ハウジングは企業規模で確認すべき条件が変わる
ハウジングは契約するラックの単位や求められる保守体制が幅広く、企業規模によって最適な条件が変わります。まずは規模別に生じる違いの全体像を整理し、次章以降で具体的な比較ポイントを見ていきます。
ラック単位と契約形態の違い
ハウジングの契約は、1U単位の小さなスペースから、複数ラックをまとめて借りる形態まで幅広い選択肢があります。小規模企業では機器台数が少ないため、1U~数Uの小さな単位で契約できるサービスが向いています。
一方、機器数が多い企業では、ラック単位や専用スペースでの契約が選択肢になります。
従業員規模別に生じる要件の差
従業員数が増えるほど、利用するシステムの数や求められる可用性の水準が上がる傾向があります。そのため中堅規模以上の企業では、回線の冗長化や停電対策の内容を確認する企業が多くなります。
一方で従業員数だけで要件が一律に決まるわけではなく、扱うデータの種類や業務の停止影響度によっても必要な条件は変わります。
10名・30名規模の小規模企業に適したハウジングの考え方
従業員10名や30名程度の小規模企業では、少人数でも運用しやすい契約単位とコストのバランスが確認したい観点になります。専任の情報システム担当者がいない場合は、運用の負担も考慮した選定が求められます。
少人数運用で管理しやすい契約単位
情報システム担当者が専任でない企業では、契約後の設定や監視をベンダー側にどこまで任せられるかが重要な確認項目です。リモートハンドサービスなど、現地作業を代行してもらえる仕組みがあるか確認しましょう。
また、契約単位が小さいほど初期費用を抑えやすくなります。
コストと保守体制のバランス
小規模企業では月額費用の水準が導入判断に直結しやすいため、電力使用量や回線帯域に応じた料金体系を事前に確認することが大切です。想定より使用量が増えると追加費用が発生する場合があります。
50名・100名規模の中堅企業で比較したい条件
従業員50名から100名程度の中堅企業では、事業拡大にあわせた拡張性と、サポート体制の充実度が比較のポイントになります。取引先や顧客の情報を扱う機会も増えるため、安定性や継続性への配慮がより求められます。
拡張性と回線の冗長性
中堅規模の企業では、事業拡大にともないサーバ台数が増える場合があります。あらかじめラックの増設余地や、複数回線を利用した冗長構成に対応しているかを確認しておくと、将来の移設リスクを減らせます。
回線の冗長化は、1本の回線に障害が起きても別経路で通信を維持できる仕組みです。事業の継続性を重視する企業では、契約前にこの点を確認する企業が多い傾向があります。
サポート対応時間と保守窓口
従業員数が増えるとシステムの利用時間帯も広がりやすいため、保守窓口が24時間対応かどうかは確認しておきたい条件です。夜間・休日の障害対応範囲や対応スピードはサービスによって差があります。
あわせて、障害発生時の一次対応から復旧までの連絡フローが明文化されているかも確認しましょう。対応フローが不明確だと、実際のトラブル時に社内対応が滞る可能性があります。
300名以上の大規模組織で確認すべき運用体制
従業員300名を超える大規模組織では、複数部門・複数システムが同じ基盤を利用する場合が多く、セキュリティと復旧体制の確認がより重要になります。部門横断での利用を前提とした運用ルールの整備も欠かせません。
セキュリティ・コンプライアンス対応
大規模組織では、入退室管理や監視カメラの設置状況、第三者認証の取得状況など、施設面のセキュリティ対応を確認する企業が増えます。取り扱う情報の重要度にあわせて必要な水準を見極めましょう。
あわせて、社内の情報セキュリティポリシーや業界のガイドラインに沿った運用ができるかも、情報システム部門と連携して確認しておくと安心です。
障害時の復旧体制
組織の規模が大きいほど、システム停止が業務全体に与える影響も広がります。障害発生時の通知の仕組みや、復旧までの目安時間が明示されているかを確認しておくとよいでしょう。
また、自社側でも復旧手順や連絡体制をあらかじめ整理し、担当者が不在でも対応できるよう複数人で状況を把握できる体制を整えておくことが大切です。
上場企業が導入時に重視する観点
上場企業では、内部統制や監査対応の観点から、施設運用や契約内容の透明性が重視されます。取引先や株主への説明責任も踏まえ、確認したい観点を整理します。
内部統制・監査対応
上場企業では、外部委託先の運用状況を監査で確認できる体制が求められる場合があります。運用ログの保管期間や、監査に必要な資料を提供してもらえるかを事前に確認しておきましょう。
あわせて、契約や運用に関する社内規程との整合性も確認が必要です。情報システム部門や内部統制の担当部署と連携しながら選定を進めると、後の確認作業がスムーズになります。
取引実績の確認方法
導入社数などの具体的な数値は公開されていない場合が多いため、実績の多寡だけで判断するのは避けたいところです。代わりに、対応可能な業種や、提供している認証・保守メニューの範囲を確認する方法が有効です。
気になる点があれば、ベンダーに直接問い合わせて回答内容を比較すると、公開情報だけでは分からない対応力を把握しやすくなります。
グループ会社を横断管理する場合の運用ポイント
複数のグループ会社が同じ基盤を利用する場合は、契約や権限の一元管理をどこまで実現できるかが検討の軸になります。グループ内で運用方針を統一しやすい仕組みかどうかも比較の軸になります。
複数拠点・複数契約の一元管理
グループ会社ごとに個別契約になっていると、請求や保守窓口が分散し管理の手間が増えます。複数拠点をまとめて管理できる契約形態があるかどうか、事前にベンダーへ確認しておくとよいでしょう。
あわせて、グループ会社間で利用状況や費用を比較できるよう、利用データを一覧で確認できる仕組みがあるかも確認したい点です。
権限設定と請求の管理
グループ会社を横断して管理する場合、担当者ごとのアクセス権限を分けられるかどうかも重要な確認項目です。権限が一律だと、意図しない設定変更が行われるリスクが高まります。
請求についても、グループ会社ごとに分割できるか、親会社でまとめて一括請求できるかはサービスによって対応が異なります。運用担当者の負担や経理処理のしやすさ、将来のグループ再編の可能性も踏まえて選ぶとよいでしょう。
企業規模別に検討したいハウジングサービス
小規模企業から大規模組織まで、それぞれの規模で選ばれやすいハウジングサービスをご紹介します。
東京・大阪エリア MCDRコロケーションソリューション
- ミッションクリティカルデータの安全性、可用性を担保する設計
- 将来の拡張要件に対応した大容量電源を提供可能
- 大阪中心部から約20km、東京エリアと共に災害リスクの低い地域
MCデジタル・リアルティ株式会社が提供する「東京・大阪エリア MCDRコロケーションソリューション」は、東京・大阪の両エリアに拠点を持つデータセンターでのコロケーションサービスです。複数拠点でのラック提供に対応しており、事業拡大や拠点分散を検討する中堅・大規模企業のサーバ収容先の選択肢になります。1拠点への依存を避けたい企業や、災害対策として複数拠点での分散配置を検討する企業にとって、選択肢の一つになるサービスです。
株式会社東計電算の業務代行サービス
- 引っ越しから日々のサーバー運用までトータルサポート
- 業務サポートにより安心してテレワークが可能に
- 電気代、オフィスの家賃など、運用コスト削減に効果絶大
株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.が提供する「株式会社東計電算の業務代行サービス」は、ハウジングにあわせて運用面の代行対応を受けられるサービスです。情報システム担当者が専任でない小規模企業でも、設置後の運用や問い合わせ対応を任せやすい点が特徴です。日々の監視業務や定型的な運用作業を委託できるため、限られた人員でシステム運用を担う企業にとって、負担を軽減できる選択肢となります。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、都内に立地するデータセンターでのハウジングサービスです。都心にアクセスしやすい立地を求める企業や、保守対応のしやすさを重視する企業の選択肢になります。機器の搬入・保守作業のために現地へ足を運ぶ機会が多い企業にとって、拠点までの移動負担を抑えられる点も選定時の検討材料になります。
NTT東日本データセンター (NTT東日本株式会社)
- 震度7の地震にも倒壊しなかった実績
- 東日本の17都道県にデータセンターが存在
- オプションで故障対応、監視、運用などのサービスも
データセンターサービス (エクイニクス・ジャパン株式会社)
- カスタマーポータルやAPIから運用に関するデータにアクセス可能
- レポートやアラートなど便利な機能が充実
- 24時間体制のオンサイト運用サポートあり
ハウジングの企業規模に関するFAQ
ハウジングの企業規模による選び方について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:従業員10名程度の小規模企業でもハウジングは利用できますか?
- 多くのサービスで1U~数Uの小さな契約単位が用意されており、小規模企業でも利用しやすくなっています。契約単位や初期費用は事業者によって異なるため、複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。
- ■Q2:企業規模が大きくなると、どのような点を追加で確認すべきですか?
- 従業員数や拠点が増えるほど、回線の冗長化やセキュリティ対応、監査への対応可否といった観点の重要性が高まります。将来の増員計画も踏まえて選定することが重要です。
- ■Q3:上場企業がハウジングを選ぶ際に重視すべき点は何ですか?
- 内部統制や監査対応の体制が整っているか、取引実績を確認できるかといった点が重視される傾向があります。
- ■Q4:グループ会社で複数拠点を横断管理する場合の注意点は何ですか?
- 複数拠点・複数契約を一元的に管理できる仕組みや、権限設定・請求の管理方法を事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
ハウジングは、10名規模の小規模企業から300名以上の大規模組織、上場企業やグループ会社まで、規模によって確認したい条件が異なります。契約単位やコスト、拡張性、セキュリティ対応、権限管理など、自社の状況にあわせて比較することが大切です。まずは資料請求で複数のサービスを比較し、自社の規模や運用体制に合ったハウジングサービスを検討してみてください。

