マニュアル作成業務で意識するポイント
マニュアル作成業務をするときは、次のようなポイントを意識しましょう。どのポイントも、マニュアル作成を効率化し、質を高めるうえで非常に重要です。
内容の明確さと理解しやすさ
マニュアル作成では、内容の明確さと理解しやすさを意識しましょう。専門用語の使用を避け、誰にでも理解できる言葉で説明することが必須です。また、適切な画像や図表、場合によっては動画を利用して、視覚的にも理解しやすくすることが効果的です。
構成と整理
目次や見出しを用いて、マニュアル内の情報を探しやすく整理しましょう。章立てやセクションの分類を工夫し、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるようにしておくと、使い勝手がよく質の高いマニュアルといえます。
統一性と一貫性
マニュアル全体で統一されたフォーマットとスタイルを保つことで、統一性や一貫性を高めましょう。用語やデザイン、レイアウトが統一されていると、読者の混乱も防ぎやすくなり、情報の理解を促進できます。
定期的な更新
業務プロセスの変更に応じてマニュアルを定期的に更新することが大切なポイントです。変更点の履歴を残しながらマニュアルを最新の状態で維持し、情報の正確性を保証しましょう。
社内リソースの有効活用
マニュアル作成は多くの時間と労力を要するため、必要なリソースを事前に確保することが重要です。社内の専門知識をもつスタッフとの協力や、外部の専門家の活用も検討しましょう。
このように、マニュアルは文字だけでなく画像や動画などを用いて、わかりやすい内容にすることが大切です。目次と見出しをしっかりと作成して、マニュアル内の情報を探しやすくすると、よりよいマニュアルが作れるでしょう。また、マニュアル作成が途中で頓挫しないように、社内リソースも十分に用意する必要があります。
一つの業務に複数のマニュアルがあると混乱するため、会社全体で内容を統一することも大切です。業務内容に変更が生じた場合に備え、マニュアルの更新ルールや管理方法も明確にしましょう。
効率よくマニュアル作成業務を進める具体的な手順
業務マニュアルの作成を効率よく進めるための手順や方法について、詳しく解説します。
1.対象業務とスケジュールを決める
どのような業務をマニュアルの作成対象とするのか決めて、具体的な作成スケジュールを設定します。マニュアル対象業務の特性や会社の繁忙期などを考慮して、必要な工数・時間を見積もりましょう。例えば新入社員向けマニュアルの場合は、社員が入社してくる4月に向けて、3月中には完成させなくてはなりません。
2.手順を整理し構成を決める
マニュアルに記載する作業手順をもう一度整理して、目次や構成を決めます。その業務を遂行するのに必要な作業をすべてリストアップしましょう。作業ごとにどのような目的があるのか意識しながら整理することが大切です。
必要な作業をリストアップしたら、マニュアルを作成するうえで注意すべき点を洗い出します。「業務遂行に必要な作業がすべて揃っているか」「不必要な作業が混じっていないか」といった点を確認しましょう。
マニュアル化しなくてもよい作業がないか確認するのも大切です。例えばエクセルの保存方法などは一般的によく知られているため、別途まとめる必要がありません。マニュアル化が必要ない作業については、複数人の意見を参考に決めるとよいでしょう。
3.フォーマットを決めて内容を入力する
目次と構成が決まったら、どのようなフォントやデザインにするのかを決めて、具体的なマニュアルの内容を記載します。業務で必要な作業内容と目的を記載しましょう。従業員が作業ごとに目的意識を持てるようにすることが大切です。画像や写真を利用すると、具体的な業務のやり方がさらにわかりやすくなります。
4.マニュアルを配布し仮運用する
マニュアルが完成したら、複数人に仮運用を依頼し内容のレビューをしてもらいます。完璧なマニュアルを一回で作成できることはほとんどないため、かならず仮運用を行い問題点や改善点を洗い出しましょう。
5.マニュアルの改善を行う
仮運用で判明した問題点やフィードバックをもとに、マニュアルを改善します。仮運用で問題となった点をリストアップしてマニュアルに反映させましょう。例えばプロジェクターの配線ケーブルが故障した場合は、前日にかならず故障箇所がないか点検するようマニュアルに記載します。
なお、マニュアル改善を行うなかで、効率化できる業務や作業自体が不要な業務が見えてくる場合もあるでしょう。マニュアル作成と同時に業務改善の意識をもつことで、作業品質や生産性の向上がより期待できます。
マニュアル作成業務をさらに効率化する方法
上記の手順や流れでマニュアル作成を進めれば、効率よくマニュアル作成ができるでしょう。
もし、さらにこれ以上マニュアル作成業務を効率化したい場合には、マニュアル作成ツールの利用をおすすめします。誰でも簡単にマニュアル作成業務を行えるように設計されたツールです。
テンプレートを使ったフォーマットの統一化や作業説明の自動入力など、マニュアル作成を効率化する機能が豊富に搭載されています。必要に応じて簡単に画像や動画を使用できるほか、業務内容に変更があっても、すぐに新しいマニュアル内容を社内全体に共有できます。
マニュアル作成ツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。マニュアルの作成目的別に、おすすめツールを比較して紹介しています。
マニュアル作成にツールがおすすめの理由
マニュアルの作成にWordやExcel、PowerPointなどのオフィスソフトを使用すると、下記のような問題が生じます。
- ●作成者によってフォーマットに統一性がなくなる
- ●画像や動画で動作が重くなる
- ●担当者のスキル次第で作成に時間がかかる
そのためマニュアルを作成する際は、ツールを利用するのがおすすめです。マニュアル作成ツールのメリットについて詳しく解説します。
品質が向上する
マニュアルの品質は、内容の見やすさやわかりやすさに直結します。誰が見ても同じように理解できるのが、優れたマニュアルの条件です。しかしマニュアルの品質を引き上げることは簡単ではありません。作成者の裁量に任せると、フォーマットやデザインなどがバラバラになり理解しづらい部分もでてくるでしょう。
マニュアル作成ツールを利用すると、フォーマットやデザインが統一化され、誰が見てもわかりやすい内容になります。画像や動画キャプチャ支援機能などを利用すれば、より品質の高いマニュアルを作成できます。
業務が効率化する
マニュアル作成ツールは、動画キャプチャ支援やテンプレートなどの便利機能が実装されているのも特徴です。そのため、マニュアル作成業務効率化にも効果があります。
また、ツール内に保管されているマニュアルを閲覧することで、従業員のスキルが上がり通常業務の効率化も期待できるでしょう。
ビジネスにおいて、業務の標準化は非常に重要です。業務が標準化されないと、担当者ごとに業務品質にばらつきがでて属人化が発生します。マニュアル作成ツールを導入すると、社員全員でノウハウや知識を取得できるようになり、誰でも同じ品質で業務を遂行することが可能です。
情報共有がしやすくなる
マニュアル作成ツールを使うと、システム上で各種マニュアルを社内共有できるようになります。業務中に不明点があっても、従業員が主体的に情報を探して問題を解決することが可能です。業務内容に変更が生じた場合でも、クラウド型のマニュアル作成ツールであればマニュアル内容をリアルタイムに更新できます。
マニュアル作成ツールの選び方
マニュアル作成ツールは、ベンダーによって搭載されている機能が異なるため、自社にあったものを選ぶことが大切です。そこで、選ぶ際のポイントについて解説します。
目的にあった機能があるか
自社が目的とするマニュアル作成に必要な機能があるか確認しましょう。例えば工場機器の操作マニュアルを作成したい場合は、 操作説明を自動入力してくれたり、操作画面を自動キャプチャしてくれたりするものがおすすめです。
文字のマニュアルだけではなく動画マニュアル作成もしたい場合は、スマートフォンでビデオ撮影してそのまま動画作成に利用できるものがよいでしょう。自動翻訳機能が付いていると、日本語を理解できない労働者にも業務内容のレクチャーが可能です。
簡単に操作ができるか
マニュアル作成ツールは、マニュアルを作成する人・更新する人・閲覧する人の誰もが簡単に操作できる必要があります。機能が多すぎると作成に手間取ることもあるため、操作性のよい製品を選びましょう。テンプレートがあるものなら、情報を入力するだけでマニュアル作成ができるためおすすめです。マニュアルを更新する人向けにQRコード作成などの編集機能が付いているものもよいでしょう。
マニュアル作成ツールには、無料トライアル期間や無料デモがある製品もあります。操作性が気になる場合は、無料期間中に使いやすさや操作感を確認してみてください。
サポートが充実しているか
マニュアル作成に関する知見やノウハウがないなら、導入や運用サポートまで行ってくれる製品がおすすめです。導入前にツールの使い方を教えてもらえたり、運用中に24時間365日間オンラインで質問できたりするところを選びましょう。
完全に外注化したい場合は、マニュアル作成の代行サポートがあるところをおすすめします。
完成度の高いマニュアル作成で得られる効果
マニュアル作成ツールなどを用いて、完成度の高いマニュアルを作ることで得られるメリットについて解説します。
業務の質を一定以上に保てる
マニュアルに記載されている手順を守れば、誰でも一定以上の業務品質を達成できます。マニュアルや作業手順書、業務フローを見ることで業務遂行に必要なノウハウがわかり、業務に関する情報格差が少なくなるためです。社員全員の業務が標準化し業務品質が均一化されていくと、業務効率化や顧客満足度の向上にもつながります。
属人化の解消や工数の削減ができる
マニュアルや手順書を作成すると、新しくその業務の担当になっても業務の進め方やノウハウがわかります。そのため、属人化による品質のバラつきが発生しません。業務担当者が途中で変わっても、不測の事態が発生しない限りは一定の業務品質を維持できます。また、新担当者が業務をスムーズに遂行できるようになることで、全体的な作業工数の削減にもつながります。
教育期間の短縮が期待できる
業務マニュアル作成や手順書作成によって属人化を解消すると、前任者や業務管理者が新担当者に業務を一から説明する必要がなくなり、教育コストの削減につながります。業務に関する理解度が異なる社員がいたり、リモートワークなどで上司や管理者が直接従業員を教育できなかったりする場合でも、一定期間で誰でも戦力となる人材に育成可能です。
作成手順やコツをつかみマニュアル作成業務を成功させよう
マニュアルや手順書を作成すると、業務の品質向上や属人化の解消、教育コスト・工数の削減など、さまざまなメリットが得られます。業務マニュアル作成ツールの利用によって、作成業務を効率化でき、マニュアル管理や運用、情報共有もしやすいでしょう。作成手順やコツを理解して、マニュアル作成業務を成功させましょう。