときにも、書類の量が制約になります。運ぶ手間と費用がかかるため、判断が後回しになることもあります。使う頻度の低い書類ほど、場所だけを占めている状態になりがちです。
探すのに時間がかかる
どこに何があるかを一覧にしていないと、必要な書類を探すのに時間がかかります。担当者が代わると、保管の規則が引き継がれず、さらに探しにくくなります。監査や取引先からの問い合わせで急に必要になったとき、すぐ出せない状態は困ります。
箱に詰めて積み上げていると、下の箱を出すために上の箱を動かす作業も生じます。探した後に元の場所へ戻す作業も必要です。一件の確認に、思った以上の時間がかかることがあります。
保存期間を管理し、廃棄を判断する
書類ごとに保存すべき期間は異なります。期間を過ぎたものを捨てないと、量は減りません。しかし判断を誤って必要な書類を捨てると、後から困ることになります。
この判断には、どの書類がいつまで必要かという知識が要ります。担当者が一人で抱えていると、その人の異動で判断ができなくなります。保存期間の考え方は法令によって定められているため、経理や法務の責任者、顧問の税理士に確認しておきましょう。
文書保管サービスを利用するメリット
外部に預ける利点は、場所が空くことだけではありません。管理の手間や、書類を守る環境にも関わります。3つの角度から整理します。
オフィスの場所を業務に使える
使う頻度の低い書類を預ければ、棚や倉庫として使っていた場所が空きます。空いた場所を打ち合わせのスペースや作業の場所に変えられます。賃料の高い場所に書類を置き続けるより、費用の面でも見合う場合があります。
移転や座席の見直しも進めやすくなります。運ぶ書類の量が減るぶん、判断のときの制約が小さくなります。すべてを預ける必要はなく、使う頻度で分けて一部だけ預ける進め方もあります。まずは直近で使わないと判断できる年度の書類から始める方法が現実的です。
どこに何があるかを管理してもらえる
預けるときに、箱ごとの中身を登録する形が多くあります。後から画面や一覧で検索できるため、どこにあるかを探す作業がなくなります。保存期間もあわせて登録しておけば、期限が近づいたときに知らせを受けられる場合もあります。
廃棄まで任せられるサービスもあります。復元できない方法で処分し、その証明書を発行してもらえる形です。自社で処分する手間と、処分したことを示す記録の両方を任せられます。
保管の環境が整っている
専用の倉庫では、温度や湿度が管理されていることがあります。紙は湿気に弱く、長期間置くと傷むことがあるためです。防火や防犯の設備が整えられている点も、オフィスの一室に置く場合との違いです。
災害への備えとしても考えられます。オフィスと離れた場所に預けておけば、同時に被害を受ける可能性を下げられます。ただし、どの程度の備えがあるかは事業者によって違うため、設備の内容を確かめましょう。
利用する前に確かめたい注意点
預ければ問題がすべて解決するわけではありません。次の点を押さえたうえで検討しましょう。
保管の費用が継続してかかる
料金は、預ける箱の数に応じて毎月かかる形が多くあります。預けたまま整理しないと、費用は増え続けます。運び出すときの費用や、取り寄せるたびの費用が別にかかる形もあります。
費用を比べるときは、今その書類が占めている場所の賃料と、探す作業にかかっている時間を書き出す方法があります。あわせて、預ける前に保存期間の過ぎたものを処分しておくと、無駄な費用を抑えられます。
すぐには取り出せない
預けた書類が必要になったとき、その場では見られません。取り寄せを依頼してから届くまでに、数日かかることもあります。急ぎで必要になる可能性のある書類は、社内に残す判断が必要です。
画像にして送ってもらえるサービスもあります。急ぎの確認にはこの方法が使えますが、追加の費用がかかる場合があります。取り寄せの方法と、それぞれにかかる日数と費用を確かめておきましょう。
預ける前の仕分けが必要になる
何をどの箱に入れたかがわからないまま預けると、後から探せません。預ける前に中身を確かめ、一覧を作る作業が発生します。この作業には、それなりの時間がかかります。
仕分けを代行してもらえる場合もありますが、何を残し何を捨てるかの判断は自社で行うことになります。作業の担当を決め、判断に迷う書類の相談先も決めておきましょう。担当を1人に固定せず、複数人で進める体制にしておくことが重要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で文書保管の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
委託先を選ぶときの確認項目
提供される内容は事業者によって違います。費用の内訳と、預けた後の対応、運び出しの段取りという3つの点から確認しましょう。
費用の内訳を細かく確かめる
毎月の保管料だけでなく、預け入れ、取り出し、廃棄それぞれにかかる費用を確かめましょう。箱の大きさによって料金が変わる場合もあります。最低の契約期間が定められているかも、確認しておきたい点です。
想定する年間の取り出し回数を伝えて、総額の見積もりを出してもらう方法があります。取り出しが多い使い方なら、保管料が安くても総額では高くなることがあります。実際の使い方に近い条件で比べることが重要です。
預けた後の対応を確かめる
取り寄せを依頼する方法と、届くまでの日数を確認します。急ぎの場合に対応してもらえるか、その際の追加費用はいくらかも聞いておきましょう。受付の時間帯や、土日の対応の可否も確かめておきます。
倉庫の場所と設備についても尋ねてみましょう。誰が出入りできるのか、どんな防災の備えがあるのかを確かめます。見学できる場合は、実際に見て判断する方法もあります。契約前に確認しておくと安心です。
運び出しの段取りを確かめる
最初に預けるときは、まとまった量を運び出すことになります。箱を誰が用意するのか、自社で詰めるのか作業を任せられるのかを確認しましょう。オフィスの入口やエレベーターの大きさによって、作業の進め方が変わることもあります。
作業する日時の指定ができるかも確かめたい点です。業務のある時間帯に大きな作業が入ると、周囲に影響します。休日や夜間に対応してもらえるか、その場合の費用はいくらかを、見積もりの段階で聞いておきましょう。
書類の保管を委託できる文書保管サービス
社外の倉庫で文書を保管し、必要なときに取り出せる仕組みを提供するサービスを紹介します。
書類管理ドットコム
- セキュリティ万全の倉庫で保管!書類箱専用移動棚を使用
- ローコストで書類保管可能!1日単位の格安料金で経費も削減
- 登録から依頼まですべてWEB!必要な時にはすぐ手元に届く
ストレージサービス株式会社が提供する「書類管理ドットコム」は、文書を専用の倉庫で保管し、必要なときに取り出しを依頼できるサービスです。保管する箱の単位で管理され、内容をリスト化して登録できます。取り出しの依頼から届くまでの流れが決まっているため、急な確認が必要になった際の対応も想定して利用できます。
株式会社アズコムデータセキュリティの文書保管サービス
- [ロケーション]強靭な地盤の埼玉県秩父市
- [セキュリティ]堅牢なセキュリティセンター
- [スキャニング]電子化(スキャニングサービス)にも対応可能
株式会社アズコムデータセキュリティが提供する「株式会社アズコムデータセキュリティの文書保管サービス」は、企業の文書を安全に保管することに重点を置いたサービスです。保管する書類の管理台帳を作成でき、保存期間が過ぎた文書の廃棄まで一連の流れで依頼できます。機密性の高い文書を扱う企業での利用が想定されます。
東日本倉庫株式会社の文書保管サービス
- 国土交通省から優良トランクル-ムとして認定の保管施設です
- プライバシ-マ-ク(Pマ-ク)認証の保管施設・運用体制
- 電子データ等でタイムリ-にフィ-ドバック
東日本倉庫株式会社が提供する「東日本倉庫株式会社の文書保管サービス」は、倉庫を活用した文書の保管を扱うサービスです。保管量に応じた契約が可能で、書類の増減にあわせて利用の規模を調整できます。取り出しの依頼に対応する体制が用意されており、定期的に参照が必要な文書の保管先としても活用できます。
書庫探 (株式会社NXワンビシアーカイブズ)
- 専任スタッフが厳重な施設で文書を安全に保管。
- 必要書類を最短当日中にPDFでオンデマンド配信可能。
- Web管理システムで依頼から管理まで全て完結。
文書保管に関するよくある質問
利用を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: 電子化するのと、預けるのはどちらがよいですか?
- 目的によって変わります。頻繁に見る書類は電子化したほうが探しやすくなります。原本を残す必要がある書類や、ほとんど見ない書類は預ける形があいます。両方を組み合わせる進め方も考えられます。
- Q2: 預けた書類の機密は守られますか?
- 契約書で、取り扱いの範囲や、誰が出入りできるかを確かめましょう。情報の管理に関する認証を受けているかを尋ねる方法もあります。自社の機密情報の扱いに関する方針にあうかを、法務の担当者にも確認することが重要です。
- Q3: 何箱くらいから預けられますか?
- 最少の箱数が定められている場合があります。少量から預けられる事業者もあるため、自社の量を伝えたうえで確認しましょう。まず一部を預けて、様子を見てから広げる進め方もあります。
- Q4: 保存期間を過ぎた書類はどうなりますか?
- 登録した期限が近づくと知らせが届く形や、あらかじめ決めた条件で廃棄する形があります。ただし、廃棄してよいかの最終的な判断は自社で行うことになります。廃棄の証明書を発行してもらえるかも確認しましょう。
まとめ
文書保管サービスには、オフィスの場所を業務に使えること、どこに何があるかを管理してもらえること、保管の環境が整っていることというメリットがあります。一方で、費用が継続してかかる点、すぐには取り出せない点、預ける前の仕分けという課題も伴います。まずは書類を使う頻度で分け、どこまで預けるかを決めましょう。資料請求を活用して比べてみてください。


