中小企業にシングルサインオン(SSO)が必要な理由
近年、多くの中小企業でGoogle WorkspaceやMicrosoft 365、クラウド型の会計ソフトやCRMなどの業務システムを導入するケースが増えています。これにともない、従業員は日々複数のシステムに個別ログインする必要があり、ログイン作業が業務負担となることも少なくありません。また、手作業によるログイン・ログアウトの繰り返しは、生産性の低下を招くだけでなく、パスワード管理の煩雑さからセキュリティリスクも高まります。
こうした課題を解決するのが、シングルサインオン(SSO)です。一度のログインで複数のシステムにアクセスできるため、業務効率化とセキュリティ強化を同時に実現します。
中小企業がシングルサインオン(SSO)を導入するメリット
中小企業におけるシングルサインオン導入は、限られた人員やリソースで効率的な業務運営を実現するための有効な手段です。ここでは、中小企業ならではの課題を解決する具体的なメリットを解説します。
従業員の生産性を最大化
中小企業では、少数の従業員が複数の業務を担当することが一般的です。しかし、その分、複数の業務システムやクラウドサービスに個別ログインする必要があり、日々の業務に負担をかけます。
シングルサインオンを導入すれば、一度の認証で複数のシステムに自動ログインが可能です。毎回のIDやパスワード入力を不要にすることで、年間数十時間のログイン作業を削減し、本来のコア業務に集中できる環境が整います。
限られたITリソースで安全性を確保
中小企業では、専任のセキュリティ担当者が不在であるケースが多く、パスワードの使い回しや簡易な設定がリスクとなることがあります。シングルサインオンの導入により、多要素認証やアクセス制御と連携し、安全性を強化できます。
さらに、パスワードリセット依頼の削減により、ヘルプデスクの負担も軽減。情報漏えいのリスクを抑えながら、IT管理の効率化を図れます。
リモートワークにおけるログインの簡素化
中小企業でもリモートワークの導入が進むなか、社外から業務システムへ安全にアクセスできる環境の整備が求められています。シングルサインオンを導入すれば、一度の認証で社内システムやクラウドサービスにアクセスできるため、ログイン管理が簡素化されます。
また、自宅や外出先からも安全に業務システムを利用可能なため、従業員の負担を軽減し、柔軟な働き方を支援します。
以下の記事では、シングルサインオンの仕組みや主要機能、人気製品を詳しく紹介しています。
中小企業向けシングルサインオン(SSO)の選び方
中小企業がシングルサインオンを導入する際には、限られた予算や人員リソースを考慮する必要があります。中小企業特有の状況を踏まえた3つの導入ポイントを解説します。
導入目的を明確にする
中小企業では、投資対効果がシステム導入の大きな判断基準となります。以下のように目的を具体的に設定することで、導入後の効果をより明確にできます。
- ■業務効率化
- ログイン作業の時間を削減し、生産性向上を図りたい。
- ■セキュリティ強化
- パスワード管理を効率化し、情報漏えいリスクを最小限にしたい。
- ■リモートワーク対応
- 社外から安全に業務アプリにアクセスできる環境を整備したい。
また、年間のログイン作業削減時間を数値化すると、シングルサインオン導入による生産性向上が具体的に見えてきます。これにより、投資対効果が可視化され、導入判断がしやすくなります。
既存システムとの連携性
中小企業では、会計ソフト・グループウェア・CRMなどの業務効率化ツールを段階的に導入するケースが多くあります。以下のポイントを事前に確認することで、既存の業務システムやクラウドサービスとの連携を円滑にし、導入後のトラブルを防げます。
- ■クラウドサービス対応の有無
- Google Workspace、Microsoft 365などの主要クラウドサービスに対応しているか。
- ■API連携の柔軟性
- 業務システムとシングルサインオンがスムーズに連携できるか。
- ■業種特化型ソフトへの対応
- 製造業向け生産管理システムや、介護業界向けの電子カルテなど、業種固有のシステムに対応可能か。
システム管理の負担を減らしたい企業には、既存のクラウドサービスとの接続が簡単なSSOツールがおすすめです。
セキュリティ機能の充実度
中小企業では、セキュリティに割ける予算や人員が限られているため、管理負担が少なくても強固なセキュリティ機能が確保できるシングルサインオン製品を選ぶ必要があります。システムを導入する際は、以下のセキュリティ機能が備わっているかを確認しましょう。
- ■多要素認証(MFA)の自動設定
- パスワードだけでなく、ワンタイムパスワードやSMS認証を簡単に設定できるか。
- ■アカウント管理の一元化
- 従業員の入退社にともなうアカウント追加・削除を一元管理可能か。
- ■アクセス制御の柔軟性
- 部門・役職ごとにアクセス権限を細かく設定できるか。
加えて、自動パスワードリセット機能やダッシュボードでのアクセスログ確認機能があると、IT担当者が少ない企業でも、管理負担を減らし、スムーズに運用できます。
【中小企業向け】おすすめのシングルサインオン(SSO)システム
ここからは、中小企業に適したシングルサインオン(SSO)製品を厳選して紹介します。
CloudGate UNO
株式会社インターナショナルシステムリサーチの「CloudGate UNO」は、Google WorkspaceやMicrosoft 365などの主要なクラウドサービスと連携し、シングルサインオンを提供します。99.99%以上の高い稼働率を誇り、安定したサービス運用実績があります。多要素認証(MFA)やアクセス制御機能により、セキュリティ強化と業務効率化を同時に実現します。
参考価格:月額400円~/ユーザー
Gluegent Gate
サイオステクノロジー株式会社が提供する「Gluegent Gate」は、Google WorkspaceやMicrosoft 365とのシームレスな連携が特徴のサービスです。シングルサインオン機能に加えて、アクセス制御や多要素認証(MFA)機能も標準搭載し、セキュリティを確保しながら利便性を向上させます。低コストで導入しやすく、中小企業のシングルサインオン導入に適しています。
参考価格:月額100円~/ユーザー
ジョーシス
ジョーシス株式会社が提供する「ジョーシス」は、ITデバイス管理、アカウント管理、シングルサインオン機能を統合したサービスです。複数のクラウドサービスへのログインを一元化し、業務の効率化を実現。SaaSの契約管理機能も備えており、ITリソースが限られた中小企業でも、手軽にIT環境を最適化できます。
参考価格:ベンダーへお問い合わせください
AccessMatrixUSO
株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズが提供する「AccessMatrixUSO」は、Webアプリやデスクトップアプリ、クラウドサービスなど、多様な環境でシングルサインオンを実現するシステムです。ID管理やアクセス制御機能も備えており、セキュリティ強化と業務効率化の両立が可能。既存システムへの影響を最小限に抑えつつシングルサインオンを実現するため、中小企業でも導入しやすいでしょう。
参考価格:月額380円~/ ユーザー(年間契約)
SeciossLink
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink」は、ID管理・シングルサインオン・多要素認証を統合的に管理できるクラウド型のセキュリティプラットフォームです。ダッシュボードやリスク検知などのセキュリティ機能も搭載。Google WorkspaceやMicrosoft 365をはじめ、さまざまなクラウドサービスとの連携に対応します。リーズナブルな価格設定のため、セキュリティ強化を図りながら予算を抑えたい中小企業におすすめです。
参考価格:月額150円~/ユーザー
まとめ
シングルサインオンは、中小企業の業務効率化やセキュリティ強化に大きく貢献します。導入時には、自社の課題や必要な機能を明確にしたうえで、適切な製品を選定しましょう。
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