導入条件を資料の表記だけで判断しない理由
製品資料や公式サイトには、対応機能や認証の取得状況が簡潔に記載されています。ただし、記載の意味や適用される条件は、読み手の想定と異なる場合があります。導入後の想定外を防ぐために、表記の読み方と確認のタイミングを整理します。
資料の表記と自社の要件のずれ
資料にAPI連携対応やサポートあり、ISMS認証取得と書かれていても、その範囲は製品ごとに異なります。例えば、APIで扱えるのが会員情報の参照のみで、ポイントの付与には対応していない場合もあります。
表記は自社の要件に置き換えて、具体的な条件で確認しましょう。例えば「会員登録とポイント付与をAPIで自動化したい」「平日の夜も問い合わせたい」といった条件です。条件を文章にしておくと、提供会社からの回答も比べやすくなります。
契約前に確認を済ませる重要性
導入条件の確認は、契約前に済ませておくことが重要です。契約後に条件の不足が判明すると、追加費用の発生や運用方法の変更が必要となります。場合によっては、製品の乗り換えを検討することにもつながります。
確認した内容は、メールや議事録で記録に残しておきましょう。担当者の異動や社内の稟議の際にも、どの条件をどのように確認したかを示せます。重要な条件が見積書や契約書に反映されているかも確かめておくと安心です。
サポート対応の速さは国産かどうかで決まらない
国産の製品であれば日本語で相談でき、対応も早いと考えられがちです。しかし、対応の速さは提供会社の体制や契約内容に左右されるため、国産であっても対応に時間がかかるケースがあります。確認したい項目を2つ紹介します。
対応の速さを左右する要因
問い合わせへの対応の速さは、提供会社のサポート人員や受付の方法、契約プランによる優先度、問い合わせの内容によって変わります。国産かどうかという属性だけでは判断できません。
例えば、メールのみで受け付ける製品では回答までに時間がかかる場合があり、上位プランのみ電話窓口を利用できる製品もあります。障害の発生時や繁忙期には問い合わせが集中し、回答が遅れる可能性もあるため、通常時と障害時の対応を分けて確認しましょう。
サポート範囲と対応時間の確認
サポートの範囲は、マニュアルの提供、問い合わせ窓口、設定方法の案内、初期設定の支援、設定作業の代行などに分かれます。どこまでが標準の契約に含まれ、どこからが有償かを確認しておきましょう。
あわせて、受付時間や回答の目安時間、障害発生時の連絡方法を確かめます。SLAとは、提供会社が約束するサービスの品質基準のことで、稼働率や対応時間を定めている場合があります。その有無と内容も確認項目の1つです。
ISMS認証の表記から読み取れる範囲と確認項目
ISMS認証は、提供会社の情報セキュリティ管理を判断する材料として役立ちます。ただし、認証の取得だけで、利用するサービスの安全対策を個別に判断することはできません。認証が示す内容と、あわせて確認したい項目を解説します。
ISMS認証が示す内容
ISMSとは情報セキュリティマネジメントシステムの略で、情報を守るためのルールや管理の仕組みを指します。ISMS認証は、この仕組みの運用状況を第三者の審査機関が評価する制度です。評価の基準には、国際規格のISO/IEC 27001や国内規格のJIS Q 27001が用いられます。
認証は管理の仕組みを評価するもので、特定の機能の有無や、事故が起きないことを保証するものではありません。そのため、判断材料の1つとして捉えましょう。
適用範囲と有効期限の確認
ISMS認証は、組織全体ではなく、特定の部門や拠点、サービスを適用範囲として取得される場合があります。そのため、提供会社が認証を取得していても、検討しているサービスの運用部門が範囲に含まれているとは限りません。
確認する際は、認証の適用範囲と登録番号、有効期限を提供会社に問い合わせましょう。更新の審査を継続して受けているかも確認しておきたい点です。情報マネジメントシステム認定センターのWebサイトでは、認証を取得した組織を検索できます。
認証以外に確認したいセキュリティ対策
認証の有無に加えて、会員データを守る具体的な対策も確認しましょう。例えば、通信やデータ保管時の暗号化、管理画面へのログイン時の追加認証、操作ログの保存期間、バックアップの取得頻度といった項目です。
提供会社によっては、セキュリティチェックシートへの回答や、外部機関による脆弱性診断の実施状況を開示している場合があります。回答内容を社内の情報セキュリティ担当者と確認すると、判断の精度が高まります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で会員管理・ポイント管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
API連携が必須の環境で確認したい制限
既存のアプリやECサイト、基幹システムと自動で連携させるためにAPIが必須の場合、システム側の制限が運用に影響する可能性があります。APIとは、システム同士がデータをやり取りするための窓口です。起こりうる制限と確認方法を整理します。
API連携で起こりうる制限の例
API連携では、一定時間内に呼び出せる回数の上限や、1回のリクエストで扱えるデータ件数の制限が設けられている場合があります。上限に達すると、処理が一時的に受け付けられなかったり、同期が遅れたりすることがあります。
ほかにも、APIで操作できる項目が管理画面の機能より限られている場合があります。API利用が上位プランに限定されていたり、仕様の変更時に連携側の修正が必要となったりするケースも考えられます。
制限を事前に把握するための確認方法
API仕様書を契約前に入手し、自社で必要な操作がAPIで実行できるかを、開発を担う社内の担当者や開発会社と確認しましょう。呼び出し回数の上限や、上限を超えた場合の動作、上限の引き上げが可能かも質問しておきたい項目です。
処理件数が多い企業は、ピーク時に必要な呼び出し回数を試算してから質問すると、回答を具体的に比べられます。
あわせて、API仕様の変更がどのように通知されるか、旧仕様がいつまで使えるかも確認します。検証環境が用意されていれば、本番のデータに影響を与えずに連携を試せます。
カスタマイズ前提の導入で起こりうる失敗
自社の業務にあわせるために、会員管理・ポイント管理システムのカスタマイズを前提に導入を進める企業もあります。ただし、カスタマイズの範囲が広がると、費用や保守の面で問題が生じる可能性があります。起こりうる失敗と、避けるための考え方を解説します。
費用と導入期間の想定外の増加
カスタマイズの要件は、導入を進めるなかで追加されていく場合があります。要件が増えるたびに見積もりが変わり、当初の予算や導入時期を超えてしまうケースもあります。特に、画面の追加や独自のポイント計算ルールといった要件は、開発の工数が増える場合があります。
また、クラウド型の製品では、カスタマイズに対応していない、または対応範囲が限られている場合があります。導入前に要件を必須と希望に分けて整理し、カスタマイズの可否と費用、期間を提供会社に確認しましょう。
バージョンアップ時の影響と保守の負担
カスタマイズした部分は、製品のバージョンアップの際に動作確認や改修が必要となる場合があります。改修の費用や作業を誰が負担するかが契約で明確でないと、新しい機能を利用できなかったり、保守の負担が増えたりする恐れがあります。
カスタマイズを依頼する場合は、保守の範囲と費用、バージョンアップ時の対応方法を契約前に確認しましょう。仕様書や設定の記録を自社でも保管しておくと、担当者が変わっても経緯をたどれます。
標準機能に業務をあわせる検討
カスタマイズを検討する前に、標準機能に業務の手順をあわせられないかを検討することも有効です。現在の手順が過去の慣習によるもので、見直しても会員や店舗への影響が小さい場合もあります。現場の担当者と一緒に、手順ごとに変更できるかを検討するとよいでしょう。
標準機能で対応できない要件は、APIやCSVによる連携、別のツールとの組み合わせで補える場合があります。複数の方法を比べ、費用と保守の負担が自社にとって妥当な方法を選びましょう。
導入条件を問い合わせて比較したい会員管理システム
サポート範囲やセキュリティ認証、API連携の制限、カスタマイズの要否は、資料だけで判断せず提供会社への確認が欠かせません。確認項目を整理したうえで比較したい製品を紹介します。
ぜぶらる
- 初期費用・月額費用0円
- 会員組織をもつ団体運営に必要な機能を網羅
- サポート実績4,000団体以上のノウハウに基づく機能と使いやすさ
株式会社インターナショナルスポーツマーケティングが提供する「ぜぶらる」は、クラウド型の会員管理システムです。スポーツチームや学会、OB会、スクールといった団体の運営を対象としています。標準機能として、会員管理とオンライン決済、メール配信、入金管理を備えます。利用履歴管理やユーザーカルテ、ポイント管理といった機能もあります。公式サイトでは、提供会社のプライバシーマーク取得や、SSLによる通信の暗号化、WAFの導入が案内されています。カスタマイズを前提とせず、標準機能で自社の業務にあうかを資料や問い合わせで確かめたい場合の比較対象となります。
COMSBI (株式会社ソニックムーブ)
- 会員登録・会員証提示はQRコード読み取りだけで完了!
- クーポン利用履歴などからメッセージのセグメント配信が可能
- ポイントやクーポンの店舗別での利用や入手経路を可視化
Nice!Members (ウェッジソフトウェア株式会社)
- 会員情報修正履歴を保持し、過去情報も保持
- 個人別・項目別に情報非公開設定可能
- 会費の請求・入金管理に加え、コンビニ・ネットバンキング対応。
ポイントシステム (サイオステクノロジー株式会社)
- 購入金額、商品、キャンペーンなど様々な条件でポイント付与
- 購買履歴、属性情報などを分析し、効果的なマーケティングを実現
- 既存システムとの連携を容易にし、スムーズな導入を実現
fanUP! (株式会社広済堂ネクスト)
- IT事業会社が開発、50年超の歴史
- Pマーク・ISMS認証取得の万全なセキュリティ。
- 1社1担当者制による手厚いサポート体制
会費ペイ (株式会社メタップスペイメント)
- キッズコーポレーション導入
- 現金集金負担を7〜8割削減
- 保育の質向上に貢献します
導入条件の確認に関するよくある質問
会員管理・ポイント管理システムの導入条件を確認する際に、検討担当者が迷いやすい点を質問と回答の形でまとめました。
- Q1:プライバシーマークとISMS認証はどう違いますか?
- プライバシーマークは個人情報を適切に取り扱う体制を、ISMS認証は情報セキュリティ全般を管理する仕組みを評価する制度です。会員の個人情報を預ける場合は、両方の取得状況と対象範囲を確認すると判断材料が増えます。
- Q2:無料トライアルで導入条件を確認できますか?
- 操作性や標準機能は確認できる場合がありますが、APIの利用やサポートの一部はトライアルの対象外となっていることがあります。トライアルで確認できる範囲を、事前に提供会社へ問い合わせましょう。
- Q3:契約後に条件があわないと分かった場合はどうすればよいですか?
- まずは提供会社に相談し、設定の変更やオプションの追加で対応できるかを確認します。最低利用期間や解約時のデータ出力の条件を契約前に確かめておくと、乗り換えが必要となった場合にも対応しやすくなります。
まとめ
会員管理・ポイント管理システムの導入条件は、国産かどうかやISMS認証の有無といった表記だけでは判断できません。サポートの範囲と対応時間、認証の適用範囲とセキュリティ対策を確かめましょう。APIの制限やカスタマイズの保守条件も、契約前に具体的な質問で確認することが大切です。複数の製品の資料請求を行い、同じ確認項目で比較してみてください。

