IaaSを使うメリットは?
まずはIaaSを使うメリットを3点ご説明します。
自由に開発可能
1点目のメリットは自由に開発できるという点です。
ホスティングサービスのように必要なCPUやストレージ、ネットワーク帯域を選んで借りられるためです。IaaSのサービスで提供されるのはハードウエアリソースのみとなります。そこに自らプラットフォームやアプリケーションを入れて環境を構築します。
自社のニーズに合わせたシステム開発が可能です。
サービスが柔軟
2点目のメリットはサービスの柔軟性です。
IaaSを活用すると、サーバのCPUやメモリー、ハードディスクなどをユーザーが必要な分だけ借りることができます。ストレージなどのスペックも自由に選択できるため、サーバリソースの増減やスケールアップ、スケールダウンにも柔軟に対応しやすいです。
また、アカウント作成さえすればすぐに利用開始できます。スピーディーに事業を始められるという点もIaaSのメリットと言えるでしょう。
コスト削減
3点目のメリットはコスト削減ができることです。IaaSの料金は使った分だけ支払う従量課金制なので、必要最小限の利用料金に抑えることが可能です。
また、自社でサーバを用意した場合は障害対応やシステムのメンテナンスにも費用がかかります。しかし、IaaSではそういった費用は必要ありません。安価で利用でき、予定外の出費がない分予算計画も立てやすく経営の安定化の面でも貢献します。
IaaSのデメリットは?
次にIaaSを使うデメリットを3点ご説明します。
専門知識が必要になる
1点目のデメリットは専門知識が必要な点です。導入後どのようなプラットフォームやアプリケーションをインストールするかは自ら考え、実行しなければなりません。
開発自由度の高さを活かせるだけの専門知識がなければ、思い通りのシステムに開発するのは難しいでしょう。
自社で運用・管理する必要がある
2点目のデメリットは導入後の運用、OSや環境の管理を自社で実施しなければならないということです。一般的に他のクラウドサービスではサービス事業者側も保守や管理に携わる場合が多いです。しかし、IaaSでは管理業務全般を自力で行う必要があります。
そのため、導入前に社内の運用体制を整えておくことも重要です。
セキュリティに不安がある
3点目のデメリットはセキュリティ面での不安です。クラウドサービスはアクセシビリティの面では利便性が高く、それはメリットであると言えます。しかし簡単にアクセスできるということは、不正アクセスが起こる可能性もあるということを忘れてはなりません。
不正アクセスによりアカウントを悪用されないためにはユーザー管理の徹底が必要です。運用に関わるスタッフへの教育や運用ルールの設定も検討しておくと安心でしょう。
SaaS・PaaSとの違いは?
IaaSと「SaaS」・「PaaS」はどこが違うのかご説明します。
アプリケーションをすぐに使えるのが「SaaS」
SaaSはパッケージ製品として提供されていたソフトウエアをクラウドを通して提供する形態のことです。SaaSはプログラムやサーバ管理の知識がなくとも簡単にサービスを利用できます。また、マルチデバイスで端末を選ばないアクセスが可能です。
誰でも簡単にサービスの恩恵を得られるというメリットがある一方で、IaaSと違ってユーザーごとのカスタマイズがしにくいという面もあります。自社の運用にマッチするか十分確認しましょう。
アプリケーションを1からつくれるのが「PaaS」
クラウドを通してソフトウエアを提供するSaaSに対し、ソフトウエアの開発基盤を提供しているのがPaaSです。PaaSで提供されるものには以下のものがあります。
- ■システム開発に必要なアプリケーション
- ■ミドルウェア
- ■データベース管理システム
- ■プログラミング言語などのソフトウェア一式
PaaSは面倒な環境の構築をせずに開発環境がすぐに手に入ります。それを、そのままサービスとして公開できるという点が大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、IaaSと違い環境を自由に選択できるわけではありません。そのため、利用したい言語やミドルウエアが利用できない場合もあるので注意しましょう。
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IaaSのメリット・デメリットを理解して、導入検討しましょう
開発自由度が高く、コスト削減にもつながるIaaS。導入するメリットは大きいと言えます。しかし、開発も導入後の運用も自社で行わなければならず専門知識が必要になることも忘れてはいけません。
導入するにあたっては運用体制を見直し、適切に管理できるか見極めることも重要です。IaaSのメリット、デメリットをしっかり把握した上で自社でも導入するか検討をしてみましょう。