ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■提供形態別
- オンプレミス型:REMORA、MALL
- ハイブリッド型:クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- クラウド型:エムスリーデジカル、MALL、セコム・ユビキタス電子カルテ
- ■入院機能別
- 病床管理・ベッドマップ対応:MALL
- 体温表(温度板)対応:セコム・ユビキタス電子カルテ
有床クリニック向け電子カルテの価格は入院機能の範囲で決まる
有床クリニックは、19床以下の入院用ベッドを持つ診療所です。外来診療に加えて入院患者の管理が必要なため、電子カルテに求める機能や設備が増え、価格の決まり方も外来のみの診療所とは異なります。
入院機能の有無で変わる価格帯
外来だけを行う診療所が使うクラウド型電子カルテでは、月額利用料を公開している製品が見られます。一方、有床クリニック向けの電子カルテでは、入院機能の範囲や病床数によって構成が変わるため、価格を公開せず見積もりで案内する製品もあります。
そのため、外来向け製品の料金表をそのまま参考にすると、実際の見積もり額との差に戸惑う可能性があります。有床クリニックで検討する場合は、入院機能を含めた構成で見積もりを依頼し、外来機能と入院機能の費用の内訳を分けて示してもらうと比べやすくなります。
オンプレミス型の初期費用の目安
院内にサーバを置くオンプレミス型の電子カルテは、初期費用の目安として200万円から500万円程度と紹介されることがありますが、実際の金額は製品や構成によって大きく異なります。有床クリニックでは、これに入院機能のライセンスや病棟の端末の費用が上乗せされる可能性があります。
初期費用には、サーバや端末の購入費、システムの設定作業費、職員向けの操作説明の費用などが含まれます。どこまでが初期費用に含まれ、どこからが追加料金になるかは製品ごとに異なるため、見積書の項目を一つずつ確認しましょう。
クラウド型で入院機能を使う場合の月額
クラウド型の電子カルテにも、入院機能を備えた有床クリニック向けの製品があります。月額の料金を公開している製品もあれば、入院機能を含む構成は見積もりで案内する製品もあります。
料金が公開されている場合も、表示された月額が基本プランの金額であれば、入院機能や看護記録、アカウントの追加によって料金が上がる可能性があります。初期費用を抑えられる一方で、利用期間が長くなるほど支払総額は増えます。5年程度の利用を想定し、オンプレミス型と総額で比べてみましょう。
入院管理の機能ごとに加わる費用
有床クリニック向け電子カルテの入院機能は、製品によって対応範囲が異なります。基本料金に含まれる機能と、オプションとして追加料金がかかる機能を分けて確認すると、費用の妥当性を判断しやすくなります。
病床管理とベッドマップ
病床管理の機能は、どのベッドに誰が入院しているか、入院日や退院予定日はいつかを管理する機能です。病棟のベッド配置を図で表示するベッドマップに対応する製品もあり、空床の状況をひと目で確認できます。
紙やホワイトボードでの管理では、入退院や転床の情報が職員の間で伝わりにくくなる場合があります。病床数が少ない有床クリニックでは、高度な機能より、入退院の登録や病床の空き状況を簡単に確認できるかを重視して、必要な範囲を見極めることが大切です。
看護記録と温度板
看護記録は、入院患者の状態やケアの内容を記録する機能です。体温や血圧、脈拍などのバイタルサインを時間の経過にそって表示する温度板と組み合わせて使う場面があります。
看護記録の機能が電子カルテに含まれる製品もあれば、別の看護支援システムとして追加料金がかかる製品もあります。夜勤の看護師が入力する場面も想定し、入力の手間や画面の見やすさもデモで確かめておきましょう。看護職員の人数に応じてアカウント料金がかかるかも確認したい項目です。
食事オーダと入院会計
入院患者の食事内容を指示する食事オーダの機能や、入院期間に応じて診療報酬を計算する入院会計の機能も、有床クリニックで必要になる場面があります。
入院会計では、有床診療所入院基本料など外来とは異なる算定を扱います。電子カルテとレセプトコンピュータ(レセコン)のどちらで入院会計を行うか、レセコンが入院の算定に対応しているかによって、必要な契約と費用が変わります。給食を外部に委託している場合は、委託先との情報の受け渡し方法もあわせて確認しましょう。
病棟の端末と24時間稼働に備える費用
有床クリニックでは、入院患者がいる限り夜間も電子カルテを使います。病棟で使う端末に加えて、停電や障害が起きても記録を続けられる備えが必要です。設備面の費用を整理しておきましょう。
ナースステーションと病室の端末台数
入院機能を使うには、外来の診察室や受付に加えて、ナースステーションにも端末を置く必要があります。病室で記録を入力する運用であれば、持ち運べるノートパソコンやタブレットも必要です。
端末の台数が増えると、購入費だけでなく、ライセンス料や保守費も台数に応じて増える場合があります。看護師の勤務人数や、同時に入力する場面を想定して、必要な台数を決めましょう。台数を絞りすぎると、記録の順番待ちが起き、業務に影響する可能性があります。
停電やシステム障害への備え
入院患者がいる有床クリニックでは、停電やシステム障害で電子カルテが使えなくなると、看護記録や投薬の確認に支障が出るおそれがあります。そのため、障害に備えた設備の費用も考えておく必要があります。
例えば、停電時にサーバや端末へ一時的に電力を供給する無停電電源装置(UPS)や、データを別の場所に保存するバックアップの仕組みが挙げられます。障害時に紙の記録へ切り替える手順を決めておくことも大切です。設備の費用とあわせて、障害時の運用をベンダーと相談しておきましょう。
夜間や休日の保守サポート
有床クリニックでは、夜間や休日に電子カルテのトラブルが起きる可能性もあります。保守サポートの受付時間が平日の日中に限られていると、夜間の障害にすぐ対応してもらえない場合があります。
夜間や休日の対応は、保守契約の上位プランやオプションとして追加料金がかかる場合があります。問い合わせ窓口の受付時間、遠隔での復旧作業の可否、現地への駆けつけ対応の有無を確認し、自院の診療体制にあった保守契約を選びましょう。
提供形態で異なる有床クリニックの費用
有床クリニック向け電子カルテには、オンプレミス型、クラウド型、両方を組み合わせたハイブリッド型があります。提供形態によって、初期費用と月々の費用の配分や、障害時の動き方が変わります。
オンプレミス型の費用の特徴
オンプレミス型は、院内のサーバに電子カルテを構築する形態です。サーバ機器や設定作業の費用を初期費用としてまとめて支払い、その後は保守費を払う構造です。
院内で完結するため、インターネット回線の障害の影響を受けにくい点がメリットです。一方で、サーバの老朽化やOSのサポート終了にあわせて、数年ごとに機器を入れ替える費用がかかります。導入時だけでなく、更新時の費用も含めて試算しておきましょう。
ハイブリッド型とクラウド型の費用の特徴
クラウド型は、ベンダーが管理するサーバ上の電子カルテをインターネット経由で使う形態で、初期費用を抑えて月額利用料で支払う構造です。ハイブリッド型は、院内のサーバとクラウドを組み合わせて使う形態を指します。
ハイブリッド型では、回線の障害時に院内のサーバで診療を続けられるなどの仕組みをとる製品があります。ただし、院内のサーバの費用とクラウドの利用料の両方がかかる場合があります。入院機能の対応範囲も製品ごとに異なるため、提供形態とあわせて確認することが重要です。
病床の見直しや製品の切り替えに備えた契約
有床クリニックでは、将来的に病床数を見直したり、介護サービスとの連携を強めたりする可能性があります。電子カルテは長く使うシステムのため、運用の変化に対応できる契約かどうかも費用面で重要です。
病床を減らす場合の契約見直し
看護職員の確保状況や地域の医療ニーズによっては、病床数を減らしたり、無床クリニックへ移行したりする選択肢もあります。その場合、入院機能のオプションや病棟の端末は使わなくなります。
契約期間の途中で入院機能を外せるか、外した場合に月額料金や保守費が下がるかは、製品や契約内容によって異なります。導入時に、機能の追加や削除に伴う料金の変わり方と、解約の条件を確認しておくと、将来の運用変更に対応しやすくなります。
更新時期とデータ移行の費用
電子カルテを別の製品へ切り替える際は、過去の診療記録や看護記録を新しいシステムへ移すデータ移行の費用がかかります。入院患者の記録は量が多くなりやすく、移行の範囲によって費用が変わる可能性があります。
データを標準的な形式で出力できるか、出力に追加料金がかかるかは、導入時に確認しておきたい項目です。国も、電子カルテの標準仕様を検討するなかで、データを引き継げる互換性の確保を要件の一つに挙げています。長期的な費用を抑えるためにも、データの扱いを確認しておきましょう。
有床クリニックで検討できる電子カルテの比較表
この記事で紹介する電子カルテを、提供形態と特徴で比べられるように整理しました。入院機能の有無や対応範囲は製品によって異なるため、表で候補を絞ったうえで資料を確認してください。
| 製品名 | 提供形態 | 特徴 |
|---|---|---|
| REMORA | オンプレミス / パッケージソフト | 無床診療所から小規模病院までが対象。患者一覧や進捗ステータスを施設の運用にあわせて設定できる |
| エムスリーデジカル | クラウド | AIの自動学習機能でよく使う処置行為の入力を効率化。iPadアプリでの手書き記載にも対応 |
| クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud | オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / ハードウェア / サービス | 医事一体型のクラウド活用型。オプションのセカンドサーバーでサーバー障害時も業務を継続できる |
| MALL | オンプレミス / クラウド / SaaS | 診療所や200床未満の病院向け。病棟マップから入退院の処理や空き病床の管理ができる |
| セコム・ユビキタス電子カルテ | クラウド / パッケージソフト / ASP / サービス | 在宅・外来・入院機能を標準搭載。病床を持つ医療機関向けに体温表機能を用意している |
提供形態ごとに紹介する有床クリニック向け電子カルテ
有床クリニック向けの電子カルテを、オンプレミス型やクラウド型などの提供形態別に紹介します。入院管理や看護記録の対応範囲、障害時のバックアップ体制などを比較し、自院の運用に適した製品を選びましょう。
REMORA
- 自由度を追求!自身が使いやすいカルテ画面を実現!
- 豊富な実績をもつファイリングシステムClaioとの連携で、眼科運用を支援!
- 生損保診断書や同意書も大学病院で使ってるものと同じ機能で!
株式会社ファインデックスが提供する「REMORA」は、無床診療所から小規模病院までを対象としたオンプレミス型の電子カルテです。患者一覧や進捗ステータスを施設の運用にあわせて設定でき、受付から診察、検査、会計までの状況を把握しやすくなります。SOAP形式の入力やシェーマへの手書き、テンプレート、病名・所見・オーダのセット登録に対応。画像ファイリングシステム「Claio」や文書作成システム「DocuMaker」と連携し、検査画像の参照や診断書の作成にも活用できます。
エムスリーデジカル
- 初期0円、AIによる自動学習で入力時間80%削減!
- 15年利用で約1,000万円のコスト削減が可能!
- 金融機関・政府機関も利用する安全技術
エムスリーデジカル株式会社が提供する「エムスリーデジカル」は、クラウド型の電子カルテです。カルテ全体の入力内容から医師がよく使う処置行為を学習するAIの自動学習機能を備え、処置の入力をシンプルな操作で行えます。iPadアプリでは紙のカルテのように手書きで記載でき、撮影した写真もカルテへ転送可能です。複数スタッフによる同時カルテ表示や自動データバックアップにも対応しており、院内の複数の端末から利用したい場合に検討しやすい製品です。
クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
- 正確な事務作業はお任せ。自動チェックでミスを防ぎ診療に集中!
- 予約/問診~会計まで170社以上の機器とシームレスに連携可能
- クラウド活用によるデバイス&ロケーションフリーを実現
ウィーメックス株式会社が提供する「クラウド活用型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud」は、医事一体型のクラウド活用型電子カルテシステムです。算定ルールや病名の整合性などを確認するアシスト機能を備え、事務作業のミスを防ぎます。診療データはクラウド上にもバックアップされ、データのミラーリングや日次バックアップにも対応。オプションのセカンドサーバーを使えば、サーバーにトラブルが起きても指定したクライアントで業務を続けられます。予約や問診など170社以上の機器と連携できる点も特徴です。
MALL (株式会社パシフィックメディカル)
- 2,664種類もの設定項目で病院ごとの運用にフィット!
- 約150社の他社システムと他社検査機器と連動可能!
- 20年以上・約200件の導入実績!継続率は99%!
セコム・ユビキタス電子カルテ (セコム医療システム株式会社)
- 在宅、外来、入院機能を標準搭載
- 万全なサポート体制が好評
- 多様な部門システムとの連携実績
まとめ
有床クリニック向け電子カルテの価格は、外来向けの基本機能に、病床管理や看護記録、入院会計といった入院機能と、病棟の端末、24時間稼働への備えが加わって決まります。提供形態によって初期費用と月々の費用の配分も変わるため、更新時や病床運用の変化も見据えて総額を試算することが大切です。入院機能の範囲を確かめながら、複数の有床クリニック向け電子カルテの資料を請求して比較してみてください。

