動画マニュアルとは
動画マニュアルとは、作業内容や製品説明などを動画で確認できるマニュアル全般を指します。紙のマニュアルとは異なり視覚的に情報を得やすいため、マニュアルの内容を理解しやすいのが特徴です。
社内マニュアルの場合は自社のサーバに格納し、顧客向けの場合は企業ホームページに掲載しておくのが一般的です。なお、再生については従業員や顧客が使用しているPCやタブレットなどで行えるため、特別な機器は必要ありません。
動画マニュアルのメリット・デメリット
動画マニュアルを導入する際、事前にメリットやデメリットについて知っておくことで、動画マニュアルの魅力や特徴などを踏まえ、導入可否の判断ができるようになります。
メリット
動画マニュアルを用いる最大のメリットは、理解のしやすさです。紙のマニュアルと違って動きがあるため、視覚情報からも理解を促せます。
また、一律の基準をもとに作成されたマニュアルであれば、個人による理解レベルの差も少なくなるでしょう。特に全国的に展開している店舗や企業の場合、同じマニュアルを用いるのは効果的です。
ほかにも教育担当の負担が減ったり、紙の使用コスト・印刷コストが削減できたりするのもメリットといえます。
デメリット
動画マニュアルを用いるデメリットとして、機材や環境準備が必要な点があげられます。紙のマニュアルに比べると、カメラや撮影場所などを確保しなければならないため、作成の手間もかかってしまうでしょう。
ただし、一度作成してしまえば長く利用できるため、しっかりと準備してよりよいものを作成するのが大切です。また、紙のマニュアルと違って再生すると自動で進行していくため、情報を見落としてしまうリスクもあります。巻き戻して見返すことはできますが、紙に比べると少し不便さが伴うことは覚えておきましょう。
動画マニュアルの主な種類や用途
動画マニュアルはさまざまな場面で用いられています。ここでは、主な種類や用途として、4つのケースをまとめました。
- ●業務マニュアル
- ●研修マニュアル
- ●営業マニュアル
- ●製品マニュアル
業務マニュアル
職場でのさまざまな業務がありますが、人によって手順が異なると非効率になる場合や、品質にばらつきが生じる場合があります。業務手順を動画にすることで、テキストだけでは伝わりづらい業務の手順を視覚的に伝えられます。
また、業務手順の動画マニュアルを作成することで、管理者や教育担当者は指導の負担を大幅に軽減できるでしょう。
研修マニュアル
新入社員や、他部署から異動してくる社員向けに活用できるのが研修用の動画マニュアルです。ビジネスマナーから電話対応、コンプライアンスなど、社内のルールから実業務に関することまで、研修マニュアルで解説すべき内容は多岐に渡ります。
また新入社員以外にも、店長や管理職、教育担当者向けに研修を行う場合もあるでしょう。特に数多くの店舗を展開していたり、フランチャイズ展開していたりする業態の場合、研修マニュアルを動画で用意しておくこと有意義に活用できます。
営業マニュアル
営業の動画マニュアルはセールスマニュアルと呼ばれ、企業の営業部が活用します。客先に営業をかける際の考え方や訪問時のマナーから、魅力的な提案の仕方、クロージングの方法まで、独自の営業ノウハウを細かく視覚化・言語化することで営業チーム全体のスキルの底上げが可能です。
製品マニュアル
自社独自の製品やサービスを取り扱う業態の場合、製品のチュートリアル動画を作成するのもおすすめです。製品のチュートリアル動画とは、顧客が製品を効果的に使用するために必要な情報を提供する動画のことです。取扱説明書のようなイメージで提供することが多く、実際の使い方を具体的に解説します。
文章や図だけでは説明しづらいような内容も、動画を使うことで視覚的に示すことが可能です。適切な使用方法を伝えることで、顧客からの問い合わせや誤用によるトラブル・クレームなどを減らせるでしょう。
動画マニュアルの作り方
動画マニュアルを制作するのであれば、基本的な作り方についても知っておきましょう。ここでは動画制作時の主な流れについて、以下の6ステップを紹介します。
- ●マニュアル化する範囲の検討
- ●目次構成案の作成
- ●シナリオ・台本作成
- ●動画撮影・収録
- ●編集作業
- ●定期的な内容の見直し
マニュアル化する範囲の検討
動画マニュアルを作成する際、どの業務やサービスの内容をマニュアル化するか、範囲を決めましょう。一度に広い範囲の業務やサービスのマニュアル化をしようとすると、その分コストや手間もかかり、失敗のリスクも大きくなってしまいます。
スモールスタートではじめ、改善点を明らかにしながらマニュアル化する範囲を徐々に広げていくのが理想的です。また、運用や仕組みが変わりやすい内容は動画マニュアルに向きません。頻繁に更新する内容はPDFのマニュアルにするなど、紙と動画の棲み分けも検討しましょう。
目次構成案の作成
動画マニュアルとして制作する範囲が決まったら、目次構成案を作成します。目次構成案を作ることで、マニュアルを活用する人の視点に立ち、情報をわかりやすい順番で伝えられます。また、検索性も向上し、知りたい内容に最短でアクセス可能です。
なお、目次構成案を作成する際は複数の要素をまとめないことが大切です。基本的には、1動画1テーマで制作すると、ユーザーが視聴しやすく、更新もしやすくなります。
情報整理
動画マニュアルを作成する際は、必要な情報をしっかりと収集し、整理することが大切です。業務マニュアルや営業マニュアルを制作する場合、マニュアルを制作する担当者を主体にして、現場で業務内容を取材するのも有効です。
また、サービスや製品のユーザー向けマニュアルを制作する場合、ユーザーからの問い合わせ内容が参考になるでしょう。有益な情報を収集することで、対象者のニーズを理解し、本当に役立つ動画を作成できます。
なお、収集前にイメージを固めておかないと、情報の取捨選択ができません。必要のない時間もかかってしまうため、初期段階からしっかりと整理しておく必要があります。
シナリオ・台本作成
目次構成案を作成し、情報整理ができた後は、シナリオや台本を作成します。シナリオや台本とは、動画の作成にあたり誰がどんなストーリーで何を喋るのか、どんなカット割でどんな映像を見せるのか、といった内容をまとめたものです。
シナリオや台本シナリオや台本があると、伝えるべき情報を厳選した言葉で的確に伝えられるとともに、撮影もスムーズに進められます。
動画撮影・収録
シナリオ・台本の準備ができたら、実際に動画を撮影します。撮影にあたり、撮影機材や撮影場所を確保しておくことはもちろん、どのくらいの人数が必要かどうかも事前に明確にするなど、準備が必要です。
スタジオを借りて撮影する場合、マイクや照明のセッティングのことも考え、撮影時間は余裕をもって確保しておくとよいでしょう。場合によっては先に映像だけ収録し、あとでナレーションを挿入するという方法もあります。
編集作業
撮影や収録が完成したら、編集作業に移ります。編集作業を進める際は、以下のポイントに注意してください。
- ●尺が長すぎないか
- ●余計なカットは入っていないか
- ●シーンの前後関係はおかしくないか
また、わかりやすく情報が整理された動画でも「観ていて退屈してしまう」と感じる場合、効果的にテロップやBGMを挿入するものおすすめです。編集者本人だけでなく数人に視聴してもらい、さまざまな意見を取り入れることでよりよい動画マニュアルが完成します。
定期的な内容の見直し
マニュアルは作成することがゴールではなく、活用されてはじめて意味があります。一度動画マニュアルを作ったら、定期的にユーザーにアンケートを取ったり、閲覧数を確認したりするなどして効果を図り、必要に応じて内容を見直しましょう。
動画マニュアルを活用して業務効率を改善しよう
動画マニュアルをうまく活用すれば、業務の効率改善や従業員の負担も減らせます。実際に動画マニュアルを導入している企業も増えているため、導入を前向きに検討してみましょう。
なお、動画マニュアルを作るならマニュアル作成ツールとの連携もおすすめです。さまざまなツールから自社にあったものを選ぶために、まずは資料請求からはじめましょう。