ハウジングで解決できる自社運用の課題
自社でサーバー設備を運用する場合、施設面・体制面の両方で課題が生じやすくなります。まずは代表的な課題の全体像を整理します。
- ■施設面の課題
- 電源容量や空調設備の限界により、機器の増設や更新が難しくなる場合があります。
- ■体制面の課題
- 担当者が限られることで、点検や障害対応が特定の人に偏りやすくなります。
- ■コスト面の課題
- 設備の維持・更新には継続的な投資が必要になり、予算の確保が課題になる場合があります。
自社サーバールーム運用で生じやすい課題
自社サーバールームでは、電源や空調の設備投資に限界があり、機器の増設にあわせた対応が難しくなる場合があります。老朽化した設備をそのまま使い続けると、停止のリスクも高まります。
また、担当者が限られる企業では、日常的な点検や障害対応が特定の人に集中しやすくなります。属人化が進むと、担当者の不在時に対応が滞る可能性があります。
ハウジングに移行することで変わる点
ハウジングに移行すると、電源や空調、セキュリティなどの施設面をベンダーの専門設備に任せられるようになります。自社で設備投資を続ける必要がなくなる点は、大きな変化といえます。
あわせて、監視や保守の一部をベンダーに任せることで、社内の担当者は運用ルールの整備や他の業務に時間を使いやすくなります。ただし、移行後も契約管理や社内システムとの調整など、自社側の確認業務は一定程度残ります。
機器故障・設定ミスによるシステム停止を防ぐ考え方
システム停止は単一の原因ではなく、複数の要因が重なって起こる場合があります。原因を分けて捉え、対策を検討することが大切です。主な要因を整理すると、以下のように分類できます。
| 停止要因 | 関係する対策 |
|---|---|
| 機器の物理的な故障 | 定期的な機器点検や、故障時に切り替えられる冗長構成の確認 |
| 設定ミス・人的要因 | 作業手順の文書化や、複数人での確認体制の整備 |
| 電源・回線などの施設要因 | 無停電電源装置や複数回線への対応状況の確認 |
停止の原因を分けて捉える重要性
システム停止は、機器の物理的な故障、設定ミス、電源トラブル、外部要因など、複数の要因が関係する場合があります。原因を一つに決めつけず、複数の可能性を確認する姿勢が重要です。
ハウジング環境では、電源や空調などの施設要因を減らせる一方、設定ミスなど運用側の要因は自社の対応にも左右されます。両方の観点から対策を丁寧に考えることが求められます。
監視・冗長化による対策
停止を未然に防ぐには、機器の稼働状況を常時監視し、異常の兆候を早期に把握できる仕組みが有効です。あわせて、電源や回線を冗長化することで、単一障害点を減らせます。
監視や冗長化を導入しても停止のリスクをゼロにはできないため、発生時の復旧手順や連絡体制もあわせて整えておくことが重要です。
属人化した運用体制を見直す方法
サーバー設備の運用が特定の担当者に依存していると、異動や退職の際に対応が難しくなる場合があります。属人化を見直す方法を整理します。
- 作業手順を文書化し、誰でも参照できる状態にする
- 複数人で状況を把握できる体制をつくる
- 定期的な情報共有の機会を設ける
属人化が生まれる背景
運用ルールが文書化されていない場合や、担当者が独自の判断で対応を続けている場合、知識やノウハウが個人に蓄積されやすくなります。結果として、その担当者しか対応できない状況が生まれます。
属人化は担当者の能力の問題ではなく、記録や引き継ぎの仕組みが整っていないことが背景にある場合が多いといえます。仕組みの整備で改善できる余地があります。
標準化・引き継ぎ体制の整備
作業手順や設定内容を文書化し、複数人が参照できる状態にしておくことが、属人化の解消につながります。ハウジングへの移行を機に、運用ルール全体を見直す企業も見られます。
あわせて、ベンダー側が保守を代行する範囲を増やすことで、自社の担当者に依存する部分を減らす方法も選択肢になります。自社と外部の役割分担を整理しておきましょう。
災害時の事業継続に備える選び方
地震や水害などの災害時にもシステムを維持したい場合は、拠点の分散や復旧計画との連携を確認しておくことが重要です。あわせて確認したい項目を整理します。
- ■耐震・免震構造
- 建物や設備が耐震・免震構造に対応しているか、公開情報や資料で確認します。
- ■非常用電源の稼働時間
- 停電時に非常用電源でどの程度の時間稼働できるかを確認します。
- ■拠点間のデータ連携
- 複数拠点を利用する場合、データやシステムをどのように連携させるかを確認します。
拠点分散によるリスク低減
自社オフィスと同じ地域にサーバー設備を置いている場合、災害時に両方が同時に被害を受けるリスクがあります。異なる地域のデータセンターを利用することで、このリスクを分散できます。
あわせて、耐震構造や非常用電源の有無など、施設自体の防災対策についても事前に確認しておくと、より安心して利用できます。
復旧計画との連携
事業継続計画(BCP)を策定している企業では、ハウジング先の復旧対応がその計画と整合しているかを確認する必要があります。復旧までの目安時間や、連絡体制、代替手段の有無を事前にすり合わせておきましょう。
また、定期的に復旧手順を見直し、実際の災害時にも機能するかを確認しておくことが、実効性のあるBCPにつながります。
保守作業の工数削減とペーパーレス化
現地作業や紙の申請手続きにかかる工数は、運用ルールの見直しによって削減できる場合があります。具体的な方法を整理します。
- リモートハンドサービスの活用で現地移動を減らす
- 遠隔監視ツールで異常の早期把握につなげる
- 入退室申請や作業記録をオンライン化する
現地作業の負担を減らす方法
再起動やケーブル接続などの現地作業をベンダーに代行してもらえるリモートハンドサービスを活用すると、担当者が現地に出向く回数を減らせます。移動時間の削減にもつながります。
あわせて、遠隔から機器の状態を確認できる監視ツールを併用することで、現地確認が本当に必要な場面を絞り込みやすくなります。
入退室・作業手順のペーパーレス化
紙の入退室申請書や作業手順書を使い続けていると、記入や保管の手間が発生します。オンラインでの申請や電子的な記録管理に対応しているサービスであれば、こうした手間を大きく減らせます。
ペーパーレス化は入退室記録の検索や監査対応もしやすくなるため、セキュリティ面の確認作業を効率化する効果も期待できます。
サーバー設備の運用は内製と外部委託のどちらが向くか
内製と外部委託のどちらが適するかは、社内の体制や扱う情報の性質によって変わります。判断の基準を整理します。
- 社内の情報システム担当の人数と専門性
- 扱うシステムの重要度と停止時の影響範囲
- 設備投資にかけられる予算の状況
- ■Q:内製と外部委託は、どちらか一方に決める必要がありますか?
- 必ずしも一方に統一する必要はありません。重要度の高いシステムは内製で管理し、それ以外はハウジングを活用するなど、組み合わせて運用する企業も見られます。
- ■Q:外部委託にすると、社内の担当者は不要になりますか?
- 設備の物理的な運用は任せられますが、契約管理やベンダーとの連絡窓口、社内システムとの調整は自社側の役割として残ります。
内製で運用する場合の条件
専任の情報システム担当者が複数人いる場合や、独自の運用ノウハウを社内に蓄積したい場合は、内製を継続する選択肢も有効です。ただし、設備投資や人材確保にかかる負担は継続的に発生する点に留意が必要です。
内製を続ける場合も、属人化を防ぐための文書化や、複数人での対応体制づくりは欠かせません。
外部委託を組み合わせる場合の考え方
専任担当者が少ない企業や、設備投資を抑えたい企業では、ハウジングを活用して外部委託を組み合わせる方法が選択肢になります。すべてを任せるのではなく、自社が担う範囲をあらかじめ明確にすることが重要です。
内製と外部委託は二者択一ではなく、業務内容に応じて柔軟に組み合わせる企業も見られます。自社の状況にあわせて役割分担を検討しましょう。
運用課題の解決につながるハウジングサービス
属人化や災害対策、内製と外部委託の判断など、自社運用で抱えやすい課題の解決に役立つハウジングサービスをご紹介します。
株式会社東計電算の業務代行サービス
- 引っ越しから日々のサーバー運用までトータルサポート
- 業務サポートにより安心してテレワークが可能に
- 電気代、オフィスの家賃など、運用コスト削減に効果絶大
株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.が提供する「株式会社東計電算の業務代行サービス」は、ハウジングとあわせて運用面の代行対応を受けられるサービスです。日々の監視や定型的な運用作業を外部に委託できるため、特定の担当者に運用が依存する属人化の課題を抱える企業にとって、負担を分散させる選択肢になります。内製と外部委託の間で判断に迷う企業にも参考になります。
御殿山データセンター
- 品川駅より徒歩15分のビジネスに適した環境と利便性に優れた立地
- 安全性が高い地盤で地震・液状化・浸水など災害危険度が低く安心
- 24時間365日の有人監視!堅牢なセキュリティと高水準の運営品質
フリービット株式会社が提供する「御殿山データセンター」は、都内に立地するデータセンターでのハウジングサービスです。自社オフィス内にサーバを設置している企業が、事業継続の観点から機器を外部のデータセンターへ移す際の移設先として検討される選択肢の一つです。都心に立地しているため、保守作業のために現地へ足を運ぶ際の移動負担も抑えやすい傾向があります。
NECのデータセンター (日本電気株式会社)
- 全国各地に展開
- 独自の冷却技術と自然エネルギーを活用したコストカット
- 自然災害や犯罪に対する徹底的なセキュリティ体制
国内データセンターサービス (KDDI株式会社)
- 約1,000社の導入実績
- 柔軟性の高い運用・監視・保守
- コロケーションの他にも多様なサービスが展開
ハウジングの課題解決に関するFAQ
ハウジング導入による課題解決について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:運用の属人化はハウジング導入で解消できますか?
- ベンダーへの運用代行を組み合わせることで、特定の担当者への依存を減らしやすくなります。あわせて社内での引き継ぎ体制も整えることが重要です。
- ■Q2:内製と外部委託はどちらを選ぶべきですか?
- 自社の運用リソースや専門知識の有無によって判断が分かれます。無理に内製にこだわらず、外部の支援を部分的に活用する方法も選択肢の一つです。
- ■Q3:災害時の事業継続に備えるにはどうすればよいですか?
- 拠点を分散させてリスクを低減し、復旧計画とあわせて備えておくことが有効です。
- ■Q4:保守作業の工数を削減するにはどうすればよいですか?
- 現地作業の負担を減らせる仕組みや、入退室・作業手順のペーパーレス化に対応しているかを確認するとよいでしょう。
まとめ
ハウジングは、機器故障によるシステム停止、属人化した運用、災害時の事業継続、保守作業の工数といった課題を解決する選択肢になります。内製と外部委託のバランスを踏まえながら、自社の課題にあわせて比較検討することが大切です。まずは資料請求を通じて、複数のサービスから具体的な対応内容を確認してみてください。

