DWHの導入条件を整理する進め方
DWHとは、複数のシステムから集めたデータを分析しやすい形で蓄積しておく基盤です。条件は複数の観点にまたがるため、順序を決めて整理すると抜けを防げます。
変更しにくい条件から確認する
まず確認したいのは、後から変えにくい項目です。データを保管する場所、契約を結ぶ相手、対応できる安全管理の水準といった条件は、導入後に変更しようとすると移行の作業が必要になります。
これらの条件は、社内の規程や参照する指針に定められている場合があります。情報システム部門や法務の担当者へ確認し、満たすべき項目を一覧にしましょう。一覧ができたら、候補となる製品がその条件を満たすかを先に確認します。満たさない製品を早い段階で外せると、その後の比較に集中できます。
質問の形に置き換える
条件を確認する際は、対応しているかという問いではなく、どのように対応するかを尋ねる形にすると具体的な回答を得られます。保管場所であれば選べる地域の一覧を、記録であれば残る項目と保存期間を聞く形です。
回答は文書で受け取り、一覧にまとめておきましょう。対応の可否だけでなく、追加の契約や設定が必要かも記録します。複数社へ同じ質問を行うと、条件をそろえた比較ができます。回答が得られなかった項目は、その事実も残しておくと社内で説明する際に役立ちます。
安全管理にかかわる条件
扱うデータに重要な情報が含まれる場合、管理の水準は選定の中心的な条件になります。
保管と通信の扱いを確認する
確認したいのは、データを保管する場所を選べるか、保管時と通信時の暗号化がどう行われるか、暗号化に使う鍵を自社で管理できるかという点です。社内の規程で保管場所に条件がある場合は、選定の必須条件として扱いましょう。
あわせて、提供会社の担当者がデータへ接触する場合の条件も確認します。作業の際に承認が必要か、その記録が残るかを聞いておきましょう。外部の事業者へ委託している範囲がある場合は、その内容も確認が必要です。これらは公開資料に記載がないことも多いため、直接尋ねる項目として整理してください。
認証の表示が示す範囲を確認する
資料に情報セキュリティ関連の認証が記載されている場合、その表示が何を示すのかを確認しておくと判断を誤りにくくなります。組織の管理体制について第三者が審査したことを示すもので、製品の機能を直接示すものではありません。
確認したいのは、認証の対象が提供会社なのか特定のサービスなのか、取得時期と有効期限はいつか、審査の範囲に自社が利用する部分が含まれるかという点です。自社が求める管理項目については、一覧にして提示し、個別に対応可否を確認する進め方が確実です。要件の整理は、監査担当や専門事業者と一緒に進めてください。
提供形態と契約にかかわる条件
どこの事業者と、どのような形で契約するかも、運用のしやすさに影響します。
国内での提供体制を確認する
確認したいのは、契約を国内の法人と結べるか、請求や支払いの方法はどうか、日本語での資料とサポートが提供されるかという点です。海外で開発された製品を国内の事業者が取り扱っている場合は、サポートの範囲がどこまでかも確認しましょう。
技術的な確認が必要な場面で、開発元へ問い合わせる形になると回答までに時間がかかる可能性があります。どのような場合に時間を要するか、その際の目安はどの程度かを聞いておくと見通しが立ちます。提供元の所在地だけで判断せず、実際の対応体制を確認することが大切です。
契約の条件を確認する
契約には、最低利用期間や自動更新の条件が設定されている場合があります。期間の途中で解約する場合や、他の製品へ切り替える場合の扱いを確認しておきましょう。
あわせて、蓄積したデータを引き取れるか、その形式は何かも確認項目です。標準的な形式で出力できれば、切り替えの際の負担を抑えられます。サービスの提供が終了する場合の告知期間や、事業が別の会社へ引き継がれる場合の扱いも、契約に記載があるかを見ておきましょう。契約書の確認は法務の担当者と一緒に行うと、見落としを減らせます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でDWHの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
連携とデータ構造にかかわる条件
既存のシステムとつなぐ方法や、蓄積するデータの持ち方も、事前に確認しておきたい条件です。
接続手段の仕様を確認する
APIとは、外部のプログラムからシステムを操作したり情報をやり取りしたりするための接続手段です。自動化を前提とする環境では、仕様の確認が導入の可否を左右します。
確認したいのは、仕様書が公開されているか、実行できる操作の範囲はどこまでか、認証の方式は何か、一定時間あたりの実行回数に上限があるかという点です。あわせて、仕様が変更される際の告知方法と、旧仕様がいつまで使えるかも聞いておきましょう。開発を担当する部門や委託先がある場合は、仕様の確認に同席してもらうと判断が早まります。
データ構造の自由度を確認する
蓄積するデータの持ち方を自社で設計できるかは、分析の幅に影響します。決められた形式に合わせる必要がある製品と、自由に設計できる製品では、扱えるデータの種類も変わります。
確認したいのは、項目の追加や変更を後から行えるか、その際に既存のデータへどう影響するか、複数の形式のデータを扱えるかという点です。決まった形を持たないデータを扱う予定がある場合は、その対応可否も確認しましょう。自由度が高いほど設計の負担も増えるため、自社で設計できる体制があるかとあわせて判断してください。設計を依頼できる支援サービスがあるかも、確認しておくと選択の幅が広がります。
海外拠点と更新の速さにかかわる条件
拠点の広がりや、分析に求める鮮度も、構成を左右する条件です。
海外拠点のデータを扱う場合
海外に拠点がある場合、その国のデータ保護に関する規制によって、データを国外へ移せる範囲が定められている場合があります。まず、対象となる国の要件を確認しましょう。
確認したいのは、地域ごとに保管場所を分けられるか、地域をまたいだ集計が行えるか、画面や通知が複数の言語に対応しているかという点です。通貨や日付の表記、時差の扱いも、集計の条件に影響します。現地の担当者が利用する場合は、その環境からの接続方法もあわせて確認してください。要件の整理は、法務や現地の担当者と進めましょう。国ごとに条件が異なる場合は、対象の国を一覧にして個別に確認する形が確実です。
更新の速さを求める場合
分析に使うデータをどの頻度で最新にするかは、用途によって変わります。前日までの実績で判断できる業務と、当日の状況を見ながら動く業務では、必要な仕組みが異なります。
確認したいのは、短い間隔でデータを取り込める仕組みがあるか、その際の費用はどう変わるか、元のシステム側がどの頻度で出力できるかという点です。基盤側だけを速くしても、元のシステムが1日1回しか出力しなければ意味がありません。用途ごとに必要な鮮度を分け、速さを求める範囲を絞ると現実的な構成になります。速さを求める部分だけ別の仕組みを併用する構成も、選択肢として検討できます。
導入条件を確かめる
保管の場所や契約の形態は、後から変えにくい条件です。提供の形が異なる製品を並べ、条件を比べる材料としてください。
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DWHに関するFAQ
DWHの導入条件について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: データの保管場所は選べますか?
- 製品によって対応が異なります。社内の規程や参照する指針で条件がある場合は、選べる地域の一覧を提示してもらい、必須条件として扱いましょう。
- Q2: 認証を取得している製品なら要件を満たせますか?
- 認証は組織の管理体制について審査されたことを示すものです。自社が求める管理項目を一覧にして、個別に対応可否を確認する進め方が確実です。
- Q3: データ構造は後から変更できますか?
- 項目の追加や変更に対応する範囲は製品によって異なります。既存のデータへの影響もあわせて確認し、変更が必要になる可能性を見込んで設計しましょう。
- Q4: リアルタイムでの分析は可能ですか?
- 基盤側の仕組みに加えて、元のシステムがどの頻度で出力できるかによって決まります。用途ごとに必要な鮮度を分け、速さを求める範囲を絞ると現実的です。
まとめ
DWHの導入条件は、後から変えにくい安全管理と契約の条件を先に確認し、続いて連携やデータ構造、拠点と鮮度の要件を整理すると絞り込みが進みます。認証の表示は対象範囲を確認し、自社の管理項目は個別に対応可否を尋ねましょう。海外拠点がある場合は法務との確認も欠かせません。条件の一覧を用意したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。

