webセミナーツールとは
従来、セミナーといえばリアルな会場を用意して開催するのが一般的でした。しかし、新型コロナウイルスの影響でオフラインイベントが困難になり、企業は新しい集客方法の模索を迫られました。
そこで注目されたのがWebセミナーです。動画コンテンツを配信することで、自宅やオフィスにいながら気軽に開催できる新しいセミナーとして普及しました。
Webセミナーではカメラやマイクといった基本的な機材に加え、Webセミナーツールを利用します。これは動画の配信や参加者管理を行うツールです。本格的なWebセミナーツールは基本的に有料ですが、無料版の製品や無料トライアルが提供されているツールも少なくありません。
無料ツールと有料ツールの比較
無料のWebセミナーツールと有料製品にはどのような違いがあるのでしょうか。
参加人数・制限時間
無料製品の多くは、参加者数や開催時間に制限があります。セミナー参加者は100人程度、開催時間は1時間程度といった縛りがあり、大規模セミナーの開催には不向きです。
小規模なセミナーであれば事足りますが、質疑応答や機器のトラブルに時間を奪われると制限時間を超過するかもしれません。時間内に終わるよう、余裕をもってスケジュールを組む必要があります。
ネットワークの安定性・サポート体制
無料Webセミナーツールは通信の安定性が劣る傾向にあります。多数の人が同時に使用すると、音声や映像に乱れが発生しがちです。無料で開催するイベントならよいですが、参加費を要求するイベントで通信の品質が悪いと、視聴者からの信頼を大きく損ないかねません。
同様に、ベンダーが提供するサポート体制にも差があります。無料のWebセミナーツールには、十分なサポート体制がありません。配信中のトラブルに見舞われた際も自力で対処するしかなく、Webセミナー初心者には厳しい可能性があります。
視聴データの分析
有料Webセミナーツールの多くは、視聴データの分析機能が備わっています。視聴者がいつ入退室したのか、どのようなコメントを寄せてくれたのかなどを後から確認可能です。リードジェネレーションやナーチャリングを目的とする場合、これらのデータは施策の改善を図るのに役立つでしょう。
一方、無料Webセミナーツールには基本的に視聴データの分析機能が搭載されていません。参加者情報を取得しづらく、その後の関係構築につなげるのが困難です。情報の取得には別のツールを用意する手もありますが、開催者・視聴者の双方にとって煩雑でしょう。
webセミナーツールの選び方
つづいて、Webセミナーツールの選び方を紹介します。
ニーズに適した機能を搭載しているか
Webセミナーのツール選定を始める前に、自社のニーズを明らかにしましょう。ツールによって機能が異なり、ニーズにあわせて選ぶ必要があるからです。
たとえば、新規顧客を獲得したいのであれば、心理的ハードルを下げるために少ない手間で参加できるツールが適しています。また、既存顧客との関係を深めたいのなら、チャットやアンケートなどのコミュニケーション機能に秀でた製品がよいでしょう。
自社にとって欠かせない機能をリストアップし、それを備えたWebセミナーツールを導入しましょう。
利用可能人数が適正か
機能と同様に、利用可能人数もニーズにあわせて比較・検討しなければなりません。大規模なWebセミナーを開催したいのであれば、それに応じた人数が参加可能なツールを選びましょう。反対に、小規模セミナーを開催するのなら、参加人数の少ないツールを選んだほうがローコストです。
基本的に、参加者数の制限はWebセミナーツールの公式サイトに記載されています。料金プランによって上限が細かく区切られていることもあるため、最適なプランを選びましょう。
無料トライアルを利用できるか
機能や利用可能人数はWebセミナーツールの公式サイトを見ればわかります。しかし、使い心地は実際に使わなければわかりません。後悔しないよう、一度触ってみてから導入の可否を判断することが大切です。
そこで活用したいのが無料トライアルです。期間の制限があるものの、その期間内であれば有料版の機能を無料で利用できます。すべての機能が提供されるとは限りませんが、操作性やUIについて一通り確認可能です。
おすすめ製品の比較表
この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。各製品の詳細情報については、後ほど紹介していますので、気になる製品をチェックしてみてください。また、ITトレンドは無料で資料資料請求する事が可能であり、資料請求した製品の比較表をダウンロードする事が可能です。社内検討する際に活用してみてください。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
無料トライアルがあるwebセミナーツール
無料で使えるWebセミナーツールを見ていきましょう。最初に紹介するのは無料トライアルが提供されている製品です。
《Cocripo》のPOINT
- 面倒な設定は不要!とにかく簡単にウェビナーを始められる!
- チャットやアンケート機能で双方向のコミュニケーションを実現!
- ウェビナー導入実績多数!初めての企業様でも安心のサポート体制
株式会社コクリポが提供。サービス開始から4年間で約5,000もの主催者に利用されてきた実績をもつウェビナーツールです。ウェビナーに特化していることを特徴とし、機能を絞り込むことで直感的な操作感が実現しています。国産ならではの充実したサポート体制も魅力です。利用規模に応じて複数のプランが用意されていますが、すべてのプランについて1ヶ月間のトライアルを利用できます。
《V-CUBE セミナー》のPOINT
- 官公庁、医療・製薬などで年間5,000件の配信実績あり
- オンラインイベント専用のスタジオやプロのスタッフを用意
- V-CUBE セミナー、Zoomなど多数のプラットフォームで配信可能
株式会社ブイキューブが提供。大企業や官公庁での導入実績が豊富な、大規模ウェビナーに適した製品です。同時に26,000デバイス・最大5,000拠点を接続できます。事前コンサルティング・会場のセッティング・本番中の対応・実施後のデータ測定など、徹底したサポートを受けられるのもメリットの一つです。
《Bizibl》のPOINT
- ウェビナー開催に必要な機能をワンストップで提供
- ウェビナーマーケティングの工数最小化を実現
- 開催効果の最大化までを手厚いサポートで伴走
株式会社Bizibl Technologiesが提供。個別商談や交流会など、セミナー配信後の関係構築へとシームレスにつながるのが特徴のツールです。分析機能にも秀でており、申込フォームの入力情報やイベント中のチャットログなどを一元的に管理できます。歩留まりの確認も可能で、WebセミナーのPDCAが効率化します。
《Adobe Connect》のPOINT
- 洗練されたデザイン機能でリッチな演出を実現
- 計画から配信、追跡まで網羅的にカバー
- eラーニングソリューションとしても利用可能
アドビ株式会社が提供。テキストや画像を駆使してリッチなコンテンツを作れます。ロゴやカラーを調節することでブランディングが可能です。ホワイトボードやトピックチャット・多次元投票など双方向コミュニケーション機能も充実し、視聴者と密な関係を構築できます。また、視聴者の反応を分析するエンゲージメントダッシュボード機能も特徴です。
無料で使えるwebセミナーツール
つづいて、期間制限なく無料で使用できるWebセミナーツールを紹介します。
Zoomミーティング
Zoomビデオコミュニケーションズが提供。10年以上にわたって利用され続け、高い知名度を誇る製品です。基本的にWebミーティング用の製品ですが、Webセミナーを含む対外向けイベントにも応用できます。一度に最大1,000名まで参加可能で、大規模なイベントにも対応可能です。
YouTube Live
Google社が提供。世界中のクリエイターによってさまざまなコンテンツが配信されている動画配信サービスを利用したプラットフォームです。エンターテインメント目的で利用されることの多いツールですが、コロナ禍の影響でビジネス利用されることも増えました。双方向コミュニケーションやアーカイブ機能に長けています。
Facebook Live
Meta Platforms社が提供。ライブ配信をFacebookストーリーズでシェアできるなど、SNSならではの強みをもったライブ配信ツールです。アンケートやリンクのシェア・共同配信機能など、ビジネスに応用可能な機能を豊富に備えています。有料オンラインイベントの開催も可能です。
Cisco Webex Meetings
シスコシステムズ社が提供。背景のノイズ除去やジェスチャーの認識機能など、高品質な通信が魅力のツールです。画面共有・録画・文字起こしといったビジネス利用に適した機能を豊富に備えています。Salesforce・Slack・Box・Twitterなど、外部ツールとの連携にも対応しています。
インスタライブ
Meta Platforms社が提供。利用者の多いライブ配信サービスで、高い人気をもつのが特徴です。ショップ関連の機能も充実していることから、ビジネスに利用される例も増えました。ウェビナー配信を通じてフォロワーを獲得し、双方向のコミュニケーションを取りながら関係を構築できます。
Skype
Microsoft社が提供。1対1の対話からグループディスカッションまで、幅広い用途に利用されているミーティングツールです。クリアな音質とHDビデオによる快適な通信が特徴です。画面共有やレコーディングなど、Webセミナーにも適した機能を搭載しています。
Clubhouse
Alpha Exploration社が提供。2020年に提供が始まったばかりのスマホアプリです。アメリカで誕生し、日本でも着々と知名度を高めています。音声SNSと呼ばれており、ルームを作成して音声のみのやり取りをすることが可能です。視覚情報を一切使わないため他のことをしながら聴くこともでき、参加するハードルの低さが魅力です。
webセミナーツールの無料トライアルを試してみよう!
無料のWebセミナーツールには、完全無料の製品と、無料トライアルが提供されている有料ツールが存在します。完全無料の製品は、以下の点で有料製品に劣る傾向にあります。
- ・参加者数
- ・制限時間
- ・通信の安定性
- ・サポート体制
- ・分析機能
ビジネスとして本格的にWebセミナーを導入するのであれば、有料ツールの検討をおすすめします。まずは無料トライアルから試してはいかがでしょうか。