PaaSのシェア
以下で紹介する調査は、いずれもPaaSを単独ではなく、IaaSなどと合わせて集計しています。ここでは、PaaSを含むクラウドインフラサービス(IaaS・PaaS・ホスティング型プライベートクラウドの合計)の世界シェアを見ていきましょう。
AWSは全世界で首位、MicrosoftとGoogleが追う
調査会社Synergy Research Groupは、2026年7月30日に、2026年第2四半期の世界のクラウドインフラサービス市場のシェアを発表しました。AWSが28%、Microsoftが20%、Googleが15%で、AWSが大きくリードしています。一方で、MicrosoftとGoogleの成長率はAWSを大きく上回っています。パブリッククラウドに限ると、上位3社で市場の67%を占めます。
シェアの数字が調査ごとに違う理由
クラウドのシェアは、調査の時期と対象によって数字が変わります。同じSynergyの調査でも、2025年第3四半期はAWSが約29%、Microsoftが20%、Googleが13%でした。2026年第2四半期は28%、20%、15%で、AWSがわずかに下がり、Googleが2ポイント上がっています。
サイトによって数字が違って見えるときは、調査の時期と、対象がPaaS単体か、IaaS・PaaSの合計かを確かめましょう。
参照:
Q2 Cloud Market Passes $143 Billion; Highest Growth Rate in Eight Years|Synergy Research Group
令和8年版 情報通信白書 クラウドサービス|総務省
PaaSの市場規模
PaaSの市場規模は今後どうなるのでしょうか。海外・国内ともに、過去の市場推移と今後の展望を交えて見ていきましょう。
世界のクラウド市場は成長が加速
Synergy Research Groupによると、2026年第2四半期のクラウドインフラサービスへの支出は約1,430億ドルでした。前年同期比43%増で、過去8年で最も高い伸びです。直近12か月の合計は5,000億ドルに達しています。生成AIが成長の主な要因で、生成AI専用のクラウドサービスは前年同期比165%増となっています。
国内のIaaS/PaaS市場は年平均14.6%の成長予測
国内では、調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)が、2026年2月にIaaS/PaaS市場の規模を発表しました。2024年度の売上金額は1兆8,551億8,000万円で、前年度比18.7%増です。2025年度は前年度比17.6%増の予測で、2024~2029年度の年平均成長率は14.6%と見込まれています。この数字は、IaaSとPaaSを合算した市場です。ITRは、AI関連サービスの機能強化を背景に、PaaSでは新規導入の増加と、既存ユーザーの利用拡大が見込まれるとしています。
また、総務省の『令和8年版情報通信白書』は、IDC Japanの調査をもとに、日本のパブリッククラウドサービス市場の規模を示しています。2025年の規模は4兆4,930億円で、前年比20.3%増です。これはPaaSだけの数字ではなく、幅広い利用者に提供されるクラウドサービス全体の規模です。
参照:
ITRがIaaS/PaaS市場規模推移および予測を発表|アイ・ティ・アール
トップシェアサービスの特長
PaaSのトップシェアサービスの特長を見ていきましょう。以下は、各社の公式サイトの記載をもとにまとめています。
AWS
Synergy Research Groupによると、AWSは、クラウドインフラサービスの世界シェアで首位のクラウド事業者です。PaaSでは、AWS Elastic Beanstalkなどを提供しています。Elastic Beanstalkは、アプリケーション全体の移行や公開、利用量に合わせた規模の調整を簡単に行えるサービスです。アプリケーションとサーバーなどの運用をAWSが管理するため、開発者はアプリケーションの中身の開発に集中できます。
- ■アプリケーションを公開する手順を簡単にできる
- ■アプリケーション管理の負担を減らせる
- ■安全性や、利用量の増減への対応力、止まりにくさを高められる
- ■コストを抑えられる
アプリケーションの運用をAWSに任せて、開発に集中したい場合に検討しやすいサービスです。
Azure
Microsoft Azureは、Synergyの調査で世界シェア第2位のクラウド事業者です。PaaSのAzure App Serviceは、WebアプリやAPIの作成から公開、規模の調整までを行えるサービスです。サーバーなどの管理はMicrosoftに任せられます。
- ■ASP.NET、Java、Node.js、PHP、Pythonなどに対応
- ■コンテナー内での実行や、WindowsとLinuxの両方での実行ができる
- ■公開や規模の調整を自動化できる
- ■稼働時間のSLA(サービス品質保証)を99.99%としている
幅広い言語や環境で開発したい場合に向いているでしょう。
Google Cloud(Google App Engine)
Googleは、Synergyの調査で、クラウドインフラサービスの世界シェア第3位のクラウド事業者です。PaaSのGoogle App Engineなどを提供しています。App Engineは、サーバーなどの管理をGoogleに任せて、プログラムづくりに集中できるサービスです。
- ■Node.js、Java、Ruby、C#、Go、Python、PHPに対応
- ■Cloud MonitoringとCloud Loggingで、アプリの状態や性能を監視できる
- ■バージョンの異なるアプリを、開発・テスト・本番前の確認・本番の各環境で動かせる
- ■ファイアウォールで、アクセスを許可・拒否するルールを設定できる
- ■独自ドメインで使うSSL/TLS証明書を、追加費用なしで自動で管理してもらえる
Googleのサービスと組み合わせて、Webアプリケーションを開発したい場合に検討しやすいでしょう。
参照:
AWS Elastic Beanstalk|AWS
Azure App Service|Microsoft
App Engine|Google Cloud
製品を比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
PaaSに関するFAQ
PaaSのシェアや市場規模について、よくある疑問をまとめました。導入検討の参考にしてください。
- ■Q1:世界のクラウド市場でシェア1位はどこですか?
- Synergy Research Groupによると、2026年第2四半期の世界のクラウドインフラサービス市場で、シェア1位はAWSの28%です。Microsoftが20%、Googleが15%で続きます。
- ■Q2:世界三大クラウドとは何ですか?
- 一般に、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudの3つを指します。Synergyの調査でも、この3社が2026年第2四半期の上位3社です。
- ■Q3:国内のPaaS市場は今後どの程度成長すると予測されていますか?
- ITRは、国内のIaaS/PaaS市場が、2024~2029年度に年平均14.6%で成長すると予測しています。2024年度の市場規模は1兆8,551億8,000万円(前年度比18.7%増)で、IaaSとPaaSの合算です。
- ■Q4:AWS・Azure・Google Cloudはそれぞれどのような特徴がありますか?
- AWSのElastic Beanstalkは、アプリケーションとサーバーなどの運用をAWSが管理し、開発者が開発に集中できるサービスです。Azure App Serviceは、ASP.NETやJava、Node.jsなど幅広い言語に対応し、公開や規模の調整を自動化できます。Google App Engineは、サーバーなどの管理をGoogleに任せられるサービスです。Cloud MonitoringやCloud Loggingで、アプリを監視することもできます。
- ■Q5:世界のクラウド市場の成長はどうなっていますか?
- Synergy Research Groupによると、2026年第2四半期のクラウドインフラサービスへの支出は前年同期比43%増でした。伸び率は11四半期連続で上がっています。生成AIが成長の主な要因とされています。
- ■Q6:PaaSとSaaSの違いは何ですか?
- PaaSは、アプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームを提供するサービスです。SaaSは、ソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスです。詳しくはSaaS・PaaS・IaaSをわかりやすく比較!違いと代表例を比較表で解説をご覧ください。
シェア・市場規模を参考に、自社に最適なPaaSを導入しよう
PaaSを含むクラウドの世界シェアは、2026年第2四半期でAWSが28%、Microsoftが20%、Googleが15%です。AWSがリードしていますが、MicrosoftとGoogleが追っています。シェアの数字は、調査の時期と対象で変わります。国内のIaaS/PaaS市場も、2024~2029年度に年平均14.6%の成長が予測されています。
ぜひ、これらのシェア・市場規模の情報を参考に、自社に最適なPaaSを導入してください。

