リモートアクセスとは
リモートアクセスとは、インターネットなどの通信を利用して遠隔地からパソコンやサーバ、ネットワークにアクセスし、データを利用して業務を行ったりすることです。これにより、社外にいても社内にいるのと同じ環境を構築できます。
社内のパソコンは多くの機能を搭載しているデスクトップ型が多く、社外に持ち出すのは大変でしょう。携帯性に優れているノートPCやスマートフォン、タブレットだとしても、社内の情報を社外に持ち出すことは情報漏えいのリスクを高めます。
また、リモートアクセスを使わずに自宅で社内と同じ環境を作ろうと思えば、自宅のパソコンに同じシステムをインストールする必要があり、コストが大きくなります。社内の業務システムを自宅で構築するのはほぼ不可能でしょう。
そこで、リモートアクセス環境を構築すると、社外にいながら社内システムにアクセスできるので自宅でも仕事が可能になるのです。加えて、スマートフォンなどのモバイル端末でも社内システムにアクセスが可能なので利便性が高いでしょう。
このような理由からリモートアクセスの導入を検討する企業が増えています。
リモートアクセスの仕組みやセキュリティについて、より詳しく解説した記事も合わせて参考にしてください。
リモートアクセスのメリット
リモートアクセスを導入すると以下のようなメリットを得られます。
- ■社外から社内システムにアクセスできる
- ■社内専用ソフトの導入・管理コストを削減できる
- ■データ持ち出しによる情報漏えいリスクを下げる
- ■従業員に自由な働き方を提案できる
ここからはリモートアクセスのメリットをより詳しく説明していきます。
メリット1.社外から社内システムにアクセスできる
リモートアクセスの最も大きなメリットは、社外からでも社内システムにアクセスできることです。リモートアクセスでは、社内のデスクトップPC・社内サーバ・社内ネットワークに接続し、社外でも社内と同じように仕事ができます。
メリット2.社内専用ソフトの導入・管理コストを削減できる
リモートアクセスを活用することで、社外用で使う端末に新しく社内専用ソフトを導入する必要がなくなります。
社外でも社内と同様の業務を行うためには、業務システムをインストールした社外用端末を用意する必要があります。加えて、正常に作動しているかなどを管理する業務も発生します。また、新しくシステムをインストールするときには導入コストが発生し、管理を行う場合は管理コストが発生します。
しかし、リモートアクセスの場合は、リモートアクセスツールを導入するだけで、社内と同じ環境を構築できます。そのため、リモートアクセスを活用することで導入コストと管理コストの削減が可能です。
メリット3.データ持ち出しによる情報漏えいリスクを下げる
リモートアクセスなら、社外用端末では必要最低限の情報にしかアクセスしないようにできます。情報漏えいは、社内データの持ち出しにより発生することが多いですが、社外で業務に必要ないデータへのアクセスをブロックするので、情報漏えいのリスクを下げます。
また、ツールによっては端末にデータを保存させたり、ダウンロードできないようにすることも可能です。さらに、社内のPCから社外用端末にアクセスできるようになっており、万が一端末を紛失した場合は遠隔操作により端末のデータの消去が可能なので、情報漏えいを防げます。
メリット4.従業員に自由な働き方を提案できる
体調不良や出産などで、今まで通りに働けない場合もあります。しかし、リモートアクセスで環境を構築すれば、無理に出社する必要がなくなり、在宅で仕事ができるので、従業員に自由な働き方を提案できます。結果として在宅勤務で行える業務の幅は飛躍的に広がるでしょう。
メリット5.交通費を削減できる
リモートアクセスの強みは、出社しなくても今まで通り仕事ができることです。在宅ワークやカフェなどでの仕事が可能になります。自分で働く場所を選べるため、出社する必要がなく、交通費を削減できます。交通費は当然のように支払われていますが、従業員の人数に比例して会社が負う負担は大きくなっていきます。リモートアクセスを活用すれば、さまざまなコストを削減できるでしょう。
リモートアクセスのデメリット
リモートアクセスはメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- ■不正アクセスの危険性が上がる
- ■システム導入にコストがかかる
- ■従来の勤怠管理では対応できない
ここからはリモートアクセスのデメリットを詳しく説明していきます。
デメリット1.不正アクセスの危険性が上がる
リモートアクセスは社外で仕事を行うため、端末のセキュリティ対策が肝心になります。セキュリティ対策が甘いと外部から不正アクセスされ、社内の情報が漏れる可能性があります。
不正アクセスの被害に遭い、自社で管理している取引先の情報まで漏れてしまえば、他社にも迷惑がかかり、会社のイメージ低下につながるでしょう。そのため、万全なセキュリティ対策で事前に手を打つ必要があります。
まずは、端末のロックを設定すること、単純なパスワードにしないなど、基本的な対策を行うことが重要です。また、セキュリティを強化するためには、社外で端末を使用する際のルールを決めましょう。
デメリット2.システム導入にコストがかかる
リモートアクセスを実施するには専用ツールを導入しますが、社外で利用する端末の台数に応じて費用が発生することが多いです。また、社外で使うノートPCなどの端末を会社側で支給するなら、人数に応じて新しく購入する必要もあるでしょう。そのため、リモートアクセスの環境を構築するためには相応のコストがかかります。
デメリット3.従来の勤怠管理では対応できない
リモートアクセスはいつでもどこでも仕事ができますが、社外だと勤務状況の確認が難しいため、従来の勤怠管理では対応できません。リモートアクセスツールによっては、指定した時間しか利用できなくするものもあるので、勤怠管理の方法を工夫しましょう。
リモートアクセス環境を整えて業務の効率化を図ろう
リモートアクセスを活用すると、時間と場所に縛られることなく業務を行えるようになります。また、リモートワークは情報漏えいのリスクが高まりますが、リモートアクセスによりセキュリティ対策が可能です。
リモートアクセスのメリットとデメリットをしっかりと理解し、有効活用して業務の効率化を図りましょう。