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リモートアクセスの導入条件を数値で算出|要件定義テンプレートの作り方

リモートアクセスの導入条件を数値で算出|要件定義テンプレートの作り方

リモートアクセスの導入条件は、感覚で「これくらい」と決めると過剰投資や性能不足を招きます。結論として、回線帯域・同時接続数・端末台数という三つの定量値を自社環境から算出し、要件定義シートに落とし込むことが近道です。この記事では、自社の数値を書き込むだけで必要スペックが定まるテンプレートの組み立て方と、各項目の計算式を順を追って解説します。見積もり依頼や製品比較の前に、数字で条件を固める手順としてご活用ください。

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目次

    導入条件を数値化する要件定義シートの全体像

    リモートアクセスの製品比較を始める前に、自社が必要とする条件を数値で書き出したシートを一枚用意します。シートがあると、各社へ同じ前提で見積もりを依頼でき、回答を横並びで比べられます。まずはシートに何を埋めるかを把握しましょう。

    シートに記入する5つの定量項目

    要件定義シートの軸となるのは、同時接続のピーク人数、接続端末の総台数、利用者一人あたりの平均通信量、業務時間帯の集中度、想定する増員ペースの五つです。これらをすべて数値で埋めると、必要な回線帯域とライセンス数の下限が見えてきます。空欄のまま見積もりを取ると、各社が独自の前提で試算するため比較が成り立ちません。

    記入の順番は、まず端末台数のような把握しやすい数から埋め、次に通信量のような算出が必要な値へ進むと滞りなく進みます。各項目には「現状値」と「3年後の想定値」の二列を設け、将来の拡張も同じシートで見通せるようにしておくと、増設時の再検討を省けます。

    現状値と将来値を二列で管理する理由

    導入時点の人数だけで条件を固めると、増員のたびに契約を見直す手間が生じます。要件定義シートに将来値の列を設けておけば、契約期間中に到達しうる規模まで含めて製品を選べます。回線やライセンスは段階的な増設に費用差が出るため、初期段階で上限の見当をつけておく価値があります。

    将来値は、過去の採用人数の推移や事業計画の数字から逆算します。確度の高い数字が手元になくても、年間の増加率を一定と置いて試算すれば、おおまかな上限は導けます。現状値と将来値の差が大きい組織ほど、拡張のしやすさを製品選びの判断項目へ加えておくと安全です。

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    回線帯域の必要量を計算する手順

    リモートアクセスで体感速度を左右するのが回線帯域です。帯域は「一人あたりの通信量x同時接続のピーク人数」で見積もるのが基本で、用途ごとに一人あたりの値が変わります。ここでは計算の組み立て方を示します。

    用途別の一人あたり通信量の置き方

    一人あたりの必要帯域は、業務の内容で大きく開きます。文書編集やメール中心の事務作業なら一人あたり数百キロビット毎秒程度で足りる一方、設計データの送受信や画面転送を伴うリモートデスクトップでは、その数倍から十倍規模を見込む必要があります。自社の主要業務がどの帯に当たるかを先に決めます。

    用途が混在する職場では、業務区分ごとに人数と一人あたり帯域を分けて積み上げます。事務職五十人と設計職十人が同時に使うなら、それぞれの帯域を別々に算出して合算する形です。区分を分けて足し上げると、全員を最大値で見積もる場合より現実的な帯域へ収まります。

    同時接続ピークと余裕率の掛け方

    帯域の総量は、用途別に積み上げた値へ同時接続のピーク率を掛けて求めます。在籍人数の全員が同時刻に接続することはまれで、業務の山が重なる時間帯の接続割合を見積もって掛け合わせます。朝礼後や月末など、接続が集中する時間帯の実績があれば、その比率を採用します。

    算出した値には、二割から三割の余裕率を上乗せしておきます。回線は契約上限に近づくほど速度が落ちるため、ぎりぎりの帯域では繁忙期に詰まります。余裕率を含めた数値を要件定義シートへ記入し、見積もり依頼時の前提として各社へ共有すると、回答のばらつきを抑えられます。

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    同時接続数とライセンス数の見積もり方

    リモートアクセス製品は同時接続数や登録ユーザー数で費用が変わるため、必要数の算出が費用の妥当性を決めます。在籍人数をそのまま契約数にすると過剰になりがちです。実態に即した数の出し方を解説します。

    在籍人数から同時接続数を割り出す

    同時接続数は、在籍人数へ「同時利用率」を掛けて求めます。同時利用率は、ある瞬間に何割の利用者が実際につないでいるかを表す数字で、在宅勤務中心の部門と外回り中心の部門では値が異なります。過去のアクセスログがあれば、ピーク時の接続数を在籍数で割って実測値を求められます。

    ログがない場合は、勤務形態ごとに同時利用率を仮置きして積み上げます。常時接続が前提の内勤と、断続的に使う外勤を分けて計算すると、全員分のライセンスを買うより費用を抑えられます。算出した同時接続数は、契約方式が同時接続課金か登録ユーザー課金かで必要数が変わる点も押さえておきます。

    課金方式の違いと費用の試算式

    製品の課金方式には、同時につなぐ数で数える方式と、登録した利用者の総数で数える方式があります。同時利用率が低い組織は同時接続課金が割安になりやすく、ほぼ全員が常時つなぐ組織は登録ユーザー課金が見通しやすい傾向です。自社の同時利用率を境目に、どちらが安く付くかを試算します。

    試算は、両方式で「単価x必要数」を計算して総額を比べる形が分かりやすいです。要件定義シートに二方式の総額欄を設け、見積もり回答を当てはめれば、費用面の優劣が一目で分かります。利用者の増減が読みにくい組織では、増員時の単価が固定かどうかも比較項目へ含めておきます。

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    端末台数と利用形態を棚卸しする

    導入条件を固めるには、接続元となる端末を数え上げる作業が欠かせません。台数だけでなく、会社支給か私物か、据え置きか持ち運びかで必要なライセンス形態が変わります。棚卸しの進め方を解説します。

    会社支給端末と私物端末を数え分ける

    接続端末は、会社が貸与する端末と、利用者個人が持つ私物端末に分けて数えます。私物端末からの接続を認める運用では、台数が読みにくく、一人が複数台でつなぐ場合もあります。一人あたり何台までを許容するかを先に決め、その台数を人数へ掛けて総台数を見積もります。

    会社支給に限る運用なら、資産管理台帳の台数がそのまま接続端末数の上限です。私物を含める場合は、一人あたりの平均接続台数を仮置きして積み上げます。台数の見積もりは、端末ごとにライセンスが必要な製品では費用へ直結するため、要件定義シートの主要項目として埋めておきます。

    据え置き利用と持ち運び利用の比率を出す

    端末の利用形態を、自宅などに固定して使う据え置き利用と、移動しながら使う持ち運び利用に分け、その比率を出します。持ち運び利用が多い組織では、通信が不安定な環境での再接続のしやすさや、画面の小さい端末での操作性が条件へ加わります。比率が分かると、求める機能の優先順位が定まります。

    比率は、勤務形態のアンケートや勤怠の記録から概算できます。据え置き中心なら接続の安定性、持ち運び中心なら携帯端末対応を重く見るといった形で、シートの結果を製品比較の重み付けへ反映させます。利用形態を数値で押さえると、機能の取捨選択がぶれにくくなります。

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    セキュリティ要件を数値と等級で定義する

    導入条件には、安全性の水準も計測できる形で書き込みます。求める強度を「あいまいに高め」と書くと製品比較ができないため、認証の段数や保管期間といった数えられる基準へ置き換えます。定量化の進め方を解説します。

    認証の段数とログ保管期間を数値で指定する

    認証要件は、本人確認に何段の要素を求めるかで定義します。IDとパスワードの一段で足りるのか、認証アプリやワンタイムパスワードを加えた二段以上を必須とするのかを、利用者区分ごとに数字で決めます。扱う情報の重要度が高い部門は段数を増やすといった形で、区分別に水準を分けて記入します。

    接続ログの保管期間も、社内規程や取引先の要求に合わせて月数や年数で明記します。保管期間が長いほど蓄積される容量が増えるため、必要な保管領域の見当も同じ欄で算出しておきます。段数と保管期間を数値で固めると、要件を満たす製品かどうかを見積もり段階で機械的に判定できます。

    満たすべき要件と任意要件を重みで分ける

    セキュリティの条件は、必須と任意を分けて重み付けします。法令や取引先の規程で義務付けられた項目は必須として満たせない製品を除外し、あると望ましい項目には点数を割り当てて加点評価します。重みを数値で持たせると、評価者が違っても採点結果がぶれにくくなります。

    重み付けの結果は、チェックシートの機能優先度欄へ反映します。必須項目を満たした製品だけを残し、任意項目の合計点で順位を付ける流れにすれば、安全性と費用の釣り合いを数字で判断できます。要件を等級で整理しておくと、社内の合意も取りやすくなります。

    算出値を導入前チェックシートにまとめる

    個別に出した数値は、一枚の導入前チェックシートへ集約してはじめて使えます。シートにまとめると、見積もり依頼から契約までを同じ基準で進められます。集約の手順と、見積もり時の使い方を解説します。

    必要スペックを一覧化する記入欄の設計

    チェックシートには、回線帯域、同時接続数、登録端末数、課金方式別の概算費用、求める機能の優先度を一行ずつ並べます。各行に算出値と算出根拠を併記しておくと、後から数字を見直す際に前提をたどれます。根拠を残すと、見積もり回答が想定とずれた理由を切り分けやすくなります。

    記入欄は、現状値と将来値、そして許容できる上限値の三段で設計すると過不足を避けられます。上限値を明示しておけば、機能を盛り込みすぎて費用が膨らむ事態を抑えられます。完成したシートは、社内の合意形成の資料としても、稟議の根拠としても流用できます。

    見積もり依頼と製品比較への展開

    完成したチェックシートは、各社への見積もり依頼書へそのまま添付します。同じ数値を前提に回答を集めれば、提示された費用や性能を横並びで評価でき、前提のずれによる見かけ上の安さを見抜けます。回答が条件を満たさない場合は、どの項目で不足するかをシート上で照合します。

    比較の段階では、シートの数値を満たす製品を一次選考で絞り、残った製品を機能や運用性で二次評価します。数値の足切りを先に行うと、検討対象が現実的な数へ収まり、判断の労力を抑えられます。資料請求で集めた情報をシートの欄へ埋めていくと、比較表が自然と仕上がります。

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    リモートアクセスの導入条件に関するよくある質問

    ここでは、リモートアクセスの導入条件について寄せられやすい質問をまとめました。自社の検討を進める際の参考にしてください。

    ■Q1. 回線帯域はどの数値から計算すればよいですか
    一人あたりの通信量へ同時接続のピーク人数を掛け、二割から三割の余裕率を上乗せして求めます。事務作業と画面転送では一人あたりの値が大きく異なるため、業務区分ごとに人数と通信量を分けて積み上げると現実的な帯域へ収まります。
    ■Q2. 在籍人数とライセンス数は同じにすべきですか
    同じにする必要はありません。在籍人数へ同時利用率を掛けて同時接続数を割り出すと、過剰な契約を避けられます。アクセスログがあればピーク時の接続数から実測値を求め、なければ勤務形態ごとに同時利用率を仮置きして積み上げてください。
    ■Q3. 私物端末も台数に含めるべきですか
    私物端末からの接続を認める運用なら含めます。一人が複数台でつなぐ場合があるため、一人あたりの許容台数を先に決め、人数へ掛けて総台数を見積もります。端末ごとにライセンスが必要な製品では、この台数が費用へ直結します。
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    まとめ

    リモートアクセスの導入条件は、回線帯域・同時接続数・端末台数という定量値を自社環境から算出し、要件定義シートと導入前チェックシートへまとめることで過不足なく固められます。一人あたりの通信量にピーク人数と余裕率を掛けて帯域を出し、在籍人数へ同時利用率を掛けてライセンス数を割り出し、利用形態の比率まで数値化すれば、各社へ同じ前提で見積もりを依頼できます。数字で条件を固めたうえで複数の製品を比較し、自社に合うシステムを選びましょう。

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