ウェビナーとは
ウェビナーとは、オンライン上で実施されるセミナーのことで、Webとセミナーを組み合わせた造語です。地理的な制約に縛られず開催・参加できるのが特長で、オフラインのセミナーに比べてより広い範囲でリード獲得を目指せます。また、リアル会場で開催するよりも場所代や人件費がかからず低コストな点もメリットです。
配信形式には、リアルタイムに配信する「ライブ配信」と、事前に収録したものを配信する「オンデマンド配信」の2種類があります。また、2種類を複合した「ハイブリッド配信」として、事前収録した映像を決まった日時に配信し、質疑応答だけリアルタイムで行う形式も実施されています。
Webミーティングとの違い
ウェビナーは、Zoomミーティングなどで知られるWebミーティングとは以下のような違いがあります。利用目的や必要な機能から使い分けましょう。
|
Webミーティング |
ウェビナー |
目的 |
双方向でのコミュニケーション |
視聴者に向けた情報提供、リード獲得 |
主な利用シーン |
1on1などの社内ミーティングや社外との商談など |
研修、勉強会、講演など |
カメラ・マイク操作 |
全員可能 |
主催者またはパネリストのみ可能 |
画面共有 |
全員可能 |
主催者またはパネリストのみ可能 |
なお、Zoomにもウェビナーサービスが用意されており、ZoomミーティングとZoomビデオウェビナーの違いも上記のとおりです。加えて、参加できる人数やアンケート機能、収益化オプション機能などに違いがみられます。
ウェビナー開催に必要なもの
ウェビナーの開催に必要なものは次のとおりです。
- 【最低限必要なもの】
- ●PC
- ●インターネット環境
- ●カメラ・マイク(PCに内蔵されている場合も多い)
- 【必須ではないがあるとよいもの】
- ●外部マイク
- ●オーディオインターフェイス
- ●外部カメラ、三脚
- ●ライト
カメラやマイクがない場合は、手持ちのスマホで配信も可能です。また、配信の安定性を求めるなら有線のインターネット回線にしたり、PCのスペックを見直したりするのがよいでしょう。
ウェビナーの開催方法
ウェビナーはどのように開催すればよいのでしょうか。やるべきことを各ステップごとに見ていきましょう。
1.目的・内容を決める
ウェビナーを開催することで何を得たいのか、まずは目的を明確にしましょう。目的を曖昧にしたまま企画を進めてしまうと、ウェビナーを開催すること自体が目的となってしまい、期待する効果が得られません。新商品の説明会やオンライン講義、社内研修など、ウェビナーの目的・ゴールを設定し、それに必要なコンテンツ・ターゲットなどを決めていきましょう。
2.集客方法を決める
ウェビナーの一番の課題は集客といっても過言ではありません。ターゲットに応じた方法で集客することが重要です。
集客方法には、自社の顧客に向けたメール配信のほか、ポータルサイト・メディアの活用、リスティング広告などがあります。効果的な方法を選び、幅広く周知させられる最適なアプローチを行いましょう。また、ウェビナーの開催ノウハウ獲得や顧客リストの拡充といった観点から、他社との共同開催も有効な手段のひとつです。共同開催により、自社だけでは提供できなかった有益なコンテンツの提供も期待できます。
3.ツールを選ぶ
ウェビナーツールは、誰に向けた配信を行いたいかにより必要な機能が異なります。
新商品のプロモーションや見込み顧客へのオンライン講座など、社外への配信が目的であれば、チャット機能やアンケート機能のあるツールがおすすめです。双方向のコミュニケーションができると、質疑応答タイムを設けたり顧客データを集めやすかったりするためです。一方、研修など社内に向けた配信が目的の場合は、収録した映像を蓄積し、繰り返し閲覧できる機能のあるツールがよいでしょう。
ほかにも、最大接続数や料金プラン、サポート体制などはツールによって異なります。できるだけ必要な要件をまとめたうえで、複数ツールの資料や無料トライアル体験などから比較してみてください。
なお、ウェビナーツールには、マイクやウェブカメラといった専用機器を用いるタイプと、ソフトウェアをダウンロードするものの2種類あります。予算が限られている場合はダウンロードタイプを利用するとよいでしょう。
4.スタッフの割り当て・台本を用意する
配信ツールとコンテンツ内容が明確になったら、台本の用意やスタッフの割り当てを行います。当日の進行をスムーズにするためには、絵コンテなどを用いて、関係者へできるだけ具体的に共有するとよいでしょう。そのほか、ウェビナー中に見せるスライドの用意、資料を表示させるタイミングの確認、講師の手配などが必要です。なお、外部から登壇者を招く場合には、登壇者と自社側でスケジュールをすり合わせる必要が出てくる可能性もあるため、早めにキャスティングすることをおすすめします。
5.配信場所を確保する
会議室やレンタルスタジオなど、事前予約制の場所からライブ配信したい場合、前もって確保しておく必要があります。インターネットに安定して接続できているか、背景に余計なものが映り込まないかなども事前に確認しておきましょう。
なお、配信に特化したスタジオであれば、グリーンバックが完備されていたり、インターネット回線が最適化されていたりします。複数会場をつないだ配信や専門のオペレーターによる撮影・配信をしたい場合には活用してみてください。
6.開催前にリマインドメールを送る
申し込みからウェビナー当日までの期間が長いと、申し込みしていたことを忘れて欠席されてしまうおそれがあります。開催日が近づいてきたら、参加者へリマインドメールを送りましょう。メールには、開催日時や参加URL、内容などを記します。送信時期は、2週間前・1週間前・3日前・前日のいずれかのタイミングで送信する企業が多くみられます。
7.ウェビナーを開催する
対面のセミナーと違い受付業務はありませんが、少なくともウェビナー開始30分前には配信会場で準備を済ませておくと落ち着いて開始できるでしょう。緊張して喋りが早くならないよう、ゆっくり丁寧に抑揚をつけて話すことを意識してください。また当日質問を受け付ける場合はリアルタイムに応答し、臨場感を意識して進行するのがおすすめです。
8.アフターフォローを行う
ウェビナーの出席者は貴重な見込み顧客であるため、いかに商談化・案件化に進めるかが重要となってきます。次のステップに誘導できるようメールや電話でフォローを行いましょう。
また、ウェビナーの実施後は必ず振り返りを行ってください。アンケート機能を活用した場合は、コンテンツの充実度や配信時間といった内容の評価・分析を行い、改善点を洗い出しましょう。そして、それを基にコンテンツをアップデートし、次のウェビナーに活かしてください。
ウェビナーを成功させるポイント
ここからは、ウェビナーを開催するにあたって、意識すべきポイントを解説します。
ターゲットを明確にする
ウェビナーでは、リード獲得や育成、案件化などの目的に応じたテーマにすることが重要です。しかし、今やウェビナーは飽和状態であり、どれほど魅力的なテーマ設定をしても、ターゲットの現状の課題やニーズにあわせたものでなければ集客は難しいでしょう。そこで、自社のウェビナーの目的に応じてターゲットを絞り込むことも意識してみてください。
競合他社のコンテンツや既存顧客の声を参考に、ウェビナーの特性を活かして自社の目的が達成できるようなテーマづくりを心がけましょう。
申し込み・参加導線をシンプルにする
申込みフォームの記入項目が多かったり、申込みにたどり着くまでの導線がわかりにくかったりすると、ユーザーは申し込みをとりやめてしまいます。Webサイト上であれば、バナーを用いるなどして視認性をあげ、少ない入力項目で申込完了できるとよいでしょう。また、インターネットの扱いに慣れていないなど、ターゲットの年齢層によっては電話窓口を用意するほうがよいケースもあります。
配信・機器トラブルを想定して準備する
ウェビナーはオンライン上での開催のため、開催者・参加者側どちらにおいても通信環境が途切れたり遅延したりする可能性があります。配信テストを行い事前に通信環境を万全にしておくのがよいです。またリハーサルを行う、予備の機材を用意しておく、インターネット接続を有線にするなど、トラブル時にもすぐに対応できるよう準備しましょう。
参加者とのコミュニケーションを図る
ウェビナーでは、参加者はボタンひとつで退出できるため、対面式のセミナーと比べて離脱率が高まりやすい傾向にあります。チャットやアンケート機能で適宜コミュニケーションをとりながら進行するなど、参加者が飽きない工夫をしましょう。
また、ウェビナー終了後に満足度調査アンケートを配布すると、回答率に課題が生じます。ウェビナーの最中に実施したり、回答特典をつけたりすることで、より多くの回答を得られるようにしましょう。
ウェビナーのやり方を理解し、開催を成功させよう
ウェビナーはインターネット上で開催するセミナーで、臨場感をもってサービスや商品
を多くの人に訴求できる魅力的なツールです。テーマ設定などの企画から、運営、開催後のフォローまで自社で対応が求められる場合、専用のツールがあればテーマ選定やデータの管理がスムーズです。
「ウェビナーを効率的に開催したい」「定期的に配信するので安定した環境下でウェビナーを運営したい」という方はぜひ以下の記事からおすすめのウェビナーツールもチェックしてみてください。ウェビナーの開催方法を理解し、自社の目的を達成させましょう。