そもそもPaaSとは?
PaaS(Platform as a Service:パース)とは、サーバやネットワークなどのITインフラと、データベースやアプリケーション開発環境などのプラットフォームを、ひとまとめにして提供しているクラウドサービスのことです。開発環境が最初から整っているので、自社独自のアプリケーションやWebサービスを開発したい場合には、PaaSは向いていると言えます。
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注意点1 ベンダーロックインに陥らないか
ベンダーロックインとは、特定ベンダーの独自技術に依存してしまう状態のことで、一度特定のベンダーでシステムを導入すると、互換性のない特定の技術に縛られてしまい、他ベンダーの製品やサービスを利用することが困難になる状況のことを言います。
このようなケースを避ける手立てとして、オープンソースで提供されているOpen PaaSを取り入れたPaaSを導入する、という方法があります。またOpen PaaSを用いたPaaSであれば、特定の言語やフレームワーク、サービスなどにしばられず、自由で独立したサービスを確立することも可能になります。
ただし、Open PaaSを用いたPaaSはまだまだ発展途上にあるため、従来のPaaSと比較するとプラットフォームとしての質やサポートの面で劣ることもあります。導入の際には、自社が何を求めるのかを明確にして、PaaS選定を行うようにしましょう。
注意点2 料金体系と利用方法がマッチしているか
主にPaaSの料金体系には定額制と従量課金制があり、それぞれインスタンス数やサーバ数、データベース利用領域やプラットフォーム接続時間数といった具体的な指標を根拠に課金がなされる仕組みです。
クラウド化はコスト削減につながる、というイメージをお持ちだと思いますが、初期費用やランニングコストを見誤った結果、想定以上の請求がきて困惑した、などという声もあります。ニーズや目的にあったサービスであっても、料金体系が自社と合わないとなると、導入後に歪みが生まれてしまうでしょう。
導入前には、どういう仕組みで課金されるのか、初期費用はどれくらいなのかといった事項や、最低契約期間・利用開始までの期間・契約形態・契約解除の手続きや支払通貨などの詳細事項も含めて確認し、想定外の事態を避けましょう。
注意点3 サポート体制は整っているか
保守サポートの受付や、運用に関する資料提供やセミナーなどを行っているか、なども大切なポイントです。特に、外資系のサービスだと国内でのサポートが手薄であったりするケースもあります。
オンプレミスと違い、社内でシステムやインフラを保有する必要がない分、ベンダーのサポート体制が充実しているかどうかは、PaaS導入の大事な要因です。万が一起こりうるシステム障害発生の際に慌てないためにも、導入前にそれぞれのベンダーのサポート体制をしっかりと確認しておきましょう。
PaaSの選定ポイントを把握してからサービスを比較しよう
PaaS導入に関する注意点をご紹介しましたが、サービス内容・料金体系・サポートなど、数ある基準のできるだけ多くを満たすことができるような、自社にふさわしいサービスを導入できるか、が大切なポイントです。
PaaSであれば何でもコスト削減や運用効率の向上につながるというわけではありません。導入後効果を発揮するためにも、導入前の情報収集の際に、自社に合うものを見つけ出すようにしましょう。
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