IaaSの市場規模・市場動向
まずは、国内IaaS市場が現在どのような状況にあり、今後どう推移していくのか、具体的な数値データとともに見ていきましょう。
国内IaaS/PaaS市場の推移と予測(2023〜2028年度)
国内のIaaSおよびPaaS市場は、右肩上がりの成長を続けています。IT専門調査会社などのデータによると、2023年度の市場規模は約1.5兆円、2024年度には約1.8兆円に達する見込みです。
この成長ペースは今後も衰えることなく、2025年度以降には2兆円を突破すると予測されています。年平均成長率(CAGR)も10%を超える高い水準で推移しており、企業のITインフラにおけるクラウド利用は、もはや「選択肢の一つ」ではなく「主流」になりつつあります。
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市場拡大を後押しする3つの要因
IaaS市場がこれほどまでに急成長している背景には、主に3つの要因があります。
1. 生成AI・AI需要の急増
近年、生成AIの開発や活用が活発化しており、その計算基盤として大量のGPUリソースやストレージが必要とされています。柔軟にリソースを増減できるIaaS/PaaSは、AI基盤として最適であり、需要を大きく押し上げています。
2. DX推進とデータ活用
デジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、企業が保有するデータをクラウド上で統合・分析する動きが進んでいます。これに伴い、データベースや分析基盤としてのクラウド利用が増加しています。
3. レガシーシステムからの移行
老朽化したオンプレミスサーバーの更改タイミングで、クラウドへ移行する「クラウドファースト」の考え方が浸透しています。特にハードウェアの保守運用負荷を軽減したいというニーズが、IaaS移行を加速させています。
市場の課題と変化(価格高騰・VMware問題など)
一方で、市場には課題や変化も生じています。昨今の円安傾向やエネルギー価格の高騰により、一部の海外製クラウドサービスでは利用料金の値上げが行われています。
また、仮想化ソフトウェア大手であるVMwareのライセンス体系変更に伴い、コスト増を懸念する企業が、代替となるIaaSや国産クラウドへの移行を検討するケースも増えています。これにより、市場内でのベンダーシェアや勢力図にも変化が起きつつあります。
ITトレンドにおけるIaaSの動向
当サイト「ITトレンド」においても、IaaS製品への関心は年々高まっています。
資料請求の傾向を見ると、以前は「有名なメガクラウド」一択で検討する企業が多かったものの、最近では「コストパフォーマンス」や「手厚いサポート」を重視し、国産クラウドや特定用途向けIaaSを比較検討するケースが増えています。
また、一つのクラウドサービスに依存するのではなく、複数のサービスを使い分ける「マルチクラウド」や、オンプレミスと併用する「ハイブリッドクラウド」を前提とした問い合わせも増加傾向にあります。
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IaaS導入時の選び方ポイント
市場が拡大し、多くのサービスが登場している中で、自社に最適なIaaSを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。主な選定ポイントを解説します。
コスト体系と為替リスク
IaaSの料金体系は、使った分だけ支払う「従量課金制」が一般的ですが、定額制プランを用意しているサービスもあります。また、海外サービスの場合はドル建て決済や為替連動型であることが多いため、円安時のコスト変動リスクを考慮する必要があります。予算管理を重視する場合は、円建て固定料金の国産サービスも有力な選択肢です。
サポート体制と言語
トラブル発生時にどのようなサポートが受けられるかは重要です。海外ベンダーの場合、安価なプランでは英語のみの対応や、回答までに時間がかかることがあります。自社の運用体制に不安がある場合は、日本語での電話サポートや、専任担当者が付くサービスを選ぶと安心です。
可用性とSLA(サービス品質保証)
システムを安定稼働させるために、SLA(Service Level Agreement)の内容を確認しましょう。稼働率99.99%などの保証値や、障害時の返金規定などが定められています。また、データセンターが国内にあるかどうかも、レイテンシ(通信遅延)やコンプライアンスの観点で重要なチェックポイントです。
IaaSの市場規模を参考に自社でも導入検討してみよう
IaaS市場は、AI活用やDX推進を背景に今後も拡大が予測されています。2025年度には2兆円規模に達すると見られ、多くの企業がクラウド基盤への移行を進めています。
市場の成長に伴い、サービスの種類も多様化しています。コスト、サポート、機能要件など、自社の優先順位に合わせて最適なIaaSを選定し、ビジネスの成長につなげていきましょう。


