マニュアル作成ツールとは
マニュアル作成ツールとは、会社で必要なマニュアルを作成するための専用ツールです。マニュアルは、業務の高度化やリモートワークの普及により、これまで以上に重要視されています。専用ツールを使用することでマニュアル作成業務の負担を減らし、業務効率化を狙えるでしょう。
マニュアル作成ツールと似たソフトに業務効率化ツールがあります。両者の違いは、対応機能の範囲です。業務効率化ツールには、業務効率化に役立つ機能が幅広く搭載されています。
ワークフローシステムや業務システムなどが当てはまるでしょう。マニュアル作成だけを求めるのか、それ以外も効率化したいのかで、選ぶべきツールが違ってきます。
無料マニュアル作成ツールの種類
マニュアル作成ツールには有料版と無料版があり、無料版はさらに以下の2つに分類されます。
- ●完全無料製品(フリープラン)
- ●一定期間無料製品(トライアルプラン)
トライアルプランは、有料版への移行が前提となるため、トライアル終了後の料金を確認しておくとよいでしょう。
マニュアル作成ツールを利用するメリット
マニュアル作成ツールを利用すれば、以下のようなメリットが期待できます。
- ●作成担当者の業務負担を軽減できる
- ●マニュアルそのものの質を高められる
- ●情報をリアルタイムで更新、共有できる
- ●業務効率向上や標準化につながる
高品質なマニュアルがあれば、業務内容がわからず作業が滞るといった事態も防げます。人材別の作業品質の差が埋まれば、業務の標準化にもつながるでしょう。 無料版のマニュアル作成ツールであれば、コスト負担が抑えられるため、マニュアル作成に費用を割けない企業でも利用できます。マニュアルを作成するなら、導入して損はありません。
なお、最近では、文章だけでなく動画で業務手順を伝える動画マニュアルのニーズも高まっています。動画マニュアルについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
無料版マニュアル作成ツールと有料版の違いとは
無料版マニュアル作成ツールを検討する際に気になるのが、有料版との違いです。導入後のトラブルを防ぐためにも、導入前に両者の違いを把握しておきましょう。
まず知っておきたいのは、同じ無料版でもフリープランとトライアルプランでは大きく異なる点です。有料版への移行を前提としたトライアルプランは、お試し利用の側面を強く持ちます。無料で利用できる期間に制限はあるものの、機能については有料版とほぼ同じと考えてよいでしょう。
一方で、期間制限なく完全無料で使用可能な製品の場合、登録人数やストレージ容量、利用形式などが制限されがちです。また、機能面での制限もあり、有料版では当たり前に利用できる機能も、無料版では難しい可能性があります。
以下の記事では、おすすめのマニュアル作成ツールを比較紹介しているため、あわせて参考にしてください。
無料ツールを使う選ぶ場合の注意点
無料版のマニュアル作成ツールを使う場合、以下の3つのポイントに注意しましょう。「こんなはずではなかった」というトラブルを予防しやすくなります。
目的や用途に沿った利用が可能なことを確認する
無料版を利用する際には、機能面での確認が必須です。登録人数や容量、作成したいマニュアルの方針を確認したうえで、条件に合致したものを選択しましょう。
機能面を考慮せず金額だけで選ぶと、業務効率が低下する恐れがあります。マニュアルの質が低下すれば、作成したものの活用されないといった事態にもなりかねません。
有料版へのデータ移行ができることを確認する
最初は無料版を使用していても、機能が不十分となったタイミングで有料版を検討する方は少なくありません。この際に重要となるポイントは、無料版で使用していたデータを有料版へと移行できるかどうかです。不可能な場合、過去の作業分が無駄になってしまう可能性があります。
現時点では無料版を使うにしても、将来的に有料版への移行の可能性を考慮することは大切です。使用前にデータ移行について確認しておけば、将来的な業務効率化にもつながります。
操作性やサポートに問題がないことを確認する
マニュアル作成ツールで業務を効率化するために欠かせないのは、操作性やサポートです。無料だからといって妥協せず、有料版を選ぶ場合と同様に、利用前にはしっかりと確認しておきましょう。
特にサポートについては、有料版との間に差が付きやすいポイントです。
- ●無料版では具体的にどういったサポートを受けられるのか
- ●有料版との間で、どのようなサポート差があるのか
- ●自社で作業した場合を想定して、サポートの質は十分か
これら3つのポイントについては、特に慎重に確認してみてください。
無料版だけにこだわらず有料版も比較対象に加えよう
コスト面では圧倒的に有利な無料版ですが、実はデメリットも多くあります。「無料であること」だけにこだわると、ツールの選択肢は狭まってしまうでしょう。またいざというときに、十分なサポートが受けられない可能性もあります。
いずれ有料版に移行するなら、最初から比較対象に加えるのもおすすめです。有料版を視野に入れれば、選択肢はぐっと広がり、機能や操作性にもこだわりやすくなります。
悩んでいる場合、まずは有料版もふくめて資料請求してみてください。自身の会社にとってどちらのメリットのほうが大きくなるのか、資料をもとに比較検討してみましょう。
無料マニュアル作成ツールの選び方
無料マニュアル作成ツールを選ぶ際は、以下のポイントを押さえて、自社に合うツールを見極めましょう。
- ■無料プランで使える機能の範囲
- マニュアルの作成数やページ数、添付できる画像・動画の数、共有方法(URL共有・PDF出力など)を確認しましょう。無料でも「 とりあえず試す」レベルなのか、「小規模運用なら十分」レベルなのかが見極めポイントです。
- ■ユーザー数・ストレージ容量の上限
- 無料プランでは、ユーザー数や保存容量に制限があることが多いです。将来、利用人数が増えたときにすぐ限界に達してしまわないか、必要な容量を確保できるかを事前にチェックしておきましょう。
- ■マニュアルの共有・閲覧のしやすさ
- 現場のメンバーがマニュアルにたどり着けなければ意味がありません。URLやQRコードで簡単に共有できるか、スマホやタブレットからも閲覧しやすいかなど、実際の利用シーンに合った共有方法かどうかを確認しましょう。
- ■対応デバイス・OS
- PCだけでなく、スマートフォンやタブレットでの閲覧・編集に対応しているかは重要なポイントです。現場での利用が多い場合は、モバイル表示の見やすさや、アプリの有無もチェックしておきましょう。
- ■テンプレートやマニュアル作成のしやすさ
- 手順書や操作マニュアル向けのテンプレートが用意されていると、初期作成の手間を大幅に削減できます。画面キャプチャや動画を簡単に挿入できるか、ドラッグ&ドロップでレイアウト編集できるかも確認しましょう。
- ■有料プランへの移行のしやすさ
- 将来的に有料プランを検討する可能性がある場合、データをそのまま引き継げるか、プラン変更の手続きが簡単かどうかを確認しておきましょう。無料版と有料版で機能差がどの程度あるのかも比較しておくと安心です。
完全無料もしくは無料トライアルが利用可能な製品
「無料で利用できるツールはどれなのか」と悩んだときには、以下の情報を参考にしてください。完全無料もしくは無料トライアルを利用できる、おすすめツールを紹介します。
Confluence
- チームのナレッジを1か所に統合し、あらゆるチームをつなぐ
- お気に入りのツールを統合し、シームレスに仕事を進める
- AIによって、Confluenceでの作業をより効率的・生産的に
アトラシアン株式会社が提供する「Confluence」は、チームの知識を一元管理し、共同作業を効率化できるナレッジマネジメントプラットフォームです。直感的な編集機能や豊富なテンプレートに加え、ホワイトボードやデータベース機能で発想整理や情報同期も容易。権限管理や外部ツール連携にも対応し、最大10ユーザーまで利用できる無料プランも用意されています。
Dojoシリーズ
- マニュアル作成工数を最大96%削減!
- Webブラウザや動画プレーヤーで閲覧可能な動画コンテンツ出力
- グループ115社約25万人利用のシステム習熟支援の実績!
株式会社テンダが提供する「Dojoシリーズ」は、マニュアル作成から共有、操作ナビまでを担う業務効率化ツール群です。自動作成機能を備えたDojo、スマホで簡単に作成できるウェブマニュアル、画面上で操作案内を行うDojoナビなど、多様なシーンに対応。文書の一元管理が可能なe-manualも揃え、属人化防止やDX推進に貢献します。無料トライアルも利用できます。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 「意図予測検索」で社内マニュアルの整理・横断検索に革命
- 数千ページの文書も対応。AIやRAG技術を活用しFAQ運用を自動化
- 継続率99%!充実のレポート&サポート体制で効果的な運用が続く
株式会社Helpfeelが提供する「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、特許技術「意図予測検索」により、表記ゆれや曖昧な言い回しにも対応し、知りたい情報へ素早く到達できるFAQ検索プラットフォームです。1ページの回答から多様な質問に誘導でき、自己解決を促進。さらに生成AIとRAGを組み合わせ、文書からのFAQ自動生成やトピック抽出を行い、FAQ運用の効率化と改善サイクルの高速化を実現します。
shouin+
- チェックリストやフィードバックで、実践的な学習効果を定着
- 操作性が高くて使いやすい!見やすくて分かりやすい画面デザイン
- 開発力を活かしカスタマイズに対応!機能の改修・追加が可能
ピーシーフェーズ株式会社が提供する「shouin+」は、既存の動画やPDFマニュアルを活用し、OJTや研修をクラウド化できる人材育成サービスです。動画視聴後のクイズやチェックリストで知識定着を促し、ロールプレイングやフィードバックで実務力も強化。進捗可視化やデータ出力にも対応し、教育を効率化できます。1か月間・30名まで全機能を試せる無料トライアルも用意されています。
NotePM
- 社内のナレッジ情報を蓄積・共有するツール
- マニュアル作成・社内ナレッジ情報を一元管理
- 強力な検索機能で、ほしい情報がすぐに見つかる!
株式会社プロジェクト・モードが提供する「NotePM」は、マニュアルや業務ナレッジを簡単に作成・検索・共有できる社内情報管理ツールです。高機能エディタやテンプレートで誰でも分かりやすい文書を作成でき、WordやPDFの中身も全文検索が可能。柔軟なアクセス制限や既読管理にも対応し、情報整理を効率化します。30日間の無料トライアルも利用できます。
テックタッチ
- ユーザー体験を改善するデジタルアダプションプラットフォーム
- あらゆるシステム上に操作ガイドやマニュアルを表示
- 従業員やお客様が利用するWebシステムの利便性や利用率を向上
テックタッチ株式会社が提供する「テックタッチ」は、あらゆるWebシステムに操作ナビをあとのせできるデジタルアダプションプラットフォームです。ツールチップやガイドで操作をわかりやすくし、問い合わせ削減やマニュアル作成の負荷軽減を実現。行動データの分析や作業自動化にも対応し、システム利用を効率化します。導入検討に合わせたトライアル利用も可能です。
Teachme Biz (株式会社スタディスト)
- マニュアル作成の工数が最大5分の1に短縮可能
- マニュアルが利用されているか、アクセスログで活用状況がわかる
- 作成したマニュアルを最大16の言語に自動で翻訳が可能
株式会社スタディストが提供する「Teachme Biz」は、分かりやすい手順書を誰でも簡単に作成できるクラウド型マニュアル作成ツールです。画像や動画を使ったビジュアル手順で「できる」教育を実現し、業務の効率化や新人育成の負担軽減に貢献します。検索性やタスク配信、承認フローなど共有機能も充実。AI機能も試せる無料トライアルで全機能を体験できます。
iTutor (株式会社ブルーポート)
- 簡単3ステップで、業務マニュアル作成時間を圧倒的に削減!
- 紙のマニュアルから動画まで、幅広いコンテンツの作成に対応
- 1800社以上の導入実績!充実のサポート体制で導入後も安心
株式会社ブルーポートが提供する「iTutor」は、PC操作をそのままキャプチャするだけでマニュアルや動画教材を自動作成できるソフトウェアです。操作説明文も自動生成でき、Office形式や動画など多様な形式に出力可能。動画編集や音声自動化にも対応し、研修教材を効率的に作成できます。21日間全機能を試せる無料トライアルも用意されています。
COCOMITE (コニカミノルタ株式会社)
- フォルダ管理とアクセス権限で顧客別マニュアルも作成管理可能!
- 動画や画像・Officeデータを挿入し分かりやすいマニュアル作成!
- 編集ユーザーの追加タイミングは自由!常に最小限のコストで運用
コニカミノルタ株式会社が提供する「COCOMITE」は、レイアウトに沿って誰でも簡単にマニュアルを作成でき、画像編集やPDF取り込みにも対応したクラウド型ツールです。フォルダ管理やアクセス制限で社内外の共有を柔軟に行え、QRコード公開も可能。変更履歴管理で運用も安心です。30日間の無料トライアルで全機能を試せます。
welog
「welog」は、word感覚でマニュアル作成できる、ドキュメント共有ツールです。ノートの編集は複数人でも可能。閲覧権限の設定も容易にです。社内で扱う情報の一元管理が可能になり、組織全体でノウハウを共有できるでしょう。充実したサポートを利用できるのも魅力的です。
フリープランでは5名までのユーザー登録が可能です。1ユーザーあたり100MBのストレージを使用可能で、ノートやグループの作成数に制限はありません。
Stock(ストック)
社内で扱うさまざまな情報を、「ストック」する形でマニュアル作成できるのがこちらのツールの特徴です。操作はとにかく簡単で、誰でもすぐに利用可能。テキスト情報に画像、ファイルなど、あらゆる情報を蓄積できます。
業務内容別に「ノート」を分けて管理するため、どこに何のマニュアルがあるのかも一目瞭然です。フリープランでは、累計20ノート・ストレージ1GBまで利用可能です。
Dojoウェブマニュアルフリー
スマホアプリで手軽にマニュアル作成できる「Dojoウェブマニュアルフリー」。マニュアルに対するモニタリング機能が搭載されており、それぞれの利用度や貢献度をひと目で把握可能です。
動画編集機能や自動翻訳機能も搭載しており、さまざまなタイプのマニュアル作成に対応できるでしょう。無料プランの場合、ユーザー数は5名まで、ストレージ容量は100MBまで3か月間利用可能です。
まとめ
マニュアル作成の負担を軽減し、業務効率化や組織全体での情報共有に役立つマニュアル作成ツール。コスト負担のない無料ツールであれば、中小企業も導入しやすいでしょう。「一度使用してみたい」という場合にもおすすめです。
一方で、無料版ならではのリスクが気になる場合、最初から有料版を視野に入れて比較検討してみてはいかがでしょうか。資料請求して、それぞれのメリット・デメリットを把握してみてください。



