ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■導入時に重視する点別
- 医師の指示確認から実施入力までの入院診療への対応:セコム・ユビキタス電子カルテ
- 検査機器や予約の仕組みとの接続:クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- 他システムからのデータ移行:エムスリーデジカル
- 導入から運用までのサポート体制:クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- ■レセコンとの組み合わせ別
- レセコン一体型(医事一体型):クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- 外部のレセコンと連携する型:エムスリーデジカル、REMORA
有床クリニックの電子カルテ導入で押さえたい前提
有床クリニックとは、19床以下の入院用のベッドを持つ診療所で、医療法上は有床診療所と呼ばれます。外来と入院の両方を少ない職員で担うため、電子カルテの導入では、無床の診療所や病院とは異なる前提を踏まえて計画を立てる必要があります。
外来と入院の情報のつながり
有床クリニックの電子カルテは、外来の診察記録や処方に加えて、入院患者の指示や看護記録、経過表、退院時の記録までを扱います。外来で診た患者がそのまま入院することもあるため、外来と入院の情報が一つの仕組みでつながっていると、記録の転記を減らせます。
ただし、診療所向けの電子カルテの中には、外来の機能を中心とした製品もあります。入院の機能が標準で含まれるのか、オプションなのか、別の製品との連携で実現するのかを、導入の検討を始める段階で確認しておきましょう。
少人数で導入作業を進める体制
有床クリニックでは、医療情報の専任担当者がいないことも珍しくありません。院長が診療と並行して一人で導入を担うと、判断が遅れたり、現場の要望が反映されなかったりするおそれがあります。
院長に加えて、看護師長や事務長など、外来と病棟、会計のそれぞれをよく知る職員を担当者として決めておくと、検討が進めやすくなります。提供会社との打ち合わせの記録を共有し、決定事項を誰でも確認できるようにしておくことも大切です。
導入前に整理しておく入院業務
電子カルテの機能を比べる前に、自院の入院業務がどのような流れで行われているかを整理しておくと、必要な機能を見極めやすくなります。特に病棟の業務は紙の様式が多く、電子化の方法を事前に決めておく必要があります。
指示受けと看護記録の流れ
入院中は、医師が出した投薬や処置、検査の指示を看護師が受けて実施し、その結果を記録します。紙の指示簿で運用している場合は、指示の出し方や変更の方法、実施の記録の書き方を洗い出し、電子カルテでどう置き換えるかを考えます。
看護記録の書き方や、体温や血圧などのバイタルを記録する経過表の様式も、電子カルテの画面にあわせて見直しが必要になる場合があります。看護師が実際に使う画面を、選定の段階で試しておくと安心です。
食事やベッドの管理と入院会計
有床クリニックでは、入院患者の食事の種類や開始と終了の連絡、ベッドの割り当て、入退院の手続きも日々の業務です。これらを電子カルテで扱うか、紙や別の仕組みで続けるかを決めておきましょう。
入院の会計は外来と計算の方法が異なり、入院基本料や食事の費用などを日ごとに管理する必要があります。電子カルテの記録が会計にどう反映され、レセプトの作成につながるかを、医事の担当者と確認しておくことが大切です。
院内で使っている書類と様式の棚卸し
入院の同意書や説明書、診断書、退院時の紹介状など、有床クリニックでは多くの書類を扱います。電子カルテから作成するもの、紙のまま残すもの、紙をスキャンして取り込むものに分けて整理しておきましょう。
書類の様式を電子カルテに登録する作業には時間がかかるため、優先順位を決めて進めます。稼働時にすべてをそろえようとせず、使う頻度の高い様式から順に整えていくと、準備の負担を分散できます。
有床クリニック向け電子カルテの選定と周辺システム
整理した業務をもとに、電子カルテと周辺のシステムの組み合わせを検討します。有床クリニックでは、レセコンや検査機器、予約の仕組みなど、電子カルテとつなぐ対象が多くなりやすいため、全体の構成で比べることが大切です。
レセコンとの組み合わせ方
電子カルテには、レセコンと一体になった製品と、別のレセコンと連携して使う製品があります。すでにレセコンを使っている場合は、それを続けるか、電子カルテとあわせて入れ替えるかを決める必要があります。
連携して使う場合は、入院の会計に必要な情報が電子カルテからレセコンへ正しく渡るかを確認します。一体型の場合は、入院会計の機能が自院の運用に対応しているかを、医事の担当者がデモで確かめておきましょう。
提供形態とサーバの置き場所
電子カルテには、院内にサーバを置くオンプレミス型と、院外のデータセンターで運用するクラウド型があります。有床クリニックは夜間も記録を続けるため、回線や院内の機器に障害が起きた際にどう対応するかも、提供形態を選ぶ判断材料です。
オンプレミス型ではサーバの設置場所と電源を確保し、クラウド型では回線の品質や予備回線の有無を検討する必要があります。どちらの場合も、障害時の受付時間や対応の流れを提供会社に確認しておきましょう。
検査機器や予約の仕組みとの接続
有床クリニックでは、血液検査の装置や心電計、画像の装置などの結果を電子カルテで確認したい場面があります。外部の検査会社に依頼した結果を取り込む仕組みや、Web予約や問診の仕組みとつなぐかどうかも検討します。
接続できる機器やサービスは製品によって異なり、接続に追加の費用や機器が必要になる場合もあります。今使っている機器と、今後導入を考えている仕組みを一覧にし、それぞれの接続の可否と費用を提供会社に確認しておくと、導入後の追加費用を見通しやすくなります。
入院患者がいる中での稼働スケジュール
有床クリニックでは、電子カルテの稼働開始日にも入院患者がいます。外来は休診にしても、病棟の業務は継続する必要があるため、入院患者の記録が途切れないよう、移行日程と作業手順を計画することが重要です。
契約から稼働までの流れ
電子カルテの導入は、契約の後、機器の設置とネットワークの工事、マスタや様式の登録、職員の操作研修、稼働前のリハーサルという流れで進むのが基本です。期間は製品や導入範囲、院内の準備の状況によって変わるため、提供会社と日程を相談して決めます。
病棟の業務の設定には外来より時間がかかる場合があります。余裕を持った日程を組み、リハーサルでは外来の受付から入院、退院、会計までの一連の流れを通して確認しましょう。
稼働日の選び方と入院中の患者の移行
稼働日は、外来の休診日やその前後を選ぶと、外来の混乱を抑えやすくなります。入院患者の数が比較的少ない時期を選べるかも、病棟の負担を考えるうえで検討したい点です。
稼働日に入院している患者については、継続中の指示や処方、注射の情報を事前に電子カルテへ登録しておく必要があります。誰がいつ登録し、紙の記録と照らし合わせて確認するかを決めておくと、転記の誤りを減らせます。
稼働直後の病棟を支える体制
稼働して最初の数日は、指示の入力や記録に時間がかかり、病棟の業務が普段より慌ただしくなる可能性があります。稼働日とその翌日は、提供会社の担当者に立ち会いを依頼できるか、夜間の問い合わせに対応してもらえるかを確認しておきましょう。
院内でも、稼働直後は病棟の人員を手厚くする、紙の様式を予備として用意しておくなどの備えをしておくと安心です。発生した問題は一覧に記録し、毎日の終わりに対応の状況を確認すると、同じ問題の繰り返しを防ぎやすくなります。
夜勤者を含めた教育と稼働後の定着
電子カルテを使いこなすには、外来の職員だけでなく、夜勤を担当する看護師や当直の医師も含めた全員が操作に慣れる必要があります。稼働後も運用を見直し、病棟の記録が電子カルテに定着するよう支えましょう。
勤務形態にあわせた操作研修
有床クリニックでは、日勤と夜勤で勤務する職員が異なるため、全員が同じ日に研修を受けることは難しい場合があります。研修を複数回に分けて開き、夜勤の多い職員も参加できる時間帯を設けましょう。
夜勤の時間帯は相談できる職員が少ないため、よく使う操作の手順書を病棟に置いておくと安心です。操作に詳しい職員を病棟と外来から一人ずつ選び、先に研修を受けてもらうと、職員同士で教え合える体制を作れます。
稼働後の振り返りと運用の見直し
稼働してしばらくは、入力の手間が増えたと感じる職員もいるかもしれません。困りごとや要望を集める仕組みを作り、定期的に振り返りの場を設けて、テンプレートや運用ルールを見直していきましょう。
入院の記録には、診療報酬の算定に必要な記載が含まれる場合があります。記録の漏れがないかを医事の担当者と確認し、必要に応じて入力の手順を整えることで、病棟と会計の両方で電子カルテを生かしやすくなります。
外来と病棟の導入準備で比べる電子カルテ
入院診療への対応やレセコンとの組み合わせ方、導入時のサポートに注目して、有床クリニックが比べやすい電子カルテを一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud | レセプト業務まで一体で扱う医事一体型。予約・問診から会計まで170社以上の機器と連携 |
| エムスリーデジカル | レセコンへの会計送信やORCA連動に対応。他システムからのデータ移行にも対応 |
| REMORA | レセコンと受付情報を連携し、受付から会計までの患者の進み具合を一覧で確認できる |
| セコム・ユビキタス電子カルテ | 入院診療向けに体温表を備え、医師の指示確認から実施入力までを1画面で行える |
病棟業務とレセコン連携から選ぶ製品
入院業務への対応や、レセコン一体型か外部のレセコンとつなぐ型かといった違いを踏まえて、有床クリニックの導入準備で比べたい製品を紹介します。食事やベッドの管理機能の有無は、デモで確認しましょう。
クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- 正確な事務作業はお任せ。自動チェックでミスを防ぎ診療に集中!
- 予約/問診~会計まで170社以上の機器とシームレスに連携可能
- クラウド活用によるデバイス&ロケーションフリーを実現
ウィーメックス株式会社が提供する「クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud」は、カルテ入力からレセプト業務までを一体で扱う電子カルテです。予約や問診、オンライン診療、各種モダリティ、レジなど、受付から会計まで170社以上の機器と組み合わせられるため、検査機器や予約の仕組みとの接続を整理する際に比べやすい製品です。全国約170か所のサポート拠点を中心に導入から運用までを支える体制があり、法令改正への対応や説明会も行っています。
エムスリーデジカル
- 初期0円、AIによる自動学習で入力時間80%削減!
- 15年利用で約1,000万円のコスト削減が可能!
- 金融機関・政府機関も利用する安全技術
エムスリーデジカル株式会社が提供する「エムスリーデジカル」は、外部のレセコンと組み合わせて使えるクラウド型の電子カルテです。データ連携の機能として検査結果の取り込みやレセコンの接続確認、会計送信を備え、ORCA連動型ではORCAから初期データを作成可能です。データ移行にも対応しているため、他システムからの乗り換えを検討する場合も候補です。iPadとApple Pencilを使えば、紙カルテのような手書きの記載もできます。
REMORA
- 自由度を追求!自身が使いやすいカルテ画面を実現!
- 豊富な実績をもつファイリングシステムClaioとの連携で、眼科運用を支援!
- 生損保診断書や同意書も大学病院で使ってるものと同じ機能で!
株式会社ファインデックスが提供する「REMORA」は、無床診療所から小規模病院までを対象とした電子カルテです。レセコンと受付情報を連携でき、施設の運用にあわせて設定した進捗ステータスで、受付から診察、検査、会計までの状況を一覧で確認可能です。診断書の作成ではDocuMakerと、検査画像や数値の参照ではClaioと組み合わせて使えます。病名・所見・オーダのセット登録に対応しているため、院内でよく使う組み合わせを導入前に整理しておくと準備を進めやすくなります。
セコム・ユビキタス電子カルテ (セコム医療システム株式会社)
- 在宅、外来、入院機能を標準搭載
- 万全なサポート体制が好評
- 多様な部門システムとの連携実績
まとめ
有床クリニックに電子カルテを導入する際は、外来に加えて、指示受けや看護記録、食事、ベッド管理、入院会計といった病棟業務を先に整理することが大切です。レセコンや提供形態を含めた全体の構成で製品を選び、入院患者の記録を途切れさせない稼働日程を組みましょう。夜勤者を含めた研修と稼働後の見直しも欠かせません。資料請求をして、入院機能や導入支援の内容を比べてみてください。

