ソフトウェア型とハードウェア型の違い
ここではソフトウェア型で提供されるファイアウォールと、ハードウェア型で提供されるファイアウォールの違いをご紹介します。
ソフトウェア型:パソコンの通信を守る
ソフトウェア型のファイアウォールは、インターネットに接続する際、異常な通信からパソコンを守る役割を果たします。そのため、パソコンやサーバ1台1台すべてにインストールして利用するのが基本です。
ソフトウェア型のファイアウォールは「パーソナル型」と表現されることもあります。なおWindows7以降のOSが搭載されたパソコンには、「Windowsファイアウォール」がプリセットされています。
ハードウェア型:社内LANの通信を守る
ハードウェア型のファイアウォールは、外部ネットワークと内部ネットワークの境界線に設置され、一般的にルータに搭載されているものを指します。そのため、「ゲートウェイ型」と記載されることもあります。
ハードウェア型のファイアウォールは、外部の不正な通信から社内のネットワークを守る役割を果たします。ソフトウェア型とは違い、ハードウェア型の製品があれば一度に複数のコンピュータを保護することが可能です。
ファイアウォールを選ぶ際のポイント
ここではファイアウォールを導入する際に気をつけるべきポイントを2つ解説します。
ソフトウェア型のファイアウォールは併用不可
ソフトウェア型のファイアウォールは併用ができません。複数のソフトを同時に実行すると、ファイアウォール同士が干渉しあって不具合を起こす可能性があります。最悪の場合、PCが動かなくなってしまう場合もありますので注意しましょう。
なおWindows製品にプリセットされているファイアウォールは、市販のソフトをインストールすると停止します。また、セキュリティソフトにはウイルス対策機能が搭載された製品が多いため、導入する際は一括購入したうえで管理しておきましょう。
ハードとソフトの併用が不可欠
ハードウェア型とソフトウェア型のファイアウォールは、併用が不可欠です。ソフト同士、ハード同士の利用は意味がありませんが、ハード、ソフトは必ず1つずつ設置しておきましょう。これは、ハード型とソフト型それぞれが防御できる範囲が決まっているからです。
たとえば社内ネットワークにウイルス感染したパソコンがあった場合、他のパソコンへの感染拡大を食い止めるためにはソフトウェア型が必要です。また、社内のデータが外部に流れないようにするためには、ハードウェア型が欠かせません。
このように、ハード、ソフトは防御できる範囲が異なります。併用することで内部ネットワーク環境のセキュリティをより強固にできるのです。
法人向けファイアウォール製品を比較
ここからは実際にファイアウォール製品を紹介します。ソフトウェア型、ハードウェア型のどちらも紹介しているので、導入を検討される際の参考にしてください。
株式会社ピーエスアイが提供する「Fortigate」は、ハードウェア型の統合セキュリティ(UTM)アプライアンスです。ファイアウォールはもちろん、VPN、IPS(侵入防止システム)、ウイルス対策、スパム対策、Webフィルタリング、アプリケーション制御の機能を1台に集約しています。ファイアウォール機能に関しては、独自開発のプロセッサであるFortiASICにより、高速処理が可能です。
マカフィー®スモール ビジネスセキュリティ
McAfeeの「マカフィー®スモール ビジネスセキュリティ」はPC最大25台に対応した小規模事業者向けセキュリティサービスです。1台から利用できPCのほかスマホのセキュリティ対策も一元化できます。
- ■ソフトウェア型
- ■PC25台まで、小規模企業向け
- ■Android向けセキュリティとしてドイツのマルウェア対策テストで高い評価
- ■年中無休サポートが受けられる
- ■価格:別途お問い合わせ
カスペルスキー スモール オフィス セキュリティ
株式会社カスペルスキーが提供する「カスペルスキー スモール オフィス セキュリティ」は、少人数オフィス向けに設計されています。Windows PC、Mac、Windowsファイル サーバー、Androidのスマートフォンとタブレット全てに対応しています。
- ■ソフトウェア型
- ■従業員5~25人向け
- ■こまめなアップデートにより使用中のアプリの安全性も確保
- ■ファイルの暗号化とバックアップで安全にデータ保存
- ■価格:16,280円~(PC5台+モバイル5台でライセンス期間1年の場合)
ESET オフィスセキュリティパック
「ESET オフィスセキュリティパック」は、ESET株式会社が提供する統合セキュリティソフトです。マルチデバイス対応で、すべてのコンピューターとスマートフォンを脅威から守ります。
- ■ソフトウェア型
- ■アップグレードは無料で最新状態を保てる
- ■30日無料体験版あり
- ■台数に応じた料金プラン
- ■価格:18,400円~(PC5台+モバイル5台でライセンス期間1年の場合)
ノートン 360 プレミアム
株式会社ノートンライフロックが提供。最大10人までの小規模オフィスに対応した製品です。フリーWi-Fi対策機能が付いたラインナップもあることから、出先で無料Wi-Fiに接続する社員がいる場合に適しているでしょう。
- ■ソフトウェア型
- ■自動オンラインバックアップ機能でファイルを保護
- ■365日24時間のチャットサポート
- ■Webカメラの乗っ取り防止機能
- ■価格:11,680 円~(10デバイスでダウンロード1年版の場合)
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ハードとソフトの違いを把握し、適切な導入を!
ファイアウォールのソフトウェア型はパソコンの通信を守る役割を、ハードウェア型は社内LANの通信を守る役割を担っています。保護対象が異なるため、両方取り入れるとセキュリティを強化することが可能です。
必要な機能を搭載したファイアウォールを導入し、大切な情報をしっかり保護しましょう。