クラウドサーバーの構築方法
まずは、クラウドサーバーを構築する3つのステップを見ていきましょう。
1.ネットワーク構成図を作成する
サーバーを構築する際には構築計画を立てる必要があるため、まず最初にネットワーク構成図を作成しましょう。
ネットワーク構成図とは、ネットワークを構成する各要素がどのように関係しているのかを示したものです。利用するサーバーの基盤になるため、慎重に作成します。
ネットワーク構成図には「物理構成図」と「論理構成図」の2種類があります。物理構成図は、サーバー周辺の物理的なネットワーク機器(LANケーブルやハードウェアなど)を図にしたものです。論理構成図は、ネットワークを使ってやり取りする情報の経路図です。サーバーに接続する機器も明確にしておきましょう。
2.必要なリソースの確認をする
ネットワーク構成図やサーバーの利用用途に応じて、サーバーに必要なリソースを確認してください。主なリソースはメモリ・CPU・ストレージなどです。サーバーの目的によって搭載するメモリやCPUは変わってくるでしょう。
クラウドサーバーを構築する場合は、自社でサーバーを用意するときと違い、リソースの増減を行いやすくなります。自社であればストレージの容量に応じてディスクを用意する必要がありますが、クラウドなら後で必要な分だけ手軽に追加できます。
3.自社で構築・あるいはマネージド・サービスを利用
サーバー構築に必要なものを洗い出し、計画を立てたら実際に構築していきます。基本的に自社のエンジニアがサーバーを構築するケースが多いですが、十分な知識や技術を持つ者がいないこともあるでしょう。
そのような場合は、構築や管理を外部に依頼する「マネージド・サービス」を利用する選択肢もあります。
自社のエンジニアがいる場合でも、マネージド・サービスを利用すれば業務負荷を削減できるでしょう。しかし、業務を依頼できる分、自社で構築・管理するよりもコストがかります。
マネージド・サービスを使った構築・運用方法と内製化のどちらを選ぶかは、予算や費用対効果を鑑みて決めましょう。
クラウドサーバーを構築する際のポイント
クラウドサーバーを構築する際には、サーバーを構築できるサービスを利用します。どのようなクラウド事業者・サービスを選ぶかでパフォーマンスは変わってきます。
ここからは、クラウドサーバーを構築するときに意識すべきポイントを見ていきましょう。
信頼性の高いサービス提供業者を選ぶ
クラウドサーバーを構築するときにもっとも重要なことは、セキュリティ強度が高く信頼できるサービスを選ぶことです。サービスの運用元がサーバーの管理を行うため、管理体制に脆弱性があれば情報漏えいなどの事故が発生してしまいます。
サーバーを構築する際には業者が行っているセキュリティ対策を、サービス仕様書や契約書でよく確認してください。災害対策を行っているデータセンターで管理されていれば、万が一の事態が発生しても安心です。
BCP対策以外にも、不正アクセスや情報漏えいなどの対策の品質もチェックしましょう。通信の暗号化や、OSやソフトウェアの脆弱性対策などを実施しているかどうかが重要です。
十分な容量やスペックを持つサーバーを使う
サーバーを選ぶときは利用料金に目が行きがちですが、価格だけでなく性能も重視しなければなりません。自社の目的や、想定される利用規模に合ったスペックのサーバーを選んでください。
たとえ、破格のクラウドサーバーを契約したとしても、少量のアクセスでエラーが出ては意味がありません。サーバーにはそれぞれ価格に合った性能があるため、構築計画の段階からスペックの目安を決めておきましょう。
マネージド・サービスという選択肢も
クラウドサーバーの場合、サーバーのOSまではサービス提供者が管理します。しかし、各システムの詳細な管理は自社で行わなければなりません。そこで、マネージド・サービスを利用すれば専任のエンジニアがいなくても運用でき、運用保守コストの削減につながります。
クラウドサーバーを構築する場合は、提供業者が行っているサポートの充実度を確認することも大切です。
ポイントを踏まえて、クラウドサーバーを構築しよう!
クラウドサーバーを利用すれば業務効率を向上できますが、構築には専門的な知識や技術が必要です。また、構築する目的に合ったスペックのサーバーを選んでください。
基本的に業者はサーバーのOSまでしか管理していないため、それ以外の部分の管理は自社で行わなければなりません。もし自社で運用管理が難しい場合はマネージド・サービスの利用もおすすめです。
ポイントを押さえて自社に最適なクラウドサーバーを構築しましょう。