ファイアウォールでウイルス感染を防ぐことはできるか?
外部からの不正アクセスをブロックするファイアウォール。ウイルス感染を防ぐことはできるのか解説していきます。
ネットワーク上での感染は防ぐことができる
ファイアウォールは外部ネットワークと内部ネットワークの間に設置され、不正アクセスをブロックするシステムです。外部と内部の間を出入りするパケットを監視し、ルールに従ってパケットの通過や破棄を行います。
外部ネットワークを利用して社内ネットワークへの侵入を行うサイバー攻撃のような、ネットワーク上からのウイルス対策には有効だといえるでしょう。
ハードウェア上での感染は防げない
ハードウェアを介したウイルス感染はファイアウォールを通過しません。電子メールに添付された悪意あるプログラムを確認せずに開いてしまうと、ウイルスに感染してしまいます。
また、不正なプログラムが埋め込まれたUSBメモリやUSBデバイス(スマートフォンやコンピュータの周辺機器)によってウィルスに感染することも考えられるでしょう。
そのため、管理者も気づかないうちに感染が拡大し、情報が外部に漏れてしまうといった事態になりかねません。
ファイアウォールとウイルス対策ソフトの違いは?
ファイアウォールではすべてのウイルスを防ぐことはできません。では、ファイアウォールとウイルス対策ソフトの違いは何でしょうか。
ファイアウォール:通信の保護
ファイアウォールはIP通信の制御を行い、ユーザーポリシーに基づいて不正な通信をブロックします。不正な通信かどうかは通信の送信元と送信先で判断される仕組みです。
つまり、ファイアウォールは通信の内容までは監視しません。そのため、電子メールを利用したウイルスなど、ファイアウォールを通過してしまう脅威の侵入を防ぐことは難しいです。
あくまでも不正アクセスに対するセキュリティ対策の1つであると考えるべきでしょう。
ウイルス対策ソフト:PCの保護
ウイルス対策ソフトはパソコンの保護を目的としています。
ウイルスは、パソコンの内部に侵入してデータの改ざんやファイルの破壊、そして情報の流出などを引き起こす悪意あるプログラムのことです。そして、繁殖して拡散する機能をもっています。
ウイルス対策ソフトは、ウイルスを検出して拡散を防止します。ウイルスの機能を解除、または削除する処理がプログラムされたソフトウエアです。外部からの侵入だけではなく、内部から出ていくデータにウイルスが含まれていないかもチェックできます。
ファイアウォールとウイルス対策ソフトは併用できるか?
多くのパソコンにはファイアウォールが標準搭載されています。ファイアウォールとウイルス対策ソフトは併用ができるのでしょうか。
導入したセキュリティソフトの機能が優先される
セキュリティソフトの機能が優先されるため、ファイアウォールとの併用はできません。新たにセキュリティソフトを導入した場合、パソコンに搭載されているファイアウォール機能が自動で無効化されます。
しかし、個人で設定を無効にする必要があるソフトウエアもあります。ファイアウォールが有効なままだと、併用により不具合を起こしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
セキュリティソフトを導入する場合、既存のファイアウォールの設定はどのようになっているのか確認しましょう。
セキュリティソフトでの利用が便利
セキュリティソフトの多くがウイルス対策だけではなく、セキュリティ全般の機能ももっています。そして、ファイアウォール機能も搭載しています。そのため、セキュリティソフトを活用しファイアウォールの設定を行うほうが効率的でしょう。
1つのソフトウエアであらゆる脅威から大切な情報を守れるうえ、設定も簡単なため使用しやすいです。
ウイルス対策つきセキュリティソフト5製品(2月12日時点)
ウイルス対策機能を持ったセキュリティソフトをご紹介していきます。
ESET
キャノンITソリューションズ株式会社が提供するさまざまなOSや仮想環境に対応したセキュリティソフト。
ライセンス数はインストールするクライアントやサーバ台数でカウントするため、わかりやすい購入形態になっています。運用負荷の低減・業務効率のアップを図りたい企業におすすめです。
- ■世界中のユーザーからマルウェアを収集・機械学習で解析
→未知の脅威に対して高い検出力を誇る
- ■進化する脅威に対応
→攻撃手法に対してさまざまな検査方法を実施
- ■さまざまなデバイスを一元管理可能
ノートンセキュリティ
シマンテックが提供するウイルス対策セキュリティソフト。
さまざまなライセンス形態を準備しており、また、モバイルやWi-Fiに特化したサービスも提供しています。さまざまな脅威に対するセキュリティの向上を図りたい企業におすすめです。
- ■ウイルスからの保護を100%保証
→ウイルスに感染し、除去できなかった場合は購入代金を返金
- ■大切なデータを簡単にバックアップ可能
- ■第三者機関による評価で11年連続軽さNo.1
カスペルスキー 2019
Kaspersky Labが提供するセキュリティソフト。
さまざまな業種やセキュリティ要件や制約に柔軟に対応します。あらゆる従業員規模に対応しています。
- ■クラウド・オンプレミスにも対応可能
- ■複雑な設定の必要なし
→簡単な導入が可能
ウイルスバスタークラウド
トレンドマイクロが提供するセキュリティソフト。
中小企業に特化したサービスで、企業はメンテナンスフリーを実現できます。さまざまな利用環境下でも高いセキュリティ対策を図りたい企業におすすめです。
- ■インターネットを利用してさまざまなデバイスを一元管理
- ■機械学習型検索を利用
→誤検出の軽減が可能
- ■常に最新版を利用できる
マカフィー 2019
McAfeeが提供するセキュリティソフト。
小規模事業者に対応しており、月額での利用が可能です。
- ■スマートフォンは台数無制限で専用セキュリティ対策アプリを利用できる
- ■世界120カ国、ユーザー数1億5000万人以上
- ■インストールは2ステップで完了
→簡単に導入可能
ファイアウォールの限界を理解しウイルス対策の構築を!
ファイアウォールはネットワーク上に構築して外部からの不正アクセスをブロックするシステムです。しかし、すべての不正アクセスやウイルスの侵入を防ぐことは難しいでしょう。
自社の導入目的を明確にした上で、ファイアウォールでは防げないウイルス対策の構築は必要不可欠です。セキュリティソフトを導入し、ファイアウォールとの包括的な利用を検討してみてはいかがでしょうか。