ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■開発方式・移行の進め方別
- ソースコードを生成する開発ツール:AppBuilder
- 基幹・レガシーシステム刷新向けの開発基盤:楽々Framework3、Visual LANSA
- スクリプトやAPIで独自処理を拡張できる:ArielAirOne、iPLAss、ClarisFileMaker、プリザンターサポートサービス
- Notesからの移行ツールを用意:ArielAirOne、SmartDB
- ローコードによる受託開発・移行支援:Magic受託開発、FileMakerソリューション
- ■稼働環境別
- クラウド型:SmartDB、Platio Canvas、AppBuilder、mendix
- クラウドとオンプレミスの両方に対応:楽々Framework3、Magic受託開発、ArielAirOne、楽々Webデータベース、iPLAss、Visual LANSA、ClarisFileMaker
ローコード開発ツールの乗り換えを難しくするロックイン
ベンダーロックインとは、特定の製品に依存し、別の製品へ移りにくくなる状態のことです。ローコード開発ツールでは、設計情報の形式や実行環境、契約形態の3つが乗り換えの負担に関わります。それぞれの仕組みを確認しておきましょう。
設計情報が製品独自の形式で保存される
ローコード開発ツールで作った画面や処理の流れは、製品ごとに独自の形式で保存されます。別の製品にはそのまま読み込めないため、乗り換え先では設計書や現行画面をもとに組み立て直すことが前提です。
設計書が作られていない、または更新されていない場合は、現行システムの画面や設定を見ながら仕様を書き起こす作業が必要です。乗り換えを検討し始めた段階で、設計情報を書き出す機能や帳票の有無を現行ベンダーに確認しておきましょう。
追加した独自コードが製品の機能に依存する
ローコード開発では、標準の部品で足りない処理をJavaScriptやJava、SQLなどで追加している場合があります。独自コードの言語自体は汎用でも、製品が提供する関数や部品を呼び出していると、別の製品ではそのまま動きません。
どの処理を独自コードで書いたか、製品固有の機能をどこで使っているかを一覧にしておくと、移行時に書き直す範囲を見積もれます。開発を外部に委託していた場合は、ソースコードの所在と著作権の扱いもあわせて確かめましょう。
実行環境とライセンスが一体になっている
実行エンジン型の製品では、作ったアプリを動かすために、その製品の実行環境とライセンスが必要です。契約を終えるとアプリも動かなくなるため、乗り換えは移行先での稼働を確認してから旧契約を終える順番で進めます。
オンプレミスで運用している場合は、サーバの保守期限や製品のバージョンのサポート終了日も乗り換えの日程に影響します。契約更新日とサポート期限を並べて確認し、移行に使える期間を把握しておきましょう。
乗り換え前にローコードの開発資産を3層で棚卸しする
ローコード開発ツールの乗り換えでは、開発資産をデータ、画面と業務ロジック、外部連携の3層に分けて棚卸しすると、移しやすい部分と作り直す部分を区別しやすくなります。層ごとに確認する内容を整理します。
データとデータベースの構造
業務データは、製品の内部データベースに保存されている場合と、自社で用意したデータベースに接続している場合があります。後者であれば、データベースはそのまま残し、アプリだけを乗り換える方法も検討できます。
内部データベースに保存されている場合は、テーブルの構造や項目の定義、データの書き出し方法を確認します。項目の桁数や文字コードの違いで取り込みに失敗する可能性もあるため、移行前に試験的な取り込みを行うと安心です。
画面と業務ロジックの一覧化
画面の数や入力チェック、計算や承認などの業務ロジックは、作り直しの工数に直結します。画面ごとに、標準部品だけで作っているか、独自コードを含むかを分けて一覧にしましょう。
あわせて、利用頻度の低い画面や、現在の業務で使われていない機能がないかを利用部門に確認します。乗り換えを機に不要な機能を整理すると、作り直す範囲を絞れる場合があります。
外部システムとの連携とAPI
基幹システムや会計システム、認証基盤との連携は、乗り換えで影響が出やすい部分です。API(システム同士がデータをやり取りするための窓口)やファイル連携、データベースの直接参照など、連携の方式と相手先を一覧にします。
連携先の担当部署やベンダーにも、接続先が変わることを早めに伝える必要があります。認証情報の再発行や通信の許可設定など、連携先で作業が発生する場合もあるため、日程を共有しておきましょう。
乗り換え先となるローコード開発ツールの方式を比べる
乗り換え先を選ぶ際は、製品名の比較より先に、開発方式と稼働環境を決めると候補を絞りやすくなります。方式によって、次に乗り換える場合の負担や運用の手間が変わるためです。主な選択肢を比べます。
実行エンジン型
実行エンジン型は、作った設定を製品の実行環境が読み取ってアプリとして動かす方式です。製品のバージョンアップで機能が追加されやすく、サーバやミドルウェアの管理を提供会社に任せられるクラウド型の製品もあります。
一方で、アプリの稼働は製品の契約に依存します。将来の乗り換えに備えるなら、データの一括書き出しや設計情報の出力ができるかを、契約前に確認しておきましょう。
ソースコード生成型
ソースコード生成型は、設計情報からJavaなどのソースコードを生成し、そのコードを動かす方式です。生成されたコードを自社で保守できる場合は、製品の契約に依存する範囲を小さくできる可能性があります。
ただし、生成コードを使い続けるには、製品の利用条件で改変や再配布が認められているか、生成コードが特定のライブラリに依存していないかの確認が必要です。生成コードを読める技術者が社内や委託先にいるかもあわせて確かめましょう。
稼働環境と既存システムとの距離
稼働環境は、提供会社が運用するクラウド型と、自社のサーバで動かすオンプレミス型に分かれます。社内の基幹システムと密に連携する場合や、データを社外に置けない規程がある場合は、オンプレミスに対応しているかが選定の条件です。
クラウド型を選ぶ場合は、社内システムと安全に通信する方法や、IPアドレスによる接続制限の有無を確認します。現行の稼働環境から変える場合は、運用担当の作業内容も変わる点を考慮しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でノーコード・ローコード開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
既存システムを動かしたまま段階的に移行する
ローコードで作ったシステムが業務の中心にある場合、一度にすべてを切り替えると、不具合が出たときの影響が大きくなります。機能単位で移す順番を決め、新旧を並行して動かしながら移行する方法が有効です。
機能単位で移す順番の決定
移す順番は、他の機能とのつながりが少なく、利用者が限られる機能から始めると、問題が起きた場合の影響を抑えられます。最初に移した機能で、データの取り込み手順やテストの進め方を固めておくと、以降の移行に生かせます。
反対に、多くの画面から参照されるマスタデータや、基幹システムと連携する機能は、依存関係を確認したうえで後半に計画します。移行の順番と依存関係を図にして、関係者で共有しておきましょう。
新旧の並行稼働と結果の照合
重要な機能は、新旧のシステムで同じデータを処理し、計算結果や帳票の出力が一致するかを照合してから切り替えます。照合で差が出た場合は、業務ロジックの移し漏れか、データの変換の誤りかを切り分けて修正します。
並行稼働中は二重入力の負担が生じるため、期間と対象業務を絞ることが大切です。切り替え後に問題が見つかった場合に旧システムへ戻す手順も、事前に決めておくと安心です。
次の乗り換えに備えるローコード開発の契約と設計
乗り換えは、次のロックインを防ぐ設計を始める機会でもあります。契約で確認する事項と、設計の段階で工夫できる点を押さえておくと、将来の移行の負担を抑えやすくなります。
契約終了時のデータと資産の扱い
契約書や利用規約では、解約後にデータをどの形式で、いつまで受け取れるかを確認します。解約と同時にデータが削除される場合もあるため、書き出しに必要な期間を確保できるかが重要です。
開発を委託する場合は、作成した設計情報や独自コードの権利が自社に帰属するか、納品物に設計書が含まれるかも契約で明確にしておきましょう。法務部門と内容を確認しておくと、後の行き違いを防ぎやすくなります。
製品固有の機能に頼る範囲の整理
独自コードを書く際は、製品固有の関数に依存する部分と、汎用的な処理を分けて書くと、別の製品へ移しやすくなります。外部連携も、製品独自の連携機能だけでなく、標準的なAPIで組める範囲を確認しておきましょう。
設計書や連携の一覧は、開発のたびに更新するルールを作り、複数の担当者で管理します。特定の担当者だけが仕様を知っている状態を避けることが、次の乗り換えの準備にもつながります。
開発方式と連携機能で比べるローコード開発ツール一覧
既存システムの刷新や業務アプリの再構築に活用できるローコード開発ツール・関連サービスを一覧にまとめました。開発方式や外部システムとの連携機能、移行支援の有無などを比較する際の参考にしてください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| 楽々Framework3 | 部品組み立て型の国産ローコード開発基盤。基幹システムやレガシーシステムの刷新に使われる |
| Magic受託開発 | Magic xpaによるローコード受託開発。既存システムからの移行や保守まで支援する |
| ArielAirOne | 大手企業向けのワークフロー・業務アプリ開発ツール。スクリプト設定に対応し、Notes移行ツールもオプションで用意 |
| SmartDB | 大企業向けのノーコード開発基盤。API・Webhookや設計情報出力、Notes移行ツールを備える |
| Platio Canvas | iOS・Android・Web向けアプリをノーコードで開発。APIや連携ツールで基幹システムと連携 |
| 楽々Webデータベース | 外部DBからSQLでデータを取り込める。クラウド版とオンプレミス版から選べる |
| AppBuilder | Webベースのローコードツール。UIデザインからAngular・Blazorのコードを生成できる |
| iPLAss | ノーコード・ローコード・プロコードを組み合わせる開発基盤。Java・Groovyに対応 |
| Visual LANSA | モバイル・Web・デスクトップアプリを構築するローコード基盤。連携やモダナイゼーションも統合 |
| mendix | ビジネス部門とIT部門が共同で開発できるローコード基盤。クラウド・オンプレミスで稼働 |
| プリザンターサポートサービス | ローコード開発基盤「Pleasanter」の導入・運用・保守・カスタマイズを一括で支援 |
| ClarisFileMaker | カスタムAppを作成するローコード基盤。API・JSON・JavaScriptを使った構築に対応 |
| FileMakerソリューション | FileMakerによるカスタムデータベースの受託開発や移行、コンサルティングを提供 |
既存システムの再構築・連携に役立つローコード開発ツール
既存システムの刷新や他製品からの移行に対応するローコード開発ツール・関連サービスを紹介します。開発方式に加え、外部連携の手段やクラウド・オンプレミス対応の有無も比較してみてください。
楽々Framework3
- EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
- 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
- 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、基幹システム開発とレガシー刷新を支える国産のローコード開発基盤です。画面遷移や画面構成、処理の流れをまとめた開発部品を組み合わせてシステムを構築するため、開発者ごとの実装のばらつきを抑えられます。AS/400やNotes、Access、VB6などのレガシーシステムの刷新や、既存システムとの連携が多いシステムでの利用を想定しています。オンプレミスとクラウドに対応し、テストから運用・監視までの開発サイクルも支援します。
Magic受託開発
- プロトタイプ先行のアジャイル開発
- Magic xpaで短納期ローコード開発
- システム移行や保守まで一括支援
株式会社フォリウムが提供する「Magic受託開発」は、ローコード開発ツールMagic xpaとアジャイル開発を用いた受託開発サービスです。プロトタイプを確認しながら要件を固め、段階的に機能を広げる進め方に対応しています。スクラッチシステムなど既存システムからの移行支援や、APIやデータベース連携による複数システムの統合も相談できます。開発後の保守・運用や小規模な改修、製造・テスト工程のみの受託にも対応するため、社内に開発体制が少ない企業の候補です。
ArielAirOne
- 大手企業のペーパーレスをノーコード/ローコードで実現
- Notes移行ツールで管理者と現場の移行負荷を大幅に削減
- スクリプトを設定することで、複雑なアプリケーション作成も可能
株式会社ワークスアプリケーションズが提供する「ArielAirOne」は、大手企業向けのワークフローと業務アプリ開発のプラットフォームです。条件設定による自動分岐や同時回覧など複雑なワークフローに対応し、豊富なコンポーネントを使ったローコード開発ができます。個社固有の要件にはスクリプト設定で対応でき、オプションとしてデータ移行と設計移行に対応したNotes移行も用意されています。オンプレミスとクラウドの両方で提供されており、Notesからの乗り換えを検討する企業に向いています。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、大企業の部門横断の業務をデジタル化するノーコード開発プラットフォームです。機能一覧には、API(Server・Client・Rest)やWebhook、RPA連携、設計情報出力、Notes移行ツールが含まれています。Teams・Slack・Google Workspaceとの連携にも対応しているため、外部連携を整理し直しながら移行したい場合に検討しやすい製品です。提供形態はクラウドで、サーバの運用を自社で抱えずに済みます。
Platio Canvas
- iOS/Android/Web用のアプリを即座に構築
- ノーコードで自由自在なアプリ開発
- IDフリーで業務の広がりに応じた柔軟な展開が可能
アステリア株式会社が提供する「Platio Canvas」は、キャンバスに部品を自由に配置して、プログラミングなしでアプリを開発できる法人向けノーコードプラットフォームです。一度の開発でiOS・Android・Webへ展開でき、画面幅にあわせて配置を自動で調整します。データはAPIや連携ツールを介して基幹システムやkintoneと連携でき、現場で入力した内容を自動で反映させる仕組みを作れます。ユーザー数無制限のIDフリー体系で、利用者の多い業務アプリを作り直す際の候補です。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、ノーコードで業務アプリを作成できるWebデータベースです。基幹システムなど外部のデータベースからSQLでデータを取得し、作成した業務アプリに取り込んで活用する使い方ができます。運用負荷を抑えたい場合はクラウド版、社内システムとの連携を重視する場合はオンプレミス版と、要件にあわせて稼働環境を選べます。ローコードで作った周辺業務の一部を、より手軽なツールへ移す選択肢として比べてみてください。
AppBuilder (インフラジスティックス・ジャパン株式会社)
- 60以上のUIを備えたWYSIWYG設計環境。
- デザインからAngular・Blazorのコードをワンクリック生成。
- クラウド上でチーム共有可能、IDEや依存なしで利用可。
iPLAss (株式会社電通総研)
- OSS版提供、必要に応じライセンス購入可能
- サーバ台数に応じたライセンスで、コスト増を抑制。
- Java/Groovy対応、プロ開発者も納得の開発基盤
Visual LANSA (株式会社ランサ・ジャパン)
- 30年の歴史、導入実績8000社以上。
- ローコード開発、連携、モダナイゼーションを統合。
- 単一言語とIDEで全てを生成
mendix (シーメンス株式会社)
- 直感的な設計と既存システム統合で企業利用に適している。
- マルチクラウド・オンプレ対応で環境に柔軟適応。
- ビジネス/開発者共同開発可能なDX加速プラットフォーム
プリザンターサポートサービス (株式会社日立システムズフィールドサービス)
- 人数・機能・期間の制限なし
- API・独自SQLで高い拡張性とカスタマイズ性
- 多様なサポートで導入後も安心運用を支援。
ClarisFileMaker (Claris International Inc.)
- 自然言語検索や予測分析をカスタムAppに組込める。
- 多様な環境で、クラウド・オンプレミス・ハイブリッド展開対応。
- APIやJSON、JavaScriptを活用した業務システム構築を支援。
FileMakerソリューション (株式会社OSK)
- Clarisパートナーメンバー企業による開発・支援
- モバイル業務アプリ開発に強み
- 最新FileMakerへのバージョンアップ対応
まとめ
ローコード開発ツールの乗り換えでは、データよりも設計情報や独自コード、外部連携をどう移すかが課題です。開発資産をデータ、画面と業務ロジック、外部連携の3層で棚卸しし、実行エンジン型かソースコード生成型か、クラウドかオンプレミスかを決めると候補を絞れます。ノーコード・ローコード開発ツールは、移行支援の内容や契約終了時のデータの扱いも製品ごとに異なります。資料請求で各製品の条件を比べてみてください。

