使いやすいDX支援サービスを測る基準
DX支援は、人が関わるサービスなので、「使いやすい」という評価は人によって分かれます。感覚だけで判断せず、確認できる基準に分けて考えると、複数の支援会社を同じ物差しで比較できます。
依頼までの手続きの簡素さ
DX支援サービスにおける使いやすさの基準の一つが、相談から契約、作業開始までの手続きの簡素さです。問い合わせの窓口が明確で、必要な書類や提出物が事前に示されていると、依頼する側の負担が抑えられます。
確認したいのは、初回の相談から契約までの流れと、提出が必要な資料の種類です。見積もりを出すまでに社内資料をどこまで求められるかも、事前に聞いておくと、準備にかかる時間を見通せます。初回の相談が無料かどうかも、あわせて確認しておきましょう。
担当者との意思疎通の取りやすさ
DX支援では、数か月にわたって支援会社と打ち合わせを重ねるため、やり取りのしやすさが進行に影響します。連絡手段が電話やメール、チャットのうちどれか、返信の目安がどの程度かを確認しましょう。
専門用語を使わずに説明してもらえるか、質問しやすい雰囲気かは、無料相談や初回の打ち合わせで観察できます。情報の共有にファイルを使う場合は、共有方法と保管場所が社内の規程にあうかも確認が必要です。不明な場合は、情報システム部門に相談しておくと安心です。
進行状況の見えやすさ
支援が始まってから、いま何が進み、何が遅れているのかを把握できるかも、使いやすさの基準です。進捗の報告が定例会議だけなのか、資料や管理表で随時見られるのかは、支援会社によって異なります。
契約前に、報告の頻度と形式、課題の記録の方法を質問しましょう。進捗が社内の関係者にも共有できる形で示されると、経営層への報告や部門間の調整が進めやすくなります。遅れが生じた際に、原因と対応策を共有してもらえるかも確認しておきましょう。
初心者でも依頼しやすいDX支援の条件
DXの進め方がわからない段階では、何を相談すればよいかも決まっていない場合があります。初めて依頼する企業が、安心して相談を始められる条件を確認しましょう。
| 確認したい条件 | 確認の内容 |
|---|---|
| 説明のわかりやすさ | 専門用語の補足や、図を使った説明の有無 |
| 相談の入口 | 要件が固まっていない段階でも相談できるか |
| 担当者の負担 | 社内で用意する資料や、打ち合わせにかかる時間の見通し |
専門用語を言い換えてくれる説明
初心者が依頼しやすい支援会社は、専門用語を言い換えたり、図を用いて説明したりしてくれる場合があります。会社の規模や知名度だけでは判断できないため、実際の説明を確かめることが大切です。
無料相談や資料の中で、クラウドやAPIといった用語に補足がついているかを見ましょう。わからない点を質問したとき、噛み砕いた言葉で答えてもらえるかも、判断の材料になります。担当者が複数人の場合は、全員の説明が同じ水準かも見ておきましょう。
要件が固まっていない段階での相談
DXの目的や課題が整理できていなくても、現状の業務の聞き取りから始めてくれる支援会社があります。目的が漠然としていても、相談のきっかけとして活用できます。業務の棚卸しや課題の整理を支援内容に含めているかを、事前に確認しておきましょう。
要件が固まっていない相談は、費用の見積もりが難しくなる場合があります。まず課題の整理だけを小さく依頼し、その結果を見て次の段階に進むかを決める方法も、選択肢の一つです。段階を分けると、費用の負担も見通しやすくなります。
社内担当者の負担の見通し
支援を依頼しても、社内の担当者が、業務の説明や資料の準備、意思決定を担う場面は残ります。担当者が兼務の場合は、打ち合わせの回数や確認依頼にかかる時間を、事前に見積もっておく必要があります。想定外の負担で本業に支障が出ないよう、余裕のある計画を立てましょう。
支援会社に、社内で必要な作業量の目安をたずねてみましょう。負担が見通せると、担当者が他の業務と両立できるか、部門で分担するかを早めに決められます。経営層にも負担の見通しを共有しておくと、協力を得やすくなります。
初期設定から開始までの流れを簡単にする工夫
DX支援には、ソフトのような初期設定はありませんが、開始前の準備作業は発生します。ここでは、準備にかかる手間を抑えて、スムーズに開始するための工夫を紹介します。
ヒアリングシートの活用
支援会社によっては、現状の業務や課題を整理するために、ヒアリングシートや事前アンケートを用意しています。事前に書式が示されていれば、準備すべき内容が明確になります。回答に必要な社内資料は、早めに洗い出しておきましょう。
シートの項目に答えられない場合は、わからない点を空欄のまま共有して構いません。担当者だけで抱え込まず、現場の担当者にも記入を分担してもらうと、情報の抜けを減らせます。記入後は支援会社と内容を読み合わせ、認識のずれを確認しましょう。
準備作業の分担の明確化
開始前には、アカウントの発行やデータの提供、関係者へのスケジュール調整といった準備が必要です。これらを自社と支援会社のどちらが行うかが曖昧だと、開始が遅れる可能性があります。特に社内の関係者との日程調整は、時間がかかる場合があります。
依頼する前に、準備作業の一覧と担当を書き出しましょう。支援会社が一覧のひな形を持っている場合は、それを使うと抜けを避けやすくなります。担当者の名前と期限も書き添え、進み具合を定期的に見直すと、準備の遅れに早く気づけます。
小さく始める範囲の設定
最初から全社の業務を対象にすると、準備が大きくなり、開始までに時間がかかります。対象を一部の部門や業務に絞って始めると、準備が軽くなり、進め方の感触もつかみやすくなります。ただし、範囲が狭すぎると効果を確かめにくいため、課題が表れやすい業務を選びましょう。
範囲を絞って成果を確認し、次の段階に広げる進め方は、中小企業でも取り入れやすい方法です。最初の範囲を決める際は、支援会社と目的や期間を文書で確認しておきましょう。成果の確認方法も、開始前に決めておくと判断に迷いません。
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サポートが手厚いかを見極めるポイント
「サポートが手厚い」という言葉は、会社によって指す範囲が異なります。何を、いつ、どこまで対応してもらえるのかを具体的に確認すると、比較しやすくなります。
相談窓口と対応時間の確認
まず、相談窓口の連絡手段と、対応できる曜日や時間帯を確認しましょう。電話での相談が可能か、メールやチャットの返信は営業日のうちにあるかなど、具体的に質問することが大切です。急ぎの相談が発生したときの連絡先も、あわせて聞いておきます。
担当者が不在のときに、別の担当者が対応できる体制かどうかも確認事項です。窓口が一本化されていると、連絡先に迷わず相談できます。相談の内容ごとに窓口が分かれる場合は、一覧にしてもらうと便利です。
サポート範囲の区別
ひとくちにサポートといっても、内容はさまざまです。資料やマニュアルの提供、問い合わせへの回答、設定方法の案内、作業の代行、運用の設計支援は、それぞれ別の範囲として区別して確認しましょう。
見積もりに含まれるサポートと、追加費用がかかるサポートの線引きも重要です。契約書や提案書に範囲が文書で示されているかを確認し、不明確な点は質問しておくと安心です。「手厚い」といった言葉だけで判断せず、対応の範囲を書面で確かめましょう。
担当者が交代する場合の引き継ぎ
支援が長期にわたると、支援会社側の担当者が交代する場合があります。自社の担当者の異動も含め、引き継ぎの方法をあらかじめ決めておくと、情報の抜けや対応の遅れを抑えられます。議事録や課題の管理表を共有の場所に残し、誰でも経緯を確認できる状態を保ちましょう。
引き継ぎの際に、新しい担当者を交えた確認会を設けられるかも質問しておきたい点です。自社でも、議事録の保管場所と更新の担当を決めておきましょう。担当者個人のパソコンではなく、共有の場所に保管することが大切です。
シンプルなDX支援を選ぶときの考え方
「とにかくシンプルな支援がよい」と考える方もいます。ただし、シンプルな支援は、範囲が絞られていることの裏返しでもあります。自社に必要な範囲とのバランスを見極めましょう。
支援メニューの範囲の整理
支援メニューが少なく、料金や内容が一覧で示されているサービスは、全体像をつかみやすい特徴があります。一方で、自社の課題に必要な範囲が含まれているかは、別に確認する必要があります。
範囲を整理するときは、構想の策定、ツールの選定、導入、運用といった段階のうち、どこを頼みたいのかを書き出しましょう。必要な段階が揃っているかを確認すれば、シンプルさと必要性の両方を判断できます。不足する段階は、別の会社や社内で補うことも検討しましょう。
追加の依頼のしやすさ
支援を進めるうちに、当初の想定にはなかった相談が生じる場合があります。追加で依頼する際の手順や費用の考え方が、契約時に示されているかを確認しておきましょう。追加の依頼が発生したときに、見積もりの再提出や契約の変更が必要かどうかも質問しておきます。
臨機応変な対応を期待する場合は、期待する範囲を文書で伝え、認識をそろえておくと安心です。口頭だけの約束にしないことが、後のトラブル防止につながります。見積もりの変更が必要な場合の手順も、あわせて確認しておきましょう。
試行できる期間や範囲の有無
契約の前に、無料相談や短期間の試行支援を設けている支援会社もあります。実際のやり取りを通じて、説明のわかりやすさや進め方の相性を確かめられます。ただし、試行の有無や条件は支援会社によって異なるため、問い合わせで確認が必要です。
試行の範囲や期間が決まっている場合は、成果物の例も見せてもらいましょう。試行の結果をもとに、複数の支援会社を同じ項目で評価すれば、使いやすさを客観的に比べられます。評価の項目は、手続き、意思疎通、進行の見えやすさなど、事前に決めたものに統一しましょう。
相談のしやすさを確かめたいDX支援サービス
相談の入口や依頼の単位、窓口の体制といった、使いやすさの確認点に関わるサービスを紹介します。実際の進め方や対応時間は、資料請求や問い合わせで個別に確認しましょう。
スポットPM
- 従来の一般的なコンサルとは異なり、低予算・小規模でも相談可能
- リサーチから運用まで、プロジェクトをスピーディーに推進
- プロジェクト専属のAIエージェントで工数削減とナレッジ化を実現
rayout株式会社が提供する「スポットPM」は、低予算・小規模でも相談できるPM(プロジェクトマネジメント)サービスです。事前のヒアリングをもとに、いつまでに、どのような状態を目指し、どのような体制で進めるかを明確にした計画を提案するとしています。プロジェクトの整理から実装、運用までを一気通貫で担い、提供エリアは全国です。依頼の際は、目的や期限、体制を整理した計画の提示を受けられるかを確認しておきましょう。
情シスSourcing(ソーシング)
- 企画業務から運用業務までほぼ全領域での支援が可能
- どんな情報システム業務も、半日作業から個別依頼ができる
- 情報システム部員を本来の企画業務へシフトすることが可能
ハイブリィド株式会社が提供する「情シスSourcing(ソーシング)」は、情報システム業務を低コスト・小ロットでアウトソーシングできるサービスです。頼みづらい小規模なタスクも、半日作業から個別に依頼できる点が特徴として示されています。コンサルティングから運用までの全領域を1社で支援でき、対象は従業員10名以上、提供エリアは全国です。依頼のたびに、契約範囲と費用の考え方を確認しておくと、使い始めてからの認識のずれを避けられます。
IT顧問 情シス君
- 広範囲で情シス業務をカバーでき、何でも引き継ぎ可能
- 引き継ぎ資料・手順書・マニュアルの作成を行い、内製化も支援
- 3レイヤー体制による適材適所で脱属人化を無駄なくサポート
株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」は、社内のIT導入や運用の業務を引き継ぐIT支援サービスです。依頼から相談までを1つの窓口で完結でき、システムの知見がない企業の不明瞭な依頼にも対応するとされています。必要なときに必要な分だけ依頼でき、業務の難易度にあわせて、低単価で切り出して依頼できるコンサルタントやIT戦略の設計を得意とするコンサルタントが担当するとしています。提供エリアは全国です。
ICTコンシェルジュ
- 「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」を実現
- 定期訪問により課題に合わせた解決策を伴走支援
- IT周りのお困りごともリモートサポートにて即時対応
株式会社テクニカが提供する「ICTコンシェルジュ」は、DX化に向けて現状を把握し、課題の解決に取り組むDX支援サービスです。定期訪問によって課題にあわせた解決策を伴走支援し、IT周りの困りごとにはリモートサポートで即時対応するとしています。対象は従業員10名以上500名未満、提供エリアは近畿です。情報管理体制の見える化やPCの状況報告も案内されており、サポートの範囲や対応時間は、資料請求の際にあわせて確認しましょう。
DXレディネス (ライフイズテック株式会社)
- 大手中心に100社以上でDX人材育成を支援
- 全ビジネス人材をDX推進の主体者へ
- 全員がデジタルで課題解決できる状態へ
DXpass (オープン株式会社)
- DX適性診断、動画学習、伴走支援、コミュニティーを提供。
- 実務直結型のITヒューマンスキル向上研修。
- 診断結果から受講者を選定し育成を支援。
DX支援に関するよくある質問
DX支援の使いやすさについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:DXの知識がなくても、依頼できますか?
- A:課題の整理から相談できる支援会社もあります。専門用語を言い換えて説明してもらえるかを、無料相談などで確かめましょう。
- ■Q2:使いやすさは、契約前にどう見極めればよいですか?
- A:手続きの簡素さ、意思疎通の取りやすさ、進行の見えやすさを基準に、同じ質問を複数社へ投げかけて比べる方法があります。回答の速さや説明のわかりやすさも判断材料です。評価の項目は事前に決めておきましょう。
- ■Q3:サポートが手厚いかは、何で判断しますか?
- A:対応時間、相談窓口、サポートの範囲を具体的に確認しましょう。作業の代行が含まれるかどうかなど、範囲は会社によって異なります。見積もりに含まれるかも、あわせて確認しましょう。
- ■Q4:シンプルな支援を選ぶと、後で困りませんか?
- A:支援の範囲が絞られている分、必要な段階が含まれないことがあります。追加の依頼の手順と費用を、契約前に確認しておきましょう。必要な範囲を書き出してから比べると、判断しやすくなります。
まとめ
DX支援・コンサルティング・アウトソーシングの使いやすさは、依頼までの手続き、担当者との意思疎通、進行状況の見えやすさといった基準で比べられます。初心者でも相談しやすいか、サポートの範囲が明確か、必要な支援が過不足なく含まれているかも重要な確認点です。複数の支援会社を同じ項目で比べるために、まずは資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。

