資料請求リスト
0件

AI機能搭載の大病院向け電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介

2026年10月20日 最終更新

AI機能搭載の大病院向け電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介

大病院向け電子カルテのAIは、診断を代わりに行うものではなく、退院時サマリーの下書きや看護記録の音声入力など、医師や看護師の記録業務を支える用途が中心です。多数の診療科や部門システムを抱える大病院では、データ連携やAIの処理環境、院内の承認プロセスまで含めて検討する必要があります。この記事では、大病院の電子カルテでのAIの活用方法と限界、処理環境、比較と運用の進め方を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■AI機能別
    ■院内データ活用・入力支援の機能別
    ■提供形態別

    大病院向け電子カルテのAIの活用方法と担う業務の範囲

    大病院の電子カルテにおけるAIの役割は、膨大な診療記録を「読む・まとめる・書く」作業の補助です。入院患者が多く記録量も大きい大病院では、文書作成と情報の要約に効果が出る可能性があります。代表的な3つの用途を紹介します。

    退院時サマリー・病歴要約の下書き

    生成AIを使うと、入院中の経過記録や検査結果、処方歴をもとに、退院時サマリーや病歴要約の下書きを作成できます。長期入院の患者ほど記録を読み返す手間が大きいため、下書きがあるだけで医師の作業時間を短くできる場合があります。

    ただし、AIが作るのはあくまで下書きです。重要な経過が抜けていないか、事実と異なる記載がないかを医師が確認し、修正したうえで確定させる運用が前提です。診療情報提供書の下書きにも同じ仕組みを使えるか確認しましょう。

    関連記事 大病院向け電子カルテおすすめ比較!選び方と導入時のポイントを解説

    看護記録や医師指示の音声入力

    病棟業務では、音声認識で看護記録を入力し、AIが定型の形式に整える使い方があります。ベッドサイドで話した内容をその場で記録できれば、勤務終了後にまとめて入力する負担を減らせる可能性があります。

    大病院では病棟や診療科ごとに専門用語や略語が異なるため、医療用語の辞書をどこまで追加・調整できるかが使い勝手を左右します。マスクを着けた状態や周囲が騒がしい環境で認識できるかも、試行時に確認したいポイントです。

    部門システムをまたぐ情報の要約

    大病院では、検査や放射線、薬剤、看護など多数の部門システムが電子カルテとつながっています。AIで複数のシステムに散らばる情報を時系列で要約できれば、転科や当直交代の場面で患者の状況を把握する時間を短縮できます。

    一方で、要約の対象にできるのは電子カルテに取り込まれているデータに限られます。部門システム側にしか残っていない情報があると、要約から抜け落ちるおそれがあります。連携範囲と取り込みのタイミングを事前に整理しておきましょう。

    大規模病院ならではのAI導入の難しさ

    大病院向け電子カルテにAIを組み込む際は、機能そのものより院内環境の複雑さが課題となる場合があります。部門システムの数や診療科の多さ、意思決定の手順の長さは、中小規模の病院にはない検討事項です。主な難しさを3つに整理します。

    データ形式や記載ルールが部門ごとに異なる

    AIの出力の質は、もとになる記録の質に左右されます。大病院では診療科ごとにテンプレートや略語の使い方が異なり、同じ内容でも記載方法がそろっていないことがあります。このままでは要約の精度にばらつきが出る可能性があります。

    対策として、AI導入の前後で記載ルールや病名の付け方、テンプレートの見直しを進める方法があります。SS-MIX2(診療データを標準的な形式で保存するための仕様)などの標準形式でデータを蓄積しているかも、活用範囲を広げるうえで確認したい点です。

    関連記事 大病院向け電子カルテの人気製品を比較!選び方や注意点も解説

    利用者が多く教育と定着に時間がかかる

    大病院では、医師や看護師、医療技術職、事務職など数百人から数千人規模の職員が電子カルテを使う場合があります。AI機能を全員が同じ理解で使うには、操作研修だけでなく「AIの出力をどう確認するか」というルールの周知が必要です。

    全病棟へ一斉に展開すると、問い合わせ対応が医療情報部門に集中するおそれがあります。特定の診療科や病棟で試行し、手順書とよくある質問を整えてから広げる方法が現実的です。

    院内承認とベンダー調整に期間を要する

    AI機能の追加は、医療情報部門や倫理審査、個人情報保護の担当部署など複数の関係者の承認が必要になる場合があります。既存の電子カルテベンダーと、AIを提供する事業者が別の場合は、責任分界の調整も発生します。

    障害が起きたときにどちらが調査するのか、データの保存先はどこか、契約終了時にデータをどう扱うかを文書で取り決めておきましょう。検討開始から本番稼働までのスケジュールには、こうした調整期間を含めておくと安心です。

    電子カルテAIの処理環境とセキュリティ

    電子カルテのAIを選ぶ際は、患者情報をどこで処理するかを最初に確認します。病歴などの医療情報は個人情報保護法の要配慮個人情報にあたり、処理環境によって必要な対策も異なるためです。代表的な2つの方式と、確認したい基準を紹介します。

    院内・閉域網で処理する方式

    院内サーバや閉域ネットワーク内でAIを動かす方式は、患者情報を外部のインターネットに出さずに処理できる点が特徴です。既存のオンプレミス型電子カルテと同じ環境で運用したい大病院にとって、有力な選択肢です。

    一方で、AIの処理に必要な計算資源を院内で用意する必要があり、サーバの調達費や電力、保守の体制を見込まなければなりません。AIモデルの更新をどの頻度で、誰が行うのかも確認しておきましょう。

    クラウドで処理する方式

    クラウド上のAIサービスを使う方式は、院内に大きな設備を持たずに新しいモデルを利用できる点が特徴です。導入までの期間を短くできる場合があり、試行から始めたいときにも検討しやすい方式です。

    ただし、患者情報を外部に送るため、通信の暗号化やデータの保存場所、入力データがAIの学習に使われないかといった条件を契約で確認する必要があります。仮名化や匿名化をどの段階で行うのかも、提供事業者に確認したい項目です。

    関連記事 大病院向け電子カルテシステムの価格相場はいくら?費用を左右する要因と比較の進め方

    安全管理ガイドライン第7.0版で確認したい点

    2026年6月に公表された厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」第7.0版は、AI機能を含む医療情報システムを導入する際の基本的な拠り所です。経営管理編や企画管理編、システム運用編などの各編で、医療機関と事業者の役割分担などが整理されています。

    あわせて、提供事業者向けのガイドラインに沿っているか、電子保存の三原則である真正性・見読性・保存性をAIの出力についても満たせるかを確認しましょう。AIが作成した文書を医師が確定した記録として、誰がいつ承認したかを残せることが重要です。

    AI搭載の大病院向け電子カルテを比較し運用するコツ|多職種チームで段階的に

    大病院では、AI機能の評価を一部の医師だけで進めると、他の職種や診療科で使えない仕組みになるおそれがあります。多職種で評価し、診療科ごとの差を確かめてから全院へ広げる流れを、3つの段階で説明します。

    1. 多職種の評価チームを組む

    最初に、医療情報部門を事務局とし、医師や看護師、医療技術職、診療情報管理士、個人情報保護の担当者が加わる評価チームを組みます。職種ごとに記録の目的や確認の観点が異なるため、早い段階から意見を集めることが大切です。

    チームでは、AIで負担を減らしたい業務を1つか2つに絞り、導入前の作成時間や件数を記録しておきます。提供事業者ごとに定義が異なる「正解率」ではなく、自院で測れる作業時間や修正箇所の数を指標にするのがおすすめです。

    2. 複数の診療科で出力を比べる

    次に、記載ルールの異なる複数の診療科や病棟で試行し、AIの出力を比べます。内科系と外科系では記録の書き方や重視する情報が異なるため、同じAIでも出力の質に差が出る可能性があります。

    試行中は、医師がどの程度修正したか、誤った記載がどの種類で起きたかを記録します。誤りの傾向がわかれば、テンプレートや記載ルールの見直しで防げるものと、製品の改善を待つものを切り分けられます。

    関連記事 無料の大病院向け電子カルテを比較!費用相場や選び方も解説

    3. 全院展開の判断基準を決める

    最後に、試行の結果をもとに全院へ広げるかを判断します。作業時間の変化や修正量に加え、医師が出力を確認して確定させるフローが守られているかも判断材料です。AIは診療を支援するツールであり、診断や治療方針の判断は医師が行います。

    全院に展開する場合は、AI利用時のルールを院内規程に明記し、新任の職員にも同じ説明ができるよう研修資料を整えます。下書きと確定後の記録を区別して保存できるか、修正履歴が残るかもあわせて確認しましょう。

    大病院で検討したい電子カルテ関連製品の一覧

    この記事で紹介する大病院向けの電子カルテと関連製品について、主な機能や特徴を一覧にまとめました。院内データの一元管理や分析、部門業務の効率化、AIによる業務支援など、自院の課題にあわせて比較してください。

    製品名特徴
    kotomos (コトモス)チャットやシフト管理をスマートフォンで扱える医療機関向けプラットフォーム。医学文献をもとに出典付きで情報を示す臨床支援AIを搭載
    HOPE LifeMark-HX300床以上の病院向け電子カルテ。医事会計や部門システムのデータを統合管理し、自由な条件で抽出・分析・レポート作成ができる
    Wing病院の基幹業務を統合する電子カルテ。1つのサーバーで同一法人の複数施設を運用でき、施設間の情報共有やスマートデバイスでの利用に対応する
    MOMACE精神科病院向けの電子カルテ。蓄積データの横断検索や独自の一覧表生成、エクセル出力による統計・分析に対応
    ドクターソフト電子カルテとレセコンの機能を一体化したシステム。診療所から大規模な病院まで対応し、複数担当者の同時入力が可能
    WebPathWeb技術を利用し、Webブラウザから使えるシステム。画像と標本情報を関連付け、瞬時に検索・二次利用できる
    GINGABld輸血予定や製剤管理、使用期限の確認に素早くアクセスできる輸血部門向けシステム。バーコードで入力ミスを防ぐ

    大病院のAI活用とデータ連携を支える製品

    ここでは、診療情報の一元管理やデータの抽出・分析、専門部門の業務効率化などを支援する電子カルテと関連製品を紹介します。AIによる業務支援に対応する製品もあるため、必要な機能や利用目的にあわせて比較してください。

    HOPE LifeMark-HX (富士通株式会社)

    《HOPE LifeMark-HX》のPOINT
    1. カルテが見やすく、記載しやすく、情報を探しやすい
    2. 医療従事者の判断をサポートし、医療の質とスピードを向上させる
    3. 日常業務を止めることがない、スムーズなシステム運営を実現

    Wing (株式会社ライブワークス)

    《Wing》のPOINT
    1. システムトラブルの発生なし!24時間・365日の安定稼働実績!
    2. デバイスを問わず運用!スマートデバイスで往診対応も!
    3. サーバーひとつで同一法人の複数施設の業務を実現!

    MOMACE (株式会社エム・オー・エム・テクノロジー)

    《MOMACE》のPOINT
    1. カルテへの記載漏れが軽減されるToDo通知機能!
    2. 感染状況を視覚的に把握することが可能!
    3. 2次対応まで可能な安心できるサポート体制!

    ドクターソフト (株式会社油井コンサルティング)

    《ドクターソフト》のPOINT
    1. 医療行為を入力すればレセプトや処方箋を一挙に発行できる!
    2. カルテに直接手書き可能、画像・ビデオ挿入で紙以上の利便性!
    3. 同一患者のカルテを同時に複数の担当者で入力可能!

    WebPath (メディカルシステム株式会社)

    《WebPath》のPOINT
    1. 正晃テック株式会社の登録商標
    2. Web技術利用でWebブラウザから利用可能
    3. 画像と標本情報を関連付け、瞬時に検索・二次利用可能

    GINGABld (メディカルシステム株式会社)

    《GINGABld》のPOINT
    1. 輸血関連情報へ素早くアクセス
    2. 輸血伝票からの重複入力を削減し業務を合理化。
    3. バーコードで入力ミス防止・検査結果変更履歴を管理

    大病院の電子カルテAIに関するよくある質問

    大病院向け電子カルテのAIについて、検討段階で寄せられやすい疑問と回答をまとめました。

    ■Q1:AIが病名や治療方針を判断してくれますか?
    電子カルテに組み込まれた文書作成支援のAIは、記録の要約や下書きを担うもので、診断を行うものではありません。診断を支援するAIは医療機器プログラムとして薬機法の規制対象となる場合があり、別の扱いとなります。
    ■Q2:既存の電子カルテを入れ替えずにAIだけ追加できますか?
    電子カルテのオプションとして追加できる場合と、外部のAIサービスを連携させる場合があります。連携方式や費用、障害時の責任分界は製品によって異なるため、現在のベンダーに確認しましょう。
    ■Q3:AI導入にあわせて院内で準備することは何ですか?
    AI利用の規程づくり、記載ルールの見直し、患者への説明方法の検討が挙げられます。音声を録音して処理する場合は、患者への掲示や説明の方法もあわせて決めておきましょう。

    まとめ

    大病院向け電子カルテのAIは、退院時サマリーの下書きや看護記録の音声入力、部門システムをまたぐ情報の要約など、記録業務の負担軽減に役立つ可能性があります。一方で、記載ルールの違いや処理環境のセキュリティ、院内承認といった大病院特有の課題があります。限定した診療科での試行と医師の確認フローを前提に、自院にあう製品を比較しましょう。資料請求で各製品のAI機能と処理環境を確認してみてください。

    IT製品・サービスの比較・資料請求が無料でできる、ITトレンド。「AI機能搭載の大病院向け電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介」というテーマについて解説しています。大病院向け電子カルテの製品 導入を検討をしている企業様は、ぜひ参考にしてください。
    このページの内容をシェアする
    facebookに投稿する
    Xでtweetする
    このエントリーをはてなブックマークに追加する
    pocketで後で読む
    ITトレンドへの製品掲載・広告出稿はこちらから